パンダの奥さん日記

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今朝、宣伝カーが町内を賑やかに、何周もしていた。


「9時までに @#*&%$*&@# 玄関前に *&%$#@#$&*」


何度聞いても、スピーカーからの大音量なのに聞き取れない。

大事なお知らせだったらどうしよう?

と思ったが、わからないものは仕方がないよ。


しばらくしたら、パンダ母が


「9時までに、玄関前に立ってろってさ!そしたら、 くれるらしいよ!」


「そう言ってたんですか?」


「お?もうこんな時間だから、立ってな!」


え?わたしがですか?


気乗りしないまま、1階の玄関のとこに立っていたら、



沿道にまで出て、立って待ってる。

玄関のドアの内側で恥ずかしがってる場合じゃないのか?!!!

ちょっと焦ったわたしは、同じように沿道に出てみた。

ちょっと寒い。


そのうち、宣伝カーがやってきた。


わたしとしては、こうやって立ってたら、

アメリカ軍のジープがやってきて

「ギブミーチョコレート~!」

と群がってる子らにチョコを撒く

みたいな感じを想像してたんだが、


宣伝カーから降りてきたのは、小太りの若い青年で

手には、チョコでも麦でもなくて、チラシを持っていた。

との引換券らしいよ。


宣伝カーに近づいて

ギブミー ~!!!

と思ったら、宣伝カーはゆるゆると動き出し、



「こっち!こっち!!!」

とチラシを持ったわたしやおばさんたちを手招きしている。

青年を先頭にずらずらずら~~~~

とご近所さんたちが列になって行進。


ちょっとあったよね、え~っと「ハンメルンの笛吹き男」?


青年は、我が家から歩いて1分の、税務署前に止まっていた、宣伝カーの前にわたしたちを誘導し終わった。

さ、 。。。

と思ったら、まだくれない。

見ると、運動会のときに、来賓や救急用に保健室の先生が待機してるような

テントに、青年があれこれ荷物を出している。


「さ~チラシを持ってる人!ここに輪になって~!」


「さあ、ここにある、高麗人参のエキス!高麗人参、みんないつ使う?!」


「疲れた時~」「サムゲタン作る時~」「お茶~」



ばら、ばら、ばらっとおばさんたちが答える。

あ、あの、 は...?


「そう!で、ここでひとつ覚えて帰って欲しい!!!高麗人参を煮出すときは72時間、3日間かかります!!!みなさん!何時間かかるんですか?!」


「72じか~ん」


「声が小さい!」


「72じか~ん!!!」


「はいっ!よくできました!じゃ、持ってるポリ袋広げて~」


青年はわたし達が持ってたポリ袋に、米ぬか石鹸をひとつずつ、投げ込んでいった。

「あ、ありがとうございます~」

と思わずわたしが言うと、


「はいぃ~っ!この人ちゃんと『ありがとう』言うたから、石鹸もう一個!!」


と石鹸をもう一つ入れてくれた。隣のお兄さんが、ちっ!って顔をした。

石鹸はいいんですが、あの、 は...?

それに、これ、テントの中、野外ですが、

パンダ母の通う怪しい売り場と、ノリがおんなじ、なんですけど...


「それから、この高麗人参!○○の農民たちが苦労して育てること7年!@#$%*&★凸▽*&%$#@#なんです!!!わかりましたかっ?!」


「は~い」


「声が小さい!わかりましたかっ?!」


「は~い!!!」


と、青年が、高麗人参についてのうんちくを、ひとつ語るたびに

「わかった?」「は~い」  の応答があり、その後、小さな景品が

持っているポリ袋に、ぽいぽいと投げ込まれていくのだった。

で、 は?


も~寒いしさ~、待てないよぅ。帰りた~い。

でも、 持って帰らないと、わたしも嫁という立場上困るんだよね~。


「さ、このエキス、ちょっと味見してみてちょうだい!!!」


と、青年はアイスの棒みたいなのに、濃縮エキスをのせて、一人ずつ味見させてくれた。


「ん~、そんなに苦くない~」


「わりと食べやすい~」



と、おばちゃんたちが、売り手の思うつぼ!の反応を見せた。


「今日は、なんと!この濃縮エキス2箱を、提供します!!!」


「もれなく、このコチュジャン(辛い味噌)もつけます!!」



「さあ、順番!おばちゃん!このエキス、誰に食べてもらいたいの?!」


「うちの旦那ぁ~」
(ほんとかい?)


「はいっ!じゃ、そっちの支店長のとこ行って、受け取って!!!」


「はい!わたしが食べます!」



元気なおばちゃんが手をあげた。それ以上精力つけなくても...


「はいっ!じゃあ、おばちゃんも支店長とこ行って。」


ええ?手挙げないと帰れないの~?


「はい~!」


「はい!おうちのどなたに?!」


わたしの番だ!

ほっ、やっと帰れるよ。


「あの、お義父さんとお義母さんに♪」
(ウソっぽ~い)


「?はい、はい、じゃ、支店長とこ行ってね。」


「あ、あの、、、 は...」


「はい、はい、これね。」



と、青年は最後に、2合ほどのジップ袋に入った、 をくれた。

えええ?たったこれだけぇ~~~?


そして支店長と呼ばれるおばさんのところに行ったら、


「あのね、これ、ほんとは1箱が19万ウォン(1万9千円)なの。でも、今日は2箱で19万ウォンなの。なんで2箱かっていうと、1箱はうちの会社が買い上げて、 農民を助ける ことになってるの。だから、 19万ウォンだけがお客様負担 なの。わかる?」


ん~、なんか美談でしょ?お得でしょ?みたいに話してるけど、

セールスじゃないのよ、ねえ?


「もし、今お金ないなら、何回かに分けて入金してもらってもいいし。」


「あ、あああ、あああああ。。。いりませんわ。」


「へ?!」


「すんません。さようなら。」






へ?!って顔したままの、おばさんを背に、わたしはようやく家路についた。


「ただいま~~~!!!」


「あれまぁ~~~!!!長いこと時間かかったねえ!!!」


「お義母さん、 !!!」


「ふぅ~~~~ん。。。」




・・・・・これっぽっちか、みたいな雰囲気が充満。



「そういやさ、売り場がね、引っ越すんだよ、もう。ソウルに。」


「え?!」


「だからね、今、会場整理してて、残ってるのあったら、全部ちょうだいって言ってあるの。今から行ってくるね♪」



わああああ、

あんな変な催眠商法の売り場なくなってしまえばいいのに、

と、祈ってきたけど、

ほんとに無くなっちゃうんだ。。。

あ、でもさっきの新しい人たちが、この街にやってきたもんね。

また、パンダ母、新しいとこ通うんだろうか...

なんだか、妙な感情が湧いてきた。

ほっとしたような、少しだけ、寂しいような。名残惜しいような。




しばらくして、いつものようにガラガラと、カートを引いてパンダ母が帰ってきた。


「ほんとは、パンもあったのに、あの子たち、お腹が空いたから、自分たちが食べちゃったっていうから、じゃ、かわりになるものちょうだい、って言ったら、これくれたの。」


カートの中には、

24ロール入りのトイレットペーパーが4箱と、高麗人参キャンディが2袋、漂白剤が1本、

あふれんばかりに、詰まっていた。







さすがです。












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最終更新日  2005年10月22日 17時37分04秒
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