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風邪を引いてしまいました。ブログの更新は1週間ほどお休みします。それでは。
2018.03.31
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遠藤 浩・川井 健 編『民法基本判例集』[第三版補訂版](勁草書房,2014)544頁※第4版は2020年9月発売※最新版は2024年2月発売の第5版元学習院大学名誉教授の遠藤浩元名誉教授と元一橋大学名誉教授の川井健博士の編集による基本書。債権法改正には対応していません。427件の判例が収録されています。本書は,縦書きで,各判例にコンパクトな解説が付いています。なお,書籍の大きさはダットサンと同じB6判(四六判)です。本書はダットサンの姉妹書の判例集なので,ダットサンとの相性は抜群でしょう。ダットサンを基本書にしている人にとっては,必携の判例集だと思います。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.29
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内田 貴・山田誠一・大村敦志・森田宏樹『民法判例集 総則・物権』[第2版](有斐閣,2014)416頁※最新版は2026年3月発売の第3版瀬川信久・内田 貴・森田宏樹『民法判例集 担保物権・債権総論』[第3版](有斐閣,2014)408頁※最新版は2023年9月発売の第4版瀬川信久・内田 貴『民法判例集 債権各論』[第3版](有斐閣,2008)392頁※最新版は2020年4月発売の第4版内田 貴・水野紀子・大村敦志・道垣内弘人『民法判例集 親族・相続』(有斐閣,2014)396頁総則・物権の編者は,東京大学名誉教授の内田貴博士,神戸大学法科大学院教授の山田誠一教授,東京大学法科大学院教授の大村敦志教授,同じく東京大学法科大学院教授の森田宏樹教授の4名です。担保物権・債権総論の編者は,北海道大学名誉教授の瀬川信久博士,内田博士,森田教授の3名です。債権各論は,瀬川博士と内田博士の共著です。親族・相続の編者は,内田博士,東北大学法科大学院教授の水野紀子教授,大村教授,東京大学法科大学院教授の道垣内弘人教授の4名です。4冊とも債権法改正には対応していません。総則・物権には,総則について131件,物権について74件,合計で205件の判例が収録されています。担保物権・債権総論には,担保物権について72件,債権総論について114件,合計で186件の判例が収録されています。債権各論については,収録判例数は分かりません。親族・相続には,親族について84件,相続について83件,合計で167件の判例が収録されています。本書は,判決文・決定文の引用が比較的長く,端的で短い解説も付されています。とりわけ内田民法シリーズや大村新基本民法シリーズとの相性が良いと思います。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.28
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松本恒雄・潮見佳男 編『判例プラクティス 民法Ⅰ 総則・物権』(信山社,2010)424頁※最新版は2022年5月発売の第2版松本恒雄・潮見佳男 編『判例プラクティス 民法Ⅱ 債権』(信山社,2010)424頁※最新版は2023年9月発売の第2版松本恒雄・潮見佳男 編『判例プラクティス 民法Ⅲ 親族・相続』(信山社,2010)212頁※最新版は2020年12月発売の第2版通称判プラの民法。一橋大学名誉教授・国民生活センター理事長の松本恒雄名誉教授と京都大学法科大学院教授の潮見佳男博士の編集による判例集。債権法改正には対応していません。Ⅰに393件,Ⅱに399件,Ⅲに197件の判例が収録されています。民法の判例は重要なものに限定してもかなりの数があるので,私は,民法の判例集としては本書ぐらいの収録判例数が必要だと思います。そう考えて,憲法と同じく民法も判プラをメインの判例集に選んだのですが,現時点で多少古くなってきてしまっているので,まだ購入には至っていません。今後,債権法改正に対応した改訂版が出版されたら入手しようと考えています。最後に,参考までに執筆者一覧を挙げておきます。『判例プラクティス 民法Ⅰ 総則・物権』執筆者一覧青木則幸・赤松秀岳・秋山靖浩・生熊長幸・池田清治・池田恒男・池田雅則・石川優佳・石口 修・石田 剛・石松 勉・五十川直行・伊藤栄寿・今西康人・岩藤美智子・上田誠一郎・上野達也・宇佐見大司・牛尾洋也・臼井 豊・占部洋之・大久保邦彦・大澤 彩・大中有信・大場浩之・岡林伸幸・岡本詔治・奥冨 晃・尾島茂樹・加賀山 茂・梶山玉香・鹿野菜穂子・上谷 均・河上正二・北居 功・北山修悟・清原泰司・草野元己・久保宏之・熊谷士郎・桑岡和久・合田篤子・小粥太郎・古積健三郎・後藤巻則・後藤元伸・小山泰史・三枝健治・齋藤由起・酒井 一・坂口 甲・佐賀徹哉・佐々木典子・潮見佳男・七戸克彦・清水恵介・下村信江・下村正明・杉山悦子・鈴木清貴・角田美穂子・関 武志・副田隆重・髙田 淳・髙橋智也・滝沢昌彦・瀧 久範・武田直大・多治川卓朗・田髙寛貴・多田利隆・田中淳子・田中英司・田中克志・田中教雄・田中康博・谷本圭子・玉樹智文・田山輝明・千葉恵美子・辻 