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2024.11.16
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​ファニー・ブロイニング「旅路」元町映画館​
​​​​​​​​​ 神戸の 元町映画館 だけで、先週の11月9日の土曜日から1週間、 ヘルヴェティカ・スイス映画祭 というスイス映画上映の企画をやっていました。気になっていたのですが、何故か、ちょっとお忙しの1週間で
​「まあ、いいか」​
​​ とか思っていたのですが、映画館の前を通りすがると ​​
​「なぜ来ないんですか?」 ​​
とか声をかけられたりして、 ​​
「まあ、最後の1本はお愛想して行けそうだ。」
 ​​ というわけで、最終日の 11月15日 金曜日 にやっと出かけました。で、これがチラシですね。​​​​​​​​​
​ 見たのは ファニー・ブロイニング という女性の監督の 「旅路」 という作品でした。  ​​
​イヤーぁ、ビックリ仰天! 拍手!拍手!​
​​  でしたね(笑)。
 映画は 1頭のイルカ が海を泳ぐシーンで始まりました。
​​ スイスなのにイルカかよ? ​​
​  まあ、何の知識もないこともあって、そんなことを考えならが見始めましたが、最後に同じシーンが映し出されて、で、暗転した時には
そうか、全身を躍動させて、水しぶきをあげて泳ぐイルカか。そうだよな、それが、生きることだよな!
 ​ と、つくづく納得したのでした(笑)。
 おそらく 30代 で、所謂、 多発性硬化症 と呼ばれている症状を発症し介護的補助なしではベッドから起き上がることもできない 女性 と、 写真家 だった仕事をやめ、その 女性 の介護のために24時間付き添い続ける 男性 という 夫婦 が、 キャンピング・カー ギリシア旅行 をする様子を、二人の である ファニー・ブロイニング という監督が撮ったドキュメンタリー映画でした。
​  二人 美術大学の同級生 で、この旅をした 2018年 当時、 68歳 だったかという 老夫婦 です。​
イラストレイター だった 妻アネッティ が若いころに描いた1枚の イラスト 、縦横にたくさんの、多分、同じ女性の姿が繰り返し描かれていて、足が消えていたり、手が消えていたり、クイズのようなその絵が 娘のファニー のお気に入りだったというナレーションとともにクローズアップされて、続けて 夫婦の日常生活 の様子が映し出されます。
 で、 夫のニッギ が寝たきりの 妻アネッティ に美しい ギリシア の自然を見せようと 旅に出る 決意をし、 キャンピング・カー を改造しはじめます。 アネッティ にそなえて洋服や下着、化粧品の用意を介護士の女性に頼みます。
 で、 が始まります。 助手席 アネッティ の定位置です。後ろに改造ベッドがあって、 車中泊 です。 フェリー に乗り甲板に出たり、 遺跡 を訪ねたり、海辺や市場、噴煙を上げる山、沈む夕日、自動車を止め、とにかく車椅子で行ける場所へ アネッティ を運ぶのは ニッギ の役目です。
​​親指が痛い・・・​ ​​
​  ニッギ が顔をしかめ、 ​​
​もっと、大勢の人と出会える家に帰りたい・・・​
​  に甘える アネッティ のつぶやきが聞こえてきて も終わりのようです。 イルカが泳ぐシーン が映り、画面は暗転しました。
 ここまで、触れませんでしたが、旅のシーン、シーンには 娘が母に問い、父に問う会話 と、 若かりし日の二人と家族の写真 が挿入されます。それが、もう一つの 「旅」 を描いていく印象です。
 ドイツ語では IMMER UND EWIG と題されているようで、まあ、 「ずっと永遠に」 くらいの意味だと思いますが、映画が描いている二人が生きてきた、そして生きていく旅の姿は、二人の境遇のものすごさを超えて、映画を見ている70歳の老人を励ますのでした。 イルカのように全身で泳いで生きる姿 は、病身の アネッティの希求 であるのは勿論ですが、世話をしている ニッギの希求でこそある のだという ファニー・ブロイニングの穏やかな声 が聞こえて来るかの作品でした。
 映画に映る すべての人 美しい世界 拍手! でした。
​ これが、今回の ヘルヴェティカ・スイス映画祭 のラインアップです。来年以降もやるようです。来年は頑張って見たいですね(笑)。​
監督 ファニー・ブロイニング  
原題「IMMER UND EWIG」  
2018年・85分・スイス ・スイスドイツ語
2024・11・15・no147・元町映画館no265



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最終更新日  2024.11.16 02:40:32
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