全28件 (28件中 1-28件目)
1
![]()
松久三四彦・遠山純弘・林 誠司『オリエンテーション民法』(有斐閣)420頁2018年(平成30年)12月25日に発売されました。
2019.02.28
コメント(0)
![]()
工藤北斗『工藤北斗の合格論証集 刑法 刑事訴訟法』[第3版](法学書院)274頁2018年(平成30年)12月22日に発売されました。
2019.02.27
コメント(0)
![]()
山本敬三 監修・栗田昌裕・坂口 甲・下村信江・吉永一行 著『民法4 債権総論(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣)320頁2018年(平成30年)12月22日に発売されました。
2019.02.26
コメント(0)
![]()
椎橋隆幸・安村 勉・洲見光男・加藤克佳『ポイントレクチャー 刑事訴訟法』(有斐閣)514頁2018年(平成30年)12月21日に発売されました。
2019.02.25
コメント(0)

平成23年短答式試験問題[刑事系科目]〔第40問〕エ.再審の請求は,刑の執行が終わり,又はその執行を受けることがないようになったときには,これをすることができない。【解説】誤っている刑訴法435条。「刑の執行が終わり,又はその執行を受けることがないようになったときには,これをすることができない」との再審請求に関する制限規定は存在しない。この解説の執筆者は,ちゃんと六法で条文を確認しているのでしょうか。刑事訴訟法435条は,以下のように規定しています。再審の請求は、左の場合において、有罪の言渡をした確定判決に対して、その言渡を受けた者の利益のために、これをすることができる。一 原判決の証拠となつた証拠書類又は証拠物が確定判決により偽造又は変造であつたことが証明されたとき。二 原判決の証拠となつた証言、鑑定、通訳又は翻訳が確定判決により虚偽であつたことが証明されたとき。三 有罪の言渡を受けた者を誣告した罪が確定判決により証明されたとき。但し、誣告により有罪の言渡を受けたときに限る。四 原判決の証拠となつた裁判が確定裁判により変更されたとき。五 特許権、実用新案権、意匠権又は商標権を害した罪により有罪の言渡を受けた事件について、その権利の無効の審決が確定したとき、又は無効の判決があつたとき。六 有罪の言渡を受けた者に対して無罪若しくは免訴を言い渡し、刑の言渡を受けた者に対して刑の免除を言い渡し、又は原判決において認めた罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠をあらたに発見したとき。七 原判決に関与した裁判官、原判決の証拠となつた証拠書類の作成に関与した裁判官又は原判決の証拠となつた書面を作成し若しくは供述をした検察官、検察事務官若しくは司法警察職員が被告事件について職務に関する罪を犯したことが確定判決により証明されたとき。但し、原判決をする前に裁判官、検察官、検察事務官若しくは司法警察職員に対して公訴の提起があつた場合には、原判決をした裁判所がその事実を知らなかつたときに限る。そして,上記解説は,本条を指摘したうえで本肢にいうような「再審請求に関する制限規定は存在しない」としています。しかしながら,再審に関しては同法435条から同法453条まで条文があり,その中にある同法441条は以下のように規定しています。再審の請求は、刑の執行が終り、又はその執行を受けることがないようになつたときでも、これをすることができる。したがって,本肢は,この条文と反対の結論を述べているがゆえに誤っていることになります。このように,本肢が誤っている根拠は同法441条にあるので,本肢の正誤の根拠として同法435条を指摘している上記解説は,明らかに誤っています。なお,同法441条に規定されているように,再審請求の時期について期間の定めが置かれていないのは,刑の執行が終わった後や刑の時効完成後,刑の執行猶予期間の経過後,刑の廃止後などの場合であっても,再審によって無罪判決を受けることができれば,名誉回復の利益のほか,法律による資格制限の解除,刑事補償などの付随的利益を受けられるためです(松尾浩也 監修・松本時夫・土本武司 編集代表『条解 刑事訴訟法』[第3版増補版](弘文堂,2006)957頁参照)。確かに,上記解説の「『刑の執行が終わり,又はその執行を受けることがないようになったときには,これをすることができない』との再審請求に関する制限規定は存在しない」という記述の内容は誤っているわけではありません。しかし,本肢の正誤の根拠は条文にあるので,現役の法科大学院の実務家教員が解説するのであれば,少なくとも同法441条くらいは的確に指摘してもらいたいところです。それでは。
