全10件 (10件中 1-10件目)
1
![]()
著 者=リチャード・フォーティ(Richard Fortey)訳 者=渡辺政隆書 名=生命40億年全史原 題=LIFE発行所=草思社発行年=2003.3評 価=★★★★★生命40億年全史ある程度の期間の生物の進化の歩みについて語った本は、これまで、気候モデルから生命進化の謎を扱った「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」(ピーター・ウォード)、カンブリア紀の生物大爆発を扱った「ワンダフル・ライフ」(スティーヴン・ジェイ・グールド)、地質学の観点から生命進化を扱った「凍った地球 スノーボールアースと生命進化の物語」(田近英一)、生命誕生からカンブリア紀までの生命進化を扱った「生命 最初の30億年」(アンドルー・ノール)がある。ただ、これらは、特定の期間の生命進化を扱ったものや、生命そのものでなく地質学側面や気象学側面から生命進化を扱った本である。この点、この本のように、生命の痕跡から人類誕生までの全ての生命の全史を扱った本は過去なかったように思える。本書は、生命誕生の経緯の面での考察こそが少ないものの、その質と量においてたぐい稀な本であることは確かである。しかも、筆者の文体は、単に羅列的に生命進化の様相を述べるのではなく、その時代時代の地球環境を豊富な知識と経験で持って細かに描写し、学会での最新結果や他の学者の対立意見等を踏まえつつ、時代を画する特徴的な事項をポイントを押さえて、筆者の考えをベースに記述した素晴らしい本である。また、事前に生命進化を扱った本を読んでいると、行間に込められた筆者の思い(例えば、筆者はグールドが嫌いなんだなとか、ドーキンスは無視しているんだなとか)がなんとなく分かって一層楽しめる本である。そういう意味で、本書は生命進化に関する本の「とっかかり本」ではなく、ある程度事前知識や学説を理解した上で読むべき本と言える。
2010.09.24
コメント(0)
![]()
著 者=山本直治(やまもと・なおはる)書 名=実は悲惨な公務員発行所=光文社 光文社新書340発行年=2008.3評 価=★★★★☆実は悲惨な公務員6年間の文部省でのキャリア経験と、その後の人材コンサルタントでの経験をもとに、世の中の公務員バッシングについて、その正当性の有無と実情を示した本であり、どちらかというと世の中的には珍しい、公務員擁護論である。とはいえ、表題にも意図があるように、全面的に擁護する訳でなく、正しい公務員バッシングの在り方を示した本とも言える。どちらかに偏る意見ではなく、客観的なデータや具体的数値をあげて官民の福利厚生・給与退職金などを比較するやり方は、好感がもてる。また、本書で指摘するように、本省のキャリア組と地方公共団体の清掃員を同じ公務員というレッテルでひと括りにすること自体に無理がある。公務員とて首になることはないとは言え、しょせんはサラリーマンであり、民間企業における人材の質や組織の軽重と同様に、上位層もあれば下位層もあるものなのだ。そういった当たり前のことを、(少しだけ謙虚に)当たり前であるとわざわざ言ってくれている本である。この意味で、ちょっとおかしい世の中を正常に戻す効果もある訳で、それなりに意味のある行為であると考える。
2010.09.24
コメント(0)
![]()
著 者=岡田斗司夫(おかだ・としお)書 名=いつまでもデブと思うなよ発行所=新潮社 新潮新書227発行年=2007.8評 価=★★★☆☆いつまでもデブと思うなよ新書にしては珍しいダイエット本ではあるが、さすがに芸能人のダイエット本は強く3年前のベストセラーである。内容は、レコーディング・ダイエットと名付けられた手法で、1年間に50kgやせたという実体験を元に書籍化した経験談の本である。こういった本のベストセラー黄金の3原則、 原則1. 自分を変える方法が意外と思わせるほど簡単なこと 原則2. 簡単そうに見えて何か意味が深そうに思わせること 原則3. そして簡単なことを実際やらないと効果がないと言い切ることが、ここにも見られる。文筆業のタレント本だけあって、これら原則の読者への刷り込みが執拗に繰り返されている。人物的には嫌いじゃないけどね・・・ただ、「見た目主義社会」の到来ときばって言っても、とても太っていることとやや太り気味なことの違いがあまり区別されていないので、この本のターゲット・セグメントの大部分の人には関係無いし心にも響かないのではなかろうか。それでも、やってみる価値はあるのではと思わせている所がにくい。
