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シネ・リーブル神戸「ホン・サンス」シリーズ第4弾!
お客さんは数人。予約の時は一人でしたが、劇場には数人。なんか、こういう状態になれると、流行っている映画に行きにくくなるんじゃないか不安です。
4本の ホン・サンス
映画
、すべて キム・ミニ
という女優さんが主役でしたが、今回の 「クレアのカメラ」
が一番出来がいいと思いました。理由は簡単で、この映画には 「外部」
があるからです。
イザベル・ユぺール
というフランスの女優がポラロイドカメラの持ち主、写真をとる人として登場しますが、会話は英語です。韓国語でも、フランス語でもありません。この会話のシーン、そして、知らない人だったけれど,このフランス人の女優の演技、ぼくはこれを、今まで見た ホン・サンス
の3本の作品にはなかった 「外部」
だと感じました。
この映画も含めて、彼の映画は主役の女性 キム・ミニ
の 「ひとりごと」
を映像化しているように見てきました。だから、彼女が寝ているときは、観客のぼくも寝ていればいいのです(笑)。
しかし、映像としては、筋立てから女優の表情を読むことを求めているようで、 「思わせぶりの押し付け」
の印象が強く、ぼくふうにいえば、 「めんどくさい映画」
と言いたくなる傾向があったと思います。
加えていえば、 「これは、どうも、いままでに見慣れてきた日本映画とは違うな。」
という印象です。この映画でも社長の役をしている女優や監督役の男優の、いかにもという演技やセリフ。二人の別れ話のシーンや、監督と キム・ミニ
の再会のシーンなんて、 「おい、おい、大丈夫か」
という不自然さで、一方に、 キム・ミニの表情
だけがあります。これが読みきれないんです。
共通の解読法、いわゆる、コードを知らない異文化の人間たちのありさまに、興味は惹かれながらも、理解できなくて困惑するという違和感がぼくにとっての ホン・サンス映画
でした。
「意味ありげやけど、ホンマは何もないんとちゃうか?まあ、ええけど。」
ところが、この映画にフランス人の音楽教師 イザベル・ユぺール
が登場し、ぼくにでもわかる英語の会話で場面が動き始めると、その印象が変わったのです。
一つは、明らかに、このフランス人女優の映像上のふるまいが、きっと、俊逸なのです。
軽いのに深い、バーサンなのに若々しい。
今まで見てきた ホン・サンスの映画
の登場人物の誰とも違う動きと表情があります。俳優としての演技力ということかもしれません。
もう一つは、たぶん英語の会話です。 ユペール
のやってることも、いっていることも奇妙なのですが、フランス語だったらどうだったでしょう。ちょうどいい具合に中間点を作り出している。それぞれの登場人物たちが外部と出会う場所になっています。
そこでは、不思議なことに、そこまで、見ているぼくが、わざとらしく感じていたそれぞれの人物の演技が、リアルに感じられようになります。映画そのものが、ある意味どうでもいい話なんですけれど、いや、どうでもよくないか、面白くなってくるのです。
もっとも、予告編やチラシがうたっている 「カンヌ映画祭の裏事情」
なるものが、この映画のどこにあるのかは、結局最後まで分かりませんでした。まあ、ぼくがものを知らないせいだと思います。
大雨警報の午後、 シネ・リーブル
を出ると、青空が広がっていました。
帰ってきて、調べてみると イザベル・ユぺール
は とんでもないキャリアの女優
でした。いやはや、失礼しました。
2018・09・10・シネリーブルno20
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