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心地よい朝の眠りをむさぼってると、電話の音。「ろんぐたいむ みのいやゆ~(久しぶりやなぁ)」返事もそこそこにすぐ旦那にパス。誰やっけ。あ、大阪在住のラスタマンや。出産報告もなしで事務的すぎたかなぁ。寝ぼけてたししょうがない。だって床についた時、既に夜は明けてた。「今日は公園に子供を連れていくんやー」と電話の相手に旦那。そう、今日は初の子連れ外出が決行される日。そんなわけで、早めに子供をお風呂に入れる。いつもは昼のソープドラマの前と、私個人の勝手な都合が優先されてる。この子も心なしか目をキョロキョロさせ、次の動きを見守ってる様子。しかし責任者は再び夢の中。あー昼ご飯もまだやし。計画は延期?ようやく起きたかと思いきや「新婚さんいらっしゃいの時間や!」とっくに終わってるっちゅーねん。ジャマイカ人のドレスアップに対する気合いの入れっぷりは、大人だけじゃない。セレブばりにファンシーに飾り立てられたピキニー(子供)たちは島の隠れた名物ともいえるのでは。過剰な自意識はあんな小さな頃から培われるのかと勝手に憶測。ここでも自ら一張羅を着込み、生後まもない乳児にまでそれを強要する人が。しかし、オムツ換えで事態は急変。眠りを妨げられた抗議か、冷たい手で触られた不快感か、カンシャクを起こす子・・。出た。これが始まると手に追えへんねんなぁ。バトンタッチして私が授乳するも拒否。火がついたように泣き続ける。まるでサイレン。旦那に抱かれてようやく静まる。おっぱいポロリ姿で立つ瀬のない私。泣き過ぎて目の周りを赤くした息子は、ジャンキーみたいな顔になってた。今日はもう無理かぁ?泣き疲れたせいか、外では終始寝てた彼。旦那にいわせると薄目で様子をうかがってたらしいが・・。それより久々の外出にこたえたのは私のほうやったり。いい天気やのに心は晴れへん。子供の検診の日がせまってる。私一人でこれを成し遂げられるのだろうか?夜はよく寝てくれた。久しぶりにDVDをまとめて見れた。これからもっと散歩につれていこう!と今日の成果に満足しベッドに向かおうとすると不吉な音・・。サイレン?始業ベル?あぁ、今夜も夜勤ですか・・。
2007/04/29
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「日ごとによくなりますからねー」先生は毎朝同じセリフをくりかえす。その調子で逆子も治るって言ってはったっけ。確かに毎日少しずつ回復してった。最初の排尿は苦痛を伴うものだったけど。いやおうなく出したり止めたりと花電車ばりの技を習得(?)。アソコのしまりをよくするにはこれが一番!、と言ってた子がいたっけ。このスリル、入れっぱなしでパンパンになったタンポンを抜くのにちょっと似てる。Been there, done that. どんな経験も無駄な事はひとつもない。一方「大」は精神的な苦痛。「らむさん、おつうじありましたあ?」と毎朝聞かれる屈辱感。「必要なら下剤出しますんでねー」ここでもケミカルの魔の手。その分出た時は喜びもひとしお。プライバシーなんてものはここには存在せず。「おっぱいでてるー?」といれかわりたちかわり乳首をつねってくるナースたち。思わず身を引いてしまうほどの痛さなのです。ヤンキー風ナースにやられた日には、自分の存在をとてもちっぽけに感じた。そう、ここは母親養成所。指導、指導でスパルタ鬼教官(ナース)に育児のノウハウをたたきこまれる。特に母乳には力を注いでいて、前述の洗礼のおかげか、私の胸も目を見張る変貌を遂げる。このままいくとパメラ・アンダーソンに近付く日も遠くはない?活性化される乳腺に連動し(?)涙腺もゆるくなった。初めて息子に話しかける旦那を見てポロリ。まだお腹にいたころの子供を思い出しポロリ。「初めてのおつかい」や「こぎつねヘレン」も今はヤバい。体の中でホルモンの嵐が吹きまくってるみたい。それは私だけじゃなかったようで、後で友達になったハラキリ仲間も、部屋で一人泣いてた、と言ってた。退院前夜、部屋の写真を何枚か撮る。痛みも涙も、興奮もとまどいも、全てはここで。ピンク色のこの部屋で。パジャマ姿のミイラたちが、母親になることだけに全てを費やし、ドーナツクッションに囲まれ(ハラキリにゃ無縁やったけど)、外の喧噪から遮断されたこの特殊な空間と、そこで過ごした濃密な時間を忘れまい、と。帰りのタクシーから見た景色はすっかり春だった。葉桜に一週間の長さを感じた。The End