伸行・都筑満雄・鶴藤倫道・寺川 永・道垣内弘人・鳥谷部茂・鳥山泰志・中島秀二・中田邦博・中西 正・中野邦保・中村哲也・中舎寛樹・中山知己・名津井吉裕・難波譲治・西村正喜・野田和裕・野々村和喜・馬場圭太・林 幸司・原田 剛・半田吉信・福井 修・藤本利一・舟橋秀明・堀田親臣・本間靖規・増成 牧・松岡久和・松尾 弘・松久三四彦・松本克美・松本浩平・丸山英氣・宮澤俊昭・宮下修一・宮本健蔵・武川幸嗣・村田大樹・村田博史・安井 宏・矢田尚子・山下純司・山田創一・山本敬三・山本 豊・油納健一・良永和隆・吉永一行・渡邉 拓・和田安夫 『判例プラクティス 民法Ⅱ 債権』執筆者一覧青野博之・天野佳洋・石川博康・石崎泰雄・一木孝之・犬伏由子・岩藤美智子・上田貴彦・宇佐見大司・遠藤研一郎・近江幸治・大塚 直・大中有信・大西邦弘・大森文彦・小賀野晶一・奥冨 晃・小野秀誠・笠井 修・樫見由美子・梶山玉香・片山直也・金子宏直・鎌野邦樹・上山 泰・亀岡倫史・川地宏行・城内 明・北居 功・久須本かおり・工藤祐厳・小池 泰・小杉茂雄・近藤雄大・坂口 甲・坂本武憲・佐藤岩昭・潮見佳男・執行秀幸・新堂明子・須加憲子・杉本好央・角田美穂子・曽野裕夫・田井義信・髙嶌英弘・髙橋 眞・滝沢昌彦・多治川卓朗・田中康博・辻上佳輝・常岡史子・円谷 峻・手嶋 豊・寺沢知子・遠山純弘・鳥山泰志・中野邦保・中村哲也・中村 肇・中舎寛樹・名津井吉裕・新美育文・西 希代子・西原慎治・野澤正充・野田和裕・野々村和喜・橋口賢一・橋本恭宏・橋本佳幸・長谷川貞之・花立文子・花本広志・早川眞一郎・早川 徹・林 誠司・原田 剛・原 恵美・坂東俊矢・姫野学郞・平田健治・平野裕之・深川裕佳・深谷 格・福田誠治・藤井徳展・藤田寿夫・藤原正則・本田純一・本多正樹・前田陽一・松井和彦・松浦以津子・松川正毅・松本克美・松本恒雄・丸山英氣・水野 謙・三林 宏・宮澤俊昭・村田大樹・村田利喜弥・森永淑子・森山浩江・矢田尚子・山口成樹・山口康夫・山田到史子・山田 希・山本貴揚・山本哲生・湯川益英・吉岡伸一・吉田光碩・吉村良一・四ッ谷有喜・和田真一・渡辺達徳・渡邉知行『判例プラクティス 民法Ⅲ 親族・相続』執筆者一覧青竹美佳・石畝剛士・石田 剛・伊藤昌司・伊藤 司・犬伏由子・岩志和一郎・牛尾洋也・浦野由紀子・大島俊之・大西邦弘・大村敦志・緒方直人・岡部喜代子・小川富之・奥山恭子・梶村太市・勝田信篤・門広乃里子・金子宏直・金子敬明・鹿野菜穂子・神谷 遊・川 淳一・川田 昇・木下孝治・許 末恵・窪田充見・久保野恵美子・神田 桂・合田篤子・木幡文德・小山 剛・佐上善和・櫻田嘉章・潮見佳男・冷水登紀代・鈴木一夫・鈴木博人・瀬川信久・千藤洋三・副田隆重・田井義信・竹中智香・田中淳子・田中通裕・棚村政行・常岡史子・椿 久美子・徳田和幸・床谷文雄・中川忠晃・中原太郎・中村 恵・西 希代子・幡野弘樹・羽生香織・平林美紀・福永礼治・松尾知子・松川正毅・松原正明・松本恒雄・水野貴浩・水野紀子・南方 暁・宮本誠子・本澤巳代子・本山 敦・柳 勝司・山口亮子次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.27
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潮見佳男『民法(全)』(有斐閣,2017)726頁※第2版は2019年3月発売※第3版は2022年3月発売※最新版は2025年3月発売の第3版補訂版京都大学法科大学院教授の著者による基本書。著者は,2015年から2017年まで京都大学大学院法学研究科長および同大学法学部長を務めており,旧司法試験の考査委員の経験もあります。今般の債権法改正には,法制審議会民法(債権関係)部会の幹事として深く関わっていました。債権法改正に対応しています。現在のところ,債権法改正に対応した民法の1冊本の選択肢は,実質的にこの本一択でしょう。以前は,民法の1冊本としては,川井 健『民法入門』[第7版](有斐閣,2012)582頁も人気がありましたが,著者がすでに鬼籍に入られているので,本人による債権法改正に対応した改訂の見込みはもうありません。なお,債権法改正民法施行前に短期合格を目指す受験生が民法の1冊本を選ぶのであれば,上記川井『民法入門』か,あるいは,潮見佳男『入門民法(全)』(有斐閣,2007)568頁がよいと思います。ちなみに,川井『民法入門』も潮見『入門民法(全)』も書名に“入門”が含まれていますが,この2冊は一通り勉強が終わった人が使う民法の“再入門”書であり,主にまとめ本の用途において効果を発揮するものなので,全くの初学者が1冊目に読む入門書には適さないと思います。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.25
