全5件 (5件中 1-5件目)
1
![]()
著 者=リチャード・フォーティ(Richard A. Fortey)訳 者=渡辺政隆・野中香方子書 名=地球46億年全史原 題=The Earth An Intimate History 発行所=草思社発行年=2009.1評 価=★★★★★地球46億年全史前作「生命40億年全史」も名著であったが、本書もそれ以上の良書であった。ただし、562ページの大作であるので読了時間もそれなりにかかった。ただ何といっても、地質学の観点から地球物理全体を全史から説明する試みは、地質学の「聖地」(発見された場所や論争となった場所)を地球物理学上重要な場所として読者が本書を通じて巡る点が、斬新で分かり易くかつ興味を持って引き込まれる。本書は残念ながら、日本(およびその周辺)についてはほとんど語られていない。その点が逆に、一体日本の地質はどうなっているのだろうか・日本の地質学はどういう状況なのだろうかと後の読後感にもつながっていく。本書を読んではっきりとわかったことは、「地質学は好きだ」ということと「もっと知りたい」ということだ。こんな本に出会えることはそうめったにあることではない。必読で蔵書用の書物です。
2010.11.03
コメント(0)
![]()
著 者=勝間和代(かつま・かずよ)書 名=断る力発行所=文藝春秋 文春新書682発行年=2009.2評 価=★★★☆☆断る力本書もそうだが、勝間本を読む際には忍耐力と継続心がいる。その自慢話ばかりでむかつく心を押さえないと読み進められないからだ。今回、極力冷静になって、「いったいどこの文体・言い回しやメッセージ・表現方法がむかつく」のか平常心で分析してみた。これは本書の前半の大半が、「なぜ嫌われるのか」「嫌われることとはどういうことか」「嫌われることがいけないことか」などに費やされ、自身が嫌われていることを、反省はしてはいないだろうが自覚していることが読み取れた点が大きい。結論は以下のとおり。第1点:誰に向けたメッセージなのか分からない点仕事や日常生活での「頼まれごと」は、自分自身が実力を付けて自分にメリットのあることしか受け付けずその他は断りましょう。そのために本書で示すフレームワークを実践しましょうといった内容であるが、一体全体、ビジネスマンや専業主婦をいっしょくたにして誰に向けて説教あるいは御託を並べているいるのか全く理解できないこと。すなわち、「説明するフレームワークが、セグメンテーションされておらずかつターゲットマーケットに戦略的にフィットしていないこと」(この表現が理解できますか、勝間風に説明してみました)第2点:不必要に自分のキャリアをこれでもかと示す点例えばこういった表現。(P.188 転職の際の必要資格の話題で、)「・・・例えば、私がチェース銀行に転職する際に人事部長が評価したのは、・・・」。「外資系銀行」じゃあだめなんですか。一冊の本の中に異常なほど多数ある表現方法です。第3点:うまく言えないが言い回しの説教臭い「文体」以上の3点に気をつければ、ずいぶんとコアな読者も増えるのではないでしょうか。きっと、もっと本が売れてもっと成功すると思います。このメッセージが届くことを祈念しております。
2010.11.03
コメント(0)
![]()
著 者=ガブリエル・ウォーカー(Gabrielle Walker)監 修=川上伸一、訳 者=渡会圭子書 名=スノーボール・アース 生命大進化をもたらした全地球凍結原 題=Snowball Earth The story of the Great Global Catastrophe that Spawned Life as We Know It発行所=早川書房発行年=2004.2評 価=★★★★★スノーボール・アース前に「田近英一、凍った地球:スノーボールアースと生命進化の物語、新潮社、2009.1」を読んでいたが、もともとの主張者である本書もいつか読んでみたいと思っていた本である。”スノーボールアース”という言葉は、「プレートテクトニクス」や「利己的な遺伝子」と同様、とても語感が良く記憶に残り易い。地球物理学者でも地質学者・古生物学者でもない、一般の人の感じ方は、「地球の歴史は46億年と恐ろしく長いのだから、スノーボールアース:全球凍結が2・3回有ったって良いんじゃないの」といったものだろう。学者はそうはいかないらしい。「いつ・なぜ起きたのか」「そしていつ・なぜ解消したのか」「その後の生命はどうやって生き延び・大きな進化を遂げたのか」こういった点か解明されない限り、仮説のまま科学的論争となるらしい。その点、本書はスノーボールアース仮説が発生した経緯から、その論点がどのような証拠によって補強・解釈され、ほぼ間違いのない事実として今後どうなり・人類はどうすべきかまで踏み込んでまとめあげている。もうそろそろ仮説から理論に変わってもよさそうな気がする。非常に読みごたえのある良書であった。
2010.11.03
コメント(1)
![]()
著 者=今本博健(いまもと・ひろたけ)+「週刊SPA!」ダム取材班書 名=ダムが国を滅ぼす発行所=扶桑社発行年=2010.8評 価=★★★★☆ダムが国を滅ぼすこういった大企業や国など「強い者」を批判する書物は、往々にして無視されるかトンデモ本扱いをされる。著者や出版社が、不正を正す正義感や真実を告げる義侠心を持っているケースもあろうが、売名行為や売らんがための販売戦略のケースもあり、その境界線・デマケは読者である各個人の見識や理念でのみ判断されるものである。その点、本書であつかう「ダムのムダ」については、既に今年の民主党「事業仕分け第3弾」で大きく取り上げられたり、美味しんぼ104巻「食と環境問題」で取り上げられたりして、社会的認知度は高いものがある。もちろん実際に本書の主張の全てが正しいとは思わないし、片方の意見を反映しない一方的な主張が心を打つことはない。ただ、「もういいかげんダムだけを作り続けるのはやめて、必要な堤防強化をしましょうよ」というメッセージは核心でありその通りとは思う。興味深く読めた。
2010.11.03
コメント(0)
![]()
著 者=西垣通(にしがき・とおる)書 名=ネットとリアルのあいだ 生きるための情報学発行所=筑摩書房 ちくまプリマー新書123発行年=2009.12評 価=★★★☆☆ネットとリアルのあいだタイトルが非常に興味深く、読んでみた。期待していた内容は、ネットワールドとリアル社会の間の比較であり、またその間の社会論であったが、実際の内容は、ネットとリアルというよりも「人間と機械」か「生命論と情報学」の違いを述べるにとどまる中身であった。その点、少し物足りなく・期待はずれであった。また、サブタイトルの生きるための情報学もいただけない。もちろん、ネット社会が進展するにつれ、「人間の機械部品化」や「人間の情報処理機能化」を真剣に憂うる人も幾許かはいるであろうし、そのことが社会全体のいわゆる閉塞感の一要因になっているかもしれない。ただし、現実のリアルワールドでは、もっと泥臭いベタベタの人間関係や真剣な競争環境の方が重要だし・現実的である。むしろ、ちょっと著者の主張が、既に時代遅れで的を突いていないことが残念である気がしてならない。固めの大企業の研究者から大学教授になったキャリアがそのことを物語っているのかもしれない・・・。昔の偉い人が言った”理念なき戦略は無価値であり、戦略なき理念は危険である”ことをもじると、”理念なき主張は無意味であり、主張なき理念は空虚である”といったところかな。
2010.11.03
コメント(0)
全5件 (5件中 1-5件目)
1