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著 者=ピーター・D・ウォード(Peter Douglas Ward)訳 者=垂水雄二書 名=恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた原 題=OUT OF THIN AIR Dinosaurs, Birds, and Earth's Ancient Atmosphere発行所=文藝春秋発行年=2008.2評 価=★★★★★恐竜はなぜ鳥に進化したのか正直、とても面白く読めた。地球に動物が誕生した5億4200万年前のカンブリア紀から、現在に至る大気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度の推移のモデルから、動物の大量絶滅と進化および種の多様性について包括的に説明した本である。その主張の核心は三つあって、1. 酸素濃度の急激な低下が、種の絶滅をもたらす2. 酸素濃度が低い時に、種の異質性の増大をもたらす(大進化)3. 酸素濃度が高い時に、種の多様性の増大をもたらす(小進化)である。すなわち、酸素濃度の低下時に、大気中あるいは水中で動物体内に効率的に酸素を取り入れることのできた呼吸器官を持つ種のみが生き延びることができ、その後酸素濃度が高くなった時に、生き延びた効率的な呼吸器官を持つ種が大きな進化を促し、更に繁栄し多様化したとのことである。説得力がありとても納得のいく説明で、非常に感銘を受けた。突然、生物が進化するように見えるカンブリア紀の大爆発的のような進化がなぜ起こったのか、ドーキンスの言うように進化は漸進的に生じるのではないのか等、日頃ひっかかっていた疑問が解消されただけでも大きな価値があった。なお、おしむらくは、日本語題名が明らかに不適切な点、時に明らかな年代の間違い個所(P.250)がある点、図表なしで見たこともない動物の呼吸器官の説明を行う点など、少々不正確で不親切な記述が気になる。その辺を差し引いても大いに読むべき価値はある本である。
2010.07.18
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著 者=トーマス・フリードマン(Thomas L. Friedman)訳 者=伏見威蕃書 名=グリーン革命(上) 温暖化、フラット化、人口過密化する世界原 題=Hot, Flat, and Crowded発行所=日本経済新聞出版社発行年=2009.3評 価=★★★☆☆グリーン革命(上)増補改訂版フリードマンといえば、前作の「フラット化する世界」が名著で有名である。本書も、世界の動向を三つのキーワード(Hot, Flat, Crowded)から、エネルギーを再生可能エネルギーというグリーンに変革する必要があり、これは一筋縄ではいかずに「革命」が必要といった趣旨である。ただ、その主役は今でもエネルギーを浪費するアメリカであり、アメリカが先導してグリーン革命に金と人と技術を投入すべきであると主張する本である。この点、自分の母国アメリカ国民(あるいはオバマ政権)に対してのメッセージであり、世界全体の利益を考慮している訳ではない。この点が、読後の違和感につながり、全体を通じて、当たり前で退屈な「新聞や雑誌報道の転記集」と一面的かつ一方的な「有力者へのインタビュー発言集」をちりばめた、名作とは程遠い作品となり下がっている。今回は、上巻のグリーン革命の現状認識だけでの評価であるが、下巻はグリーン革命の具体的取組みを示すようであるので、少しは期待したい。
2010.07.18
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著 者=辻 惟雄(つじ・のぶお)書 名=奇想の図譜発行所=筑摩書房 ちくま学芸文庫発行年=2005.4評 価=★★★☆☆奇想の図譜ずっと前に金沢21世紀美術館に行った時に購入していたものを、最近読んでみた。普通の人間は、美術館に行けば芸術的な気分になったり、映画をみればその主人公に憧れる。この本もそういった理由で手に取ったもので、通常はめったに読まないジャンルである。日本における「かざり」や「からくり」で表現される絵画・工芸品は、すばらしい芸術家の作品が多数存在し、また日本独特であり、これからも大事にしていかなくてはならない、といった内容の本である。とはいえ、専門家である著者の細部へのこだわりに関して、素人から見てそれがどれほどの意味を持ち大事なのか、いまいちよく分からない。やはり専門分野や興味の対象が異なると、深い交流もできないのであろう。ただ、「好き」の反対は「嫌い」ではなく、「無関心」と言われるように、好きではない興味に対して、すくなくとも無関心ではないようにしていきたいものだ。
2010.07.18
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著 者=牛山泉(うしやま・いずみ)書 名=今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい 風力発電の本発行所=日刊工業新聞社発行年=2010.1評 価=(評価は適切でない)トコトンやさしい風力発電の本トコトンシリーズ、とても役に立ちます。世界で最初の風力発電はデンマークのポール・ラクールが創始者であったり、今日の風力発電の基礎を築いたのもデンマークのヨハネス・ユールであったり、日本での最初の系統連系は山形県立川町(現庄内町)の100kW風車であったり、小ネタも充実です。これも、旬な内に読みましょう。