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佐久間 毅・石田 剛・山下純司・原田昌和『民法Ⅰ 総則(LEGAL QUEST)』[第2版](有斐閣,2018)370頁※最新版は2020年3月発売の第2版補訂版石田 剛・武川幸嗣・占部洋之・田髙寛貴・秋山靖浩『民法Ⅱ 物権(LEGAL QUEST)』[第2版](有斐閣,2017)452頁※第3版は2019年11月発売※最新版は2022年3月発売の第4版手嶋 豊・藤井徳展・大澤慎太郎『民法Ⅲ 債権総論(LEGAL QUEST)』(有斐閣,2022)434頁曽野裕夫・松井和彦・丸山絵美子『民法Ⅳ 契約(LEGAL QUEST)』(有斐閣,2021)446頁橋本佳幸・大久保邦彦・小池 泰『民法Ⅴ 事務管理・不当利得・不法行為(LEGAL QUEST)』(有斐閣,2011)386頁 ※最新版は2020年3月発売の第2版前田陽一・本山 敦・浦野由紀子『民法Ⅵ 親族・相続(LEGAL QUEST)』[第4版](有斐閣,2017)492頁※第5版は2019年6月発売※第6版は2022年3月発売※第7版は2024年3月発売※最新版は2025年9月発売の第8版通称リークエの民法。Ⅰの著者は,京都大学名誉教授・同志社大学法科大学院教授の佐久間毅博士,一橋大学法科大学院教授の石田剛博士,学習院大学法学部教授の山下純司教授,立教大学法学部教授の原田昌和教授の4名です。Ⅱの著者は,一橋大学法科大学院教授の石田剛博士,慶應義塾大学法学部教授の武川幸嗣教授,関西大学法科大学院教授の占部洋之教授,慶應義塾大学法学部教授の田髙寛貴博士,早稲田大学法科大学院教授の秋山靖浩教授の5名です。Ⅲの著者は,神戸大学法科大学院教授の手島豊教授,大阪市立大学法学研究科准教授の藤井徳展准教授,早稲田大学法学部教授の大澤慎太郎博士の3名です。Ⅳの著者は,北海道大学法科大学院教授の曽野裕夫教授,大阪大学法科大学院教授の松井和彦博士,慶應義塾大学法学部教授の丸山絵美子博士の3名です。Ⅴの著者は,京都大学法科大学院教授の橋本佳幸博士,大阪大学大学院国際公共政策研究科教授の大久保邦彦教授,九州大学法科大学院教授の小池泰教授の3名です。Ⅵの著者は,立教大学法科大学院教授の前田陽一教授,立命館大学法学部教授の本山敦教授,神戸大学法科大学院教授の浦野由紀子教授の3名です。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳは債権法改正に対応しています。Ⅴ(初版)は債権法改正には対応していません(※第2版は対応しています)。2010年に刊行が始まった全6巻の本シリーズですが,(※2018年3月末時点で)未だ完結していません(※2022年4月完結)。Ⅲの債権総論とⅣの契約法がまだ出版されていないのは,おそらく債権法改正の影響でしょう(※Ⅳは2021年12月発売,Ⅲは2022年4月発売)。本シリーズの中ではⅥの評判が非常に良く,親族・相続の基本書の中で司法試験受験生の愛用者が最も多い本のようです。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.24
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窪田充見『不法行為法 民法を学ぶ』[第2版](有斐閣,2018)560頁窪田充見『家族法 民法を学ぶ』[第3版](有斐閣,2017)632頁※最新版は2019年12月発売の第4版神戸大学法科大学院教授の著者による基本書。著者は,男性で,2011年から2013年まで神戸大学大学院法学研究科長および同大学法学部長を務めていました。『不法行為法』は債権法改正に対応しています。本書は,2冊とも本文は設例方式で記述されており,比較的高度な内容が含まれています。債権各論の分野では薄い基本書が主流のようなので,『不法行為法』の方は専ら参考書として使うのが一般的だと思います。他方,『家族法』の方は基本書として使っても参考書として使ってもよいでしょう。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.23
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潮見佳男『プラクティス民法 債権総論』[第4版](信山社,2012)696頁※第5版は2018年7月発売※最新版は2020年4月発売の第5版補訂潮見佳男『基本講義 債権各論Ⅰ 契約法・事務管理・不当利得』[第3版](新世社,2017)416頁※第4版は2022年2月発売※最新版は2025年3月発売の第4版補訂版潮見佳男『基本講義 債権各論Ⅱ 不法行為法』[第3版](新世社,2017)280頁※第4版は2021年11月発売※最新版は2025年3月発売の第4版補訂版京都大学法科大学院教授の著者による基本書。著者は,2015年から2017年まで京都大学大学院法学研究科長および同大学法学部長を務めており,旧司法試験の考査委員の経験もあります。今般の債権法改正には,法制審議会民法(債権関係)部会の幹事として深く関わっていました。『プラクティス民法 債権総論』は債権法改正には対応していません。『基本講義 債権各論Ⅰ・Ⅱ』は債権法改正に対応しています。『プラクティス民法 債権総論』は,中田『債権総論』と同じくらい人気のある1冊で,“CASE 〇”という設例を基点に記述が展開されるスタイルを採っています。また,要件事実に対する配慮も十分に払われています。なお,本書は債権法改正には対応していませんが,著者は,債権法改正に対応した潮見佳男『新債権総論Ⅰ(法律学の森)』(信山社,2017)906頁潮見佳男『新債権総論Ⅱ(法律学の森)』(信山社,2017)864頁という大部2冊をすでに出版しているので,『プラクティス民法 債権総論』の方もそのうち改訂されることでしょう。