2019.02.24
コメント(0)

平成23年短答式試験問題[刑事系科目]〔第37問〕ウ.検察官は,司法警察員の取調べに対して任意の供述をした犯罪の目撃者が,その供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合において,圧迫を受けて公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがある場合に限り,第1回の公判期日前に,裁判官に証人の尋問を請求することができる。【解説】誤っている刑訴法227条1項は、司法警察員ではなく「司法警察職員の取調べ」と規定している。この解説もかなり見当違いなことを言っています。刑事訴訟法227条1項は,以下のように規定しています。第二百二十三条第一項の規定による検察官、検察事務官又は司法警察職員の取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合には、第一回の公判期日前に限り、検察官は、裁判官にその者の証人尋問を請求することができる。確かに,本条は「司法警察員の取調べ」ではなく「司法警察職員の取調べ」と規定しています。しかし,司法警察職員とは司法警察員および司法巡査のことをいい(同法39条3項本文括弧書),司法警察員は当然に司法警察職員に含まれるため,本肢のように犯罪の目撃者が任意の供述をした相手が司法警察員であったとしても,これをもって同法227条1項の要件を欠くことにはなりません。したがって,同法227条1項が「司法警察員ではなく『司法警察職員の取調べ』と規定している」ために本肢が誤っているとする上記解説は,明らかに誤っています。本条は,従来,「公判期日においては圧迫を受け前にした供述と異る供述をする虞があり」と規定されていました。しかし,平成16年の改正により,上記の第1回公判期日前の証人尋問の要件のうち,「圧迫を受け」という部分が削除されました。これは,同法227条に基づく裁判官の面前での証人尋問の活用を促進し,捜査段階における供述録取書の作成状況を巡る証人尋問等の証拠調べや捜査段階における供述と公判供述が相反する場合の供述の信用性の比較・判断を要する場面を少なくすることができるようにすることにより,刑事裁判の充実・迅速化を図ろうとするものです(松尾浩也 監修・松本時夫・土本武司 編集代表『条解 刑事訴訟法』[第3版増補版](弘文堂,2006)1028頁参照)。したがって,本肢は,「圧迫を受けて公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがある場合に限り」として上記旧規定にいう「圧迫を受け」の要件を満たす場合に限定しているため,現行法227条1項の下では誤っていることになります。そして,おそらく上記平成16年改正を理解しているかどうかを問うところにこそ,本肢の出題趣旨があると考えられます。ちなみに,本問の解説の執筆者は,本問について以下のようにコメントしています。第1回公判期日前における検察官、弁護人等の請求による証人尋問手続は、実務上重要な機能を果たしており、請求の要件、具体的手続等についての充分な理解が不可欠であるので、法科大学院教育との整合性を見出すことができる。このように,本問の解説の執筆者は,第1回公判期日前における証人尋問手続の重要性を説いており,さらに,当該「請求の要件、具体的手続等についての充分な理解が不可欠である」とまで述べています。それにもかかわらず,比較的最近の重要な法改正の内容を抑えていないため,上記解説では本肢の正誤の根拠となる同法227条1項の要件を的確に指摘できていません。これは,現役の法科大学院の実務家教員としてはあまりに不勉強とさえ言えるのではないでしょうか。それでは。
2019.02.23
コメント(0)
![]()
大江 忠『要件事実商法(3)海商Ⅱ』[第4版](第一法規)564頁2018年(平成30年)12月21日に発売されました。
2019.02.22
