『福島の歴史物語」

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2016.11.06
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     寺 の 役 割

 三春町史資料編によると、元禄十四年(1701)、12軒の造り酒屋が、1升当たりの価格表を掲示せず、かつ酒林(さかばやし)を軒先に懸けなかったとして、遠慮を申し付けられています。

 酒林とは、スギの葉(穂先)を集めてボール状にした造形物です。造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たしていたもので、「搾りを始めました」という意味もありました。また遠慮とは、門を閉じ、外出を禁じた刑罰で、商人としては営業停止に当たるほどの刑罰であったと思われます。それにしても小さな三春に、12軒もの造り酒屋があったのは驚きですが、今と違って規模が小さかった時代、このように多くの軒数になったと思われます。次に原文のまま、『申渡之覚』を掲げてみます。

        申渡之覚
 一、今度金井作之右衞門殿より町酒屋共へ 酒林を差出し候様
   ニと被申儀 早速此方共へ為知窺申事ニ無為酒林出し候儀
   不念不届之事
 一、酒林差出し候上ハ 新諸白以一升ニ付何程と書付出し候様
   ニと金井作之右衞門殿よりも被申候処ニ書付け不仕酒林不
   出し置候之儀 被申付を不用勝手向之働我儘成仕方重重不
   届ニ付候
   依之遠慮申付候 
   差出し置酒林ハ取入不申その儘指置可申事 右之趣左ニ書
   付候の者共ニ可申渡候

                           以  上
       正月二十八日
                 町奉行
                   早川与次左衞門殿
                 検段
                   八郎兵衞殿
   大町 伝兵衞、同町 清兵衞、同町 伝七、同町 五市右衞門、
   同町 甚内、同町 善兵衞、北町 弥惣左衞門、南町 七左衞門、
   同町 五郎八、中町 庄兵衞、同町 弥兵衞、同町 孫十郎
                        以上十二人

 この藩の命令に対して、町内の寺院が動き出している。この資料のみから、交渉の全容を知ることは出来ませんが、3日後の藩からの文書、『御寺方大勢之御詫ニ付』から憶測することは可能です。お寺は、領民の立場に立ち、そして弁護士的活動もしていたということかも知れません。次のような『遠慮申付置候酒屋共江赦免申渡控』の文書が、残されているのです。

    同年一月三十一日
        遠慮申付置候酒屋共江赦免申渡控
 一、今度金井作之右衞門殿より町酒屋共へ被相触候ハ 酒林指
   出し井新諸白と直段書付差出シ候之様ニと有之候処 その
   段支配所へ為様為知窺不申候事不念不届ニ候 その上作之
   右衞門殿をも不用 新諸白と直段書付ハ徐之 酒林斗指出
   し申候儀重重付届 我々勝手向之働我儘成形ニ有之故遠慮
   申付置候得共御寺方大勢之御詫ニ付令赦免候
        此旨寺方へも申逹右之趣過申渡候

                           以  上

       正月 町奉行共
          早川与次左衞門殿




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最終更新日  2016.11.06 09:24:09
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