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2021年10月25日
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カテゴリ: 政について
 かつて日本は「経済は一流、政治は三流」と評されてきた。
 官僚は一流寄りの二流だったのかもしれない。
 今は与党の政権の有力者に忖度する事務次官が、世にアホをさらす時代となった。
     ​
2018年3月23日 宋文洲のメールマガジン
 ここ最近の日本はまさにデータ改ざんのオンパレードです。東芝、神戸製鋼などの企業によるデータ改ざん事件に聞き飽きたところに、日本政府も改ざんの実態を露呈し、世界を驚かしました。
 昔、「経済は一流、政治は二流」と日本の方はよく言いました。そう言いながらどこか「経済一流」に対して政治が少々遅れていても我々民間は気にせずやっていける覇気を感じました。私はそういう政治と関係なく独自の力で世界に打って出る日本人の気迫に尊敬の念も持ちました。
 しかし、 ここ20年間、日本企業の総合競争力が落ちる一方 であることは皆さんもご存知の通りです。中国などの新興国との差は別として先進国の中で成長力が最も欠けているのは日本なのです。 これは一人当たりの国民実質所得が如実に語っています。
G7の中で97年 からずっと実質所得が落ちていくのは日本だけ なのです。
 ここまで来たらもはや経済だけでは解釈できなくなってきました。政治体制に抜本的な問題があるのではないかと考えてしまうのです。
  ―  引用終り  ―
 三流の「抜本的な問題のある」政治主導の政府となり、人事権を握られた官僚は、政治(時の首相、官房長官)に忖度し、立案する政策の中身が四流以下になった。
 経済ジャーナリストの磯山友幸氏が中堅官僚が辞めていく問題について下記の論評をした。
 経済ジャーナリストやエコノミストの類は安倍元首相や麻生副首相のように「ヒトは金のために働く」と思っているようだ。
 「給与体系を変えなければ、優秀な人材は来ない」とまとめているが、的外れである。
     ​
夏の賞与たった0.025カ月減「民間より厚遇」なのに
2021年7月12日 プレジデントオンライン
  … (略) …
■自衛官などの特別職は含まれていない
 ちなみに、公務員給与が高いと書くと、現場の自衛官や警察官は薄給で世の中のために働いているのだ、という批判をする人がいる。だが、ここで内閣人事局が「国家公務員」と言っているのは、自衛官などの特別職をのぞいた霞が関で働く官僚たちのこと。しかも、各省庁の事務次官や局長、課長など管理職は含まれていない。ちなみに 事務次官のボーナスは323万円、局長級で250万円、課長でも180万円前後 と見られている。
 この国家公務員のボーナスは、給与とともに民間の支給実績を調べて、それに準拠して決められる。独立した国の機関である人事院が政府に「勧告」を出し、政府はそれに従って増減を決める。基本的には4月の民間給与と、前年8月から7月までの民間の賞与を調べ、4月分の公務員の給与水準と比較して、改定を行う。毎年夏に「人事院勧告」が出され、それを政府が受けて秋の臨時国会に法案を提出、年末に給与改定が行われる。夏の賞与は昨年末の改定でほぼ水準が決まっていた。
  … (略) …
■中央官庁の中堅官僚が次々に辞めている
 だからといって、国家公務員の給与を引き下げよ、と言っているのではない。一方で、中央官庁の中堅官僚が次々に辞めている、という事実もある。圧倒的に「仕事が忙しい」というのが理由で、行政改革担当相の河野太郎氏は公務員の残業の圧縮など「働き方改革」に旗を振っている。早朝から深夜まで働かざるを得ない官僚たちにとっては、給与や賞与は決して高くない、ということになる。
 霞が関を離れる決断をした官僚に聞くと、「忙しいのが嫌だ」という声は実は少ない。プライベートの時間もなくなるほどの勤務体制に嫌気が差しているのは事実なのだが、 中央官庁の官僚を目指した段階から、「忙しい」ことも、「給与が決してべらぼうに高いわけではない」ことも覚悟の上で入ってきている。
 東大生の人気就職先であるマッキンゼーなどの戦略コンサルティング・ファームは役所の若手に比べればはるかに高給だが、仕事が楽なわけではない。猛烈に忙しく、早朝から深夜まで当たり前のように仕事をしている。
     ​
■課長になるまで25年、下積み期間の長さに絶望
 それでも役所に見切りを付けて辞めていくのは、仕事の忙しさが「無意味だ」と感じるケースが少なくないからのようだ。年功序列がいまもって崩れていない霞が関では、 責任をもって仕事ができる「課長」になる年齢がどんどん高齢化し、今は50歳以上が多い。入省から25年くらいかかる のだ。その間、下積みが続き、大きな仕事を任せられることもどんどん少なくなっている。
 かつては課長と言えば、大きな権限を握っていたが、 今は局長や審議官にならないと実質的な決定権がない 。つまり、役所に入ってもキャリアパスを描けなくなっているのだ。もちろん、その間、給与は少しずつ増え続けていくから、「安定」を求める人には天国のような職場かもしれない。
 6月には通常国会で公務員の定年延長法案が可決された。段階的に65歳に引き上げられる。同時に役職定年制が導入されたが、若手の官僚たちはこれで課長になる年齢がさらに上がっていくのではないか、と危惧している。ますます下積みの期間が延びることになりかねないのだ。
■給与体系を変えなければ、優秀な人材は来ない
 今の若者には、「ひとつの会社で定年まで働き続ける」と考えている人はほとんどいない。若いうちにキャリアを磨き、いくつかの会社を転々としてキャリアアップしていく、という欧米型のスタイルに、少なくとも意識は変わってきている。そうしたキャリアデザインから霞が関は外れてしまったということなのだ。
 給与や賞与の支給方法も、同期入省ならほとんど横並びで、毎年少しずつ増えていく、という終身雇用年功序列賃金を前提にした仕組みを、そもそも若者が求めていないのである。
  ―  引用終り  ―
     ​
 私が知る限りでは「官僚」を選択する人には、世のため人のためを考える人々が多い。
 給料だけでそのような優秀な人材を引き込んだり、つなぎとめることは困難だ。
 「権限の拡大」は必要だと思うので、高齢者を含めた人事処遇の適正化がポイントの一つだと考える。
 三流政治家の意向に忖度して、社会正義・民意に反した行政権の行使を迫られるようであれば、将来に失望して若いやる気のある官僚は辞めて、別の道を探すであろう。人事を握られて政権や与党の幹部への忖度で幹部が選ばれるようであれば、官僚の劣化は避けられない。若年者のやりがいは、抜擢人事や給料の高低だけでは解消されない。





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最終更新日  2021年10月25日 06時00分09秒
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