コメント(0)
![]()
大江 忠『要件事実商法(2)商行為Ⅱ・海商Ⅰ』[第4版](第一法規)564頁2018年(平成30年)12月21日に発売されました。
2019.02.21
コメント(0)
![]()
大江 忠『要件事実商法(1)総則・商行為Ⅰ』[第4版](第一法規)552頁2018年(平成30年)12月21日に発売されました。
2019.02.20
コメント(0)
![]()
伊藤 真 監修『司法試験・予備試験 伊藤真の速習短答過去問 商法』[第2版](法学書院)216頁2018年(平成30年)12月18日に発売されました。
2019.02.19
コメント(0)
![]()
宇賀克也『新・情報公開法の逐条解説』[第8版](有斐閣)366頁2018年(平成30年)12月15日に発売されました。
2019.02.18
コメント(0)
![]()
平成22年短答式試験問題[民事系科目]〔第47問〕3.吸収合併において,吸収合併存続株式会社の反対株主が当該吸収合併存続株式会社に対し会社法所定の手続に従って自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求した場合,当該株式買取請求の意思表示が当該吸収合併存続株式会社に到達した時に,当該株式買取請求に係る株式の買取りは,その効力を生ずる。【解説】誤っている吸収合併において、消滅会社に係る株式買取請求については、その買取りの効力は、代金の支払の時(798条5項(現6項)〔存続会社〕)ではなく、合併の効力発生日(合併契約で定めた効力発生日)に生ずる(786条5項(現6項))。したがって、本記述は誤っている。この解説の執筆者は,ちゃんと本肢を読んでいるのでしょうか。本肢において反対株主が株式買取請求をしているのは,「消滅会社」に対してではなく「存続会社」に対してです。したがって,反対株主が吸収合併消滅会社に対して株式買取請求をした場合の当該請求に係る買取りの効力発生時期について記述している上記解説は,本肢の解説としては明らかに誤っています。本肢のように,吸収合併において反対株主が存続会社に対して株式買取請求をした場合,当該請求に係る買取りの効力が発生するのは,当該吸収合併の効力発生日です(会社法798条6項(旧5項))。なお,平成26年改正前は,同法116条1項各号所定の行為をする会社,事業譲渡会社,合併の存続会社等および分割会社に対する株式買取請求に係る買取りの効力は,効力発生日ではなく,株式代金の支払時とされていました(旧117条5項,旧470条5項,旧786条5項括弧書,旧807条5項括弧書)。しかし,同改正の際に,反対株主にいつまで株主の地位を認めるべきかが問題とされたため,一律に効力発生日を基準とする法制に改められました(江頭憲治郎『株式会社法』[第6版](有斐閣,2015)842頁参照)。確かに,株式会社の組織再編に関する手続きは非常に紛らわしくて複雑なので,条文を読んでも正確に理解して整理するのは難しいと思います。また,上記解説において述べられていること自体は誤っているわけではありません。しかしながら,上記解説の誤りは「消滅会社」と「存続会社」を読み違えるというケアレスミスによるものなので,現役の法科大学院の実務家教員ならば,慎始敬終を実行して,六法で入念に条文を確認したうえで正確な解説を心掛けてもらいたいものです。それでは。
2019.02.17
コメント(0)
![]()
平成21年短答式試験問題[刑事系科目]〔第30問〕1.観念的競合の場合における公訴の時効期間算定については,二個以上の罪名を各別に論ずることなく,これを一体として観察し,その最も重い罪の刑につき定めた時効期間による。【解説】正しい刑訴法251条のとおりである。この解説も酷いです。刑事訴訟法251条は,以下のように規定しています。二以上の主刑を併科し、又は二以上の主刑中その一を科すべき罪については、その重い刑に従つて、前条の規定を適用する。ここにいう二以上の主刑を併科すべき罪には,例えば,10年以下の懲役刑と50万円以下の罰金刑の併科を定める盗品等有償譲受け罪(刑法256条2項)がこれにあたります。また,ここにいう二以上の主刑中その一を科すべき罪には,例えば,死刑,無期懲役または5年以上の有期懲役を定める殺人罪(同法199条)や15年以下の有期懲役または50万円以下の罰金を定める傷害罪(同法204条)がこれにあたります。