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2024年03月01日
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テーマ: 世界経済(43)
カテゴリ: 経済
 2024年に入ってから中国の株安傾向が止まらない。習近平政権の経済・社会政策に対する不信感から、2023年から外国投資家の中国株式市場離れが本格化していた。
 中国株は「ナショナルチーム」とよばれる、政府が株式を保有し管理下に置く金融機関や大企業が株式市場を下支えしてきた。
 1月30日、中国の香港、上海の株式市場が大暴落したことを受けて、中国国内では「ナショナルチームが力尽きた」という見方が広がっている。
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 2015年以来、習近平主席は不動産バブルを封じ込めるため、資金を株式市場に誘導する政策をとってきた。2015年夏の株価大暴落は上海株災難と呼ばれた。
 市場は投資家の信頼を失った。その後、党の主導・管理を強化することで、株価を維持し株式市場への資金誘導を続けるため「ナショナルチーム」を活用し、株価が暴落した時、デフォルト寸前の企業に資金注入し、株価を下支えした。結果、実質公有企業が増え、市場の不透明性は一層増した。
 「ナショナルチーム」が力尽きるとは、株価を下支えするものが存在しないということ。
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 新NISAも導入開始もあり、2024年に入り日経平均は順調に上げを続けてきた。
 熊本県のTSMCの半導体製造工場の竣工、1月24日の開所式も日本の製造業にとっての朗報であり半導体関連株に弾みをつけた。
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 連休が明けた26日、日経平均株価は一時3万9300円台で終わり、2営業日連続で史上最高値を更新した。
 先週末、株式市場は日米ともに史上最高値を更新した。円安のためドルベースで日経平均は高値を更新していないとの声もあり外国投資家の買いは続くとみの観測もある。今後は、春闘の賃上げによる内需拡大、日銀のマイナス金利政策解除がポイントとなる。
 市場では大台の「4万円」台のせが取り沙汰されている。
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専門家が指摘
2024年2月26日 ニッポン放送 NEWS ONLINE 
 アセットマネジメントOne株式会社の村上尚己氏が2月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2月22日に34年ぶりに史上最高値を更新した日経平均株価について語った。
株価が史上最高値3万9098円、日経平均34年ぶりのバブル期超え
 2月22日の東京株式市場は、日経平均株価がバブル期だった1989年12月29日の水準を上回り、約34年ぶりに史上最高値を更新した。22日の終値は、前日比836円52銭高の3万9098円68銭。取引時間中には一時3万9156円97銭をつけた。
飯田)
 日経平均株価が史上最高値を更新しましたが、どうご覧になりますか?
村上)
 年内にはこれくらいの水準まで上がると想定していたのですが、予想以上にピッチが早いです。年初から18%ぐらい上がっているので、「少し早すぎる」という感じで見ています。ただ、時間の問題だとは思っていたので、驚きはありません。バブル期と並んだからどうだと言われても、他国だと株価は高値を更新し続けるのが当たり前なので、日本もようやく普通の国と同じような状況になったという意味では、よいことだと見ています。
  …  (略)  …
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中国から安全な日本株へ資金が流入
飯田)
 海外筋も入ってきているという話もありますが、中国からの資金シフトは見られていますか?
村上)
 データで確認すると、この1月、確かに外国人勢が買っているようです。中国からどのくらい抜けているのか、客観的なデータを出すのは難しいですが、起きていることからすると米国中心に安全保障の枠組みが変わっており、日本は米国陣営の方に入っています。そのサプライチェーンのなかで当然、日本は重要な役割を果たさなくてはいけない。お金も中国株からの退避で「より安全なのはどこか」と考え、日本だとされた可能性はありますし、それに伴う投資も起きているのだと思います。
半導体ブームに乗って日経平均が押し上げられている部分もある
飯田)
 21~22日のマーケットをみると、AI向け半導体メーカー「エヌビディア」の決算が効いたという指摘もあります。半導体に関してはいかがですか?
村上)
 日経平均が上がっているのは、この半導体絡みです。半導体関連の銘柄で押し上げられている部分が大きい。もう少し幅広い指数のTOPIXで見ると、日経平均ほどは上がっていないので、半導体ブームに乗って日経平均も押し上げられている部分はあります。AIブームが株式市場で評価され、期待が高いから、このような株高が起きていると考えていいでしょう。
  …  (略)  …
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飯田)
 今年(2024年)も始まったばかりで難しい質問かも知れませんが、日経平均株価と日本経済は、年末にはどうなると思いますか?
村上)
 結果的に4万円台に乗るというのはあり得る話です。去年も年間2割以上上がっているので、2年連続で年間2割の株高になるかも知れない。今年は日本銀行が金融政策を変え、これからマイナス金利を解除するでしょう。株高は長期的に見ればトレンドに沿ったいい動きですが、短期的に見ると円安で押し上げられる部分があるので、日本銀行の政策が変わると、為替市場で超円安が少し巻き戻される。それらが現在の勢いを少し抑える感じになると思います。それでも年末にかけ経済全体が崩れなければ、4万円台も十分あり得るのではないでしょうか。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 中国に関しては中国・人民元建て債の海外保有拡大のニュースもあった。
 中国政府は人民元の暴落を防ぐべくドル=米国債を売り、人民元を買い支えている。
人民元下支え=関係筋
ロイター編集
2024年1月31日 ロイター
  中国の主要国有銀行は31日、オンショア外国為替市場で大規模なドル売りを行った。3人の関係筋が明らかにした。これを受けて人民元はほぼ横ばいで推移している。
 関係者の1人は、1ドル=7.1820元付近の水準を守るためにオンショアスポット市場で「非常に強力な」ドル売りが行われたと述べた。
  ―  引用終わり  ―
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 経済実態と為替が乖離していることが、ドル/人民元のヘッジコストを低下させているようだ。
トータルリターンに妙味
2024年2月26日  ロイター
 中国人民銀行(中央銀行)上海総部が23日発表したデータによると、1月の中国オンショア人民元建て債券の外国人保有高は5カ月連続で増加した。ヘッジコスト考慮後のリターンが魅力的と見なされた。
 同月末時点で、中国の銀行間市場で取引されている債券のうち、外国機関の保有額は3兆8700億元(5376億6000万ドル)と、前月の3兆6700億元から拡大した。
 市場関係者によると、資金流入の大部分は為替ヘッジによるものだという。
 現在のドル/人民元1年物フォワードスワップはマイナス2691ポイントで取引されており、1年後に元が対ドルで上昇することを示唆。中国のオンショア債券のリターンはFXスワップを通じた通貨上昇分と合算されるため、米国債を保有するよりもトータルリターンが魅力的になる。
 ナティクシスのアジア太平洋担当シニアエコノミスト、ゲーリー・ング氏は米中利回り差が広がっている限り、このようなスワップのインセンティブは存在するだろうと述べた。
  ―  引用終わり  ―
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 2月2日、IMF(国際通貨基金)は、2024年の中国の経済成長率が4.6%に鈍化するとの見通しを示した。
 中期的にはさらに低下し、2028年に約3.5%になるとした。
 中国の「バブル」崩壊は、日本以上のハードランディングになるとの見方が強くなっている。







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最終更新日  2024年03月01日 06時00分14秒
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