SAC.COM

2019年12月21日
XML
テーマ: 軍艦(25)
カテゴリ: 船舶・navy
​​​​​
 多くの国々で、軍は国会議員と予算を巡って戦いを繰り広げる。
 翼賛議会になる前は、大日本帝国でもそうだった。
 軍隊は国家と国民財産を守るためにあるのであり、軍隊が国を食い潰すような予算・財政は許されないからだ。
 科学の発達で米国の世界最新兵器の価格はうなぎ上りとなり、B-2爆撃機も、F-22戦闘機も配備数を大幅に削減された。


 米国の最新原子力空母CVN-78ジェラルド・R・フォードは、ジェラルド・R・フォード級のネームシップ(1番艦)。  2009年に起工され、2017年7月22日に就役。
 美辞麗句に飾られたCVN-78は「韓国の国産兵器のように」数々の致命的トラブルに見舞われている。
        ​
トラブル続きで実戦配備が遅れに遅れる
「CVN-78」
2019.11.7 JBpress
  …(略)…
 CVN-78には、電磁カタパルト式発艦装置をはじめとする多くの最新テクノロジーが盛り込まれている。
 そのため、運用に向けての各種テストにある程度の長時間が必要となることは予想されてはいた。
 ところが、実際に要した時間は予想以上だった。
 目玉装備である世界初の電磁カタパルト式航空機発艦装置、先進型航空機着艦制御装置、先進型兵器用エレベーター、デュアルバンドレーダーシステムなどに問題点が見つかった上、動力システムまで不調であったため、就役早々15カ月にわたる大規模メンテナンスが必要となった。


 ようやく長期にわたるメンテナンスが完了し、メンテナンス後初の海上テストを終えたCVN-78は、10月25日にニューポートニューズ造船所に無事帰還した。
 海軍当局は、CVN-78が抱える様々な問題点の解決は着実に進んでおり、海上テストにおいても「見事に高速ターンを成し遂げた」と、順調にメンテナンスが完了した旨を強調している。
 しかしながら、かねてよりトラブルが続いている先進型兵器用エレベーター11基のうち、作動するのはいまだに4基だけである。
 そのうち、実戦運用テストに合格したのは3基に留まっている。
 本年(2019年)1月、海軍首脳はトランプ大統領に対して、このエレベーターの不具合はメンテナンス後の海上テストまでには解消させると確約していた。しかし海軍はその約束を果たすことができなかった。
 空母に設置されている兵器用エレベーターは、艦載機が積載するミサイルや誘導爆弾や機銃弾などの兵器弾薬を格納庫から上部甲板に搬送するために用いられるエレベーターである。
 それらの兵器を戦闘機に装着するスピードは空母艦載機運用の死命を制すると言われている。
 このように重要な最新装置類が実戦運用可能になるまでには、いまだ数年にわたる各種テストが必要となる。
ショックテストの実施をためらう海軍首脳
 さらに連邦議会は、米海軍が大統領との約束が果たせなかったこと以上に、あることについて海軍首脳の姿勢に強い疑義を呈している。
 それは、新造軍艦を実戦配備するために課されている「ショックテスト」を、海軍がCVN-78で実施しようとしていないことに関してだ。
 ショックテストとは、軍艦の直近海中で大容量の爆薬を爆発させることにより、軍艦が過酷な戦闘状況でどの程度耐えうるのかを確認する大がかりな実地試験である。
 このテストではかなりの衝撃が軍艦を直撃するため、それなりのダメージが生ずることは避けられない。
 そのため、全ての米海軍軍艦に義務づけられてはいるものの、新型軍艦の場合同型軍艦が2~3隻誕生してから実施されることが多い。
 しかし、海軍専門家たちの多くは、「CVN-78には多数の新機軸の装置が装着されているため、2番艦、3番艦を完成させる前に、それら新装置の戦闘適合性を確認する必要がある。したがってCVN-78でショックテストを実施することが不可欠である」と指摘しており、連邦議会もそのように海軍当局に要求している。
 これに対して海軍首脳はショックテストの実施をためらっている。
  ― 引用終り ―
        ​
 目玉装備の大半がトラブルを起こした。
 先進型兵器エレベーター(AWE:Advanced Weapons Elevators)」11基のうち実戦運用テストを通過できたのは3基。
 エレベーターが不備では空母として到底実戦使用に耐えない。
 電磁式カタパルトの検証が完了していないことからステルス戦闘機F-35Cを搭載する目処がたっていない。
 動力システムもトラブルを起こしたというが、ウランの濃縮度が桁外れに高い原子炉のトラブルでないことを祈る。


 2020年頃本格配備可能とされていたが、CVN-78が実戦対応可能となるのは2024年以降。
 海軍のイージス艦副長の経験がある下院議員は「CVN-78は130億ドルの「はしけ」」と批判した。
 130億ドル(1兆4000億円)はニミッツ級空母の最終価格の2隻分のお値段。


 最先端の兵器(システム)は分野を問わず未知の領域に挑むためトラブルは多い。
 同型艦10隻の建造が予定されており、同種の既存兵器の2倍の価格は新規導入を拒否されるに十分な価格。
 空母打撃艦隊の維持には巨額の費用を要し、フォード級の価格高騰は米海軍の世界戦略を変更を迫るに値する。
​​​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019年12月21日 16時00分09秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

Ta152R

Ta152R

コメント新着

maki5417 @ Re:コメ 品薄の構図、値上げの秋(09/09) 需給ギャップは20万トン程度。 6月頃か…
maki5417 @ Re:福島原発の核燃料デブリ取り出し…着手できず作業中止(08/31) 核燃料デブリ取り出し 元請けから下請け…
maki5417 @ Re:香川産 養殖鮭に注目(07/07) 外国のように船ごとの漁獲高制限をしない…
maki5417 @ Re:星野リゾートトマム 施設売却(07/05) 中国に買われていたとは知りませんでした…
maki5417 @ Re:中国 重要閣僚解任連鎖 農村農業省(05/22) 5%成長は、立派だと思います。 少子高齢…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: