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上口 裕・後藤 昭・安冨 潔・渡辺 修『刑事訴訟法(有斐閣Sシリーズ)』[第5版](有斐閣,2013)360頁有斐閣Sシリーズの刑事訴訟法。南山大学名誉教授の上口裕博士,一橋大学名誉教授・青山大学法科大学院教授の後藤昭博士,慶應義塾大学名誉教授・京都産業大学法科大学院教授の安冨潔博士,甲南大学法科大学院長の渡辺顗修博士の4名の共著による基本書。渡辺博士の本名は渡辺顗修といい,渡辺修はペンネームだそうです。後藤博士と渡辺博士は,旧司法試験の考査委員を務めていました。平成28年改正には対応していません。本書は,コンパクトであるにもかかわらず,その中に著者の独自の主張が詰め込まれてしまっており,受験勉強に用いる基本書には向いていません。だからと言って,有斐閣アルマのように一通り勉強が終わった後に使用するまとめ本に向いているかというと,そういうわけでもないので,有斐閣Sシリーズの民事訴訟法と同様に用途に悩む1冊だと思います。学部または法科大学院の講義においてテキストとして指定された場合以外には,手を出さない方が賢明かもしれません。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.30
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稲葉 馨・人見 剛・村上裕章・前田雅子『行政法(LEGAL QUEST)』[第4版](有斐閣)406頁2018年(平成30年)9月27日に発売されました。
2018.09.29
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長沼範良・田中 開・寺崎嘉博『刑事訴訟法(有斐閣アルマ)』[第5版](有斐閣,2017)438頁※第6版は2020年5月発売※最新版は2024年12月発売の第7版有斐閣アルマシリーズの刑事訴訟法。上智大学法科大学院教授の長沼範良教授,法政大学法科大学院教授の田中開教授,早稲田大学法学部教授の寺崎嘉博博士の3名の共著による基本書。3名とも旧司法試験あるいは新司法試験の考査委員を務めていた経験があります。平成28年改正に対応しています。なお,最大判平成29・3・15刑集71巻3号13頁(GPS捜査事件判決)は収載されていません。本書は,コンパクトかつ必要十分な内容を盛り込んだスタンダードなテキストとして定評があります。きっかけは忘れてしまいましたが,私も,法科大学院在籍時に一時期だけ本書を使用していました。しかし,法科大学院の演習の講義に対応するにはあまりに情報量が少なかったため,すぐに使用するのを止めてしまいました。もっとも,本書は,基本的事項および判例の説明に重点を置いて記述されており,主張されている見解も穏当で偏った独自説もほとんど見られないので,一通り勉強が終わった後に使うまとめ本には向いているかもしれません。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.28
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本 秀紀 編著愛敬浩二・伊藤雅康・植松健一・植村勝慶・大河内美紀・塚田哲之 著『憲法講義』[第2版](日本評論社)552頁2018年(平成30年)9月27日に発売されました。
2018.09.27
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田宮 裕『刑事訴訟法』[新版](有斐閣,1996)588頁元立教大学法学部教授および元亜細亜大学法学部教授の著者による基本書。著者は,1998年に立教大学を65歳で定年退職して亜細亜大学に異動しましたが,その直後の1999年1月に鬼籍に登りました。その関係で,旧司法試験の考査委員は,永眠なさる直前の1998年までしか務めていません。平成28年改正には対応していません。本書は,1996年(平成8年)3月30日に出版されていますが,増刷の際にその後の法改正や新判例の動向を反映した補訂が施されており,著者が亡くなる直前の1998年(平成10年)12月現在の内容となっています。したがって,大判明治37・6・27刑録10輯1416頁から最決平成10・5・1刑集52巻4号275頁までの判例が収録されています。本書は,かつて田口『刑事訴訟法』と人気を二分していた基本書です。著者は,アメリカの判例法に強く影響を受けた見解を採っており,憲法的刑事訴訟法としてのデュー・プロセス論を理論の基底に置いています。したがって,「自己負罪拒否の特権」および「二重の危険」を独立した章で詳しく扱っている点に特色があります。このような著者の適正手続主義ともいえる刑事訴訟法観は,本書冒頭の1頁から7頁までを読んでいただけるとその根幹の大枠を掴むことができると思われますが,他方で,そのような独自性だけでなく,本書が刑事訴訟法の“教科書”として卓抜した良書であることも特筆すべきでしょう。