※追記2018年7月に債権法改正に対応した第5版が発売されました。『基本講義 債権各論Ⅰ・Ⅱ』の2冊は,潮見イエローと呼ばれており,債権法改正に対応しています。債権各論の分野では,司法試験受験生の間で,現在,最も人気のある基本書のようです。ただ,法定債権の分野をまとめるなら,契約法と事務管理・不当利得・不法行為に分けるのが自然だと思うのですが,本書は契約法・事務管理・不当利得と不法行為に分けています。これは分量のバランスの問題によるものなのか,その理由は分かりませんが,この点は他の基本書には見られない独特なところです(ちなみに,他には弘文堂NOMIKAシリーズが同じ分冊の仕方を採っています)。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.21
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中田裕康『債権総論』[第三版](岩波書店,2013)650頁※第四版は2020年10月発売※最新版は2025年3月発売の第五版中田裕康『契約法』(有斐閣,2017)646頁※最新版は2021年10月発売の新版東京大学名誉教授および一橋大学名誉教授で,現在は早稲田大学法科大学院教授の著者による基本書。『債権総論』は,巻末で債権法改正の中間試案に対応していますが,本文は債権法改正には対応していません。『契約法』は債権法改正に対応しています。『債権総論』は,現在,最も司法試験受験生の支持を集めている基本書のようです。民法の他の分野の基本書は比較的コンパクトなものが好まれる傾向があるのに対して,本書が650頁もの分量があるにもかかわらず好評なのは,それだけ本書の出来が良いことの証左だと思います。今のところ,債権法改正に対応した改訂の情報は耳にしていませんが,著者もまだ現役ですし,今後,おそらく改訂されることでしょう。※追記2020年10月に債権法改正に対応した第四版が刊行されました。『契約法』は,執筆期間20年にも及ぶ著作で,基本書としても参考書としても使える本だと思います。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.20
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道垣内弘人『担保物権法』[第4版](有斐閣,2017)410頁東京大学法科大学院教授の著者による担保物権の基本書。著者は,担保物権法の分野における現在の第一人者と言える人物で,旧司法試験の考査委員を務めていた経験もあります。債権法改正に対応しています。本書は,高度な理論が展開されている担保物権の体系書で,著者の自説が色濃く反映された内容になっています。もっとも,安定感のある記述には非常に信頼が置けるので,司法試験の受験勉強にも安心して用いることができると思います。民法の各分野の著者が異なっても気にならない人は基本書として使ってもよいでしょうし,私のように単著に拘る人は参考書として使ってもよいでしょう。なお,著者は,担保物権法のほかに信託法も専門としているので,道垣内弘人『信託法』(有斐閣,2017)480頁道垣内弘人 編著『条解 信託法』(弘文堂,2017)1048頁といった本も出しています。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.18
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松井宏興『物権法』(成文堂,2017)296頁※最新版は2020年12月発売の第2版松井宏興『担保物権法』[補訂第2版](成文堂,2011)258頁※最新版は2019年4月発売の第2版松井宏興『債権総論』(成文堂,2013)342頁※最新版は2020年2月発売の第2版甲南大学名誉教授の著者による基本書。著者は,担保物権,その中でも抵当権の研究を専門分野としており,2001年に甲南大学から関西学院大学に異動した後,法科大学院でも教鞭を執っておられましたが,2016年に定年退職しました。3冊とも債権法改正には対応していません。3冊の中では『担保物権法』が頗る好評で,現在,おそらく司法試験の受験生の間で最も人気を博している担保物権の基本書でしょう。また,コンパクトな基本書を好む受験生の中には本書を3冊とも基本書にしている人も多くいるようです。なお,著者がすでに退職しているためなのか,古稀を迎えて高齢になったためなのか,その理由は定かではありませんが,今のところ,今後の改訂の予定はないとのことです。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。※追記(2020年1月21日)2019年(平成31年)4月に『担保物権法』の第2版が刊行されました。2020年(令和2年)2月に『債権総論』の第2版が刊行される予定です。
2018.03.17