すなわち,刑事訴訟法251条は,公訴の時効期間の算定について標準となる刑が何になるかを定めた規定であって,本肢のように観念的競合の場合における公訴の時効期間の算定については何ら定めていません。したがって,本肢の正誤の根拠として同条を挙げている上記解説は,明らかに誤っています。本肢の正誤の根拠は,最判昭和41・4・21刑集20巻4号275頁または同判例を引用している最決昭和63・2・29刑集42巻2号314頁(熊本水俣病事件)です。最判昭和41・4・21刑集20巻4号275頁は,「刑法五四条一項前段のいわゆる観念的競合は、一個の行為が数個の罪名に触れる場合に、科刑上一罪として取り扱うものであるから、公訴の時効期間算定については、各別に論ずることなく、これを一体として観察し、その最も重い刑の罪につき定めた時効期間によるを相当とする。」と判示しています。また,最決昭和63・2・29刑集42巻2号314頁(熊本水俣病事件)は,「観念的競合の関係にある各罪の公訴時効完成の有無を判定するに当たつては、その全部を一体として観察すべきものと解するのが相当であるから(最高裁昭和四〇年(あ)第一三一八号同四一年四月二一日第一小法廷判決・刑集二〇巻四号二七五頁参照)(以下,略)。」と判示しています。上記解説は,選択肢の正誤の根拠となる条文がないのにもかかわらず正誤の根拠として条文を挙げているだけでなく,正誤の根拠となる判例があるのにもかかわらず正誤の根拠として判例を挙げていないということで,二重の意味で誤っています。本肢は,基礎的判例の知識を問うレベルのものだと思います。それにもかかわらず,上記解説は「刑訴法251条のとおりである。」の一言で片づけてしまっています。このような奇異荒唐な解説は,現役の法科大学院の実務家教員によるものとは思えないほど杜撰だと言えるのではないでしょうか。それでは。
2019.02.16
コメント(0)
![]()
平成21年短答式試験問題[刑事系科目]〔第11問〕3.甲は,乙が住居に使用する同人所有の家屋に放火した後,さらに,同家屋に隣接する丙所有の物置を燃やそうと思い付き,同物置に放火し,同家屋及び同物置を同時に焼損した。この場合,甲は複数の放火行為を行い,所有者の異なる複数の建造物を焼損しているのであるから,現住建造物等放火罪及び非現住建造物等放火罪の各既遂罪が成立し,両者は併合罪となる。【解説】誤っている単一の放火行為ではなく、所有者の異なる家屋、物置に順次放火した場合、単一の公共的法益を侵害するだけであっても、犯罪の個数は数個で、連続犯とするのが判例である(大判大正7年3月15日刑録24巻[原文ママ]219頁)。併合罪とする点において誤りである。放火罪は公共危険罪なので,その罪数は発生した公共の危険の個数によって決定されます。したがって,発生した公共の危険が1個と認められる限り,放火行為が複数回行われた場合であっても,複数の建造物等が焼損したことによって複数の個人的法益が侵害された場合であっても,行為者がその焼損を予見していた客体に関する最も重い放火罪が一罪のみ成立することになります(大判明治42・11・19刑録15輯1645頁,大判大正2・3・7刑録19輯306頁,大判昭和8・4・25刑集12巻482頁)(山口厚『刑法各論』[補訂版](有斐閣,2005)370頁参照)。本肢では,甲は,乙所有の家屋に放火した後に丙所有の物置に放火しており,複数の建造物を焼損していますが,隣接する客体を同時に焼損しているので,発生した公共の危険は1個であると認めることができます。よって,本肢では,現住建造物等放火罪(刑法108条)と非現住建造物等放火罪(同法109条1項)の各既遂罪が別個に成立して両者が併合罪となるわけではなく,両者のうち重い方の現住建造物等放火罪の既遂罪が一罪のみ成立し,非現住建造物等放火罪はこれに吸収されることになります。そうすると,本肢について「犯罪の個数は数個で、連続犯とするのが判例である」として罪数処理をしている上記解説は明らかに誤っています。確かに,上記解説が指摘するように,いったん放火行為を終了したものの他人に妨げられて未遂に終わった後,継続的犯意をもって同一目的物に放火した事案において,別個の放火行為があったとみてそれぞれ別罪を構成するしたうえで連続犯として処理した判例はあります(大判昭和7・4・30刑集11巻558頁)。しかし,当該判例は本肢とは事案を異にするため,本肢の正誤を判断する根拠の判例にはなり得ません。そもそも,司法試験の短答式試験問題は,試験実施の時点において施行されている法令を前提として解答するものです。それにもかかわらず,いくら判例があるからといって,その試験問題の解説で法令からすでに削除されている連続犯の規定による罪数処理を持ち出すのは,些か不適切なのではないでしょうか。なお,連続犯とは連続した数個の行為であって同一の罪名に触れるもののことをいい,従来,刑法55条がこれを科刑上一罪と定めていましたが,昭和22年の刑法改正によって削除されています。それでは。