2007/04/24
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リカバリールームに荷物を持って旦那が入ってきた。最初からずっと男の子と言ってたこの人は、み あ ぷろふぇっと ゆの!(わしゃ予言者やゆーてるやろ)。あぁ、また夢の話か。それより帰りホカ弁でちゃんと「オオモリ」って言うんやで。さて、当たり前の生理現象を奪われてしまうと、人間気まで病んでしまうものですね。食事は点滴、排尿はチューブから。時折下の世話(てか、パッドの交換)にくる看護婦さんに不自由な下半身(まだ麻酔きれてません)を預け、介護される自分を自覚。なす術もなく、ベッドに横たわったまま痛みに悶絶する長い夜。ロングキスグッドナイトのジーナ・デイビスのセリフにもあったように、痛みで痛みを制す手法。私も自分の手を噛んでしのぐ。まるで禁断症状で指をかみきる麻薬中毒者のごとく。「出血がひどいので子宮を収縮させる点滴打ちますねー。痛かったら痛み止め出しますので言ってくださいネ!」Say no to ケミカル。って、この期におよんで・・。「痛み止めって、普通使うもんなんですか・・?」「んー、なしですます人はまずいないです!」「じゃ、お願いします・・」やがて薬が効いてきたのか妙な高揚感。そしてようやく眠りに落ちた。屋上から飛び下りたりせんやろな(てか、十代ちゃうやろ)。ところでこの部屋には先客がいた。携帯メールをうつ音や歯を磨く音が聞こえる。昼の手術の人か。この密室で第三者の存在は大きく、その気配だけでも十分はげみになった。「この人、ツワモノ・・」言葉を交わすことはなかったけど、彼女とはその後急接近する。外では鳥の声や選挙カーの音。いつもとかわらない一日が営まれてた。特筆すべきはカンガルーケアという、30分間赤ちゃんを抱かせてくれるシステム。看護婦さんに連れてこられた我が子は、開かない目を開けようとしてそれがまるで下手な笑顔に見えた。初めての抱擁はたぶん一生の思い出になると思う。支給されるものが徐々にグレードアップしていき、この部屋を去る時が近付いてきた。おしぼり→水(飲まずに吐き出せ、って私は試合前のボクサーか)→そしてフィニッシュはカルピス(ごていねいにミッフィーちゃんのコップ)。晴れて部屋を後にしたのは、午後二時をまわっていた。その前に院共通のネグリジェに着替えさせられた。ピンク地に白の水玉。実はそれが一番キツかったりして。(しつこく)To be continued
2007/04/23
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「そういう時は朝からこな!いつ始まってもおかしくないんやから・・」とナース。「朝来たらなんとかできたのに・・」と別のドクター。はい、次からそうします・・ってお宅の看護婦が待機しとけゆーたんやないか!?(と心の叫び)体温計をわたされ「脇の下でいいんですか?」と大ボケかましてしまう。「他にどこがある?」私、舞い上がってるみたい。剃毛。ジョリジョリ。ここは何か話題を・・。私はいたって平静を装い「普通分娩の人も剃るんですか?」「剃るよーここじゃなくて会陰部ね」アソコに機械つっこまれながら会話してたのはいつの日や。今はアソコをそられながら雑談。旦那はまだかと外野がうるさいので、待たずに始めてもらうことにする。「いいのぉ、らむさん、ゴメンねぇ」緑色の手術着に着替えた執刀医。私の目には聖人に写った。オカマよばわりしててごめんなさい。手術のことは細部にいたるまで覚えてる。無機質な部屋はまるで「食肉解体センター」。シャワーキャップに全裸という前衛ファッションで平均台のような幅狭の台に寝かされる。鼻には酸素チューブ。アソコに尿の管。「子供さんはどっちがわかってるんですかぁ?」「いえ、最後にとっておこうと・・」「じゃ、楽しみですね!」頭の上のナースが終始私に声かけ。そういうポジションなんかな。「横になれる?できるだけ背中丸めて」10か月の腹でそれは無理です。「麻酔打ちますねー痛くても動かないで」動いてしまうほどイタイんですか?実際それほどでもなく、やがて下半身はじんわり暖かく。