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またしても滑り込みセーフな雑記です。調べても出てこない~!となげいているのですが、他のネタがないのでそのまんまいっちゃいます。どこまでメジャーな名前かすらわからないのですが、エンジェル・ブレッシング・クォーツという名前で売られていました。別のところではシャトー・クォーツでした。透明な水晶で有名なアメリカ、アーカンソー産です。特に先端にかけてがミルキークォーツのように半透明ですが、これはチタンガスがインクルージョンとして入り込んでいるからだということです。エンジェル・ブレッシング・クォーツは、このように半透明なものだけでなく、ほぼ透明で、チタンガスのインクルージョンが風になびくようにふわりと白く入っているものもあります。ちょっと見には、普通の水晶の霧状のインクルージョンと間違ってしまいそうなのですが、二つを並べて見比べると「違うかも」という感じでしょうか。おそらく、「エンジェルブレッシング」というネーミングは、その繊細なインクルージョンから来ているのだと思うのですが、私にとってこの石の最大の魅力は形です。結晶の一部がまるで針のような、あるいは剣山のような無数のポイントを形成しているのがおわかりいただけるでしょうか?エンジェル・ブレッシングという名前のつけられた水晶では、端正なポイントの形をしたものもあります。どちらかというと、ちゃんとポイントになっているものの方が多く、一部に剣山状ポイントの石があると言った方が正しいかもしれません。全体が柔らかな白のクラスターは、石の重さを感じさせないような美しさです。端正なポイント型ではほぼ透明なものから半透明なものまでさまざまでですが、剣山状ポイントでは、剣山状になっているところはほぼ濃い半透明であることと、こんなへんてこりんな形状は、この「チタンガス入り水晶」(←こう書くとものすごく無骨でロマンがないですね……)以外では見たことがないので、チタンガスが何らかの形で作用して、こういう無数のポイントができたのだと思います。チタンガスの白いインクルージョンがふわりとはいっているものを「エンジェル・ブレッシング・クォーツ」、剣山のような無数のポイントを持つものを「シャトー・クォーツ」(シャトーは「城」「館」の意味)……と言うのかなあ……と思っているのですが、検索しても説明しているサイトが引っかかってこないのですから確認のしようがありません。アーカンソーのどのあたりなんだろう、とかガスのインクルージョンって聞いたことがないけれど、結晶するときに、どうやって中に入り込むんだろう? とか、ローズクォーツの発色原因のひとつにルチル(天然の酸化チタン)があるけれど、どこか関係してるんだろうか……とか、いろいろつっついてみたいところはあるのですが、今のところは謎のまま。たいてい、水晶のセールスネームは単なる記号として使ってしまうのですが、「エンジェル・ブレッシング」と言う名前は、微妙に良いと思います。「チタンガス入り水晶」では、この水晶の繊細な色と形を表すにはゴツすぎるし、シャトー・クォーツでは、剣山状ではない結晶には不適切なようにも思われます。「天使の祝福」……ちょっとやりすぎ? に感じるようでもあり、これ以外にぴったり来る名前がないような気もする、ちょっと気になる名前ではないでしょうか?以前から気になっていたのですが、なぜか大きめの石しかなく、二の足を踏んでいたのですが、このたび私好みの小さい石を発見。やっと手元にやってきたのでした。
2004/09/30
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危うくさぼりになりそうな時間帯の雑記です。さぼったところでどうというわけではないのですが、この雑記は、私にとって「久しぶりの締め切り!」であり、締め切りがあることで集中して調べたり考えたりできているような、そんな感じがしています。毎日ネタを探して、調べて、書いて(誤字脱字多くてすみません)、それを繰り返して、自分の中に何もなくなったら、ひょっとして、そこから違うものが見えてくるのではないかと思うのです。あるいは、疑問に思ったことをとりあえずつっついてみることを繰り返していくうちに、違う見方ができるのではないか……と。もしかしたら、知識ばっかり詰め込んで、「目の前の石を素直に感じてみる」という感覚を忘れてしまうかも……という危険性もあるわけですが、それについては、写真を撮るために石をにらみつけることで何とかしていきたいものです。……さて、今日のネタは石の雑記にとりあげていいものかどうか、ちょっと迷ってしまうものです。写真を見れば一目瞭然。アンモナイトです。かつては生き物だったわけですが、化石となった今では石の仲間と言うことで。(そういえば、オパライズウッドもかつては生き物でしたね)写真の左上、左下、右下はロシア産、(下二つはパイライト化しています)真ん中と右上はマダガスカル産です。小学校のころは化石好きだったりしたものですから、石好きな今でもアンモナイトには手が伸びてしまいます。……というか、この螺旋の美しさはまさに芸術的!計算されつくしたようなこのカーブを見ると、もう、うっとり……。化石ではありませんが、オウムガイの貝殻を半分にカットしたのも堪りません(笑)。左上のアンモナイトは、虹色の輝きを見せていますが、アンモライトではありません。化石化の際の変成作用を免れ、殻の真珠光沢が残ったもので、たいへん保存状態がよい化石と言うわけです。さて、名前が出ましたアンモライトは、カナダのアルバータ州の南部で産出する、オパールのような遊色効果を持つアンモナイトの化石です。その輝きは赤からオレンジ色、黄色、緑色が多く、紫色から青色のものは珍しいので高価です。また、地表から比較的浅いところで採れるものはもろく、樹脂でコーティングされたりしますが、地中の深いところで採れるものは強いのでそのままジュエリーに用いられるそうです。アンモライトの虹色の輝きは、オパールと違ってアラゴナイトによるものです。(……ということは、遊色効果ではなく、イリデッセンスという方が適切?)調べていると、多くは化石化したアンモナイトの表面にアラゴナイトが薄く付着して閃光を発するようになった……と説明されていますが、オウムガイの殻がカルサイト、アラゴナイトの2種類の鉱物からなるのに対し、アンモナイトの殻はアラゴナイトだけで構成されるという説も見られたので、「真珠層と同じ成分のアラゴナイトが浸透した」という説明も正しく思えます。そうそう、一番驚いたのは、アンモライトにも「宝石言葉」があること。その言葉は「過去の思い出」だそうです。
2004/09/29
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なんと、3日間にわたってしまいました長石ネタです。昨日は、続きを書き込もうとしたら、ログインできませんでした。区切りも良さそうなので、続きは今日の分ということで……。 今日の話はアルバイトからはじまります。名前が名前だけに思わず「アルバイト(曹長石)」と、カッコ書きで付け加えたくなっちゃいます。お間違えのなきよう……。さて、アルバイトはほぼ純粋なナトリウム長石です。純白の結晶で、さまざまな岩石に含まれていたりします。もしかしたらみなさんも、知らずにアルバイトを持っているかもしれません。特に原石好きの石好きさん、鉱物系石好きさんは可能性大です。アクアマリンやトルマリンなどの結晶にくっついている、雪のような真っ白な石……そういうものがあれば、たぶんアルバイトです。ここでちょっと覚え書きです。オーソクレースとアルバイトにまたがるアルカリ長石のグループは、ほどんどがオーソクレースの成分の石が多く、アルバイトが混じっていても、薄い層状に分離していましたが、アルバイトとアノーサイトにまたがる斜長石(プラジオクレース)グループは、さまざまな割合で混じり合い、いろいろな鉱物を作ります。先に紹介したアルバイト(曹長石)は、成分の90%以上がナトリウムの長石ですが、もう少し割合が下がって70~90%になるとオリゴクレース(灰曹長石)になります。同じように50~70%だとアンデジン(中性長石)、アノーサイト(灰長石)との割合が逆転すると、名前にも「灰長石」が出てきます。アルバイト(曹長石)の割合が30~50 %だと、おなじみラブラドライト(曹灰長石)、10~30%のものはバイトウナイト(亜灰長石)、ほぼ純粋な灰長石(アルバイトの割合が10%以下)がアノーサイトです。ちょっとうっとうしく漢字の名称も入れてしまいましたが、漢字で書くと何となく割合がわかっておもしろいです。さて、アルバイト(曹長石)成分70~90%のオリゴクレースは塊状態で産出し、とうめいなものはカットされることもありますが、よく知られているのが、レピドクロサイト(鱗繊石)がインクルージョンされてキラキラと輝くアベンチュレッセンス(アベンチュリン効果)を持つサンストーンです。(写真5。6は拡大)もっとも、サンストーンはムーンストーンと同じように「アベンチュレッセンスを示す長石」に対して付けられた名前です。(アベンチュレッセンスとは、細かいインクルージョンに光が当たってキラキラ輝く効果のこと。そのため、オリゴクレースではなく、透明なラブラドライトに細かい銅のインクルージョンが含まれたアメリカのオレゴン州産の石もサンストーンと呼ばれます。写真の7はロシア産、8は産地は不明なのですが、サンストーンとして売られていたものです。ロシア産のは、インクルージョンの色が銅色に見えます。ベースになる石も長石かどうか、ちょっとわからないのですが、こういう効果のある石は「サンストーン」としてくくられてしまうようです。(ロシア産で、ムーンストーンにヘマタイトの小片のインクルージョンがはいったものがあり、「サン&ムーンストーン」「サンストーン・ムーンストーン」と呼ばれています)アンデシンは世界中で産出しますが、宝石としてカットできるような美しい石は少ないそうです。お次がいよいよラブラドライトです。メキシコ産で、ほぼ透明でわずかに黄色がかったゴールデンラブラドライトという石がありますが、調べていて意外だったのが、ラブラドライトの本来の姿はこちらだということです。虹色のラブラドレッセンスと呼ばれる光を持つ(ラブラド光線とも言うそうです。こういうとなんだかあやしい感じです)この美しいラブラドレッセンスのメカニズムは、やはり層状の構造です。……ところが、ここでちょっと迷ってしまいました。この層状の構造を「曹長石よりの層と灰長石よりの層とに分離して、層状に積み重なっている」とする説明と「ラブラドライトが(つまり一種類の石が)繰り返し双晶して層状になっている」とする説明の二つがあったのです。ムーンストーンについて調べてきた経緯からすると、前者の説をとりたくなります。ところが、ラブラドライトが属する斜長石(プラジオクレース)グループはアルバイトとアノーサイトがさまざまな割合で混じり合い、「固溶体(こようたい)」というひとつの鉱物となっているのだそうです。で、この「固溶体」の定義はというと「異なる物質が互いに均一に溶け合った固体の状態」だそうですから、後者も正しいように思えます。いったいどちらなのでしょう?とにかく、ラブラドレッセンスは、この層の劈開で光の干渉がおこって虹色の光が生まれたものです。写真は9がインド産のレインボームーンストーン。何度も言ってきたように、名前はムーンストーンでもラブラドライトの仲間です。10がインド産ラブラドライト11と12がフィンランド産ラブラドライトです。フィンランド産のラブラドライトは、よりゆっくりじっくりと結晶したため、層状の構造が整然としていて、強いラブラドレッセンスを示すので、「スペクトロライト」と呼ばれることもあります。……ちょっと余談なのですが、ラブラドライトというと、オレンジ~金~黄緑~緑~青とさまざまな色合いがあるなかで、青~緑の輝きが人気ではないでしょうか。たしかに青~緑の輝きは熱帯の蝶の羽根のようで美しく、私も大好きなのですが、珍しさで言えば、紫やピンク、赤など暖色系の輝きの方が上!実はスペクトロライトでピンク~オレンジのを持っているのですが、ピンク系はどうしても輝きが暗くなってしまうようです。なので、今度はインド~マダガスカル産でピンクのを探したい!珍しもの好きの方はぜひ探してみて下さい。