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2024年01月02日
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テーマ: 人工知能(268)
カテゴリ: 航空&ミリタリー
 米国主力ステルス戦闘機のF-22、F-35は第5世代戦闘機とされる。もれ伝わるところでは、第5世代戦闘機を検討するにあたり、米国での最大の論点は「有人にするか、無人にするか」であったと聞く。
 ロシアーウクライナ戦争により様々の分野で無人兵器の有効性が立証された。
 米・国務省、空軍の無人派は、いっそう勢いがついたと思われる。
     ​
無人戦闘機の主なメリット
・空戦機動でパイロットの肉体的負担を考慮しなくて良い。
 9Gを超える機動が可能になる
・人が乗らない分小型化できる
・パイロットの視野確保を考慮しない機体設計ができる
・パイロットの被弾を考慮しない構造を採用できる
・墜落時などのパイロットの緊急脱出装置が不要となる
無人戦闘機の主なデメリット
・コストが高くなる→調達機数が減る
 第5世代戦闘機でも十分高額であるが、それを超えて高くなる
・ハッキングされたら敵に奪われる
 現在米軍では、CCA(Collaborative Combat Aircraft=有人戦闘機とともに戦う無人戦闘機)が開発中だという。
 これがAI搭載の無人戦闘機となれば、自律性が確保される。
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米中が火花を散らす「AI搭載無人戦闘機開発」の現在地。
“周回遅れ”の日本は中国の領空侵犯にどう立ち向かうのか?
集英社オンライン 2023年12月1日 
 ウクライナ戦争やガザ紛争などで軍事用ドローンが数多く投入されているなか、米空軍のケンドール長官から「AI搭載の無人戦闘機開発」に意欲を燃やす、かなり踏み込んだ発言が飛び出した。米中が火花を散らすこのステージで、完全に周回遅れ状態の日本はどう対処していくのか?
     ​
無人戦闘機の開発が進むアメリカ
 「開発中の次世代戦闘機とF-35ステルス戦闘機、B-21新爆撃機を購入するだけでは空軍を維持できない。少なくとも1000機規模の戦闘機を手頃な価格で購入し、配備することが必要だ。CCA(Collaborative Combat Aircraft=有人戦闘機とともに戦う無人戦闘機)はそのために設計された」
 ワシントンDCの「新アメリカ安全保障センター」で、米空軍のフランク・ケンドール長官がこう語ったと米軍事専門ニュースサイト「ザ・ウォーゾーン」が報じたのは11月13日のこと。
 この長官発言は近い将来の米空軍のあるべき姿の“一里塚”を明確に示したものと言っても過言ではないだろう。ケンドール長官のCCAに関する主要な発言は以下のとおりだ。
⦁ 現在、ロッキード・マーチン社製の改造されたAI搭載F-16(パイロットなし)を使った自律性開発と、ボーイングが進める同じくAI搭載のMQ-28ゴーストバットなどで有人機との運用をテスト実験中である。
⦁ CCAは5年以内にできるだけ早く生産する。計画は1000機だが、それ以上になる可能性が非常に高い。
⦁ 予想コストはF-35戦闘機(A型からC型まで約85〜110億円)の「4分の1から3分の1」程度になる。
⦁ 有人戦闘機の前方もしくは随伴して飛行するため、作戦に合った航続距離とペイロード能力を持つドローンとなる。
⦁CCAは現在の戦闘機が搭載するシステムをフル装備するわけではない。ある機体は武器を搭載し、ある機体は偵察や索敵のセンサーなどの他のシステムを搭載する。
 これまで米空軍幹部がCCAのコストや生産機数までを具体的に言及したことはなかった。すでにウクライナ戦争やガザ紛争などでドローンが数多く投入されているとはいえ、さらに一歩進んで、有人機とともに戦うAI搭載の無人戦闘機開発に意欲を燃やすケンドール長官の発言を聞き、SFではない現実味を感じるのは私だけだろうか?
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近い将来、「無人機空母」も登場か
 無人機だけではない。近い将来、「無人機空母」も登場しそうだ。洋上で揺れる空母に短い距離で発着艦するのは一番の難関だ。先ごろ、インドやトルコが無人機を空母や揚陸艦で運用する計画を公表したが、無人機開発で世界の最先端を行くアメリカが遅れを取るはずがない。
 11月17日には米東海岸での実験で、イギリス海軍の空母「プリンス・オブ・ウェールズ」から軍用無人機「モハベ」を見事に発着艦させ、いち早く実用化への目途をつけたのだ。
 「モハベ」は米国ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)が開発した短距離離着陸(STOL)機能を持ち、F-35Bよりも大型で武器搭載量も多い。アメリカに続き、イギリスでも空母に搭載する予定のF-35B飛行隊の一部を無人機で代用する動きが出ているというニュースもある。
 前出のMQ-28ゴーストバットも一部報道によれば、英海軍空母向けにアピールしているという。同機はボーイングがオーストラリアと共同で開発した機体で、従来の無人機と異なって有人戦闘機と連携した作戦を行う性能を持つ。
 今年3月にオーストラリアで実際に同機を取材したある軍事アナリストが言う。
 「ゴーストバットは単なる無人航空機ではありません。AIを搭載し、機体先端部分を任務に応じて機器を交換できるモジュラーミッション・パッケージシステムを採用しており、偵察にも攻撃にも使えるCCAです。他の先進国の空軍がめざす無人機と有人機が連携して戦う次世代の航空戦に沿った兵器と言えるでしょう。」
  …  (略)  …
     ​
完全に「周回遅れ」な日本の無人機開発
 一方、わが日本はCCAの前段階となる無人機ドローンの開発でさえ、難航する始末だ。たとえば、2000年代には富士重工(現SUBARU)が偵察任務と火砲の着弾観測用として開発した「遠隔操縦観測システム」(FFOS&FFRS)を備えた無人機が部隊配備された。
 ただ、これはひと言で言うと、大型ラジコンヘリのようなもので、その名が示すとおり30名以上の要員と6台もの管制車両が必要など、部隊展開の迅速性に欠けるという課題を抱えていた。
  …  (略)  …
 前出の軍事アナリストがこうため息をつく。
 「 わが国では第1段階の無人機(ドローン)の導入が始まったばかり。ましてや、AIを搭載したCCAとなると、まだまだ構想の段階にすぎない。 世界の最先端レベルと比べると、その技術開発は一周も二周も遅れていると言わざるをえません」
  ―  引用終わり  ―
     ​
 今のところビッグデータを活かしたAI裁判官の判決に従う国、国家元首はなさそうだ。
 Ai万能と思われていないことの証左と考えるが、武力紛争の局面に限ればAIに任せられるとなるだろうか。
 暴力をもって戦わねば気が済まない人類に、ロボットVSロボットの戦争が近づいているのだろうか?
 兵器が自立した時、兵器は必ずヒトの言うことを聞き入れるのだろうか?










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最終更新日  2024年01月02日 06時00分11秒
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