上半身は緑色の布をかぶせられ、視界が遮られてる。研ぎすまされる聴覚。ドクター「メス」ナース「もうすぐ赤ちゃんでてきますよー」規則的な電子音。血圧計の数字を読むナースの声。やたらハイテンションな周りの会話。やがて、耳慣れない音が聞こえてきたと思ったら、赤ちゃんの産声だった。「男の子ですよー」その瞬間、やっぱり泣けてきた。I knew it. 布の隙間から見せてもらった子は気持ちよさそうに目を閉じてて、やたら大人っぽい手をしてた。ここからが長かった。体の中をいじられてる感触。インストゥルメンタルの明るいBGM。ナース「これだけどの映画かわからなんですよねぇ」どうやら宮崎駿映画のサントラらしい。さっき荒井由実のひこうき雲がかかってたけど、あれもハヤオ?(てか、あれ女の子が死ぬ歌ちゃうっけ・・)さっきから布の上に色んな物がのせられ気になる。ナース「あ、子宮のってましたよ」。ドクターとナースが私の膀胱のついてやり取りしてるのが聞こえる。てか、私の膀胱見えちゃってるんですか?手術のエンディング曲はなぜかCountry Roadだった。パーティーは終わって、別室へ。ストレッチャーで運ばれるのってこんな景色なんかぁ。To be continued
2007/04/17
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ご無沙汰してます。予定より少し早く、無事男の子を出産しました。出産といっても、結局ハラキリ・・逆子は治りませんでした・・出産日記、少しずつ更新していきますのでどうぞよろしく= = = = = = = = = = = = = = = = = = よう しゃう み ばっく のまん! えまーじぇんしー!(電話くれ! 緊急事態や!)朝から電話のベル。相手は想像がつく。旦那は既に出勤したし、ここは居留守を使おう。メッセージの声は義弟#1やった。Emergencyって?かかわりあいたくないけど、気になる。身内に不幸があったとか・・?その予想を大きく裏切り、内容はまたもや金の無心。あのなぁ、Emergencyはこっちやわ。カウントダウン入ってるゆーねん。とかいってると、ホンマにその夜、それがきた。身動きがとれないほどの鈍痛が、静かに寄せてはひいていく。素人の浅知恵で、時間を確認。一応間隔をはかる。テリー・マクミランの小説でそういうシーンがあった。朝を迎える頃にはそれは30分きざみになってた。(波と波の間は、いたって普通に過ごせちゃうんです。そのタームを活用して家事をしたり動いたりしてました)朝10時。産婦人科へ一報。「来週手術やんね。痛み止めの薬飲んでてね」と電話口のナース。私この人嫌いやねんなぁ。とりあえず横になって、規則的に訪れる波をやり過ごす。この時の判断がその後の運命を大きく左右するなんてその時は思ってもいなかった・・(おおげさ)一向に治まらない痛みに夕方再度コール。このまま夜を迎えたくないじゃないですか。電話に出た別のナースからGOサイン。すぐ帰るつもりで着の身着のまま出発。ダイナマイトを抱えるようにしてクリニックへ向かう。夜の待合室はガランとして、ギャル系の女の子数名のみ。すぐに呼ばれ、ドリームキャッチャーの部屋で機械をつけられる。また波。時間確認。先生は初めて見る若い女医さん。機械がはきだしたグラフを示し「10分間隔になってるけど、わからなかった?」えっ、ずっと30分間隔かと・・。内診、「4cm開いてるね」てことは、お腹の子、既にReady?逆子のままで。はぁ、ついに奇跡は起きなかったか・・。「もう始まってたんやねぇ」って白々しい朝のナース。てめぇのせいでこんな遅くなったんやないか。「今から入院できる?」と言われ、NOなんて言えまっかいな。旦那を携帯で呼び出し、荷物をもってきてもらうよう要請。「私がかわろうか?」と別のナース。「外人なんで・・」「あ、そうやった」さっきジャマイカ人ってゆったら「へえー!」とかゆうとったやん。そのナースに腕を組まれるようにしてエレベーターに乗り込む。初めて足を踏み入れるフロア。そこでどんな運命が待ち受けていようとは、その時はまだ知る由もなかった。To be continued
2007/04/16
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