一部ではなく、広範囲にピンクや紫の輝きが出る石は少ないです。さて、残るはバイトウナイトとアノーサイトです。この2つについては資料がほとんどなくて、あまり書くことができません。検索してみたら、バイトウナイトは、わずかにクリーム色がかった透明で美しいカット石が出てきました。アノーサイトはまっ黒なカボションと、ワイルドな感じの結晶が見つかりました。せめてどういう特徴があるのかぐらい書きたかったのですが……。ここでギブアップです。……とやたらに種類の多い長石についてたらたらと書いてきたのですが、最後に、一番はじめの疑問に答えるべく「ムーンストーンとラブラドライトはどう違う」のかについてまとめておきたいと思います。まず……成分が違うムーンストーンはカリウムを含むオーソクレース(正長石)とわずかにナトリウムを含むアルバイト(曹長石)が薄い層状に重なったアルカリ長石グループの石ですが、ラブラドライトはナトリウムを含むアルバイト(曹長石)とカルシウムを含むアノーサイト(灰長石)が混じった斜長石(ブラシオクレース)と呼ばれる石です輝きのメカニズムが違うどちらも層状の構造が輝きのもとですが、ムーンストーンの輝きは光の拡散によるものでラブラドライトは光の干渉によるものです。つまり、ムーンストーンの輝きは空が青く見える原理と同じラブラドライトの輝きはシャボン玉の虹色と同じ……と言うことができます。確かに見た目はそっくりですが、中身がこれだけ違えば、レインボームーンストーンとムーンストーンは別の石だとわかります。また、ムーンストーンには、白っぽく輝くムーンストーンと青い光が浮かぶブルー・ムーンストーンがありますが、厳密には、ブルー・ムーンストーンは、透明な石にブルーの光が現れるものをいい、不透明に近い、乳白色の石に青っぽい光が現れるものは、単にムーンストーンと言うのだそうです。そして、このブルームーンストーンとレインボームーンストーンはたいへん見分けにくいものです。青い光が出ていても「レインボームーンストーン」として売られているのであれば、それを信じて「ラブラドライトの仲間」と考えればよいと思います。表示がなく、どちらかわからない場合は、まずは、お店の人に聞きましょう!しかし、「ブルームーンストーン」として売られていても、肉眼でさまざまな角度から見たとき、緑やオレンジなど白~青以外の光が少しでも見えればレインボームーンストーンの可能性が大です。写真の1と2(2は拡大)は、比較的透明度も高く、光もブルー一色なのでブルー・ムーンストーンだと思うのですが……。いずれにせよ、美しい石なので、輝きが気に入った石を買えばそれでよいのではないでしょうか?ぷはーっ、やっと終わりました。しんどかった……。長石は侮ってはいけない鉱物だったのです……。
2004/09/28
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27日になったのに、26日の分を長々と書いていましたが、やっと本来の27日の雑記です。用語の迷宮を無事に抜け出し、話題は長石へと戻ります。ただし、長石の迷宮はさらに広大なので、無事抜け出せるかどうか心配です。26日分では、長石にはカリウム、ナトリウム、カルシウムを含むものがあり、それぞれの成分比でさらに細分化されるという話をし、まずはじめにオーソクレース(正長石/カリウムを含む長石)からはじめました。実は、上記の三種類の他にバリウムを含む長石もあるのですが、あまり見かけがきれいではないため、話題からははずしています。そもそも長石は、地殻の中で最も割合が多く、実は身近な鉱物なのですが、見かけが地味なものが多いので、あまり注目されないのです。今回の雑記では、宝石としても用いられるようなきれいな長石に絞ってお話しています。 前置きはこれくらいとして、次に登場するのはマイクロクリンです。マイクロクリンはアルカリ長石に属する石です。写真右上の図では、ナトリウムを含むアルバイト(曹長石)に近いように見えてしまいますが、どちらかというと、含まれる成分はカリウムを含むオーソクレース(正長石)と同じで、結晶系が違うことで異なった鉱物として分類されている石です。色には無色、白、黄色、ピンク、赤、灰色、緑、青緑色があり、最も知られているのが青緑色のアマゾナイトです。しかし、アマゾナイトは名前が示すアマゾン川流域では発見されていません。なのになぜアマゾナイトかというと、最初はアマゾン川流域で採れた緑色のネフライトをアマゾナイトと名付けたのが、いつの間にか緑色の長石と混同されて長石の方がアマゾナイトになったようです。※アマゾナイトの緑色は鉛によるものだということです)マイクロクリンの中ではアマゾナイトが有名なので、マイクロクリン=アマゾナイトと思ってしまいますが、アマゾナイトはマイクロクリンの一部でしかありません。ややこしいことに、形は正長石でも中身がマイクロクリンに変わっているものもあるそうで、形で見分けるのはたいへん難しいのだそうです。続いてアノーソクレースです。この石については資料が少なくて困っているのですが、マイクロクリンは漢字で書くと「微斜長石」、アノーソクレースは「曹微斜長石」なので、曹長石(アルバイト)に近い石かと思ったら、ビンゴ!曹長石(アルバイト)成分に5%程度のオーソクレース成分を含む石だということでした。また、資料の中にはムーンストーンをアノーソクレースの一種としているものがあり、どういうことかと思っていたら、アルバイトとオーソクレースが層状になって、ムーンストーンと同じ効果を持つものがあるのだそうです。オーソクレースのムーンストーンに比べてオーソクレースとアルバイトの割合が逆転しているということでしょうか?写真の3と4はアマゾナイトです。3はスモーキー・クォーツと共生しているもので、全体が淡目の青緑。若干ですが透明感があります。コロラド産です。4はロシア産で、鮮やかな青緑に霜降り状に白が入っています。4の石は、白い部分の一部が、光を反射して輝きます。ごく小さい範囲なので、見極めにくいのですが、石を動かすとそれにつれて光る範囲も移動することから、ムーンストーンに似た輝きではないかと思います。この石の他にも、光を反射する白い層がもっと全体的に入っていて、なるほどアマゾナイトとムーンストーンが仲間だというのもわかるなあと思う石があるのですが、もしかしたら、これがアノーソクレースか、あるいはアノーソクレースが混じったマイクロクリンなのかもしれません。
2004/09/27
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2日間もさぼってしまいましてごめんなさい。最初は、「レインボームーンストーンってラブラドライトの一種だったのか~。んじゃ、ちょっとそのあたりを調べてみよう」くらいの気持ちだったのですが、みごとに返り討ちにされてしまいました。ラブラドライトの和名は曹灰長石(そうかいちょうせき)。大きいくくりでみれば「長石(フェルドスパー)」の仲間です。そのほか、おなじみの石では、アマゾナイトも、ムーンストーンも、サンストーンも長石の仲間。ちょっと耳慣れない名前ですが、カットされることもある石では、サニディン、オーソクレース、オリゴクレースなども含まれます。ずいぶんいろいろな石が含まれていると思ってしまいますが、それも道理、長石グループの鉱物はさまざまな岩石に含まれている、最も主要な造岩鉱物なのだそうです。このように、とても大きなグループである長石というものに行き着いてしまったので、何をどうまとめてよいやら……。頭を突っ込めば突っ込むほど、訳がわからなくなりそうなので、普段よく目にする石を中心に頭を整理してみました。まず、長石なのですが、主にアルミニウム、珪素、酸素が主成分で、そのほかにカリウム、ナトリウム、カルシウムのいずれかを含みます。どれをどのくらい含んでいるかによって、カリウムかナトリウム、またはその両方を含んでいるアルカリ長石類と、ナトリウムかカルシウム、またはその両方を含んでいる斜長石類のふたつに大きく分けることができます。さらに、アルカリ長石類と斜長石類の中でも、成分の割合によって細かく分かれていくのですが、言葉で説明するとこんがらかってしまいます。ちょうどよい図があったのでそれを利用させていただくことにしましたただし、図を無断で借用することはできませんし、図に出てくる用語も難しく、いちいち頭で「翻訳」しなければならなかったので、自分なりにアレンジして、回りに対応する石を並べてみました。 なるべくわかりやすくと言うか、自分の頭にはいるようにまとめてみたのですが……右上の図を順番に説明していくと、正長石(オーソクレース)が、カリウムを成分とする長石、曹長石(アルバイト)がナトリウム、灰長石がカルシウムを成分とする長石です。そして、カリウムとナトリウムの両方を含む長石はアルカリ長石、ナトリウムとカルシウムを含む長石は斜長石と呼ばれます。正長石(オーソクレース)は褐色から透明の石で、マダガスカルからは、透明で黄色い美しい石が出ます。このオーソクレースの変種となるのが、アデュラリアン・ムーンストーンで知られるアデュラリアとサニディンです。アデュラリアは、スイスのアデュラー山脈にちなむそうです。漢字で書けば氷長石。サニディンは玻璃長石です。この二つの違いは、アデュラリアが低温で結晶したのに対し、サニディンが高温条件で結晶したということにあります。ここで、ムーンストーン(月長石)はどうなるの?アデュラリアン・ムーンストーンと普通のムーンストーンの違いは?……と思われた方もいらっしゃると思います。私も思いました。ところが、さすが大きな長石グループ、なかなか複雑でよくわかりません。うーんうーんとうなりながら、整理してみると……まず、ムーンストーンの神秘的な輝きの秘密はその結晶の構造にあります。正長石は、カリウムを含む長石ですが、わずかにナトリウムを含んでいるものがあります。この場合、高温下では一つの結晶なのですが、温度が下がっていくと、別の安定な2つの鉱物つまり、カリウムを含む正長石(オーソクレース)とナトリウムを含む曹長石(アルバイト)に分離してしまいます。(これを離溶(りよう)といいます)その結果、正長石の中に成分の違う曹長石の薄い層ができ、2種類の長石の薄い層が何枚も重なる構造になります。(このような薄い2種類の鉱物からできた構造をラメラといいます)この層状構造に光が反射して、ムーンストーンの輝きが生まれます。ちなみに層状構造で、曹長石のほうが薄いと青みをまし、厚いと白みが増すそうです。つまり、(私が理解したところによると)ムーンストーン(月長石)というのは、アデュラリア(氷長石)のような、特定の鉱物につけられた名前ではなく、正長石の中で層状構造による輝きを持つ物につけられた名前なのです。(アデュラリアでもムーンストーンではない石もありますし、サニディンでもムーンストーンのような効果を持つ石があります)この、層状の構造によって石に浮かび上がり、石を動かすとそれにつれて大きくゆっくり移動して見える光の現象をアデュラレッセンス(またはシラー、シーン)といいます。ここで、ちょっと話がずれるのですが、シーンやシラー、アデュラレッセンスなどの用語についてメモしておきたいと思います。ムーンストーンについて調べていて困ったことのひとつがこの用語です。ある資料では、ムーンストーンの光の効果をアデュラレッセンスと言い、アデュラレッセンスはシーンやシラーとも呼ばれるようですが、違うところではイリデッセンスはシーンやシラーと同義であると説明されています。かと思うと、ムーンストーンはオパレッセンスを示す長石であるとする資料も出てきます。ひとつの効果を表すのに、こんなにたくさん言葉があるなんて変です。そこで、推測と独断を交えつつまとめてみました。まずわかったのはオパレッセンスです。ちょっと見るとオパールの虹色を表す言葉かと思ってしまいますが、オパールの虹色のことは、「遊色効果(プレイ・オブ・カラー)」と言います。オパレッセンスは、結晶中の微細なインクルージョンによる光の散乱(ミー散乱)効果で、メキシコオパールの一部やミルキークォーツの一種であるジラソルに見られるように、石全体を包むような柔らかな白い輝きを指します。※資料によるとジラソル(ジラゾール)はオパレッセンスの同義語だと言うことです。