たしかに,本書における学説の議論や判例は四半世紀ほど前のものであるため,今,本書を基本書にするのは難しいかもしれません。しかしながら,判例・通説を基礎に据えつつ,原理・原則に立ち返りながら明快かつ簡明に刑事訴訟法を解説する本書の記述には,刑事訴訟法の根本の理解に資するという意味において,今なお大いに価値があると思います。研究者からの支持だけでなく,受験生の間でも副読本として根強い人気が途切れないのは,本書が“教科書”として卓越していることの証左でしょう。受験生は,基礎的な部分において理解が捗らない場合には,一度,本書を参照してみると目から鱗が落ちる経験ができるかもしれません。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.26
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室井 力・芝池義一・浜川 清・本多滝夫 編著『コンメンタール行政法Ⅰ 行政手続法・行政不服審査法』[第3版](日本評論社)704頁2018年(平成30年)9月25日に発売されました。
2018.09.25
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安冨 潔『刑事訴訟法講義』[第4版](慶應義塾大学出版会,2017)482頁※第5版は2021年1月発売※最新版は2026年3月発売の第6版慶應義塾大学名誉教授で,現在は京都産業大学法科大学院教授および渥美坂井法律事務所・外国法共同事業顧問の著者による基本書。平成28年改正に対応しています。本書は,法科大学院の未修者などの初学者でも刑事訴訟法が理解できるように書かれた基本書です。2色刷りで,図表も多用されており,視覚的にも非常に読みやすくなっています。また,各章の冒頭において定義・要件・効果などがまとめられているだけでなく,各章末には「論点とまとめ」といういわゆる論証カードが付いているので,研究者の著した予備校本のような趣の基本書と言えるでしょう。内容は,弁護士でもある著者ならではの視点から,実務に対する理解を示しつつ被疑者・被告人の権利への配慮も払うというバランスの取れた立場で記述されています。なお,著者の単著の本としては,安冨 潔『刑事訴訟法』[第2版](三省堂,2013)712頁も刊行されています。平成28年改正には対応していません。本書は,上記の『刑事訴訟法講義』のように初学者を対象としたものではなく,法科大学院生,司法試験受験生に止まらず司法試験に合格した司法修習生や若手弁護士までをもその読者として想定しています(はしがき参照)。したがって,情報量が非常に多く,一応,大組の部分では基本事項を記述し,小組の部分では判例・学説の詳細や実務運用などに触れるという読者に配慮した体裁を採っていますが,やはり基本書としてはややオーバースペックであるため,参考書にする方が適していると言えるでしょう。なお,増刷の際に頻繁に改訂は行っているようですが,平成28年改正に対応した抜本的な改訂はされていません。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.24
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川村正幸『手形・小切手法』[第4版](新世社)360頁2018年(平成30年)9月12日に発売されました。
2018.09.23
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すでに,行政法については,土田伸也『実戦演習 行政法 予備試験問題を素材にして』(弘文堂)が出版されていますが,この度,『実戦演習 ○○ 予備試験問題を素材にして』(弘文堂)のシリーズ化が決定したそうです。詳しくは,こちら↓弘文堂ホームページまたは,こちら↓ご案内フライヤー(PDF)を参照してください。
2018.09.22
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白取祐司『刑事訴訟法』[第9版](日本評論社,2017)592頁※第10版は2021年3月発売※最新版は2026年4月発売の第11版北海道大学名誉教授で,現在は神奈川大学法科大学院教授の著者による基本書。平成28年改正に対応しています。本書の最たる特徴は,徹底して被疑者・被告人の権利保障を第一に考慮するという著者独自の見解が貫かれている点にあります。したがって,本書における著者の主張は,捜査機関の刑事実務と対立するものが多いです。翻って,教材としての観点からみると,判例・通説の説明はしっかりと記述されており,学説の紹介も他の基本書よりもかなり詳しく,全体的に分かりやすい受験対策向きの基本書であると言えます。よって,上記の特徴にさえ留意しておけば,司法試験および予備試験の受験対策において,なお有用な教材だと思います。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.22
