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2024年02月13日
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テーマ: 電気自動車(301)
カテゴリ: EV  電気自動車
 豊富な駆動用電力を蓄えるEVも、ガソリン車と同様12Vの補機用バッテリーが上がることがある。
 そしてEVのバッテリー上がりはガソリン車のそれよりも悲惨な事態になりうる。
     ​
もしもバッテリーが上がったら…?
【日産 サクラ のメンテナンス】
レスポンス  2024年2月4日 12時0分
 EVのメンテナンスは難しいのか? ガソリン車とどう違うのか? 短期連載の3回目はバッテリーにまつわるトラブルの対処方法などを探る。
 本稿では、筆者所有の日産『サクラ』を例にするが、一般的なEVについても重複する部分も多い。メンテナンスの詳細は、各車の取り扱説明書を必ず読んで、必要ならディーラー整備士などに相談しながら各自の責任で行ってほしい。
 最近の車でもユーザーが交換やトラブルに遭遇するものとして電装品向けの車載12Vバッテリーがある。駆動用に400V~800Vの高圧で30~80kWhもの容量のバッテリーを搭載するEVも、電装品や補器類用に12Vの低圧バッテリーを搭載している。
 EVでも12Vバッテリーがあがることがある。駆動用高圧バッテリーの残量が十分でも、低圧バッテリーが消耗するとコンピュータなどが機能しなくなるので、EVは止まってしまう。ECUが動かなければ車が動かないのはガソリン車も同じだ。この場合、EVも他の車両(救援車)とバッテリーをつないで復旧させることになる。
 手順は一般的なジャンプケーブルを使った方法と同じだ。ただし、EVの充電ケーブルははずしておくこと。ケーブルをつなぐ順番は、救援される側(この場合EV)の12Vバッテリーのプラス端子>救援車のバッテリーのプラス端子>救援車のバッテリーのマイナス端子>救援される側のボディステーなど、となる。しばらくしてからEVの通常の起動手順(ブレーキを踏んだまま電源スイッチを入れる)を行う。エラーやバッテリーの警告灯などがでないで正常に起動したら、さっきと逆の順でケーブルをはずしていく。
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 EVの走行中は、駆動用バッテリーから電装品用の低圧バッテリーに充電が行われる。起動できればそのまま車を走らせることができるが、12Vバッテリーが弱っている場合、トラブルは再発する ので念のためディーラーに持ち込んでチェックしてもらう。EVに限らずコネクテッドカーは、通信や各種タイマー設定など、使っていないときも電力を消費することがある。ドラレコによってはセキュリティ機能によって常時センサーを稼働させていたり、カメラなどが起動されることがある。エンジン車のスターターモーターほどの負荷はないが、長期間動かさなかったEVは要注意だ。
 EVの12Vバッテリーは、ジャンプケーブルで回復・充電してもらうことはできるが、そのままでは他のバッテリー上がりの車の救援には使えない。セルモーターを回すような大電流による負荷が、EVのECUに影響を与える可能性がある。 システムがただのバッテリー消耗と認識すればいいが、つながった車のクランキングによる急激な電圧降下をEV側がシステム異常と認識したり、その他のエラーにつながるからだ。どうしても必要な場合は、EV側のバッテリーの端子ケーブルをすべてとりはずした状態で行うしかない。この場合も、車両ECUがどのようにリセットされ、再起動手順がどうなるのかをディーラーやメーカーに「コールドスタート」の方法を確認する必要がある。ガソリン車でもそうだが、ケーブルをつなぎなおすだけでOKなものも多いが、一時的なログデータやエンタメ系の設定情報などがクリアされる覚悟は必要だ。
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◆EVの牽引時の注意点
 救援車が期待できない、または電欠(駆動用高圧バッテリーの残量不足)ではJAFやロードサービスの救援を依頼することになる。最寄のディーラーなど充電器のあるところへの移動を依頼する。牽引作業は専門家に任せればよいが、EVの駆動輪は浮かせての牽引が原則だ。4WDならば4輪を浮かせての牽引、またはトラックなどへの積載が必要となる。
 駆動輪を浮かして牽引するのは、駆動輪が回転していまうとモーターが発電してしまい、機器に悪影響を与える可能性があるからだ。回生ブレーキでもモーターを発電に利用しているが、牽引走行では、モーターの冷却や制御ECUがうまく動作しない、最悪機器損傷につながる。正常な走行なら冷却システムも作動するし、インバーターやオンボードチャージャーも正しく回生処理を行えるが、牽引時に正しく機能するかはメーカーの設計しだいだ。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 停車中に電気を使用していると駆動用電池から電気が供給されないため、12Vの補機用電池が減少することがあるので要注意。