※ジラソルのことをオパールの輝きを持つ水晶とする説明がありますが、 これは、オパレッセンスを示す水晶であるという意味でしょうか?次にアデュラレッセンスです。これは、ムーンストーンで観察される特殊効果であると説明されています。オーソクレースとアルバイトからなる層状構造によっておこる光の散乱で、層が薄ければ青い光となり(レイリー散乱)、厚い場合は白い光となります(ミー散乱)。宝石業界では、青い光を放つ方が良質とされるそうです。お次。ややっこしいのがシーン(sheen)とシラー(schiller)、そしてイリデッセンスです。シーンは英語、シラーはドイツ語だと言うことなのですが、ムーンストーンの白・青の光をシラー(シーン)と表現している例がたくさん見られる一方、複数の宝石用語のサイトでシーン(シラー)をイリデッセンスと同義の言葉であると説明していました。では、イリデッセンスがどういう意味かというと、結晶の内部構造によって光の干渉が起こった結果現れる、虹のような遊色効果……ということになります。石の種類で言えば、ファイヤーアゲートやアイリスクォーツなどです。アイリスクォーツというのは、水晶の内部にカコクセンナイトなどの鉱物が薄い膜状に結晶し、虹色の効果を見せるものです。アンモナイトの化石の一部で見られる真珠貝のような虹色もイデリッセンスだそうです。ここで疑問です。ちょっと話が先に飛んでしまうのですが、この雑記の一番最初でも書いたように、「レインボームーンストーンはラブラドライトの一種」なのです。実は成分も違うのですが、見分け方は『白か青以外の光が見えればレインボーラブラドライト』です。……ということは、ムーンストーンの光の効果を現すのに使うシーン(シラー)がレインボーの色合いを意味するイリデッセンスと同義では変です。おっかしいなあ……と調べたところ、この言葉は、特殊効果(phenomenon)の類義語で、狭い意味ではアデュラレッセンスと同義として用いられるとする資料がありました。特殊効果とは、結晶のインクルージョンや構造によって起こる光学的効果のことで、キャッツアイ効果や、オパールの遊色効果などいろいろなものを含む言葉でした。これなら納得できます。つまりシーン(シラー)は、構造やインクルージョンによって石の表面に現れる光を広く指す言葉で、その中で虹色の効果をイリデッセンス、オパール特有の構造による虹色を遊色効果、同じ微細なインクルージョンによるものでも光が拡散して石全体が淡い光に包まれるような輝きをオパレッセンス、正長石の層状構造によるものを特にアデュラレッセンス、先に飛びますが、もう一つラブラドライトに見られる虹色の輝きをラブラドレッセンスと呼ぶのだ……と考えれば、とてもスッキリするのですがいかがでしょうか?長くなったので続きは27日の日記へ
2004/09/26
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どうやら今日の雑記は間に合いそうにありません。「長石」をネタにしたのが運の尽き。写真も資料も複雑で、この石を甘く見ていたことを思い知らされました。……というわけで今日はサボります……。
2004/09/24
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祝日になると遅くなってしまう石雑記です。3日連続でエレスチャルをネタにしましたが、今日は「ボージーストーン」 です。ネタにするのは2回目なので、正しくはボージーストーンその後。ちょっとおもしろい話を聞くことができましたので、書き留めておきたいと思います。以前に取り上げたときは、ネット上で説明されていることをまとめてみたのですが、今回は石屋さんからお聞きした話です。そこでお聞きした新たな情報とは……ちょっと趣向を変えてQ&Aっぽくどうぞ。Q1 先カンブリア時代の生物の化石だとか?A1 生物の化石というより、マンガンノジュールみたいなもの。 マンガンノジュールが海底にころころしているような感じで 太古の海底にあった物が、地殻変動でその海底が陸上になり、 上に被さっていた地層が風化してなくなって出てきたので、 誰かが並べたような状態で発見される。 シャーマンストーンも成分は違うが同じようにできたらしい。 ※マンガンノジュール マンガン団塊とも呼ばれる。 マンガンや鉄などの酸化物と水酸化物の混合物で、 水深約4000mの海底に広く分布している。 ほとんどはジャガイモくらいの大きさだが、 大きい物はサッカーボールほどにもなる。 切断すると、同心円状に成長した痕が見られ、 中心部にはサメの歯や別の岩石のかけらが核となっている。 どのように成長したのかは、まだ謎に包まれているが、 数10万年から100万年程度の時間をかけて成長したと考えられている。 Q2 インディアンの聖地で発見されるとか。 しかし、ワイディゴ族というのが調べてもわからないのですが……。A2 決まった場所ではなく、いろいろな地域で(広範囲で?)出ると聞いている。 ワイディゴ族については知らないが、ホピやナバホなど、 いろいろな種族が瞑想などの儀式に用いていたのは確か。Q3 普通のボージーストーンを磨くとレインボーボージーになるとか?A3 ボージーストーンは、黒っぽい砂(粉)にまみれた状態で売られている。 そのままでは手が汚れてしまうし、見た目もよくないのでキレイにして売っている。 透明なラッカーでコーティングする業者もいる。 ボージーとボージーをこすり合わせたりして磨くと、 チャルコパイライトなどが入っていれば虹色が出る。Q4 現地(アメリカ)での人気は?A4 「ボージーストーン」は登録商標されているので、 ボージーストーンとしては売ることができない。 採取されるとき、地面に並んだような感じで見つかり、 しかも、ボージーの下の地面は、ボージーのために風化されずに残り、 ボージーがキノコのようにポコポコ生えて見えることがあるので、 「POP ROCK(ポップロック)」という名前で 売られている。一人の方から伺った話なので、ボージーストーンすべてにあてはまるとは言えませんが、現地のお話を聞くのは初めてなので、貴重な情報です。(ありがとうございました!)※補足 おそらく、一般にボージーストーンと呼ばれるこの石は、 一カ所ではなくあちこちで産出するものの、 厳密な意味では『ワイディゴ族の聖地』とされる場所から採取され、 カレン・ギルスビー女史によってペアリングと活性化(?)を 施された石のみが「ボージーストーン」であり、 それ以外が「ポップロック」と言うことになるのだと思います。 国内ではこの名前は聞きませんが、 なんだか楽しくなるネーミングですよね!今回お話をお聞きした石屋さんが神保町ブックフェスタでミネラルショップを出店されるそうです。くわしくはイベント情報コーナーへ。
2004/09/23
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昨日は、「天使の贈り物」という名前に似合わない、ちょっとダークでディープな(←フィーリングでご理解下さい)感じのエレスチャルを登場させましたが、今日は、「天使の贈り物と言われるのもわかるかも」と思ったエレスチャルを登場させようと思います。今日の石は、私が初めて買ったエレスチャルです。そのころは、エレスチャルがどういう石なのかほとんど知らなくて、それまで買っていた石の流れで「なるべく透明なの」……なんて視点で選んでしまいました。しかも、原石の中に混ざっていたポリッシュをわざわざチョイスしていたりします。そのため、スモーキーもアメシストもごくほんのり、原石の時の形を思われるくぼみはあるものの、あまりエレスチャルらしくない石だったので、その後は、ほとんど手に取らなかったのです。ある時、例によって「おお、久しぶり」と、その石を手に取り、懐中電灯でライトアップしてみたら……キレイじゃないですか!「美しい」というよりこれは「キレイ」!アーカンソー・クリアな水晶は、目で見る分にはきれいなのですが、光をあてると、その透明度ゆえに光を透してしまい、意外に映えないのです。ところが一見ほぼ透明なこのエレスチャルは違いました。証拠をお見せしましょう!右上の白バックの写真が、なるべく肉眼で見たのと同じように見えるように撮った写真です。右下がライトアップ。角度がほぼ同じなので、違いがわかるのではないでしょうか?何の気なしに見ると、ほとんど透明だったものが、ごくわずかな内包物やくぼみが光を捉えて輝くのです。左上は、右下の角度違いですが、ベースがクリアなだけに、輝く内包物はまるで中に浮いているようです。マクロで迫ってみると、さらなる発見が待っていました。左側の真ん中は石のくぼみのアップです。宙に浮く不思議な形の回りには、肉眼ではほとんど見えない気泡状のインクルージョンがしぶきのように散っています。同じインクルージョンが、先端部分ではまるで星のよう。(左下)さらに、超極細ルチルも入っていました(真ん中下)。いやあ、おもしろい。この写真を撮ったときは、もう、夢中になりました。そして、「天使の贈り物」というのも頷けると思ったのです。石の写真と光のあて方については、何度か書いてしまったのですけれど、逆光だの順光だのという専門用語は置いておいて、ちょっと言葉を変えて書いてみます。普通、物を撮る場合、順光で撮る、つまりカメラマンが光を背にして採った場合、それは物に当たる光を撮る、あるいは物に反射した光を撮ると言うことができます。それに対し、私が石と撮る場合の光は、半逆光です。これは石に反射した光もあるのですが、石を通り抜けてきた光を撮ることでもあります。石を通り抜けてきた光には、石が語る何かが含まれている……そんな風に考えてしまうのです。
2004/09/22
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ボージーストーンの時も意外とボージー・オーナーさんが多いなあと思ったのですが、エル好きさんも多いようですね。共通項は「無骨」でしょうか?エレスチャルは、複雑な形であれば、一方でカテドラルと言われる石も、どちらかというとクラスターかもという石も、すべてエレスチャルとくくられてしまうんじゃないか……と思えるほど、多くの形を含む名前です。しかし、それでも産地による特徴はあると思います。「タマネギ・エル」なんてあだ名を付けられちゃうくらい薄い層が重なった、これぞ「骸晶」という感じのはメキシコ産、セプターが多く、層状よりは中身が詰まった結晶で、ころころした結晶がいくつも固まったような、カテドラルとの境目がちょっとあいまいになるような、極端なものでは板状の「ジャカレー」などが見られるのがブラジル産、ブラジル産と似ているようでありながら、スモーキー、クリア、アメシストの色の混じり具合も美しく、幾分「骸晶」の要素を併せ持つのがインド産。どちらかというとキャンドル的要素を持つのがマダガスカル、アフリカ南部産……個人的にはこんな感じかと思っているのですが、どうでしょう?他の産地のエレスチャルはあまり見ていないので、まだ傾向が頭に浮かんできません。昨日がブラジル産だったので、今日はインド産でいってみたいと思います。昨日のエレスチャルは、インド産にも似たようなものがあるように思うのですが、私個人の感想としては、中身の詰まり具合でブラジルっぽく感じています。今日の石は、インド産のスタンダードというよりは、インドのエレスチャルの「骸晶」っぽい要素が強く表れたものかなと思っています。かろうじてDTのこのエレスチャルは、一見するとちょっと「ミイラ化」が進んだ梅干し。(右下)大きさも、色も、表面のでこぼこ……シワシワ具合も大きめ梅干しという感じです。このお世辞にも「きれい」とは言えない石が、光によって実にさまざまな表情を見せます。実は、回りの写真はすべて同じ石です。普通に見る限りでは「汚れ」にも見えてしまう酸化鉄の錆色赤が、光の具合とカメラの特性で際立ち、小さい石なのに迫力満点なのです!左上のカットなど、思わず指輪物語のラストでフロドが指輪を投げ込もうとする「滅びの亀裂」を連想しました。エレスチャルは、光によって美しく輝き、「なるほど、天使の贈り物と言われるのもわかるかも」と感じるのですが、この石に限っては天使の気配ナシ。酸化鉄の赤が炎のようで、どちらかというと……「天国の反対」っぽい?エレスチャルという名前と意味にこの形。なんだか意味ありげに感じてしまうのは、私だけでしょうか?