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河上正二『民法総則講義』(日本評論社,2007)664頁河上正二『物権法講義』(日本評論社,2012)410頁河上正二『担保物権法講義』(日本評論社,2015)472頁元東京大学法科大学院教授で,現在は青山学院大学法科大学院教授の著者による基本書。3冊とも債権法改正には対応していません。本書は,法学セミナーでの連載が書籍化されたもので,判例・通説をしっかり解説したうえで私見を論じるスタイルで記述されており,特徴として,歴史的沿革の説明,比較法的視点からの考察,法諺の引用などが挙げられます。また,民法の他の分野や手続法,関連法への配慮も十分に行き届いています。本シリーズも山本民法講義シリーズと同様に私の好みに合っているので,もしも親族・相続まで完結していたら基本書に選んでいたかもしれません。なお,法学セミナーの2012年4月号から著者による債権法講義の連載が始まり,今もなお続いているので,これも後々書籍化される可能性が高いと思います。ちなみに,著者による初学者向けの入門書として,河上正二『民法学入門 民法総則講義・序論』[第2版増補版](日本評論社,2014)391頁があります。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.15
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山本敬三『民法講義Ⅰ 総則』[第3版](有斐閣,2011)684頁※最新版は2026年4月発売の第4版山本敬三『民法講義Ⅳ-1 契約』(有斐閣,2005)852頁京都大学法科大学院教授の著者による基本書。2冊とも債権法改正には対応していません(※Ⅰは第4版では対応しています)。本書は,黒と青の2色刷りで,図が多用されており,とりわけ要件事実に配慮した記述に特徴があります。判例,学説,論点のいずれについても網羅性が高く非常に情報量が多いので,私の好みにぴったり合致しています。もっとも,一般的には基本書よりも参考書として使用する方が適していると思います。なお,真偽のほどは不明ですが,著者は総則の出版(初版は2001年に出版)から20年かけてシリーズを完結させる予定であるという話を聞いたことがあり,もしも現時点で全巻出版されていたら基本書に選んでいたかもしれません。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.14
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佐久間 毅『民法の基礎1 総則』[第4版](有斐閣,2018)490頁※最新版は2020年4月発売の第5版佐久間 毅『民法の基礎2 物権』(有斐閣,2006)338頁※第2版は2019年4月発売※第3版は2023年3月発売※最新版は2026年3月発売の第4版京都大学名誉教授で,現在は同志社大学法科大学院教授の著者による基本書。1は債権法改正に対応しています。本書の判例・通説の見解を中心に展開される記述には定評があり,総則と物権(担保物権を除く)の分野では,現在,おそらく司法試験の受験生の間で最も人気を集めている基本書でしょう。私は,総則と物権は近江民法講義シリーズで十分対応できると思ったので,流行に乗じて選ぶことはしませんでした。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.13
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2011年3月11日に東日本大震災の被害に遭われた犠牲者の方々に向けて謹んで哀悼の意を捧げます。
2018.03.11
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我妻 榮・有泉 亨・川井 健『民法1 総則・物権法』[第三版](勁草書房,2008)616頁※最新版は2021年5月発売の第4版我妻 榮・有泉 亨・川井 健『民法2 債権法』[第三版](勁草書房,2009)552頁※最新版は2022年12月発売の第4版我妻 榮・有泉 亨・遠藤 浩・川井 健『民法3 親族法・相続法』[第三版](勁草書房,2013)464頁※第4版は2020年3月発売※最新版は2024年2月発売の第5版通称ダットサン。1・2の著者は,元東京大学名誉教授の我妻榮博士,同じく元東京大学名誉教授の有泉亨博士,元一橋大学名誉教授の川井健博士の3名で,3の著者は,その3名に元学習院大学名誉教授の遠藤浩元名誉教授を加えた4名です。著者は,4名とも鬼籍に入られています。3冊とも債権法改正には対応していません。本書は,縦書きで図表はなく,3冊で合計1632頁の分量があります。もっとも,本のサイズがB6判(四六判)なので思ったほど分量は多くありません。私は,伝統的通説(我妻説)の考え方を知るという目的のために手頃な価格の参考書として本書を購入したのですが,ほとんど結論しか記されていないので買って失敗したと感じました。だからといって,今さら我妻民法講義シリーズを全巻揃えようとも思いません。一般的な基本書には,大抵,通説(我妻説)の見解が載っているので,司法試験の受験勉強にはそれで十分だろうと考えを改めた次第です。なお,本書は債権法改正には対応していませんが,根強い人気があるシリーズなので,今後,債権法改正に対応した改訂があるようです(勁草書房編集部Twitter参照)。ネット上には2018年5月に専修大学法科大学院教授の良永和隆教授と中央大学法科大学院教授の笠井修教授による1・2の改正法対応版が出版されるという噂も出ているようですが,本当かどうかは分かりません。※追記1結局,5月に改訂版は出版されませんでした。※追記2次回の改訂では,1は鎌田薫前早稲田大学総長,2は岡孝教授と沖野眞已教授,3は野村豊弘博士がそれぞれ担当されるそうです(勁草書房編集部Twitter参照)。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.11