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只木 誠『コンパクト 刑法総論(コンパクト 法学ライブラリ 10)』(新世社)352頁2018年(平成30年)6月1日に発売されました。
2018.09.21
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田口守一『刑事訴訟法』[第七版](弘文堂,2017)552頁早稲田大学名誉教授の著者による基本書。著者は,旧司法試験の考査委員を務めていました。平成28年改正に対応しています。本書は,著者が旧司法試験の考査委員を務めていた頃は田宮『刑事訴訟法』と人気を二分していた基本書でした。私が初めて購入した刑事訴訟法の基本書も本書でした。コンパクトな記述に特徴があり,基本的事項や論点を網羅的に解説している反面,論点に関する論証が薄いため,短答式試験にはある程度対応できるでしょうが,論文式試験対策には不向きだと思います。私は,根拠や理由づけが端的すぎるところが肌に合わなかったため,法科大学院入学後に基本書を本書からイケマエに乗り換えました。なお,平成28年改正には対応していますが,著者が70歳を超えているだけでなく,すでに教員も引退なさっているので,本書にかつてほどの圧倒的な需要はないと思われます。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.20
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池田 修・前田雅英『刑事訴訟法講義』[第6版](東京大学出版会)608頁2018年(平成30年)3月19日に発売されました。
2018.09.19
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裁判所職員総合研修所 監修『刑事訴訟法講義案』[四訂補訂版](司法協会,2016)538頁通称講義案または書研の刑事訴訟法。原著者は,石井一正元札幌高等裁判所長官だといわれています。石井元判事は,1968年(昭和43年)から1971年(昭和46年)にかけて裁判所書記官研修所(現在の裁判所職員総合研修所)の教官を務めていたので,その際に作成した裁判所書記官向けの講義レジュメが基になっているのかもしれません。ただ,補訂に関しては,石井元判事が行っているのか,それとも他の裁判所職員総合研修所教官を務める判事の方が行っているのかは分かりません。平成28年改正には対応していません。本書は,主に裁判所書記官の研修で使用することを想定したテキストなので,理論的な対立には踏み込まず,条文,定義,訴訟手続について淡々と説明しています。体裁は『刑法総論講義案』と酷似していますが,刑事訴訟手続に携わる裁判所書記官の役割に照らして,一般的な基本書と比べてとりわけ刑事訴訟規則の引用が細かいです。本文に図表は全くありませんが,巻末に刑事訴訟手続概要として起訴前,第1回公判期日前,公判,上訴手続・刑の執行のフローチャートがそれぞれ付されています。証拠法の内容には定評があり,また,裁判所書記官用のテキストということで,当然,訴訟手続に関しての記述は詳細です。さらに,他の刑事訴訟法の基本書ではあまり触れられていない訴訟行為について,独立の章を設けて20頁ほどの分量で説明しているのも,本書の特徴の1つと言えるでしょう。他方で,捜査に関する記述が非常に薄く,全体が538頁なのに対して40頁弱の分量しかありませんので,基本書として使用する場合には,他の基本書の捜査部分あるいは手頃な捜査法の概説書と併用することが必須となります。なお,『民事訴訟法講義案』や『刑法総論講義案』と異なり,本書には巻末に判例索引が付いています。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.18
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宇藤 崇・松田岳士・堀江慎司『刑事訴訟法(LEGAL QUEST)』[第2版](有斐閣)600頁2018年(平成30年)2月28日に発売されました。
2018.09.17