 駆動用電池の残量があっても、補機用電池は電欠になる。
 下記は対処方法の一例。
     ​
いざという時の対処方法
2022年8月5日  ジョイカルマガジン
  …  (略)  …
電欠を起こしてしまった時の対処方法
 ガソリン車であれば、ガス欠になってもロードサービスやガソリンスタンドにお願いすれば、簡単に燃料を補充することが可能です。しかし、BEVはそうはいきません。
 ガソリンや軽油のように電機は簡単に短時間で補充することができないからです。まずはそのBEVのメーカーのサポートセンターや、JAFなどロードサービスへ連絡します。そして、指示をうけましょう。
 路上での充電をすることはできませんので、おそらく、最寄りの充電スポットや充電ステーションに車をレッカー移動して、充電することになるはずです。
 しかたのないことですが、時間も手間もかかるのはあきらめるしかありません。やはり極力電欠にならないように注意するというのが一番です。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 現行EVで高速道路、自動車道路を走行するときには、駆動用電池の残量の減少が急なことなどから特に注意が必要。
     ​​ ​​
〜敗因と反省&注意点をレポート
2022年11月17日 EV smart
  …  (略)  …
急速充電は「少し早め」でちょうどいい
 ひとつ目の敗因は、富士川SAでの急速充電をスルーしたことです。次に急速充電器がある足柄SAまでは約50km。途中の愛鷹PAや駒門PAに急速充電器はありません。
 前述のように50%ほど残っていたのでスルーしましたが、この時点で「鮎沢へは届かず、足柄でギリギリかな」ということは察しが付いていました。本当は「ちょっと早いけど富士川で充電しておこう」が正解だったのです。
 このあたりの「距離感」はEVの車種やバッテリー容量でまったく違いますけど、長距離ドライブ中の経路充電(急速充電)をギリギリまで攻めたところで、いいことは何もありません。余裕を持って「ひとつ手前」くらいのSAPAでちゃんと急速充電を繋いでいくのが賢明であることを肝に銘じておきましょう。
     ​
テスラ車以外の航続可能距離予測は気まぐれ
 テスラ車では、ナビのルート設定をすると、ルートの勾配も勘案した上で、かなり正確に航続可能距離や電池残量予測のグラフを表示してくれます。でも、今のところテスラ以外の電気自動車でメーターに表示される航続可能距離は、おおむね「直前の走行状況」を反映した数字になっています。
 したがって、今回のように緩い上り勾配が長く続くルートに差し掛かると、走行可能距離が減るスピードは実際の走行距離よりも大きくなってしまいます。今回のケースをもとに例示すると、「鮎沢SAの30km手前で航続可能距離表示は30km」だったのに、「25km手前まで5km走ったら、航続可能距離表示が20kmになってしまった!(5km走って10km減る)」という感じです。
 つまり、EVのメーターに表示される走行可能距離表示は気まぐれであり、ことに上り勾配のルートを走るときは要注意であることを、心に刻んでおきましょう。
     ​
電気は正直。当てずっぽうの過信はトラブルのもと
 電欠のステージとなった東名高速の沼津〜御殿場〜足柄SAへのルートが、緩い上り坂が続いて「航続可能距離表示は2〜3割は差し引いて考えておかなきゃいけない」ということは、今までプジョー『e-208』など何車種かのEVで検証ドライブをした際にも実感していました。
 ただ、昨夜の私は東京へ戻る道すがら、ちょっと深刻な考え事をしていて、いつものように苦手な算数を駆使して計算することを怠りました。裾野ICを迂闊にスルーして「航続可能距離表示が足柄SA到達距離と同じくらい」になった時点で、電欠へのカウントダウンが始まっていたといえます。
 さらに「航続可能距離表示が消えてから8〜10km程度。亀マークが出てから2〜3kmは走れるし」と、当てずっぽうの過信(まあ、表示の時点での残容量を考えるとこんなものなんですけど)を抱いたまま、出口までの距離も知らない新御殿場出口を目指してしまった判断が、今回の遭難を呼び寄せたのです。
 改めて確認してみると、東名の分岐から新御殿場IC出口までは約8.5kmで、足柄に向かうのと同じような上り勾配です。一方で、分岐から御殿場ICまでは約6km、足柄SAまで8.5km程度でした。バッテリー残量がギリギリであることを謙虚に考え、いったん判断した通りに速度を抑えて御殿場ICを目指していれば、電欠レポートをお届けすることはなく、ギリギリで足柄まで行けたかも知れません。
 EVドライブのコツというより何ごとにも共通した教訓みたいなものですが。当てずっぽうの過信を頼りに行動すると、こういう失敗を演じてしまいがちですね。
  ―  引用終わり  ―

 BEVの走行可能距離は、道のりの長さだけでなく、勾配、気温なども考慮に入れなければならない。







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最終更新日  2024年02月13日 06時00分09秒
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