2010.07.03
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筆 者=ウィリアム・パウンドストーン(William Poundstone)訳 者=松浦俊輔書 名=ビル・ゲイツの面接試験 富士山をどう動かしますか? HOW WOULD YOU MOVE MOUNT FUJI? Microsoft cult of the Puzzle HOW THE WORLD'S SMARTEST COMPANIES SELECT THE MOST CREATIVE THINKERS出版社=青土社発行年=2003.7評 価=★★★★☆マイクロソフト(やグーグル)が、超優秀な社員を面接試験で採用するに当たって、試験問題に解け(そうに)ないパズルで選択することを紹介した本であり、その意図と合わせて、パズル自体の問題とその答えをふんだんに記載した本である。なんで、昔の本ではあるがパズル本としても楽しめる。特に、パズルでは「未知あるいは未確定のことについては推論を控えてしまう」ウェイソン選択問題と、「IQ(知能指数)の概念を広めた人物」が、著名なスタンフォード大学ターマン電子工学者の父親で、スタンフォード大の心理学者ルイス・M・ターマンであり、その理由が息子の優秀さをはっきりさせるために広めたには驚いた。そういえば、細谷功「地頭力を鍛える」のフェルミ推定を読んでとても面白いと感じたのだが、こっちの本がネタ本でしたか・・・。ちょっとがっかり。でも、パズルって奥が深いもんだネエP.S本の表紙と裏表紙の著者名の英語表記が、Willian Poundsore になっている。意図的とは思えないが、そんなことを間違えることなんてありうるのだろうか
2010.07.03
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筆 者=山西均(やまにし・ひとし)書 名=大企業サラリーマン 生き方の研究出版社=日本経済新聞出版社発行年=2009.12評 価=★★★★☆大企業サラリーマン生き方の研究今の時代、とってもジャンルとして珍しい部類の本である。派遣切り、非正規雇用、ワーキングプア、貧困など、一時期相当吹き荒れた「下位層の問題」には全く背を向けて、「上位層の課題」を扱った本だからである。でも、もしかして、未来に振り返ると「2010年が社会の動きのターニング・ポイントだった」ってことになりえるのかも。本書の内容は、「会社は正社員を容易に解雇できないので、大企業にとってみれば社員は「負債」であり、社員からみれば雇用自体が会社の「債権」を持っていると考えられる。なので、社員もこの点を十分に意識して、個人個人仕事を頑張りましょう」ってな感じかな。現役の野村HDのグループHR(Human Resource:人事)企画室長が書いた出版本にしては、「早期退職制度(要は肩たたき)が望ましい」だの「正社員と契約社員の比率は、社会の淘汰(ダーウィン主義のような)で自然に最適割合が決まってくる」だの、組織人としてはとっても「危険な香り」がしすぎます。とはいえ、社会に与える「組織に属さない人々」の影響力と「大企業サラリーマン」の影響力は、リアルワールドでは圧倒的に後者なので、こういった類の本がたくさん世に出ることのほうが、世の中はより良くなっていく気はする。
2010.07.03
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書 名=フューチャリスト宣言筆 者=梅田望夫(うめだ・もちお)/茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)出版社=筑摩書房、ちくま新書656発行年=2007.5評 価=★★★☆☆フューチャリスト宣言もう3年も前の本ではあるが、梅田氏は非常に好きな著者であり、(逆に、茂木氏は嫌いな著者である)あらためて読んでみた。対談形式で話す内容としては、梅田氏については、著書のウェブ進化論・ウェブ時代5つの定理・ウェブ時代をゆく の内容で十分だし、茂木氏についても、意識のクオリアで十分だ。でも、二人が本当に気が合っているとなると、とても不思議な感じがする。とはいえ、ゆで卵の黄身は好きだが白身は嫌い、こんにゃくは嫌いだがはんぺんは嫌いではないこともあるので、納得しよう。ただ、こうした組織に属さないフリーの人って、勝間和代や福岡伸一、森永卓郎もそうだが、すごくうらやましい気持ちもある半面、どこか「いったい何者」って気持ちもある。勝手に「宣言」するのは良いですが、それがリアルワールドを動かすにはまだまだですよって感じかな。
2010.07.03
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書 名=やる気のスイッチ!筆 者=山崎拓巳(やまざき・たくみ)出版社=サンクチュアリ出版発行年=2008.12評 価=★★★☆☆やる気のスイッチ!こういった自己啓発本はめったに読まないのだが、タイトルが秀逸なので読んでみた。珍しく思ったほど嫌な感じのしない、きれいな内装で短時間で好意的に読めた。「昨日のやる気を、今日出せない人へ。がんばらずに、やる気を出す方法」といった、軽い感じがいい。そういえば、NHK教育番組の「ピタゴラスイッチ」も好きだし、東京電力CMの「Switch!」も好きだ。どうやら、自分はスイッチは好きなようだ。
2010.07.03
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