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酒巻 匡『刑事訴訟法』(有斐閣,2015)680頁※第2版は2020年7月発売※最新版は2024年9月発売の第3版元京都大学法科大学院教授で,現在は早稲田大学法科大学院教授の著者による基本書。著者は,長年,司法試験の考査委員を務めていました。平成28年改正法律案に対応しています。本書は,『法学教室』(有斐閣)で連載されていた「基礎講座・刑事手続法を学ぶ(1)~(26・完)」(法教355号~394号)に大幅な加筆・補正をして学習用教科書の形式で書籍化した基本書です。判例における規範の精緻な分析は非常に秀逸であり,また,自説の論証も十分な分量を割いて説得的に展開されています。ただ,著者の自説は刑事訴訟法学界における通説と同じことが多いものの,本書は,複数の学説を紹介したうえでどの説を採るかを示すというオーソドックスなスタイルで記述されてはいないので,自説以外の学説の紹介がほとんどありません。東京大学出身の研究者による単著の刑事訴訟法の基本書が久しく出版されていなかった中で,松尾浩也元東京大学名誉教授の弟子である著者が本書を上梓するという噂は,法科大学院生や司法試験受験生の間で一気に広まりました。加えて,当時,著者が現役の司法試験考査委員だったという事情も相俟って,とりわけ上記の法学教室誌上での連載を愛読していた法科大学院生や受験生は,遂に刑事訴訟法の基本書の決定版が刊行されることになったと期待に胸を膨らましていたようです。しかしながら,いざ蓋を開けてみると,内容,形式のいずれの側面についても賛否が分かれるという意外な結果となりました。特に,形式面では,学説名の紹介が一切ないだけでなく脚注も付されていないため,原典に当たることが非常に困難であるという難点が指摘されています(※第2版では編末や章末に参考文献が付されるようになりました)。ところが,世の中には奇特な方がいるものです。本書の参考文献を独自にまとめている方が,5ちゃんねるの司法試験板のスレッドでその参考文献・注釈を公開しているのです。参考までに下記にスレッドのリンクを貼っておきますので,興味がある方は探してみてください。ちなみに,現時点(2020年7月11日)では2版ver.1が最新です。ただし,ダウンロードの期限は2018年(平成30年)11月7日16時34分18秒までだそうですので,注意してください。新刊・増刊・増刷スレ 第113刷これを活用すれば上記の桎梏は回避できるので,脚注がないことや参考文献が示されていないことに不満を抱いている受験生も,これで安心して本書を基本書として使用することができるようになるでしょう。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.16
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砂田太士・久保寛展『企業取引法』(中央経済社)244頁2018年(平成30年)8月7日に発売されました。
2018.09.15
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上口 裕『刑事訴訟法』[第4版](成文堂,2015)676頁※最新版は2021年3月発売の第5版南山大学名誉教授の著者による基本書。平成28年改正には対応していません。本書は,法曹を目指して刑事訴訟法を学ぶ法科大学院生や司法試験受験生のために書かれた教科書です(はしがき参照)。内容は,基本的に判例・通説に従って記述されており,とりわけ,訴因,公訴事実の同一性,伝聞法則などの分野については,初学者にも分かりやすいように基礎から詳しく説明されています。一方で,文章表現が粗いこと,誤植が多いこと,判例の理解が不正確であることなどの難点も指摘されています。法科大学院で教鞭を執っている現役の教員が司法試験受験生のために著した基本書ということで一時期は非常に人気がありましたが,リークエ刑事訴訟法が出版されてからはシェアを落としています。なお,平成28年改正に対応した改訂版が出版される予定とのことですが,著者はすでに教壇から退いているので以前ほどのニーズはないかもしれません。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.14
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小林秀之『破産から新民法がみえる 民法の盲点と破産法入門』(日本評論社)264頁2018年(平成30年)6月12日に発売されました。
2018.09.13
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宇藤 崇・松田岳士・堀江慎司『刑事訴訟法(LEGAL QUEST)』[第2版](有斐閣,2018)600頁※最新版は2024年12月発売の第3版通称リークエシリーズの刑事訴訟法。神戸大学法科大学院専攻長の宇藤崇教授,大阪大学大学院法学研究科教授の松田岳士博士,京都大学法科大学院教授の堀江慎司教授の3名の共著による基本書。宇藤教授は,2007年から2016年まで司法試験の考査委員を務めていて,その間,2012年から2015年までは司法試験予備試験の考査委員を兼任していました。堀江教授は,現在,司法試験および司法試験予備試験の考査委員を務めています。平成28年改正に対応しています。最高裁判例は,最大判平成29・3・15刑集71巻3号13頁(GPS捜査事件判決)まで収録されています。