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2020年11月05日
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カテゴリ: 民間航空
 初の国産ジェット旅客機、三菱スペースジェットの開発がついに凍結された。
 コロナ禍で世界の旅客機需要は急停止。
 開発を継続して機体が米FAAの型式認証を得ても、買い手(航空会社)が不在では、開発費の改修は覚束ない。
 そして、国際線については需要復活の見通しも立っていない。
 大変残念なことではあるが、三菱重工業も社運を賭してまで、勝算のない闘いを継続する気にはなれなかっただろう。

三菱国産ジェット、事実上凍結へ
2020年10月22日 共同通信
 三菱重工業が国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発費や人員を大幅に削減し、事業を事実上凍結する方向で最終調整していることが22日、複数の関係者への取材で分かった。
 新型コロナウイルスの流行が直撃し、納入先の航空会社の需要回復が当面見込めないと判断した。
 巨額の開発費を投じ、官民で約半世紀ぶりの国産旅客機を目指したが、ノウハウ不足で6度納期を延期していた。
 国の産業政策にも大きな打撃となりそうだ。
  ― 引用終り ―

 三菱重工業は、豪華客船事業で失敗、発電(原子力、火力)で不調で企業体力が奪われ、航空機事業に大きな開発資金を投じる余裕は失われていた。
 三菱スペースジェットの開発は凍結とのことだが、解凍される日を信じる者は少ないことだろう。
 2019年6月に発表された、三菱重工による買収交渉を行っていることが
 2019年6月25日に590億円で買収することが発表されたボンバルディアCRJシリーズの小型旅客機事業はどうなるのだろう?
        ​
 三菱重工業の旅客機事業については、船頭が多すぎるせいか、開発、製造、販売の実施したことにチグハグさを感じることばかりだ。
 夢の国産ジェット旅客機は夢のままに終わることだろう。
 もちろん利害関係者にとっては悪夢以外の何物でもない。
        ​
 三菱重工業は「開発の凍結」を否定した。
 政府は約500億円を補助金として三菱航空機に支給し、その他にも様々な補助や支援を行ってきた。
 巨額の国費を投入した意義が問われることを、回避するため「一旦立ち止まる」としたと推察される。
        ​
三菱スペースジェット、開発凍結
泉澤社長「一旦立ち止まる」 ​、
納期見えず
By Tadayuki YOSHIKAWA共有する:
2020年10月30日 Aviation Wire
 三菱重工業(7011)は10月30日、納入が遅れているジェット旅客機「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の開発を、事実上凍結したことを正式発表した。
 「一旦立ち止まる」と独特の表現で明らかにし、国が機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」の取得に必要な文書作成は続けるものの、飛行試験は中断。6度もの延期で2021年度以降としていた納期について、三菱重工の泉澤清次社長は30日のオンライン会見で、「納入時期は設定していない」として、航空会社への引き渡し時期は見えておらず、幻に終わる可能性が現実味を帯びてきた。
  ― 引用終り ―





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最終更新日  2020年11月05日 06時00分08秒
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