2004/09/21
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ここのところ、なんだか長くて(長すぎて)カタい話ばかりだったので、今日は久しぶりに、うちの石のご紹介。ブラジル産のエレスチャルです。底面10cm×7cm、高さ4cm。測っただけでは、さほど大きく感じないかもしれませんが、重さは440g、うちで2番目に重い石です。写真を見ていただきましょう!石をごろりと置くと先に書いたとおりのサイズなんですが、水晶は、底面が45度に割れる癖があるようで、ポイントがちゃんと上を向くように置くとご覧の通り(左上)。なんどいうかどすこい!と言ってしまいそうな座り具合なのです。きっとこれも珪酸分の濃度の高い環境で結晶したのでしょう。いたるところで錐面をつくろうとしたような、エレスチャルならではの複雑な形をしています。メキシコ産によく見られる、層状に結晶した水晶もエレスチャルと呼ばれていますが、個人的には層状の結晶(骸晶)はスケルタル、今日の石のようなブラジル産、インド産の水晶をエレスチャル、もっと平板状でワニの背中っぽくなればジャカレー、そしてカテドラルは、以前カテドラルの話で載せたスモーキーみたいなの……ということにしたいですね。この石は、基部はスモーキー、上部になるに従ってちょっとクリームがかったクリア、真ん中部分にアメシストが入ります。表面は疵がついているというのではなく、磨りガラスのように曇っているのですが、クリアの部分の透明度はなかなかのものです。スモーキー、アメシスト、クリアと色変わりするエレスチャルの育った場所は、熱水の成分がいろいろに入れ替わる場所だったのでしょう。こんな風にゴツいエレスチャルのいったいどこが「天使の贈り物」なんだろうかと、見るたびに考えてしまうのですが、光をあてて写真を撮ると、見た目透明の水晶よりも美しくきらめきます。なので、アップ写真がやたらに増えてしまいます。加えて、真正面から見ると、ちょうど真ん中のあたりに、色の濃い虹が出ます。今度はこの虹を撮りたい!……軽く行くと言っておきながらちょっとややこしいお話を。エレスチャルの産地ですが、ブラジル、インド、マダガスカル、メキシコ……という感じがしますね。あと、アフリカ南部。これまでの雑記を読んでいただいている方はピンと来るかもしれないのですが、これ、ほとんどが「ホット系」の産地なんですよね。やっぱり、スーパーホットプルームかスーパーコールドプルームかというのは、水晶の形状に影響を及ぼしているに違いない……と思ってしまいます。
2004/09/20
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休日は、どうもバタバタしてしまい、遅くなりがちな石雑記です。さぼっていたら、ああ、そういうわけねと思って下さい。滑り込みセーフな時間なので、軽く行ってみたいのですが、軽くなるかどうかが心配です。さて、今日のネタはファントムやアメシストのお題の時に登場したアメシストファントムです。ファントムという名前はふさわしくないほどくっきりはっきりした存在感を持ち、ファントム部分の錐面が反射して見えるくらいですから、もしかしたら貫入水晶に分類されてしまうのかもしれません。 今日の写真は説明用の実用一点張りで失礼します。写真左がアメシストファントムの全体像。写真だとファントムらしくぼんやりしていますが、お話しした通りのくっきりファントム、しかも、下からライトアップしてみると、どうやらファントムの内部は透明らしいのです。これだけはっきりしているのだから、底の部分をみたら、ファントムとその他の部分との境目が見えるんじゃないか……と思ってひっくり返してみたら、おお、見える!……そして、ついでに変なものも見えました。それが右側の写真です。右側2枚は同じ写真なのですが、下の写真はわかりやすく線を引いてみました。そう……、このファントム、完全な透明ではなく、アメシストとクリアで交互に分割されているようなのです。私は、これを見てあるものを思い出しました。アメトリンです。ご存じ、ひとつの結晶の中にアメシストとシトリンが同居する魅力的な石ですが、このアメトリンの中にやはり同じように黄色と紫で交互に分割された石があるのです。アメシストとシトリンはともに水晶を構成する珪素の一部が鉄に置き換わったもの。そこに天然の放射線が作用して紫色になっています。そのため、アメシストを加熱すると放射線の作用が解消されて黄色くなるため、通称「焼シトリン」と呼ばれている熱処理シトリンが出回るわけですが、放射線を受けたか受けないかで色が変わってしまうものがひとつの結晶に同居しているとなるとこれは変です。クリアとアメシストなら、珪素と置き換わった鉄分の差と言うことになりますが、それにしてもひとつの石で、こんなふうに分割されてしまうのは不思議です。これは調べねばなるまい♪と、ネットを渡り歩きましたところ、ありましたありました。やはり研究されていました。すばらしい。さて、これを説明するとなると、ちょっとややこしい話を前置きにしなくてはなりません。せっかく調べたことを忘れないように書き留めておきたいので、ちょっとばかりおつきあい下さい。水晶は二酸化珪素の結晶です。目に見える形はご存じの通りの先がとがった六角柱なのですが、分子構造でいうと、水晶は二酸化珪素が螺旋を描くように結晶しています。そしてこの螺旋には右回りと左回りがあるのだそうです。どちら巻きなのか見分ける方法があるそうなのですが、ここでは右回りと左回りがあることだけ覚えておいて下さい。右回りに結晶した水晶を「右水晶」、左回りに結晶した水晶を「左水晶」というのですが、さらにそれらがかみ合って(専門的には透入と言います)結晶したものがあるのです。クリスタル用語で「ツイン」などと呼ばれる二つの結晶がぴったりくっついているものではなくて、見た目はひとつの結晶なのに、実は結晶の螺旋構造が2種類かみ合っているものです。右回り同士、左回り同士など、同じ方向の螺旋構造の水晶がかみあったものを「ドフィーネ式双晶」、右と左、異なる方向の水晶がかみ合ったものを「ブラジル式双晶」といいます。いま、「かみ合っている」と書きましたが、いったいどういう風になっているのか、分子模型かCGで見てみたい気がします。どうにも頭の中で想像ができません。そんな程度の理解度なので、そのうち勘違いな説明をしでかしそうでコワイです。「双晶」にはちゃんとした規定があり、ブラジル式、ドフィーネ式以外にもあるのですが、今日はこの二つ、いえ、正確にはブラジル式双晶が主役です。……というのも、アメシストとシトリンで交互に色分けされた結晶はブラジル式双晶なのだそうです。しかも、紫色の部分が右、黄色の部分が左、というわけではなく、(アメトリンでは)黄色の部分は単結晶(右か左のどちらか)で、紫糸の部分は右と左が交互に年輪のようになっているそうです。(特殊な方法で見るとそれが年輪のような縞に見え、これを「ブリュースター・フリンジ(またはブルースター縞)と呼びます)アメトリンだから、というのではなく、ブラジル式双晶とはこういう特徴を持った結晶のしかたをするのだというのですから、ややこしい……。写真のアメシストは産地不明ですが、こうしてみると、きっとファントムの部分は、ブラジル式双晶なのでしょう。話はアメトリンに戻ります。同じように鉄を含み、放射線を受けたか否かで色が変わるアメシストとシトリンがどうしてひとつの結晶に共存できるのかというと、意外なことに水分が関係しているようなのです。特殊な方法で水分をはかってみたところ、シトリンの部分にはより多くの水分が含まれていたそうで、(クリアな部分→紫の部分→黄色の部分の順で水分が多い)この水分が放射線の作用を和らげて、シトリンのままでとどめたのではないか……と考えられています。うーん、わかったようなわからんような。急いで書いたためになんだかこなれておりません。最後にひとつ今日のタイトルは「底には謎が隠れていた」です。石の底を覗いてみると、よけいな謎まで見えてくるかもしれません☆
2004/09/19
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3日続けてネタを引っ張るようですが、「クリスタル」の語源はギリシャ語の「クリスタロス(氷)」です。ちょっと専門的(?)な用法では「結晶」という意味で用いられるようですが、一般には「クリスタル」といえば、透明な水晶のことがイメージされますよね。もうひとつ、クリスタルと聞いて「クリスタル・ガラス」をイメージされるかもしれないのですが、「クリスタル・ガラス」は水晶を原料にしたガラスではありません。クリスタル・ガラスは、「珪砂」「ソーダ灰」「炭酸カルシウム」などのガラスの原料に、鉛を加えた「鉛クリスタルガラス」です。鉛(酸化鉛)を加えると、輝きや光沢が増し、屈折率も大きくなって、ガラス をより美しく見せるのだそうです。 その含有量は、5%~30%ぐらいで、含有量が24%以上(あるいは24%前後)のものを「フル・クリスタル」、8~12% 前後のものを「セミ・クリスタル」と分けることもあります。ガラスに鉛が加わってきれいになるなら、もしかしてハーキマー・ダイヤモンドも、水晶の結晶の中に鉛が……?なんて考えてしまったのですが、そういうわけではないようです。ハーキマー・ダイヤモンドと呼ばれる水晶は、母岩の中にタールに似た成分が含まれていて、結晶の表面にそれがコーティングされている、という説がありますが、くわしいことはわかっていないそうです。さてさて、本題に入りましょう。昨日、初の予告をしてしまったので、予告通りに写真です。いかがでしょう?左側がアルプス水晶(フランス産)、右側がガネーシュヒマール産ヒマラヤ水晶です。ふだん、「変な石が好き!」と、どっちかというとワイルドな水晶を探してしまうのですが、ちゃんと透明なのも持ってます(笑)「世界一の透明度」とうたわれるのはアメリカのアカーンソー州産の水晶で、ブラジル産でも負けず劣らずの透明で端正な水晶が出ます。マダガスカルも透明度の高い水晶が出ると聞いたことがあるのですが、ポイント状で透明なものを見たことがないような気がします。もちろん、アルプスやヒマラヤも透明度の高い水晶の産地です。しかし、「透明度が高い」といった場合、いくつかパターンがあるような気がしますひとつは「アーカンソータイプ・クリア」とでも言いましょうか。(あ、また造語しちゃった)結晶の形も端正で、インクルージョンもなく、ひたすら透明な水晶です。もうひとつは、「ガーデンタイプ・クリア」と命名しましょう。インクルージョンはあるけれど、それを含む水晶はクリアなタイプ。えい、もうひとつ「ロシレムタイプ・クリア」。中はものすごく透明度が高いけれど、結晶表面に疵が付いていたりして、残念なことにその透明度がちょっとわかりにくいもの。なんとなーくわかっていただけるでしょうか。もちろん、掘りたてのときは酸化鉄などの被膜に覆われていて、塩酸でクリーニングされてきれいさっぱりとした姿で市場に出るものもありますが、そこまではわからないので、あくまでも流通している時の状態ですが。ひとくちに透明といっても、インクルージョンでなくても、中にクラックや霧状の白い部分が多ければ透明とは言い難くなるわけで、実は、私好みの「変な石」並に条件が苦しい石かもしれません。で、ヒマラヤ水晶、ロシア水晶好きの身としては、言いにくいのですが、「透明な水晶」と言った場合は、「アーカンソー・タイプ」に軍配を上げてしまいます。しかし!ヒマラヤ水晶にも「透明な水晶」はあるものです!ガネーシュ産にしては、ヒマラヤ水晶らしい特徴には乏しいのですが、むちゃくちゃクリアです(写真右側)。エッジ(結晶の角の部分)の鋭さは「手が切れる」と思ってしまうほど。そうそう、「透明な水晶」にさらにわがままな意味を加えておきましょう。「エッジが鋭いこと」です。この「 エッジの鋭さ」は、石の雰囲気を左右します。(……と思います)同じような透明度でも、エッジが鋭い方が、より静謐な、凛とした雰囲気に感じられます。写真右側のヒマラヤ水晶は、上半分の透明とエッジの鋭さが最大の魅力。普段ならガネーシュらしい形や緑泥を見どころとして石を選んでしまうのですが、この石は、透明度でそれに並びました。ガネーシュ産のヒマラヤ水晶の石は、クリーニングされているものが少ないのではと思っているので、もしかしたらこの透明度は天然のものかもしれません。だとしたらすごい!左側は、フランス産のアルプス水晶です。聞くところによれば、アルプスでは透明で大きな結晶が産出し、それを加工してすばらしい工芸品も作られたという話ですが、めったにそういう結晶にはお目にかかれません。結晶の形が複雑で、とても透明なのになかなか向こうが見通せない石が多いと言うこともありますが、ヒマラヤもアルプスもその産地故にすべて手掘りで、流通する絶対量が少ないのです。ブラジルでは膨大な量が産出しますし、アーカンソーでは露天掘りが可能です。しかし、ヒマラヤでは数千メートルの高度まで、地元の人々が取りに行くしかありません。(軍隊の人が訓練で昇ったときに採ってくる……という話も聞いたことがあります)アルプスに至っては、小数の登山家が採ってくるもののみです。写真のアルプス水晶は、地元のコレクターの放出品なのだそうです。一見、「ぶっかき氷風」に見えるかもしれませんが、左下を見て下さい。太めライン状……というか帯状に光が反射しているのがわかるでしょうか。これ、柱面なんです。非常に複雑な形状ながら、結晶形を持っている石なのです。前述のわがまま規定に照らせば、「透明水晶」とは言い難いかもしれませんが、これは、写真のせい。実物は文句なしに透明です。そう……私が透明な水晶に対してあまり騒がないのは、この写真の撮りにくさがあるからです。目で見たとき、透明な水晶は、まるで光で作られた形のようにきらめき、その美しさで心をとらえます。ところが、いったんレンズを通してみると、なんということ!黒いバックにすればバックの色を透かしてそのきらめきを失い、淡い色のバックにすればそこにとけ込み、わずかに角度を変えただけでまぶしく光を反射させて写るのを拒むのです。光を取り入れる方向を選び、反射と透過のバランスを選んで角度を調整し、そーっとシャッターを切る……しかし……またピンぼけしちゃったぁ!透明感ゆえに、結晶の向こう側にピントが合っちゃうんですねえ……。アルプス水晶のようにいろんな面を持っていると、そういう失敗は少なくなるのですが、今度はキラキラ反射しすぎて、全体の形がわからない……。困ったもんです。そうそう、右側のヒマラヤ水晶のように、先端は透明でも根本の方は白くなっているという場合が多いですが、これは、水晶が成長する際、最初はごく細く小さな結晶がランダムに成長していて、しだいに結晶する方向が定まってきてひとつの大きな単結晶になっていくのだそうなんですが、この小さい結晶だったところが白く濁るのだそうです。もしかしてものすごく倍率の高いルーペで見たら、この部分には負晶がいっぱい見つかるのでしょうか?