2019.02.15
コメント(0)
![]()
高橋英治 編『スタンダード商法Ⅴ 商法入門』(法律文化社)212頁2018年(平成30年)12月14日に発売されました。
2019.02.14
コメント(0)
![]()
北村雅史 編『スタンダード商法Ⅰ 商法総則・商行為法』(法律文化社)254頁2018年(平成30年)12月14日に発売されました。
2019.02.13
コメント(0)
![]()
潮見佳男『詳解 相続法』(弘文堂)616頁2018年(平成30年)12月14日に発売されました。
2019.02.12
コメント(0)
![]()
平成21年短答式試験問題[民事系科目]〔第13問〕イ.一般の先取特権を有する債権者は,債務者がその所有物の代償として支払を受けた金銭についても,先取特権を行使することができる。【解説】正しい先取特権は、その目的物の売却・賃貸・滅失または損傷によって債務者が受けるべき金銭に対しても行使することができる(民法304条1項)。先取特権には物上代位権が存在していることを示している(内田Ⅲ487頁)。この解説の執筆者は,いったい何を言っているのでしょうか。本肢における債権者は,共益の費用,雇用関係,葬式の費用,日用品の供給のいずれかの原因によって生じた債権を有する一般の先取特権者です(民法306条1号~4号)。そして,一般の先取特権を有する債権者は,債務者の総財産について先取特権を有しています(同条柱書)。したがって,例えば,債務者が所有する動産が売却されて買主に引き渡されると,その動産は先取特権の効力の外に出てしまいますが(同法333条),債務者がこれによって取得する代金債権あるいは債務者がこの債権の弁済として取得した金銭は,いずれも債務者の総財産の一部として一般の先取特権の対象となります。よって,一般の先取特権者は,債務者が受けるべき金銭の払渡しの前にその差押えをする必要はないですし,この意味において,一般の先取特権には民法304条は適用されないのです(我妻榮・有泉亨・清水誠・田山輝明『我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権』[第2版](日本評論社,2008)510頁以下参照)。また,物上代位性が認められる先取特権は,動産の先取特権と不動産の先取特権だけであって,一般の先取特権ついては物上代位は問題にはなりません。なぜなら,上記の通り,一般の先取特権の場合は,債務者の総財産が目的物となるため,債務者が受けるべき金銭または物は,債務者の総財産の中に当然に吸収されると考えられるからです(近江幸治『民法講義Ⅲ 担保物権』[第2版補訂](成文堂,2007)42頁参照)。したがって,本肢の解説において物上代位を根拠とするのは明らかに誤りです。ちなみに,本問の解説の執筆者は,本問について以下のようにコメントしています。いずれも、先取特権・質権の本質的理解に必要な条文上の知識を問うものであり、適切である。一般の先取特権について物上代位が問題とならないことは,先取特権の本質的理解に関わる内容であり,法学部あるいは法科大学院の未修1年次に習得すべき基本的事項だと思います。むしろ,本肢の場合には,一般の先取特権では物上代位が問題とならないことを前提としたうえで,債務者がその所有物の代償として支払いを受けた金銭に対しても一般の先取特権の効力が及ぶことを理解しているかどうかを問うところに出題趣旨があるようにも考えられます。それを物上代位の一語で片づけてしまうのは,法科大学院の教員にあるまじき甚だしい誤謬です。私は,本問の解説の執筆者の方にこそ,先取特権の本質的理解に問題があるのではないかとさえ感じました。なお,上記解説が引用している内田Ⅲ487頁を確認したところ,当該頁は質権の内容が記述されている箇所であり,「先取特権には物上代位権が存在していることを示している」などという記載は一切ありませんでした。それでは。