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川井 健『民法概論1 民法総則』[第4版](有斐閣,2008)412頁川井 健『民法概論2 物権』[第2版](有斐閣,2005)536頁川井 健『民法概論3 債権総論』[第2版補訂版](有斐閣,2009)404頁川井 健『民法概論4 債権各論』[補訂版](有斐閣,2010)572頁川井 健 著・良永和隆 補訂『民法概論5 親族・相続』[補訂版](有斐閣,2015)266頁元一橋大学名誉教授の著者による基本書。著者は,我妻榮博士の弟子で,1986年(昭和61年)から1989年(平成元年)まで一橋大学学長を務めていました。また,旧司法試験考査委員を務めていた経験もあります。しかし,惜しまれながら,2013年に泉下の客となりました。5冊とも債権法改正には対応していません。本シリーズは,全5冊で合計2190頁の分量があります。図表はありません。基本的に伝統的通説(我妻説)の立場から記述されており,非常に多くの判例が引用されている点と論点が網羅的に取り上げられている点に特徴があります。私は,受験勉強を再開するにあたって,本シリーズと近江民法講義シリーズのどちらを基本書にしようか最後まで迷っていました。最終的には近江民法講義シリーズの方を選んだわけですが,その決め手は2つありました。1つは,川井博士はすでに鬼籍に入られているので,著者本人による債権法改正に対応した改訂が叶わないことです。ちなみに,5の補訂を行っている良永和隆教授は,川井博士の弟子なので我妻博士の孫弟子ということになります。良永教授は我妻博士の著書の補訂にも携わっており,今後,債権法改正に対応した本シリーズの補訂が行われる場合には,同教授によることが予想されます。もう1つは,2色刷りで図表が多用されている近江民法講義シリーズの方が視覚的に分かりやすいことです。改正民法の施行が迫ってきていることから,今後,司法試験の受験勉強において,債権法改正に対応していない基本書は利用者の減少が不可避となるでしょう。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.10
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大村敦志『新基本民法1 総則編』(有斐閣,2017)284頁※最新版は2019年11月発売の第2版大村敦志『新基本民法2 物権編』(有斐閣,2015)222頁※第2版は2019年4月発売※最新版は2022年3月発売の第3版大村敦志『新基本民法3 担保編』(有斐閣,2016)242頁※最新版は2021年3月発売の第2版大村敦志『新基本民法4 債権編』(有斐閣,2016)252頁※最新版は2019年12月発売の第2版大村敦志『新基本民法5 契約編』(有斐閣,2016)262頁※最新版は2020年4月発売の第2版大村敦志『新基本民法6 不法行為編』(有斐閣,2015)224頁※最新版は2020年4月発売の第2版大村敦志『新基本民法7 家族編』(有斐閣,2014)226頁※最新版は2025年3月発売の第2版大村敦志『新基本民法8 相続編』(有斐閣,2017)230頁※最新版は2026年3月発売の第2版東京大学法科大学院教授の著者による基本書。著者は,東京大学の教授として内田貴名誉教授に次いで単著で民法全体を網羅した基本書を著した研究者です。8冊とも債権法改正に対応しています。本シリーズは,黒と青の2色刷りで,全8冊で合計1942頁の分量があります。本シリーズが司法試験受験生の間で人気だという話は聞いたことがありませんが,私が法科大学院に在籍していた時には,旧シリーズである大村敦志『基本民法Ⅰ 総則・物権総論』[第3版](有斐閣,2007)436頁大村敦志『基本民法Ⅱ 債権各論』[第2版](有斐閣,2005)412頁大村敦志『基本民法Ⅲ 債権総論・担保物権』[第2版](有斐閣,2005)430頁の3冊を使用している人が若干名いました。したがって,当時から著者の著書を基本書として使用している人はあまり多くなかったようです。なお,著者は,大村敦志『家族法』[第3版](有斐閣,2010)472頁も出していますが,こちらは『家族法』というタイトルであるにもかかわらず相続法の内容は含まれていませんので,その点には注意が必要です。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.09