2004/09/18
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昨日の、「システムエラーによる緊急メンテナンス」にひっかかった方は多かったのではないでしょうか。私もみごとひっかかりました。続きを書き込もう……と思ったら、「メンテナンス中です」……というわけで、昨日は半端なところで終わってしまったのですが、今日になって昨日の続きを書くのも何だしなー……ということでひとつのネタを今日までひっぱってしまいました。なので、昨日の話をまとめることなく、続きへ行ってしまいたいと思います。ご存じのように、日本語では、結晶形を示さないものを石英、目に見える結晶になったものを水晶と呼びますが、中国の古い時代では、結晶形を示さないものを水晶、または水精、結晶になったものを「白石英」と呼んでいたそうです。(ちなみに、石英とは「石の花」という意味だそうです)「水晶」や「石英」とは、その読み方からしても中国から伝わった言葉だと思うのですが、どうして逆になっちゃったんでしょうねえ……。ちなみにQuartzは、スラブ語を語源に、15世紀ごろに古ドイツ語に入った単語で、「鉱脈を横切る岩脈」を意味する”QuaderzまたはQuertz”から来ている言葉だそうです。身近な鉱物のわりに、(だからこそ?)水晶は名前からしても「?」がいっぱいです。そしてもうひとつの「?」が「古代から神聖な石とされてきた」というくだりです。特に疑問に思うこともなく読み飛ばしてしまうのですが、ここでも、疑問を胸につついてみます。「水晶が神聖な石」とされた例って何がありましたっけ?「神聖な」の代わりに「力がある」でも「神秘的な」でもいいのですが、古代日本人が翡翠を好んだように、古代中国人が「玉(ぎょく)」を愛したようにネイティブアメリカンがターコイズを用いたように、なにか水晶が特別視された古い例とは……?私はかのヘッジスの水晶ドクロくらいしか浮かびませんでした。これも水晶を特別視した例とは言い難いかもしれませんが。確かに、水晶で作られたものは数々あります。ギリシャやミケーネ時代には、水晶で彫刻なども作られたようですが、しかしそれは、キラキラして透明な石……ということで好まれたのであって他の石をさしおいてでも水晶、という例はなかなか頭に浮かびません。日本でも仏舎利を入れる舎利容器を水晶で作る例がありますが、この場合は神聖視されているのはまず「舎利(仏陀の遺骨の一部とされたもの)」ですし。一方アメシストの場合は、ギリシア時代に「悪酔いをさます、眠けを払う、解毒剤になる、戦争で負傷することがない」などと信じられていたといいますし、その由来も、酒神バッカスと清らかな乙女アメシストの物語として描かれています。また、中世キリスト教の社会では禁酒、禁欲を象徴する石として、儀典や祭器、司教たちの指輪としても用いられていたそうです。これなら「神聖な」……でもわかるのですが、一般に水晶といえば、透明な水晶のことでしょう。中世の水晶玉占い、ということも考えられますが、ちょっと弱いような気もします。中世ヨーロッパでは、ダイヤモンドは透明であるが故にルビーやサファイヤなどのカラーストーンに比べて人気がなかった(価値が高く見られなかった)……と聞いたことがあります。ダイヤモンドが今日のような高価なものとされたのは、おそらくカット技術が発達して、ダイヤモンドならではのあの輝きが知られるようになったからでしょう。もしかしたら、透明な水晶も同じような理由であまり用いられなかったか、用いられたとしても神秘的なものとしてではなく、工芸の材料的な意味合いの方が大きかったのでしょうか。どなたか、いやいや、水晶の歴史にはこんなものがある。というのをご存じならば教えていただきたいのですが、こうして考えてみると、水晶の神秘性というものは、かなり時代が新しくなってからのパワーストーンブーム、あるいはニューエイジブームのなかでつくりだされてきたような気がしないでもありません。もちろん、時代が新しいからと行って、水晶にまつわる数々のエピソードがウソだとか、ブームにのせられたものだとか言う気はありません。(ただ、「古代から……」というのはどうかと思いますが)ブームならばブームで、なぜブームが起こったのか。なぜ、繰り返し水晶が話題になるのか。なぜ、水晶に惹かれた人がこんなにたくさんいるのか。なぜ、いろいろな方法でアプローチした人が、似たような感想を持つのか。そういう「なぜ?」は残るのです。もっと極端に言えば、ブームにのせられているというのが真相でもかまいません。純然たる商業ベースに載せられて始まったのだとしてもスピリチュアルな世界にふれてみたい「何か」が時代の要請として存在し、その中で水晶が(そして他の石が)選ばれたのだと思うのです。ちょっと屁理屈のようになってしまいましたが、実はこの水晶云々……について書きながらそれは言わない「お約束」なんじゃない? とか理屈理屈でつめるんじゃなくて、石そのものを感じるのが大切なんじゃない? とか、思うのですが、私の感覚としては、何の気なしに読んだことでその気になってしまうよりも疑問に思ったことは一応つついてみて、それが「自分が本当に感じたこと」なのか「感じたつもりになること」なのかを見極めてみたいと思ってしまいます。(一応終わり)★おまけちょっとメモ的に……「石好きさん」ならば、あまり問題にならないかと思うのですが、ごくまれにありますよね「この水晶本物?」……ということが。水晶で「ニセモノ」とされるものには3種類ほどあります。まずはガラス。天然の水晶はガラスに比べて「やや重い」「さわったときに冷たく感じる」「インクルージョンがある」などの特徴があります。硬度も水晶が7、ガラスが5ですが、ガラスにまぜられたものによってはこの通りとは限りません。慣れた人だと、さわった感触でわかるようですが……ある程度の大きさの丸玉ならば、細い線や手の産毛などを透かしてみると、水晶ではある角度で線や毛が二重にダブって見えるのに対し、ガラスではどの角度から見ても1本にしかみえません。次は「練り水晶」と「人工水晶」です。※練り水晶を「融解水晶」、人工水晶を「合成水晶」、二つをまとめて「人工水晶」とする場合もあります。練り水晶(融解水晶)は、天然水晶を溶かし、不純物を取り除いて固めたもの。材料が天然水晶ならば、練り水晶も天然水晶と同じでは? と思われるかもしれませんが、水晶は高温高圧下で結晶しています。単に溶かして固めただけでは結晶していないのでガラスと同じです。丸玉や彫刻風に加工されることが多いようです。一般に水晶の丸玉は、大きな原石を使って作られるためコストがかかります。そして、大きくてクラックもインクルージョンもない水晶というのはほとんどありません。ですから、安くてまったく透明の水晶球であれば、天然ではないと考えてもいいと思います。(※もちろん、天然で完全透明というのもないわけではありません)中には原材料が天然水晶であれば「天然水晶」と表示してしまう場合もあるようです。天然にこだわるのであれば、練り水晶ではないかどうかを確認した方がいいでしょう。透明度などを求めるのであれば、練り水晶はたいへん魅力的な素材です。人工水晶(合成水晶)は、珪酸を高温・高圧下で酸素と結合させて結晶させたものです。環境や材料が人工的というだけで、結晶するプロセスは天然の水晶と同じですから、この方法で作られた水晶は専門家でもなかなか見分けが付かないそうです。光学用や機械内部で使用するために工業的に生産されています。人工水晶が丸玉に加工されて流通しているという話は聞かないのですけれど、どうなんでしょう……?鉱物系の石屋さんで「人工水晶」として大きな塊を売っているのを見たことがあります。また、「シベリアン・ブルー・クォーツ」といって、コバルトによるすばらしい青色をしたロシア産の人工水晶があり、アクセサリーなどに用いられているそうです。ああっ、3日続けて写真なしになっちゃった!初予告です。明日は写真を載せます。これぞクリスタロス、という水晶です。お楽しみに!