本書は,主として法科大学院生や法科大学院を目指す学部生を対象に著されており,現在,司法試験受験生に最も人気のある刑事訴訟法の基本書のようです。某司法試験予備校の参考図書にも指定されています。基本的には判例・通説に沿って記述されており,判例の分析はとりわけ詳細です。重要な論点の展開にあたり鍵となるような42件の判例・裁判例について事実と判旨を掲載しており,判旨は可能な限り全文を引用する形でまとめられています。各制度の説明においては理論的根拠がしっかりと説明されており,個々の要件解釈も丁寧に展開されています。現在のところ,共著の刑事訴訟法の基本書の中では最も完成度の高い教材だと思います。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.12
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大島義則『憲法ガールⅡ』(法律文化社)220頁2018年(平成30年)9月10日に発売されました。
2018.09.11
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池田 修・前田雅英『刑事訴訟法講義』[第6版](東京大学出版会,2018)608頁※最新版は2022年7月発売の第7版通称イケマエ。元福岡高等裁判所長官の池田修元判事と日本大学法科大学院教授の前田雅英教授の共著による基本書。平成28年改正に対応しています。大判大正15・3・27刑集5巻3号125頁から最大判平成29・3・15刑集71巻3号13頁(GPS捜査事件判決)までの判例が収録されています。私は,本書を基本書として使用しています。黒と青の2色刷りで,図表も多用されており,重要な箇所はゴシック体で強調されています。また,重要度の高い条文は四角の囲みで引用されて載っています。500件以上の判例を収載しており,これは基本書の収録判例数としては豊富な部類に入ると思います。参考資料として,逮捕状,逮捕状請求書(甲),勾留状,鑑定処分許可状,捜索差押許可状,身体検査令状,起訴状,証拠等関係カード(甲),証拠等関係カード(乙),判決書の書式のほか,各種の統計図版が掲載されています。本書の読者には,法学部生,法科大学院生,司法試験・予備試験受験生だけでなく,刑事実務に携わっている警察官,法務検察職員,裁判所職員なども視野に入っており,その内容は「現在実務において妥当している刑事訴訟法の解釈」の理解を目指すものになっています(はしがき参照)。さらに,刑事訴訟法の基本書としては珍しく,事実認定について9頁ほど頁数を割いて解説しており,この点は実務色の強い本書の特徴の1つです。なお,捜査以外の部分には『刑事訴訟法講義案』と文章表現に至るまで似通っている箇所もあり,さながら捜査の記述を厚くした講義案のような出来になっています。私が本書を基本書に選んだ最大の理由は,法科大学院在籍時から使用しているので使い慣れているということですが,それだけでなく,刑法,刑事訴訟法,刑事実務基礎を合わせた刑事法の教材を前田教授の著書で揃えられるということも理由の1つにあります。最近は刑事訴訟法に関しては基本書を使用しない受験生が少なからずいるという話を耳にして少々驚いているのですが,私は,六法と判例集だけで受験勉強を戦い抜けるほどの自信はないので,簡明直截に基本書を使用しています。次回も,刑事訴訟法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.10
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大島義則『憲法ガール Remake Edition』(法律文化社)262頁2018年(平成30年)1月26日に発売されました。
2018.09.09
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大谷 實 編『判例講義 刑法Ⅰ 総論』[第2版](悠々社,2014)201頁大谷 實 編『判例講義 刑法Ⅱ 各論』[第2版](悠々社,2011)192頁判例講義シリーズの刑法。同志社大学名誉教授で,第17代同志社総長を務めた大谷實博士の編集による判例集。総論は,平成25年の刑の一部執行猶予の新設には対応していません。各論は,平成29年の性犯罪規定の改正には対応していません。Ⅰに154件,Ⅱに153件,合計で307件の判例が収録されています。他の判例講義シリーズと同様に,テーマごとに同一の著者が複数の判例を解説している点に特徴があります。また,執筆者は大谷博士の門下生が中心なので,大谷講義を基本書にしている人には向いている判例集かもしれません。その他の基本書の中では,大谷 實 編『法学講義 刑法1 総論』(悠々社,2007)394頁大谷 實 編『法学講義 刑法2 各論』(悠々社,2014)374頁との相性がとりわけ良いと思います。ちなみに,昨年(2017年)の悠々社の廃業に伴い,『法学講義 民法 総則』は勁草書房から,『法学講義 民事訴訟法』は弘文堂から改訂版が出版されていますが,刑法については,法学講義も判例講義も他の出版社が引き継ぐという話も聞かないですし改訂の予定もないようです。今回で,刑法の教材の紹介は一旦おしまいです。次回からは,刑事訴訟法の教材を紹介していこうと思います。それでは。