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内田 貴『民法Ⅰ 総則・物権総論』[第4版](東京大学出版会,2008)544頁※最新版は2025年5月発売の総則の第5版(第5版から総則と物権に分冊)内田 貴『民法Ⅱ 債権各論』[第3版](東京大学出版会,2011)680頁内田 貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物権』[第3版](東京大学出版会,2005)600頁※最新版は2020年4月発売の第4版内田 貴『民法Ⅳ 親族・相続』[補訂版](東京大学出版会,2004)576頁東京大学名誉教授の著者による民法の“教科書”。著者は,1995年から2003年まで旧司法試験考査委員を務めていました。また,2007年から2014年まで法務省民事局参事官として民法(債権法)改正検討委員会事務局長を務めていたので,今般の債権法改正には非常に深く関与していることになります。4冊とも債権法改正には対応していません。本シリーズは,教育的配慮の観点から,パンデクテン方式を崩して総則・物権総論(Ⅰ) → 債権各論(Ⅱ) → 債権総論・担保物権(Ⅲ) → 親族・相続(Ⅳ)という順番で記述されています。巻末には,事項索引,判例索引だけでなく,法令索引まで付されており,学習上の便宜も図られています。本文は,典型的な設例や判例事案を基にした簡単な事例を中心に記述が展開されるケースメソッド方式を採っています。脚注はほとんどなく,その代わりに網掛けで発展的内容やコラムが扱われています。1990年代から2000年代にかけては,非常に多くの司法試験受験生が本シリーズを基本書として使用していたようです。私が在籍していた法科大学院の講義でも,例に漏れずⅠ,Ⅱ,Ⅲが参考書に,Ⅳがテキストに指定されていました。したがって,私もかつては本シリーズを使って民法を勉強していました。しかし,その当時からすでに,「分かりやすいけど,網羅性に欠けるのが難点だな。」と思っていました。本シリーズはどの巻も600頁前後の厚さがあるので,本棚に並べて一見すると十分な分量があるように感じます。ところが,本シリーズの実際の分量は4冊合計で2400頁であり,近江民法講義シリーズと比べても200頁ほど少ないのです。とりわけ財産法に限れば,前者が約1800頁なのに対して後者は約2200頁であり,その差がより一層顕著になります。さらに,本シリーズはケーズメソッドを基本としているので,その分だけ記述が迂遠になってしまっており,結果的に頁数が嵩んでいます。ですから,見た目や実際の頁数ほど情報量が豊富でないだけでなく,叙述のスタイルに起因して網羅性に欠ける側面もあるのです。この点は,私が受験勉強を再開するにあたって民法の基本書を変更した理由の1つでもあります。本シリーズが優れた民法の“教科書”であることは疑いようのない事実だとは思いますが,債権法改正に対応した改訂の予定もないようですし,今後,本シリーズを基本書にする司法試験受験生はさらに減少の一途を辿ることになるでしょう。※追記2020年4月に債権法改正に対応した民法Ⅲの第4版が刊行されました。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.08
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近江幸治『民法講義Ⅶ 親族法・相続法』[第2版](成文堂,2015)412頁近江民法講義シリーズの親族法・相続法。本シリーズの最終巻です。本書は2015年(平成27年)に出版されているので基本的には平成23年改正に対応していますが,削除された民法849条の2の記述がそのまま残っていたり,新設された同法857条の2についての内容が抜けていたりと,所々に改訂漏れが見られます。判例は,大判明治44・7・10民録17輯468頁から福岡高那覇支部判平成26・10・24まで収録されていますが,収録判例数はそこまで多くありません。本書の分量は412頁と本シリーズの中では厚い方ですが,民法725条から1044条まで300条以上ある親族法・相続法の全部を対象としていることに照らすと,同分野の基本書としてはむしろコンパクトな部類に属するでしょう。親族法・相続法については,実務では詳細な知識が要求されるでしょうが,司法試験の受験勉強には本書の内容で十分足りるかもしれません。もし実務を見据えた一歩踏み込んだ勉強をしたいのであれば,別の基本書を選ぶか,あるいは,詳しい参考書を併用するとよいと思います。以上で,近江民法講義シリーズの紹介はおしまいです。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.06
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近江幸治『民法講義Ⅵ 事務管理・不当利得・不法行為』[第2版](成文堂,2007)290頁※最新版は2018年10月発売の第3版近江民法講義シリーズの事務管理・不当利得・不法行為。すなわち,法定債権編です。債権法改正には対応していません。条文索引には,民法のほかに,不法行為に関連する法律として,国家賠償法,自動車損害賠償保障法,製造物責任法,失火責任法,鉱業法,独占禁止法,原子力損害賠償法,大気汚染防止法,水質汚濁防止法,労働者災害補償保険法が載っています。大連判明治36・12・22刑録9輯1843頁から最判平成18・2・24判時1927号63頁までの判例が収録されています。※追記第3版には,大連判明治36・12・22刑録9輯1843頁から最決平成29・1・31民集71巻1号63頁までの判例が収録されています。