2004/09/17
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水晶について調べてみると、たいてい、その語源はギリシャ語で「氷」を意味する「クリスタロス(krystallos)」であり、古来神聖な石とされてきた……と説明されています。多少の違いはあるにせよ、たいていはこんな感じですよね。確かに、水晶はコレクターも多く、パワーストーンやヒーリング関係でもまずは水晶と言えるほど親しまれている石です。ところが、いったん疑問を持ってつつきはじめると、これが意外なほどわからないことだらけなのです。たとえば「クリスタル」。冒頭で水晶はギリシャ語のクリスタロスが語源だとあちこちに書いてあるし、「クリスタルパワー」「クリスタルヒーリング」といえば、水晶を指すことが多いので、自然と「水晶=クリスタル」ととらえがちになります。しかし、石屋さんでもらうラベルにはたいてい「Quartz」とあります。海外の鉱物系サイトを覗いても、水晶は「Quartz」。「クリスタル(crystal)」は「結晶」の意味で用いられていて、「水晶=クリスタル」の頭でいるとこんがらかります。(私だけ……?)そういえば、水晶は英語で「ロッククリスタル」であるとする説明もありますが、こちらの記述はほとんど見かけません。では、というのでネット辞書や翻訳サイトで試してみました。「crystal」は、ネット辞書ではいずれも「1,結晶(体)、2,(鉱物の)水晶、3、クリスタルガラス」で、「quartz]は「石英」でした。ここで「水晶」を英訳すると「(a) (rock) crystal」と、カッコ付きになります。おもしろいのは翻訳サイトです。「crystal」は「1、水晶、2、結晶」と逆転し、「quartz」は「クォーツ」。これって翻訳になってないんじゃないの?※「システムエラーによる緊急メンテナンス」により中断しました。続きは17日の日記へ。
2004/09/16
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昨日に続いてシンナバーです。途中まで書いた時点で「こりゃ、終わらん」と確信しました。なんたって「錬金術」なんかが出てきたら、ちょっとやそっとの説明でまとまるはずがないのです。えー、今日も最初からおことわりもうしあげます。はっきり言って「錬金術」や「煉丹術」についてしっかり正しく説明できる自信がまったくありません。なんたって、専門家がそれ専用の本を書くときでさえ、膨大な資料と食い違う記述、曖昧な表現に非常に苦労されているのです。なので、間違いや勘違い、強引な意見など、ツッコミどころ満載であることを承知の上でざっくざっくとまとめてみたいと思います。まず、「錬金術とは何か」と辞書で引いてみますと、古代エジプトに発祥し、中世のヨーロッパ全域に広がった、普通の金属類を精錬することで、金や銀などの貴金属に変えようとした技術である……とあります。しかし、これは錬金術のごく一面、しかも目に見える上面にしかすぎません。現在の化学の先駆ともいえる錬金術の実験は、ただ単に「卑金属(貴金属でない金属)」から「金(貴金属)」を創りだすだけでなく、その工程において自分自身を探求し、高めていくことも含まれるからです。錬金術とは「心を変える科学」である……とは、曖昧なようでいて、核心をついた説明かもしれません。※「心を変える科学」については、「Alchemy 錬金術~心を変える科学~」C・ジルクリスト著 桃井緑美子訳 河出書房新社 を参考にしました一方、煉丹術は、錬金術よりもさらに魔術的な側面を持つものの、「東洋の錬金術」といえます。(別の説によれば、煉丹術はもっと広い分野を含むもので、錬金術的側面はその一部であると言います)さて、この錬金術と煉丹術のどのあたりに辰砂(水銀)が関係してくるのかを述べるためには、錬金術、煉丹術の研究者たちが、それぞれ実験を繰り返して何を作ろうとしていたかを知っておかなくてはなりません錬金術っていうくらいだから、「金」を作ろうとしていたんじゃないの?……と思われるかもしれません。私もそう思っていたのですが、意外なことに錬金術師たちは、金そのものを作ろうとしていたのではありませんでした。錬金術の根本目的は「哲学者の石」(別名をエリクシル)を作ることなのです。この「哲学者の石」は金と混同されやすいのですが、金のようでいて金ではなく、普通の金属を金に変え、人には不老不死をもたらすものでした。また、「哲学者の石」は、知識への鍵と見なされ、賢者のみが責任を持って使うことを許されたことから「賢者の石」とも呼ばれました。……映画にもなった大人気ファンタジーの1作目に登場したのはコレですね♪一方、煉丹術はといいますと、こちらは「己を高める」という精神面に重きが置かれているようでもありますが、不老不死(または不老長寿)をもたらす「丹」(金丹)を作る、というところが錬金術とそっくりです。一説によれば、「丹」は「事物をより高次の存在へと昇華させる」という力があり、金属を金に変え、武器や防具に高い魔力を与えるそうです。(この高い魔力を与えられた武器・防具を「宝貝(ぱおぺい)」といいます。「水滸伝」を読むと「宝貝」がいっぱい出てきます)そしておもしろいことは、「哲学者の石」や「丹(金丹)」を求めた彼らの実験(修行?)は、彼らにとって自然界の力(錬金術世界にとっては神の業)を模倣し、人工的に行おうとしたものだった。……ということです。錬金術を例にとれば、金などの貴金属は「完全なもの」と見なされます。金属が地中深くで成熟すれば完全なる「金」となり、人間が完全なる知恵を獲得すれば、不老不死の完全なる者になると考えたのです。しかし、身の回りにあるのは、金ではない金属が多く、もちろん人間も不老不死ではあり得ません。そこで世界に充ち満ちた「不完全ではないもの」は、不純物が混ざっていたり、まだ未成熟であったりするためだととらえ、自然が長時間かけて成熟させるところを、不純物を取り除き、最良の比率で再結合させ、人工的に成熟させ、不完全なものを完全なものにすることができるのではないかと考えたというのです。煉丹術においても、自然界で四千三百二十年の歳月をかけてできるとされていた「丹(金丹)」を人工的な方法でつくりだそうとするものであったようです。言ってみれば、物質を完全なものにするための「自然界の力の結晶=哲学者の石、丹(金丹)」を作り出す課程で精神面や知識も高めていこうとしていたと言うことなのでしょう。そして、「哲学者の石」や「丹(金丹)」をつくる材料として最も重要とされたものが、水銀だったのです。なぜ、不完全なものを完全なものへと変える「哲学者の石」や「丹(金丹)」の材料として水銀が重要視されたのかというと、そこには水銀の持つ特性が関係しているようです。 まず、水銀はさまざまな物質と結合しやすい特性があります。西欧神秘学の伝統では、世界は男性原理と女性原理の二つによって構成されているという考え方があります。同じように中国でも万物は陰=女性原理と陽=男性原理によって成り立ち、どちらかが欠けたり、バランスが崩れているのはよくないとされています。錬金術では、水銀を女性、硫黄を男性に見立てることがよくあり、さまざまな物質と結合しやすい水銀は、世界の二大構成要素を結合させることができるものと考えられたようなのです。また、水銀は変化しやすいものです。金属でありながら常温では液体で、たやすく気化してしまいます。このような特性が水銀を特異な物質と認識させ、変化しやすいと言うことが原材料として選ばれる要因になったのではないでしょうか。さらに、水銀には防腐作用があります。ものを朽ち果てることなくとどめておく水銀は、永遠の生命、不老不死をイメージさせたのかもしれません。 水銀は天然でも存在しまずが、たいへんまれなもので、ほとんどが辰砂から作られました。はじめはその赤い色によって、人々に「赤」の持つイメージの力を与えてきた「辰砂」が、加熱という加工を経て「水銀」というより人工的なものへと変化したにもかかわらず、鉄のような単なる材料物質と見なされるのではなく、錬金術や煉丹術……「より長く生きたい」「より高くありたい」という人間の「生命力」に通じるような考えの中で重要なものと考えられたということは、ひどく不思議なことのように思えます。命を思わせる「赤」という色と、水銀という恐ろしい毒性を持った鉱物を含むという一面を持つシンナバーという石は、もしかしたら、「生と死」という、「命」のイメージを持つ石なのかもしれません。……やっと、終わらせられました!「大丈夫かなー」と思いながらタイトルを付けたのですが、無事タイトルに結びつきましたでしょうか?最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました!いつにも増してわかりにくい雑記でした。
2004/09/15
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今日はがんばって、リクエストいただいたお題の「シンナバー」に挑戦してみたいと思います。「ネタ~、なんかネタ~」とネタ不足に頭を絞っている今日この頃、いただいたお題はたいへんありがたいです。ただ、シンナバーを持っていないので写真を載せることができません。でも、調べていくうちに「何かイイかも……」と思えてきたので、ひそかに探してしまうかもしれません。さて、話はちょっと離れたところから進めていきます。「電子辞書」……ご存じですよね。私は、この文を書くにも、調べるにもパソコンとネットを使ってます。会社で文を書いていたときもそうでした。なんてったって便利で早い。(打ち間違い&変換ミスで誤字は量産しますが)……でも、言葉を調べるのは昔ながらの辞書でした。使っていなかったので、言い切ることはできませんが、電子辞書は、「調べたことしかでてこない」のが不満だったのです。ネットでの検索も辞書も、ある言葉を調べるとその他の情報も一緒に入ってきます。その情報は、調べていることに対して関係あるものもないものもごちゃ混ぜのまさに玉石混淆。急いでいるときは「余計なモンは出てこなくていい!」と思いますが、たいていはその「余計なもの」がおもしろく、情報の幅を広げてくれるのです。ある言葉を調べ、その片隅に出てきた別の単語を調べ、またそこから違う分野へ……。先日のキャンドル水晶とエレスチャルの話もそうでした。エレスチャルから骸晶へ、結晶のパターンへ……と、芋蔓式にたぐっていって、まさか、タンパク質の結晶の話が水晶につながってこようとは。今回のシンナバーもそんな感じで深みにはまりました。シンナバーについては、最初、●水銀を含む鉱物である●赤い色をしているらしいということしか知りませんでした。で、それに付随する情報として、●水銀の赤である丹は、古墳の装飾などに使われた●中国で不老不死の薬の材料のひとつにされていた●金メッキに使われる●丹生大師などの水銀に関する神社仏閣があるというのが頭にありました。さてはて、それが何につながっていったのか……文字ばっかりでなんですが、お楽しみ下さい♪まず、「シンナバー」ということで調べてみれば、おそらくこういう情報が出てくるでしょう。シンナバー /cinnabar 辰砂(しんしゃ)水銀の原料や赤い原料として用いられていた硫化鉱物。六方晶系の鉱物で、六角の板状や柱状の結晶体、または皮殻状、土状、塊状などで産出。色は、朱赤色や帯褐赤色、褐色、黒色、灰色など。石英や花崗岩の中に含まれる不透明なものがほとんどだが、まれに透明結晶もある。硬度は2~2.5。中国では古代から、神聖な石とされ宗教儀式などに使われたり、粉砕して不老長寿の霊薬として飲まれていたこともある。最近では、金運や成功の石として人気。スピリチュアルな意味合いは諸説ありますが、「シンナバー」で調べるとこんな感じです。水銀、ときくと物騒なイメージがあります。実際、水銀は毒性があるのですが、シンナバー自体は熱しない限り危険性はないそうです。ちなみに熱するとシンナバーは水銀と硫化水素になります。……で、シンナバーの代わりに「辰砂」で検索するとかなり出てくる情報が変わります。中国では朱砂。古くから顔料や素銀の原料として使われていたようですが、その起源はすでに定かではないほど古いのだとか。水銀と人との関わりの古さは、ヨーロッパでも同じであったらしく、英語の鉱山(Mine)や鉱物(Mineral)は、水銀鉱山を意味するラテン語、“Miniaria”から派生した言葉なんだそうです。(シンナバーの語源は英名はギリシャ語の「kinnabaris=赤い絵の具」、「辰砂」は、中国の辰州で採れたことに由来します。