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2023年06月18日

イエメン内戦、終息方向

テーマ：戦争・紛争・テロ(902)

カテゴリ：政について

　世界がウクライナに注目している中、長期間かつ大規模な紛争としてイエメン内戦は、ロシアによるウクライナ侵略以前から継続している。
　　　　　

　中東のイエメンは、最貧の中東産油国と呼ばれることもある。イエメンの主要油田である（マリブ（Marib）鉱区、マシラ（Masila）鉱区等）の産油量の減退により、2001～02年の約45万バレル／日をピークに生産量の減少している。産油量の減退で外貨収入が減る中、2015年3月から国内の武力衝突が激化し、貧困や食料危機が拡大した。イエメン内戦は、国連により「世界最悪の人道危機」と呼ばれることとなった。
　2020年5月と10月に大量のサバクトビバッタに襲われ、乏しい穀物はさらに乏しくなった。

　2021年時点で、人口の66％にあたる2,070万人が支援を必要としており、そのうち54%が18歳未満の子ども。国内避難民は400万人。

　長引く紛争に、各々の勢力を支援していたスンニ派を支援する隣国・サウジアラビアとシーア派を支援するイランは、早期の停戦を望むようになった。

　2023年に入り、内戦終結の機運が高まっている。暫定政権を支援して軍事介入してきたサウジアラビアと、敵対するイスラム教シーア派武装勢力フーシが今月、和平へ向けた交渉を開始。4月14日、887人の捕虜らの大規模交換が始まった。

 イエメン内戦、終結に向けて正念場 

暫定政府側のサウジ代表団がイエメン入り

2023年4月10日　東京新聞

　2015年から続くイエメン内戦で、暫定政府を支援するサウジアラビアの代表団が9日、イエメンの首都サヌアを訪れ、イランが後ろ盾の反政府武装組織フーシ派と停戦に向けた協議を始めた。内戦はイランとサウジの「代理戦争」の色合いが強く、3月に両国が外交関係正常化に合意したことで、「世界最悪の人道危機」（国連）とも呼ばれる内戦の終結に注目が集まる。

　協議は隣国オマーンが仲介。フーシ派が掌握する国営サバ通信によると、サウジとオマーンの両代表団が9日夜、大統領宮殿でフーシ派最高政治評議会のマシャット議長らと会談し、戦闘終結や、空港や港の封鎖解除などを話し合ったという。フーシ派首席交渉官アブデルサラム氏はツイッターで「私たちの要求は占領軍（サウジ率いる暫定政府軍）のイエメン撤退と補償、国の再建だ」と述べた。

◆「代理戦争」イラン後ろ盾の武装組織と協議

　暫定政府とフーシ派は昨年4月に一時停戦したものの、停戦違反が繰り返され、同10月には終了した経緯がある。今回の協議では双方がすでに半年間の停戦でおおむね合意したとの報道もあるほか、協議前日の8日には、双方で計十数人の人質を交換するなど歩み寄りの動きもみられる。

　3月の外交関係の正常化発表後、イランとサウジの関係改善の動きが急速に進んでいる。今月6日には両外相が北京で16年の断交後初の会談を行い、8日にはサウジ代表団が大使館再開に向けた協議のためテヘランを訪問した。

　イエメン内戦の停戦協議もその一環で、サウジにとっては内戦終結は悲願でもある。サウジ国内の石油施設などを狙ったフーシ派の越境攻撃は国家の安全保障を揺るがしかねないからだ。19年にはサウジ東部の世界最大の石油精製施設が攻撃を受け、世界的な原油価格の高騰を招いたこともある。

　ただ、内戦終結には依然として慎重な見方もある。イランは同じイスラム教シーア派系のフーシ派を支援することで、アラビア半島での影響力を拡大してきた。イエメン情勢に詳しいエジプト人評論家モニール・アディブ氏は「イランがイエメンで築いてきた影響力をそう簡単に手放すとは思えない。一時的な停戦は可能でも、内戦終結には疑問が残る」と話す。

　　―　　引用終り　　―
　　　　　

　失うものが少ないと思われるイランの停戦の意思は固くないと思われる。
　ウクライナで実施されているドローンによる攻撃をみて、広範な地域に産油施設、石油精製施設を抱え、失うものが多いサウジアラビアは、落ち着かないことだろう。

　大量にある石油マネーも戦争による大量消費には勝てない。ロシアと同様、早く戦争を止めるにしくはなし。

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