2019.02.11
コメント(0)

平成20年短答式試験問題[民事系科目]〔第37問〕ウ.発起人は,自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合でも,職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば,会社に対して当該不足額を支払う義務を免れることができる。【解説】誤っている発起人は、自ら行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合、設立時取締役と連帯して、会社に対し当該不足額を支払う義務を負う(会52条1項)。ただし、発起設立においては、①検査役の調査を経た場合、または、②その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合には、この責任を免れることができる(会52条2項)。しかし、無過失を立証したときの免責(前記②)は、発起設立の場合に限られており、募集設立の場合は無過失責任とされている(会103条1項)。この解説の執筆者は,発起設立においては,本肢のように発起人自らが現物出資を行っていても,その目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合に,その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明すれば,当該発起人は会社に対して財産価額塡保責任を負わないと考えているようです。しかし,発起設立において,現物出資(会社法28条1号)をした発起人は,自らが行った現物出資の目的財産の価額が定款に定めた額に著しく不足する場合には,たとえその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したとしても,会社に対して財産価額塡保責任を負うことになります(同法52条2項柱書括弧書)。したがって,本肢のように自ら現物出資を行っている発起人は,会社に対する財産価額塡保責任を免れることはできないので,本肢の場合に当該発起人がこの責任を免れることができるとする上記解説は誤っています。なお,上記解説の通り,募集設立の場合には,発起人は,その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したとしても,会社に対する財産価額塡保責任を免れることはできません(同法103条1項)。これは,募集設立においては,現物出資等の目的財産の価額が定款に定めた価額に著しく不足すると,設立時募集株式の引受人が実質的な拠出額の不公平により損害を被ることから,発起人および設立時取締役の全員に無過失の連帯責任を負わせたものです(江頭憲治郎『株式会社法』[第6版](有斐閣,2015)110頁参照)。ちなみに,本問の解説の執筆者は,本問について以下のようにコメントしています。いずれも株式会社の設立に関する基本的事項であり、難易度も高くない。法科大学院の教育を経ていれば、十分に対応できる出題内容である。確かに,本肢では発起設立の場合に限定されているわけではないので,募集設立における発起人の財産価額塡保責任が無過失責任であることを理解していれば,本肢の正誤を正しく判断できるのかもしれません。しかし,現役の法科大学院の実務家教員が受験生に向けて解説するのであれば,細心の注意を払って正確な内容を記述してもらいたいものです。それでは。
2019.02.10
コメント(0)