また、後に辰砂は「赤」を意味する言葉にもなり、陶芸で銅を使って赤く発色させる釉薬を「辰砂」といいます。)このように以外に歴史の古いシンナバーですが、価値をその赤い色におくか、そこから採れる水銀におくかで見方はずいぶん変わってきます。まず、「赤い石」と見た場合。石には、砕いたり何かにこすりつけても見たとおりの色のままの「自色」の石と、砕いたりこすりつけたときの色が白くなったり色が変わってしまう「他色」の石があります。シンナバーの場合は「自色」で、そのために赤い色の顔料として用いられていました。日本の最古の記録に当たる「魏志倭人伝」にも、日本からの献上品の中に「丹」(辰砂の純粋な結晶)があったり、人々が朱(水銀系の赤色顔料)で体を装飾していたらしいことが記されています。また、縄文後期には、東北や九州において古墳や遺体に朱をぬって再生を願い悪霊を封じる風習がありました。また、日本語の「あか」は「明け」であり、太陽に由来する言葉であると言われます。(「夜明け」「あかつき」など)一方、赤を意味するヨーロッパ語の多く (red、 rot、rougeなど)は、「血」を語源とするそうですから、東西を問わず、赤は燃えあがる火の色、命を象徴する血の色であり、そのことから歓喜や美麗、戦い、死、などのシンボルであると考えられてきたことも頷けます。この「赤」の持つ力は、後の世にも受け継がれ、コマやヨーヨーなど、古くからの玩具に赤い色が用いられているのも、疫病を退け、子供の健康を願う意味が込められていたのだそうです。この「赤」には、「べんがら」と呼ばれる酸化鉄も用いられていましたが、「朱」の場合は、水銀のもつ防腐性なども考慮して用いられていた面もあるようですが、最初は、「赤」という色が持つ力が注目されていたように思います。ところが、その「赤」の力を持つ辰砂は、やがて別の価値を持ち始めます。辰砂を熱して得られる水銀です。水銀は恐ろしい中毒症状を引き起こす毒性がある鉱物ですが、金属加工などでは重要な役割を果たします。水銀に金を溶かし込んだ「アマルガム」というものを他の金属に塗りつけ、さらに熱して水銀を蒸発させると、残った金はアマルガムを塗りつけた金属にしっかり食い込んで薄い皮膜を作ります。そう……金メッキです。(※この方法を用いてならの大仏も金ぴかにされました)このことによって辰砂は、「あか」の力を持ったものから金属を加工するためのひとつの「材料」へとその価値が変わっていったのです。このことは、まだ辰砂が「赤」の力を持つものとして考えられていたころは辰砂の産地にその産出を司る「丹生都比売(にうつひめ)神」が祀られるようになったことからもわかります。ところが時代が移り、古墳時代の終わりと共に朱を塗る風習も薄れ、今度は中国大陸から金メッキの製品とともにその技法が伝えられてくると、しだいに丹生都比売神を祀る神社の影は薄くなり、「日本書紀」や「古事記」にはほとんどとりあげられていません。このように、以前はその神秘性によって神聖視されていたものが、人の力で制御・理解できるようになると、その「心理的な価値」は現象したり変化したりします。たとえば、暦の発達していない世界では「日蝕」は後に神話として語り伝えられるほどの大事件ですが、暦が発達したところでは日蝕を予測することも可能になり、突然起こる衝撃的な事件ではなくなります。ところが、興味深いことに辰砂……そこから生まれた水銀は、人の手によって制御・利用されるものでありながら、新たな神秘性を持って、さらなる価値を得ていくようになるのです。水銀にあらたな価値を与えたもの……それは「錬金術」と「練丹術」です。……やっぱり終わりませんでした。というわけで、つづきは明日。
2004/09/14
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今日も今日とて「ネタないか~」と頭を抱えておりました石雑記です。天気がいいので、石を窓辺に持ち出し、撮影なんかもしてみました。やはり、新しく手に入れた石ばかり撮ってしまいがちなので、今日はかつて手に入れた石たちを中心にしての撮影です。そんな中で「おお、久しぶり」な石がありました。原石派の私の石のなかでは、少数派の磨きもの。なんだかおわかりでしょうか。……と書いて間をおいていたら、ジェムシリカ、あるいはクリソコラというお答えをいただきました。「ラリマー?」と聞かれたこともあります。ブーッ 残念ですが、はずれです。答えは「オパライズ・ウッド」。オパール化した木の化石です。少なくとも、そういう名前で売られていました。オパールというと、白や黒の地に虹色の「遊色」が浮かぶオーストラリア産やオレンジや透明に「遊色」が浮かぶメキシコ・オパールが有名ですが、ペルーなどで産出する、ブルー・オパールなど、遊色を示さないオパールもあります。ちなみに「遊色」を示すオパールを「プレシャス・オパール」、「遊色」を示さないけれども透明感があって美しいものを「コモン・オパール」、不透明なもの、色が濁っているものを「オパライト」と言うのだそうです。※オパールっぽいガラスビーズを「オパライト」という場合もあるようです。「遊色」を示せばオパールかというと、そうでもなくて右上は、「ファイヤー・アゲート」。その名の通り瑪瑙の仲間です。この石が示す虹色は、非常に薄い層状のリモナイト(褐鉄鉱)、あるいはゲーサイト(針鉄鉱)によるものだそうですオパールの成分は、なんと水晶と同じ二酸化珪素です。何が違うのかというと、水分を含み、他の鉱物と異なり、結晶構造を持たないことです。結晶の形をしていないのならば、ファイヤー・アゲートも同じではないかと思われるかもしれませんが、瑪瑙は「微細な結晶」が沈殿したものです。目には見えませんが結晶しています。これを「潜晶質」といいます。一方、オパールは珪酸の球状粒子が集合して構成されています。球状粒子は微妙に大きさが異なり、かなり規則正しく並んで積み重なっています。この粒子で光が曲げられ、粒子の間の空間で乱反射して光のスペクトル(要するに虹色)を示します。しかも、積み重なっている層によって珪酸の粒子の並び方が違うために、石を傾けると色が動く、あのゆらめきが生まれるのだそうです。色の違いは粒子の大きさによって光の屈折具合が異なるためで、大きい粒子は赤色の光を、やや大きい粒子は緑、青、紫の光を、小さい粒子は青い光を回折します。しかし、粒子が大きくなりすぎると「遊色」は消え、石そのものも不透明になってしまいます。さて、オパールは、そのでき方や産地、地の色、遊色の出方などで、よくぞこれほどといわれるくらいいろいろに分類されています。でも、とてもとても私には手が出ません。なので、そちらには深入りせずに、写真の石についての話に戻ります。今日の写真のオパライズウッドですが、先に書いたようにオパール化した木の化石です。同じ木の化石でも瑪瑙化したものは、「アガタイズ・ウッド」と言います。アガタイズ・ウッドは、手にしたことがあるのですが、さわった感じは瑪瑙そのものという感じでした。オパライズ・ウッドはそれにくらべると、幾分やわらかく、さわったときにあたたかい(冷たくない)感じがします。こちらはブルー・オパールにそっくりです。重さも幾分軽いように思います。オパライズ・ウッドもアガタイズ・ウッドも、地下に埋もれた樹木に、地中の珪酸分を含んだ水分が浸透して置換されてできました。これらをまとめてペトリファイドウッド(珪化木)といいます。かつて命があったものが、地中で次第に石へと変化していく課程を思うと、石との距離がだんだん近くなっていくような気がします。私の持っているオパライズウッドは、たまたまこんな色なのですが、一緒に売っていたほかの石は、灰色やオレンジ、赤、黒などの色が混じっていました。本当はカボションではなく、タンブルです。一番色がきれいなのを選んだら、形も一番きれいでした(笑)。3ヶ月という期間限定で出店していたお店で買ったもので、以来どこへ行っても見かけないので、ラッキーだったと言えるでしょう!★補足オパライズウッドには、「遊色」の出るものがあります。とてもきれいなのですが、もろいので宝飾にはむかないそうです。★補足2木だけでなく、いろいろなものがオパール化します。オパール化した恐竜の骨というのを本で見たことがあります。貝の化石がオパールになったものを「シェル・オパール」といい、これを専門にコレクションしている人も多いそうです。ただし、化石ではないオパールを貝の形に削ったものがあるので注意が必要です。全面がつるりと規定に磨かれているものは要注意です。本物のシェルオパールは、貝の一部が磨かれずに残っていたり、二枚貝のちょうつがいの部分がリアルです。貝の形に削ったものは、このちょうつがいの部分もつるりとしています。
2004/09/13
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今日は、なんだかばたばたしてしまったので、かるーく行ってみようと思います。ネタというより覚え書き。あるいは、頭の中から掘り出し確認したもの。それは何かと言いますと、水晶のカービングに関係があります。水晶は原石はもちろんのこと、実にさまざまな形に加工されて石のお店に並びます。原石、あるいは塊状の石英を六角柱に磨いたもの。丸玉やハート形、ピラミッド型、正12面体などの幾何学形。イルカなどの動物形もあれば、スカル(骸骨)も意外に人気です。そしてこれは東京の方に出てきて見かけるようになったのですが、水晶の仏像なんてのもあります。(もちろん水晶以外も)原石派の私としては、ちょっとばかり縁のない世界なのですが、「撮ってみたい」と思うことがあります。「ここに光をあてて……この角度から。バックに緑なんかが見えたらきれいかも」なんてちょっとズレたことを考えながら、たま~に手に取るのですが、時々首をかしげます。これ……如来だっけ、菩薩だっけ?今は昔、大学の授業でやったはずなんですけど、もう●年も昔になるとなかなか出てきません(笑)。もちろん、お店には「仏像」なんて漠然とした名前ではなく「観音」とか、ちゃんと書かれているはずです。さて観音と言えば観音菩薩。正式には観世音菩薩とか観自在菩薩と言われる「菩薩」さまです。「仏陀」と記されているものも見かけたことがあるのですが、仏陀は、「悟りを開いた人」という意味で、もともとは仏教の創始者「釈迦」のことです。釈迦如来とも言われますから、仏陀は如来さまのことです。なんでいきなり仏像の話かと思われるかもしれませんが、ちょくちょく石屋さんで石づくりの仏像モノを見かけるものですから、「この観音サマきれ~い!」もいいのですけど、菩薩や如来が何か知っておくのもいいんじゃないでしょうか。もしかしたら、「あ、コレ名前の付け方間違ってる♪」……という、ひそかな喜びが増えるかもしれません。(←悪趣味★)……というわけで今日のお題は「菩薩と如来」です。仏陀については先にちょっと書いてしまいましたが、もう一度まとめます如来は、『真理より来た者』『真実に赴いた者』『真理に到達した者』の意味です。仏陀も「悟りを開いた者」という意味ですから、仏陀と如来は同義の言葉でもあります仏教が成立した当時は、如来は釈迦のみだったのですが、教典としてまとめられていく課程で、釈迦以前に悟りを開いた者が存在したという考えが広まり、仏の数が増えて、「○○如来」のように如来は仏の尊称としても用いられるようになったのです。このように「如来」はすでに悟りをひらいておられますが、同じように「仏さま」でひとくくりにされている「菩薩」は、実は如来予備軍というか、ゆくゆくは如来になるべく修行中の身であられます。菩薩とは、『悟り(菩提)を求める者(薩た)』の意味で、本来は悟りを開く前の釈迦、釈迦の前世の時代の姿を指していたそうですが、のちには、如来になることが予定された者をはじめ、悟りを求めて修行に励むもの全てを総称するようになったそうです。いやあ、ひとくちに仏さまといってもいろいろあるもんですねえ。さて、この如来と菩薩、釈迦如来、薬師如来、千手観音……など、耳にしたことがあるだけで、かなりな数があります。それぞれ手の形(印相/いんぞう)や持ち物(持物/じぶつ)などが違い、それで見分けがつくそうなのですが、そんな細かいことはとても説明できないので、ここは簡単に如来と菩薩の見分け方でしめたいと思います。これは案外簡単です。如来さまはすでに悟りを開かれた身。俗世の権力や贅沢とは無縁のお方です。ですから、その服装はいたってシンプル。アクセサリー類もつけず、布を巻き付けただけのような格好です。そして頭はいわゆる「パンチパーマ」(……失礼)。ええとこの髪型は「螺髪(らほつ)」と言いまして、髪の毛が「右巻き」に巻いて頭に固く張り付いている状態なんだそうです。ちなみに、如来の額には「白毫(びゃくごう)」といわれるぼっちがあって、仏像などでは、ここに水晶がはめ込まれています。実はこれ、眉間から伸びた白い毛が右に渦を巻いて固まったものなんだそうです。そしてこの白い毛をまっすぐにのばすと2メートル以上になるのだとか。一方、如来を目指して修行中の身である菩薩は、もともと出家前の釈迦のこと。そして釈迦は王家の方……いわゆる王子サマでした。その姿をもとにしているので、菩薩の姿は華麗です。衣服もひらひらとたなびいていますし、髪は結われ、ネックレス(瓔珞/ようらく)やブレスレット(腕釧/わんせん)など豪華なアクセサリー身につけています。つまり、シンプル・スタイルの仏陀=如来と豪華な王子さまスタイルの菩薩。……という感じでしょうか。簡単です!(ただし、密教で如来中の如来とされる大日如来は、アクセサリー類を身につけた姿で現されます)おお、これがそうか、そういうことかとちょっとわかると、お店で見る楽しみが増えると思います。