2018.09.08
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田中 豊『論点精解 民事訴訟法 ―要件事実で学ぶ基本原理―』[改訂増補版](民事法研究会)519頁※『民事訴訟の基本原理と要件事実』を改題した改訂版2018年(平成30年)9月7日に発売されました。
2018.09.07
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井田 良・城下裕二 編『刑法総論判例インデックス』(商事法務,2011)338頁※最新版は2019年12月発売の第2版※2026年6月に第3版が刊行される予定井田 良・城下裕二 編『刑法各論判例インデックス』(商事法務,2016)400頁※最新版は2023年3月発売の第2版判例インデックスシリーズの刑法。慶應義塾大学名誉教授・中央大学法科大学院教授の井田良博士と北海道大学法科大学院教授の城下裕二博士の編集による判例集。井田博士は,旧司法試験および新司法試験の考査委員を務めていました。総論は,平成25年の刑の一部執行猶予の新設には対応していません。各論は,平成29年の性犯罪規定の改正には対応していません。総論に160件,各論に174件,合計で334件の判例が収録されています。本書は,他の判例インデックスシリーズに倣って,概要,事実関係,判旨,関係図,本判決の位置づけ・射程範囲,参考文献・関連判例を原則見開き2頁にまとめるという形で構成されています。関係図において事実関係がイラストで図示されているので,具体的にイメージしやすくて非常に分かりやすいです。総論の方は刊行されてから暫く経っているので,そろそろ改訂が必要かもしれません。井田博士が編集している判例集ですが,井田講義を基本書にしている人だけでなく,法学部生,法科大学院生,司法試験受験生など,刑法を学ぶ人全般に推奨できる教材だと思います。もっとも,個人的には,司法試験・予備試験の受験勉強において使用する判例集としては,収録判例数が些か少ないのではないかと感じています。次回も,刑法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.06
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倉吉 敬 監修・弁護士法人 大江橋法律事務所 編著『ケーススタディで学ぶ債権法改正』(商事法務)256頁2018年(平成30年)5月11日に発売されました。
2018.09.05
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成瀬幸典・安田拓人 編『判例プラクティス刑法Ⅰ 総論』(信山社,2010)480頁※最新版は2020年3月発売の第2版成瀬幸典・安田拓人・島田聡一郎 編『判例プラクティス刑法Ⅱ 各論』(信山社,2012)558頁※最新版は2026年3月発売の第2版通称判プラの刑法。総論は,東北大学法科大学院教授の成瀬幸典教授と京都大学法科大学院教授の安田拓人博士,各論は,その2名に元早稲田大学法科大学院教授の島田聡一郎元教授を加えた3名の編集による判例集。島田元教授は,2013年に交通事故により30代の若さで泉下の客となりました。総論は,平成25年の刑の一部執行猶予の新設には対応していません。各論は,平成29年の性犯罪規定の改正には対応していません。Ⅰに444件,Ⅱに543件,合計で987件の判例が収録されています。本書は,他の判プラシリーズと同様に,事案 → 争点 → 判旨 → 解説という順で構成されており,同一テーマの複数の判例を1人の執筆者が担当して解説しています。1頁にこれだけの内容を詰め込んでいるので,必然的に紙幅の関係で解説は短いものになっていますが,却ってそれが功を奏しており,解説の焦点が通説と関連判例の説明に絞られていて非常にコンパクトにまとまっています。収録判例数は『判例刑法総論』・『判例刑法各論』に迫るほど多いですが,刑法判例の膨大な数に照らせば,むしろ適切な収録判例数だと思います。短答式試験の出題まで視野に入れれば,司法試験および予備試験の受験勉強に適した判例教材だと言えるでしょう。最後に,判プラ民法の記事と同じように執筆者一覧を挙げておきます。判プラ民法の執筆者が比較的豪華だったのに対して,本書の執筆者は若手の研究者が中心であるため,ネームバリューだけで見るとやはり若干見劣りする気がします。