法学セミナー編集部 編『新司法試験の問題と解説 2006~2011』(日本評論社,2006~2011)法学セミナー編集部 編『司法試験の問題と解説 2012~2018』(日本評論社,2012~2018)現行司法試験の問題の解説本シリーズ。著者は,そのほとんどが法科大学院の現役教員あるいは元教員であり,とりわけ短答式試験問題の解説執筆者は,そのほとんどが弁護士の実務家教員あるいは元実務家教員です。本書は,予備校本以外では数少ない現行の司法試験問題の解説本であり,選択科目も含めた論文式試験問題の解説・解答例と短答式試験問題の解説が収録されています。私は本書の短答式試験問題の解説部分しか使用していませんが,はっきり言って酷いです。もう少し正確に言うと,執筆者によって解説の質に著しい差があり,1つの誤りもなく的確かつ適切な解説もあれば,誤りだらけの解説もあります。そして,誤りだらけの解説の方には,誤字,脱字,誤記,誤植が当たり前のようにあり,そのほかに,○選択肢の正誤の根拠となる条文がないのにもかかわらず,正誤の根拠として条文を挙げている○選択肢の正誤の根拠となる条文があるのにもかかわらず,正誤の根拠として条文を挙げていない○選択肢の正誤の根拠となる条文はあるが,正誤の根拠として誤った条文を挙げている○選択肢の正誤の根拠となる条文を挙げているが,正誤の根拠として選択肢の内容とは関係のない条文の部分を指摘している●選択肢の正誤の根拠となる判例がないのにもかかわらず,正誤の根拠として判例を挙げている●選択肢の正誤の根拠となる判例があるのにもかかわらず,正誤の根拠として判例を挙げていない●選択肢の正誤の根拠となる判例はあるが,正誤の根拠として誤った判例を挙げている●選択肢の正誤の根拠となる判例を挙げているが,正誤の根拠として選択肢の内容とは関係のない判例の判示部分を指摘している◎そもそも選択肢の内容とは全く関係のない解説をしているなどの誤りがあります。これらの誤りは,私のような一介の受験生が六法,基本書,参考書,判例集などの教材で少し調べれば明らかに誤りだと分かるものばかりです。本書の短答式試験問題の解説執筆者は,そのほとんどが司法試験に合格している弁護士であり,なおかつ法科大学院で教鞭を執っている現役の教員あるいは元教員です。それなのに,そのような優秀であるはずの教員あるいは元教員が,なぜ,私でも明らかに誤りだと分かるような解説をしてしまうのでしょうか。非常に理解に苦しみます。ちなみに,本書の短答式試験問題の解説には,各問題の最後に「法科大学院教育との整合性」という項目があり,そこには解説執筆者のコメントが載っているのですが,思い切り間違えた解説をされたうえで,「本問は基本的な条文・判例の知識で解ける問題であり,受験生は正解できて当たり前である」などと言われても全く説得力がありません。したがって,少なくとも本書の短答式試験問題の解説を使用しようとしている受験生には,本書ではなく予備校本の解説を使用することを強くお勧めします。次回からは,本書の短答式試験問題の解説の中で特に酷いと感じた誤りをいくつか紹介していこうと思います。それでは。
2019.02.09
コメント(0)
![]()
能見善久・加藤新太郎 編『論点体系 判例民法10 親族』[第3版](第一法規)716頁2018年(平成30年)12月13日に発売されました。
2019.02.08
コメント(0)
![]()
能見善久・加藤新太郎 編『論点体系 判例民法6 契約Ⅰ』[第3版](第一法規)548頁2018年(平成30年)12月13日に発売されました。
2019.02.07
コメント(0)
![]()
能見善久・加藤新太郎 編『論点体系 判例民法6 契約Ⅰ』[第3版](第一法規)496頁2018年(平成30年)12月13日に発売されました。
2019.02.06
コメント(0)
![]()
能見善久・加藤新太郎 編『論点体系 判例民法3 担保物権』[第3版](第一法規)388頁2018年(平成30年)12月12日に発売されました。
2019.02.05
コメント(0)
![]()
能見善久・加藤新太郎 編『論点体系 判例民法2 物権』[第3版](第一法規)536頁2018年(平成30年)12月12日に発売されました。
2019.02.04
コメント(0)
![]()
能見善久・加藤新太郎 編『論点体系 判例民法1 総則』[第3版](第一法規)592頁2018年(平成30年)12月12日に発売されました。
2019.02.03
コメント(0)
![]()
大塚龍児・林 竧・福瀧博之『商法Ⅲ 手形・小切手(有斐閣Sシリーズ)』[第5版](有斐閣)432頁2018年(平成30年)12月12日に発売されました。
2019.02.02
コメント(0)
![]()
村田 渉 編著『事実認定体系 契約各論編3』[新訂](第一法規)496頁2018年(平成30年)12月11日に発売されました。
2019.02.01
コメント(0)
全28件 (28件中 1-28件目)
1