2010.09.24
コメント(0)
![]()
著 者=フィル・ローゼンツワイグ(Phil Rosenzweig)訳 者=桃井 緑美子書 名=なぜビジネス書は間違うのか -ハロー効果という妄想原 題=The Halo Effect発行所=日経BP社発行年=2008.5評 価=★★★★★なぜビジネス書は間違うのかハロー(後光)効果は、通常、上司が、仕事上の部下の成果評価を行う際に最も気をつけなければならない事項の一つと呼ばれている。すなわち、テキパキと仕事をこなし「デキルヤツ」という思い込みが、その被評価者の良い点も悪い点も、全ての面の項目でデキルように評価してしまう罠のようなものである。このハロー効果が、会社・企業そのものの評価においても、ビジネス書で現れてしまうことの間違いを指摘した本である。特に、ベストセラーの「ビジョナリー・カンパニー」と「エクセレント・カンパニー」については徹底的にその分析が間違いであることを指摘した、衝撃的な本である。いずれにせよ、企業の好業績の原因について「わかるのはほんの少しで、あとは知らないことだらけ」と言うのが実態であり、これが本質だ・これが理由だと言うことが非常に危険であるとした、もっともな主張である。また、分析手法についても、相関関係があれば因果関係があるように思われるが、実際は「相関性は因果関係の仮説を立てるには使えるが、相関性そのものからは何も分からない」ことを肝に銘じるべきであると、これまた正論でもっともな主張である。実際、「ビジョナリー・カンパニー1,2」も「エクセレント・カンパニー」も読んだことがあるが、その読後の”胡散臭さ”の正体がはっきりしたことで、本書は十二分に役に立った。また、次のフレーズも腹に落ちる。曰く、「企業にとって大事なことは二つ。戦略の選択とその実行である。・・・戦略とは、目標でも目的でもない。ビジョンでもなければ、ミッションでもステートメントでもない。決定的なところで、ライバル企業と差をつけることである・・・」。素晴らしい、要は、どんな企業にも当てはまる要因や秘訣はないのであって、その企業の置かれた状況から刻々と変わる変化に対応したうえで、ライバル企業と差を設ける選択することが大事なのだ。久々に、大変興味深く・面白いビジネス書である。
2010.09.18
コメント(0)
![]()
著 者=春名 徹(はるな・あきら)書 名=北京 -都市の記憶発行所=岩波書店 岩波新書(新赤版)1126発行年=2008.4評 価=★★★☆☆北京初の中国・北京訪問にガイドブック代わりに読んだ。都市の歴史は、いずこもそれなりにはあるだろうが、やはり北京は3000年の歴史だけあって別格のような気がする。あちこちに、それなりに古い金・元・宋・明・清の時代の遺跡はもとより、もっと古い殷・周・秦・漢・隋・唐もあるのだから驚かされる。本書はもちろん、旅行者のガイドブックとしては適切ではないが、都市の過去の歴史を知るには十分な情報を与えてくれた。一つの都市の歴史が、一冊の本になるのだから驚きだ。
2010.09.18
コメント(0)
![]()
著 者=トーマス・フリードマン(Thomas L. Friedman)訳 者=伏見威蕃書 名=グリーン革命(下) 温暖化、フラット化、人口過密化する世界原 題=Hot, Flat, and Crowded発行所=日本経済新聞出版社発行年=2009.3評 価=★★★☆☆グリーン革命(下)増補改訂版下巻は、グリーン革命の具体方策が書かれたものだが、メッセージは全てアメリカ国民とアメリカ政府に向けたものである。従って、現状認識は全てアメリカの電力事情・ガソリン燃料事業、アメリカ人の環境意識、アメリカの政策の不十分さに基づく分析であり、この認識に基づくグリーン革命への具体的提言である。いわく、全てをみんなでいつでもグリーンにという訳だ。すなわち、「速く進みたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」(アフリカの諺)ということのようだ。アメリカ人以外の人が読んでもそれほどご利益のない本である。(合掌)