『判例プラクティス刑法Ⅰ 総論』執筆者一覧石川友佳子・内海朋子・岡本昌子・金澤真理・亀井源太郎・齊藤彰子・ 佐藤拓磨・ 塩谷 毅・重井輝忠・杉本一敏・ 辰井聡子・照沼亮介・豊田兼彦・永井善之・永田憲史・成瀬幸典・ 東 雪見・平山幹子・増井 敦・松尾誠紀・水留正流・宮川 基・森永真綱・安田拓人・ 山本雅昭『判例プラクティス刑法Ⅱ 各論』執筆者一覧足立友子・穴沢大輔・飯島 暢・一原亜貴子・井上宜裕・内田幸隆・内海朋子・大下英希・岡部雅人・岡本昌子・加藤正明・金澤真理・亀井源太郎・嘉門 優・川崎友巳・柑本美和・小坂 亮・小島陽介・小林憲太郎・齊藤彰子・佐藤拓磨・塩谷 毅・重井輝忠・品田智史・島田聡一郎・嶋矢貴之・杉本一敏・鈴木優典・十河太朗・田坂 晶・田山聡美・照沼亮介・豊田兼彦・仲道祐樹・成瀬幸典・野澤 充・東 雪見・平山幹子・深町晋也・古川伸彦・星周一郎・曲田 統・増井 敦・宮川 基・森永真綱・安田拓人・山本紘之・山本雅昭・若尾岳志・和田俊憲・渡邊卓也次回も,刑法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.04
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潮見佳男・千葉惠美子・片山直也・山野目章夫 編『詳解 改正民法』(商事法務)592頁2018年(平成30年)5月31日に発売されました。
2018.09.03
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山口 厚『新判例から見た刑法(法学教室ライブラリィ)』[第3版](有斐閣,2015)386頁東京大学名誉教授で,同大学退職後に早稲田大学法科大学院教授を経て,現在は最高裁判所判事を務める著者による判例解説集。著者は,長年,旧司法試験および新司法試験の考査委員を務めていました。また,日本刑法学会理事長,司法試験委員会委員長などの要職を歴任しています。結果無価値論の立場を採っています。平成25年の刑の一部執行猶予の新設には対応していますが,平成29年の性犯罪規定の改正には対応していません。本書は,近年の判例・裁判例を題材に検討し,それを従来の判例・学説の流れに位置づけつつ,その意義を明らかにしたうえで,周辺領域の問題まで理解できるような内容になっています。著者の自説は極めて抑えられており,あくまで現在の最高裁判例の考え方を関連判例を紹介しながら客観的に解説することに徹しています。約6年半ぶりに改訂された第3版では,新たに3つの章(第7章・第8章・第19章)が追加されました。収録内容は以下のようになっています。第1章 被害者の行為の介在と因果関係第2章 被害者の行為を利用した法益侵害第3章 不作為による殺人罪第4章 正当防衛の周辺第5章 過失犯の成立要件第6章 実行の着手と既遂第7章 共犯の因果性と共犯関係の解消第8章 承継的共犯第9章 罪数論第10章 傷害の意義第11章 住居侵入罪の成立要件第12章 窃盗罪における占有の意義第13章 不法領得の意思第14章 不動産の占有とその侵奪第15章 事後強盗罪の成立範囲第16章 詐欺罪における交付行為第17章 クレジットカードの不正使用と詐欺罪の成否第18章 文書の不正取得と詐欺罪の成否第19章 欺く対象による詐欺罪処罰の限定第20章 誤振込みと財産犯第21章 親族関係と財産犯第22章 盗品等の返還と盗品等関与罪の成否第23章 作成名義人の意義と有形偽造第24章 賄賂罪における職務関連性一方,新判例に限らない著者の判例解説集としては,山口 厚『基本判例に学ぶ刑法総論』(成文堂,2010)316頁山口 厚『基本判例に学ぶ刑法各論』(成文堂,2011)340頁の2冊が刊行されています。こちらは,最近の法改正には対応していません。総論では78件,各論では102件,2冊合計で180件の判例について解説されています。本書も,刑法の基本判例を素材に検討し,それを理論的に位置づけながら刑法を学んでいくことを目的とするものです。また,本書でも著者の自説は極めて抑えられており,最高裁判例を客観的に解説することに徹して記述されています。今回紹介した3冊は,終始一貫して判例を客観的に分析して説明するという方針で書かれた判例解説集です。また,3冊合わせれば相当数の判例を学ぶことができますし,基本判例だけでなく比較的最近の新判例までフォローすることができます。したがって,受験生は,山口説を支持しているかどうかに関わらず,安心して上記3冊を判例学習用教材として使用できると思いますし,3冊とも使用すれば,もはや他の判例集は必要なくなるかもしれません。次回も,刑法の教材を紹介します。それでは。
2018.09.02
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中田裕康・大村敦志・道垣内弘人・沖野眞已『講義 債権法改正』(商事法務)328頁2017年(平成29年)12月16日に発売されました。
2018.09.01
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