仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2012.10.13
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カテゴリ: 雑感
山中教授のノーベル賞決定(8日)の興奮さめやらぬ11日の読売の朝刊。ハーバード大で臨床応用として心筋細胞移植に成功していたという日本人研究者についての報道が一面トップだった。

内容もビックリだが扱い方もスクープ的で、大きな仕事を果たしたという記者の満足感が伝わるような報道ぶりだと感じたものだ。しかしながら、直後から他メディアが疑義を報じ出して、今日の朝刊では読売も誤報を認め、おわびと検証に努める姿勢を示した。

読売では9月に当の研究者から接触があり、10月4日に東大で取材を行い、担当次長や部長に報告の上、できるだけ早く記事にするという方針になった、と説明している。

正規の臨床研究は事実無根ということになっており、そのそも治療行為があったのかも疑わしい。もちろん、治療行為があったとしたらそれこそ大問題で、勝手な人体実験となりかねない。この研究者は、山中氏とは違う方法でiPS細胞を作り、心筋細胞に成長させて6人の患者に移植、患者は6ヶ月以上生きた、という説明をしていたのだが。

読売ほどの大メディアが、しかも医療や科学技術に詳しい記者諸氏も多くいるだろうに、時代のノリと功名心に駆られた動きだったとすれば、大変残念なことだ。我々一般の者は、新聞の報道や論評によって、科学技術開発の内容や社会的な意味などについて学ぶ事が多い。

私は読売の第一報の朝に、はからずも韓国のES細胞論文捏造事件を思い起こしていた。そしたら、大学では関知していない、医師免許がない、などなど批判の嵐が沸き起こって「正式な」誤報認知だ。なんとも残念な気持になる。

我が国のメディアの水準と信頼を維持するために、大変大事なことだ。ぜひ、検証をお願いしたい。

■関連する過去の記事
ES細胞捏造事件と韓国事情
韓国のES細胞スキャンダルを憂う (05年12月16日)

ついでに一言。読売は、今回の震災でも東北沿岸部の地域医療や福祉について詳しく報道した。その姿勢は私は大いに評価されるべきと思う。事実をそのままに伝え、全国に被災地の実情を忘れさせずに問題点を訴えてくれた。

しかし、時に、こう報じたいという記者の頭の定型枠にはめたような報道が出る。(一般的には自由で多様な論評があって良いとは思うし、そもそも記者が全員万能でないから、それで仕方がない。しかし、)被災地に足を運ぶでもなく、電話で聞いた被災地の実情をすくい上げるどころか、被災地に取材したというだけの根拠に使ってあとは恐らく読者のうなずきを想像するのだろうが、定型的なパタン(行政批判、放射能畏怖、ボランティア最優先など)で記事に仕立てるような場合が現実にあった。大変残念に思ったものだ。

報道や解説記事に際しての記者個人のクレジットについてはさまざまな意見があるのだとは思うが、現実の取材や報道に際しては記者個人の挙動や考えが反映される実態を考えれば、検証に際しても誰がどう動いてどう決定したのかを、読売自らオープンにしなければ検証とは言えないのでないか。読売には医師免許を持つ医療部門の記者もおられるそうだが、今回の検証に際しても、ぜひ、関わった部長や次長や記者の実名もオープンにしてほしいものだ。





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最終更新日  2012.10.13 08:28:47
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