2010.09.11
コメント(0)
![]()
著 者=辻 惟雄(つじ・のぶお)書 名=奇想の系譜発行所=筑摩書房 ちくま学芸文庫発行年=2004.9評 価=★★★☆☆奇想の系譜日本における奇想の画家6人を取り上げ、その画への発想の豊かさと斬新さを世に広めた本の文庫版である。その画家とは、岩佐又衛門、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳の6人である。個人的には、若冲が一番面白いかな・・・。本書では、多くの図画の写真(主に白黒)が掲載されており、カラーだったらもっと感動したかも。それにしても、不思議な絵ばかりで驚かされる。
2010.09.11
コメント(0)
![]()
著 者=春日真人(かすが・まさひと)書 名=NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影発行所=日本放送出版協会発行年=2008.6評 価=★★★☆☆100年の難問はなぜ解けたのか本書は、1904年に提唱された世紀の難問「ポアンカレ予想」を2006年に証明した、天才数学者グリゴリ・ペレリマン博士の生涯と、ポアンカレ予想にまつわるの数学者の物語であり、過去放送されたNHKスペシャルの裏話・備忘録的な位置づけの本である。それにしても、フェルマーの最終定理を証明したワイルズにしても、ケプラー予想(最密充填方法)を証明したトム・ヘールズにしても、難問に取組む人々やその周辺の人々にまつわる物語は実話なだけに中身が非常に濃く、複雑怪奇であるが、たまらなく面白い。不思議なものだ。
2010.09.11
コメント(0)
![]()
著 者=石谷孝佑(いしたに・たかすけ)、水口眞一(みなくち・しんいち)、大須賀弘書 名=今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい 包装の本発行所=日刊工業新聞社発行年=2010.6評 価=(評価は適切でない)トコトンやさしい包装の本包装の目的、包装の材料、包装物、包装機・包装システム、機能性包装・・・内容はすべて「包装の本」である。ちょっと業界が違うと、目新しいんだが、まったくもって頭に入ってこない。そんなもんなんでしょうね・・・
2010.09.11
コメント(0)
![]()
著 者=安田亘宏(やすだ・のぶひろ)書 名=「澤の屋旅館」はなぜ外国人に人気があるのか発行所=彩流社発行年=2010.2評 価=★★★☆☆「澤の屋旅館」はなぜ外国人に人気があるのか東京の下町、谷中の「澤の屋旅館」は、築40年の12部屋しかない家族経営の日本旅館ではあるが、年間部屋稼働率95%、宿泊外国人比率90%の奇跡的な旅館である。本書は、この澤の屋旅館とその主人、澤功(さわ・いさお)氏が、現在に至るまでたどってきた道を各種宿泊者データを示しながら、なぜこうなったのかを解き明かした本である。要は、1980年代までの地方からの修学旅行生の受け入れが激減し、やむを得ず日本に旅行に来る個人手配外国人を相手に変え、日本旅館の良さの維持と外国人対応の変化の紆余曲折をたどりながら現在に至っているということである。驚くべきことに、そこには全く斬新なやり方や将来を見据えたビジョン、用意周到さなど微塵もないことである。すなわち、そのくらい少々の勇気さえあれば、だれでもやれるのではと思わせる点である。もちろん、ノウハウや言葉にできない微妙な工夫も多々あるにはあると思う。でも、ひょっとしたらと、一所懸命に事にあたれば、どんなことでもだれにでもできるという希望を持てることを示したことこそがすばらしいと思う。
2010.09.11
コメント(0)
全10件 (10件中 1-10件目)
1
![]()

