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2023年07月16日
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テーマ: ホンダ(45)
カテゴリ: 自動車
 ホンダはIT、EV関連の子会社を設立・出資する一方で、系列の部品メーカーの整理を着々と進めている。
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 2023年7月4日、ホンダは連結子会社の八千代工業(本田技研50.4%)をインドの自動車部品大手のサンバルダナ・マザーソン・グループに売却すると発表した。ホンダが165億円を投じてTOB(株式公開買い付け)を実施し、八千代工業株を取得した後にマザーソンのオランダ子会社に190億円で一部株式を売却する。TOBの開始は2023年10月の見込み。
 八千代工業は1985年から、本田技研工業が発売している軽自動車(アクティ、バモス、S660など)の受託生産を行ってきた。
 2017年10月、八千代工業は取締役会にて、本田技研工業との間で完成車製造事業の譲渡に関する協議を開始することを決議した。2017年12月18日に完成車製造事業を本田技研工業へ譲渡することを決議したと同時に、完成車製造事業を継承する新会社として、四日市製作所を分社化する形で八千代工業四日市製作所株式会社を設立した。
 2018年4月2日、八千代工業四日市製作所の全株式を本田技研工業へ譲渡。商号をホンダオートボディー株式会社(本田技研100%)へ変更。
 2013年10月、ホンダエレシスを日本電産売却。
 2019年9月、浅間技研の住友商事への売却。
 2021年1月、ホンダ系列のケーヒン、ショーワ、日信工業を日立オートモティブシステムズに売却。日立Astemoに社名変更。
 2023年3月、日立Astemoへのホンダの出資比率を33.4%から40%に引き上げを発表。
 2023年7月、八千代工業をインドのサンバルダナ・マザーソン・グループへの売却を発表。
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宗一郎時代から取引の八千代も印企業に売却へ
横山 隼也 : 東洋経済 記者
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2023/07/10 5:30
  …  (略)  …
 ホンダと八千代の関係は、ホンダが4輪事業に参入する前の1950年代にさかのぼる。1953年に金属焼付塗装業を主とする八千代塗装として設立した後、本田宗一郎社長(当時)から2輪部品の塗装を任される形でホンダの指定工場となった。
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ホンダの軽自動車を生産していたことも
 1972年には埼玉県狭山市の柏原工場でホンダの軽自動車の受託生産を始めるとともにホンダからの出資も受け入れた。リーマンショック後に、八千代がホンダ車の組立工場建設中止に追い込まれ、当時の社員数の3割に当たる771人の早期退職を強いられた。この時に退職金の特別加算金と再就職支援費用の一部をホンダも負担するなど、系列の中でも特別近い関係だった。
  …  (略)  …
 八千代の主力製品はガソリン車やハイブリッド車(HV)向けの燃料タンクで、売上高の25%を占める。2018年4月に完成車生産をホンダに譲渡してなお2輪部品も含めたホンダ依存度が9割に達する。エンジン関連主体の事業構造の転換と、非ホンダ向けの開拓が大きな課題となっていた。
  …  (略)  …
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ホンダに頼らない生き方の模索が始まる
 すでにホンダ系列ではホンダ依存度を引き下げようとする動きが広がっている。自動車シートが主力のテイ・エステックは、2023年3月期時点で1割に満たない非ホンダ売り上げを2030年までに3割まで引き上げる目標を打ち出した。車体部品を手がけるエイチワンは、非ホンダ売上比率を直近の12%から2026年3月期に2割以上に高める目標を掲げる。とはいえ、非ホンダを増やしてもホンダが中心であることは変わらない。
 ホンダはアメリカと中国を中心にさらにEVシフトを加速させる方針を示しており、系列再編はこの先も続きそうだ。ホンダと資本関係があり、エンジン関連部品を手がける企業だけでもユタカ技研や田中精密工業など複数存在する。
「(経営規模や生産数量で勝る)トヨタ系はさておき、ホンダ系は系列で仕事を囲うやり方がすでに崩壊している。八千代にとってもホンダの出資に頼らない生き方を早い時期に与えられてよかったのでは」。ホンダ系部品メーカーの中には前向きに捉える声もある。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 将来を案じているのはテイ・エステック株式会社(本田技研22.85%)、株式会社エイチワン(本田技研21.33%)だけではない。
 ホンダ系の主なエンジン、ミッション系の有力部品メーカーは下記の通り。
 本田金属技術株式会社は 本田技研工業創設者の本田宗一郎の実弟、本田弁二郎が1963年に設立。シリンダーヘッドやピストンなどの低圧鋳造部品と金型重力鋳造が主力製品。
 柳河精機株式会社は1952年設立。マニュアルトランスミッションのギヤの加工を得意とする。エンジン、ミッション系のアルミダイカスト部品、トランスミッション、足回り系の鍛造部品を製造。
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 今後どのような変化、再編があっても不思議ではない。
  トヨタが内燃エンジンに執着するのは、系列部品メーカーのことも考えてのことだろう。







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最終更新日  2023年07月16日 06時00分08秒
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