本書も,Ⅳ,Ⅴと同じく,内容は良いと思いますが,分量の不足感は否めません。特に受験だけでなく実務においても非常に重要な不法行為の分野について,本書では89頁から267頁までの179頁の分量しか割いていません。不法行為の法律書の中には基本書や参考書として使える本に限っても優に500頁を超えるものがあることを考えると,本書の該当部分が如何に薄いかが分かります。また,不法行為関連の判例は継続的に重要かつ新しいものが出ています。したがって,本書を基本書にする場合,少なくとも不法行為については比較的新しい参考書を傍らに置いた方が勉強が捗ると思います。ここまで見てきて分かるように,本シリーズは,債権を扱うⅣ,Ⅴ,Ⅵについて情報量の物足りなさを感じます。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.04
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近江幸治『民法講義Ⅴ 契約法』[第3版](成文堂,2006)368頁※最新版は2022年2月発売の第4版近江民法講義シリーズの契約法。債権法改正には対応していません。大判明治31・1・26民録4輯1巻35頁から東京地判平成17・12・27(判例集未登載)までの判例が収録されています。本書も,Ⅳの債権総論と同様に,内容は良いと思うのですが,契約法の基本書としては薄いです。また,Ⅳと同じく,全体的に判例の引用が不足している点や,判例の年月日の記載がなく単に「~(判例)。」や「~(通説・判例)。」としている箇所が見られる点も気になります。なお,借地借家法,消費者契約法,割賦販売法などの特別法については,本書出版後に改正があったために現行法に対応していない記述がいくつかあります。したがって,本書を基本書とする場合には,比較的新しく,かつ,多少詳しい参考書を併用した方がよいと思います。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.03
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近江幸治『民法講義Ⅳ 債権総論』[第3版補訂](成文堂,2009)408頁 ※最新版は2020年9月発売の第4版近江民法講義シリーズの債権総論。債権法改正には対応していません。大判明治36・4・23民録9輯484頁から最判平成16・7・9判時1870号12頁までの判例が収録されています。※追記第4版には,大判明治38・7・10民録11輯1150頁から最判平成24・12・14民集66巻12号3559頁までの判例が収録されています。本書の分量は408頁とシリーズの中では厚い方で,内容は良いと思うのですが,債権総論の基本書としては少し薄いです。まず,判例については,古いものから最近のものまで全体的に引用が若干不足していると思います。2009年に出版された本なので新しい判例が載っていないのは当然のことですが,古い重要判例の引用がないこともあるので使っていて少々不便に感じます。とりわけ安全配慮義務に関しては実質4頁しか記述がないので,他の本の参照が必須です。また,判例の年月日の記載がなく単に「~(判例)。」や「~(通説・判例)。」としている箇所が散見されるのも気になります。債権総論の法律書には,もっと情報量が多くて手頃な選択肢がいくつかありますので,本書を基本書とする場合にはそのような参考書との併用が望ましいでしょう。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.02
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近江幸治『民法講義Ⅲ 担保物権』[第2版補訂](成文堂,2007)384頁 ※最新版は2020年5月発売の第3版近江民法講義シリーズの担保物権。債権法改正には対応していません。大判明治30・12・8民録3輯11巻36頁から最判平成18・10・20民集60巻8号3098頁までの判例が収録されています。※追記第3版には,大判明治30・12・8民録3輯11巻36頁から最判平成30・12・7民集72巻6号1044頁までの判例が収録されています。本書は,担保物権の基本書で,留置権,先取特権,質権,抵当権のほか,変則担保として仮登記担保,譲渡担保,所有権留保などを扱っています。質権のうち債権質については,債権担保として債権の譲渡担保や代理受領・振込指定と一緒にまとめてあるのが特徴です。とりわけ譲渡担保の分野では最近も重要な判例が出されているので,それらについては各自で補完する必要があります。担保物権を含めた不動産法全般および金融担保,セキュリタイゼーションは著者の専門分野なので,物権を内容とするⅡとⅢは,本シリーズの中でも出来が良い方だと思います。なお,民法363条・365条の削除など債権法改正に伴う影響がある部分もありますが,受験勉強をするうえでは大して支障はありません。でも,折角の機会なので,法改正への対応のほかに判例も補充した改訂があると嬉しい限りです。次回も,民法の教材を紹介します。それでは。
2018.03.01
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