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先日、 団地
を歩いていると、同じ団地の住人である お友達
と出くわして、立ち話でした。
「どこ行くの?」
「うん、バス乗って舞子。で、明石の図書館まわりで映画。元町。」
「図書館は垂水じゃないの?」
「神戸市の図書館は予約がうるさいから、明石。本も新しいし。」
「映画は何見るの?ケン・ローチとか?」
「ケン・ローチはまだやろ。」
「エッ、始まってるよ。」
「ホント?ボクは中央アジア。ウズベキスタンって知ってる?」
「うーん、ボク、一応、ロシア語なんだけど(笑)。」
「あなたー、お昼よー。パスタ伸びちゃうわよー。」
「ああ、これは、どうも、じゃあ行くね。」
「うん、気をつけて。」
感想を聞かれたら困るなあ・・・まあ、そんな感じです。
「監督、ケン・ローチじゃなかったね。」
「うん、勘違いしてた(笑)。」
ことばを失っていたのです。 「オーロラの涙」 という題名ですから、
「いつ、泣くのだろう?」まあ、そういう興味で見ていたのですが、 彼女 が、確かに、涙をにじませたシーンを見つめながら ローラ・カレイラ という 女性監督 の人間の存在の根底を描こうとする意図を素直に演じる ジョアナ・サントス という女優さんの、号泣へと崩れ落ちそうな 哀しい顔 に、涙しながら目を瞠ったのでした。
「語るべきわたし」が「わたし」のどこを探しても見つからない。 一言でいえば、それが、この映画のすべてで、まれに見る 傑作 でした。
神戸
に限らないのでしょうね。街には 分厚い靴底、きらびやかな爪、ファッショナブルな衣装
、どなたも同じに見える 様々な髪の色
や、 マンガの主人公のようなメイク
の女性や男性が溢れています。映画で繰り返しアップされる オーロラの表情
とは対照的ですが、街を歩く彼女や彼たちに 「語るべきわたし」
はあるのでしょうか。
生きている人間から何を奪い取っているのか。まあ、ボクなりにまとめるとですが、そういう、 深い問いかけ を、 淡々と描いた 傑作! でした。
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