2004/09/12
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ジェネレーターやイシス、ダウなど、水晶の形とそのパワーを説明するクリスタル用語と呼ばれているものがあります。これについては、くわしく説明されているサイトさんがたくさんあるのでそちらにおまかせすることにして、このサイトでは「クリスタル用語辞典」は作らない予定です。(私がノリで作った造語&勝手に意味を付け加えたわがまま用語集はつくりましたが)ところが、今日のお題はその用語にちょっとかかわることです。クリスタルヒーリングなどの分野では、水晶の様々な形にそれぞれのパワー(……と言ってもいいのでしょうか)があるとされています。たとえば、錐面にある5角形の面は「イシス」と呼ばれ、女性的なエネルギーやふたつの対立するものをひとつに結び合わせる力を現す(あるいはそういう力がある)と説明されています。(諸説あるので、これは一例です)このような形は、探せば見つけるのはさほど難しくありません。中にはなかなか見つけられない、珍しい形もあります。すでに紹介したファーデン水晶などもそのひとつです。ファーデン水晶が限られた産地の水晶であるのに対し、産地は問わないけれども珍しいとされる形……今日は、「マニフェステーション」と「ネガティブ」で行ってみたいと思います。石好きさんならば、あるいは、石のパワーに興味がある方ならば、「選挙公約と消極的が水晶と関係あるの?」なんてことはおっしゃらないですよね。でも、選挙が近づくと耳にする「マニフェスト」とマニフェステーションってなんの関係があるのかとちょっと調べてみました。マニフェストは、「宣言書」の意味です。綴りは「manifesuto」。驚いたことに英語ではなく、イタリア語でした。かつてマルクス、エンゲルスが発表した「共産党宣言」の原題が「Das kommunistische Manifest」といったことから、政治的な立場表明にを「宣言」、即ちマニフェストと言うようになりました。「共産党宣言」がドイツ語で書かれていたので、Manifest(宣言・声明書)はドイツ語だったのですが、共産党の新しい可能性を現実的に試みたのがイタリア共産党だったので、この言葉はイタリア語で流通することが多くなった……らしいのです。(資料の引き写しです)マニフェステーション(manifestation)は「明らかにすること」「明示」「表明」などの意味で、中には「(霊魂の)現れ」などという意味も出てきました。なんだか、水晶とは関係がないような……話を元に戻します。水晶においては、マニフェステーションは、水晶の結晶の中に小さな別の水晶の結晶が完全に取り込まれているものを指し、創造性の発揮などの力をもたらすとされている形です。一方ネガティブは、専門用語では「負晶」といわれ、水晶の中に水晶の結晶の形をした空洞が現れているものを言います。「封鎖状態からの開放の手助けをしてくれる」と説明されていることもあります。……で、ややこしいことに、このふたつは混同されて売られていることがあるのです。何度も繰り返してきたように、私は珍しい石が好きですから、そういう石を見つけると手にとって眺めます。確かに、透明な水晶の中に、別の結晶の形が浮かんでいます。見ていると、頭の中に疑問が浮かび上がります。この中が詰まっているのか空なのかどうやってわかるんだろう?あ、「空(から)」と書きましたが、中には空気(気体)ではなく液体が入っています。水晶は、熱水の中で成長しますから、入るのは液体のはずです。中も水晶なのか、水晶の形の空間に液体がつまっているのか。中に気泡が入っていれば一目瞭然! 液体です。写真左上の石は、矢印のところによく見ると気泡が入っていて動くので、そこが空洞だとわかります。この気体は、液体の中に含まれていたものが、温度が下がるにつれて出てきたのだと思います。しかし、こうしたエレスチャルの隙間のことは「ネガティブ」と呼ばれないようです。また、一部分が外に飛び出ていたり、磨かれて断面が見えていれば、別の結晶がはいりこんでいるのだとわかりますが、このような場合は、「マニフェステーション」ではなく、「ペネトレイター」「ブリッジ」「貫入」などと呼ばれるようです。写真↓がその例で、ポリッシュのポイントの下に「刺さっている」感じなので、断面が見えます。「貫入水晶」として売られていました。問題は、完全に結晶の中に入っている場合です。見分ける自信がないので、まずは、お店の人に聞いてみました。あるお店は、中に別の結晶が見える場合はすべて「ネガティブ」で、中が詰まっている場合も空の場合もある、という考え方でした。別のお店では、仕入れ先の説明に従うとのことでした。お店でも見分けるのは難しいようです。見分け方が難しい例が、上の写真です。左の写真は、ナミビアのブランドバーグ水晶、真ん中は中国産のDT水晶、右側がチベット水晶です。それぞれの疑惑の部分を拡大して並べてみました。それぞれの状態がわかるでしょうか……。実は、おもしろい意見を聞くことができました。中に入っている結晶の表面にレインボーが出れば、マニフェステーションであるというのです。これは、かなり信憑性が高そうです。二つの結晶が接触している面では、時々その面の形のレインボーが現れますが、結晶が剥がれた面を結晶ごしに見てもレインボーは現れません。これはうまくいきそうです!……しかし、レインボーが出ないこともあります。実は、写真の石は、左隣に同じような小さな結晶が半分埋まった状態でくっついているので、完全に埋もれた方も、マニフェステーションだろうと思っているのですが、困ったことにレインボーが出ないのです。他に見分け方はないものか頭を絞ってみました。マニフェステーションの場合、小さな結晶が熱水に流されてきて成長途中の結晶にくっつき、そのまま取り込まれて中に入ってしまったと考えれば、素直に理解できます。では、ネガティブの場合はどうでしょう。どうして結晶の中に結晶の形をした空洞ができるのでしょう?「負晶」で検索をしてみたら、案外ヒット数がなかったのですが、その中に「石が液体の一部を石の内部に取込みながら成長し、取り込んだ後も、その取り込んだ液体のまわりが成長すると、結果的に結晶の形のような空洞ができる」という説明を見つけました。「液体のまわりが成長する」……というのはよくわからなかったのですが、先日のキャンドルクォーツのお題で、熱水中の珪酸分濃度が高い場合、ひとつの大きな結晶に成長する代わりに、小さな水晶がいっせいに成長し、結果的に小さな水晶が柱面でくっつきあった大きな結晶になる、という話をしました。キャンドルクォーツは、半透明か不透明なので見えませんが、もし、いっせいに成長した小さな結晶と結晶の間が完全に埋められていなかったら。この場合、小さな結晶は柱面同士でくっついているわけですから、その隙間はまるで、小さな結晶のようにならないでしょうか?もし、それが負晶のメカニズムだとしたら、負晶は、母体の結晶と同じ方向を向いているはずです一方、マニフェステーションでは、小さな結晶は流れてきてくっつくのですから内部の結晶の向きは、母体の結晶に対してランダムになるのではないでしょうか!?見てみれば、右上の中国産は、内部の結晶の先が母体の結晶の柱面を指しているので、「向きがランダム」です。左下のチベット水晶は、形はかなり変形していますが、先端と思われる部分は結晶の先端方向と一致しているようです。これって新しい見分け方にならないでしょうか?
2004/09/11
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昨日の雑記では、書ききれなかったことがあるので、今日はフッ化カルシウムの結晶・補足編つまりはフローライト・その2です。石好きとしては見逃せない石・フローライトは写真にはまった身としても、実は見逃せない石だったりします。フローライトは、豊かな色彩が魅力ですが、これはフローライト本来の色と言うよりも混入している希土類元素の違い。つまりは産地の土地の色と言うことができます。それがいくつ持っていても新たなフローライトが欲しくなってしまう原因だったりするのですが、純粋なフローライトは、実は無色透明です。そして、この透明なフローライトは、なんと、高級なカメラや望遠鏡にレンズとして用いられています。カメラで、レンズを光が通過すると色のにじみが発生します。これを以下に少なくするかがカメラの性能を左右するのですが、「フローライト・レンズ」とガラスのレンズを組合わせると、どちらにも色のにじみが発生するものの、それぞれが互いのにじみを打ち消し合うため、結果的に高性能なレンズになるのだそうです。レンズに使われるフローライトは合成されたものですが、フローライトそのものが柔らかくて加工しにくいため、フローライト・レンズは大変高価です。もちろん、私のカメラには使われていません。しかし、フローライトの透明感を見ていると、レンズに用いられるのもわかるなあ……という気になります。もちろん、水晶にも透明なものはあります。しかし、フローライトの透明感は、どこか違うのです。昨日の雑記にも書きましたがみずみずしいのです。そのため、フローライトにインクルージョンされた他の鉱物は、「永遠に浮かび続けている」というイメージをかき立てます。この写真は、すべてフローライトを撮ったものです。左上は丸玉、それ以外の上半分はパイライトがインクルージョンされたもの、下半分は丸玉のクラックを写したものです。石の色は、光線によってかなり変化してしまうのですが、この透明感、浮遊感は水晶にはない魅力です!特に、まるでホログラムのように写るクラックに魅せられて何枚写真を撮ったことでしょう。丸玉の数は水晶よりフローライトの方がだんぜん多いです!ただ、困るのはモース硬度が4と、大変柔らかいこと。水晶の硬度は7、ラブラドライトが6、オブシディアンやテクタイト、アパタイトが5。カルサイトの3よりは固いですが、マラカイトなどと同じ硬度4です。なので、「浄化」などといって水晶のクラスターの上に置いたりすると、疵が着くことがあります。大きな丸玉を金属製の丸玉台に置いておくと、自重で台の痕がついてしまったりするのだとか……。保管にはくれぐれもご注意を。
2004/09/10
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昨日は申し訳なくもパスしてしまいましたが、今日は掲示板でいただいたお題、「フッ化カルシウムの結晶」で行ってみたいと思います!もう一個「シンナバー」というお題もいただいているのですが、こちらについては、古墳や丹生神社、練丹術、果ては錬金術という、大変私好みの雑学の迷路に迷い込んでおりますので、今しばらくお待ち下さい。いや、これがおもしろいんです……。さて、話を戻しまして「フッ化カルシウムの結晶」です。ここで、舞台裏を想像してニヤリとなさった皆様、おさすがでごさいます。「KUROさんてば、いろんなこと知ってるのね~!」と思って下さった皆様、ありがとうございます。恐縮です。……でも、だまされてはいけません。自他共に認める穴あき知識の持ち主の私のこと、「フッ化カルシウムの結晶」と言われて、さっと浮かんでくるはずがありません。お題をいただいたとたん、目は点。あわてて検索しました。しかも化学式なんか出てくるわけないので「フッ化カルシウムの結晶」と打ち込んでの検索です。そうしたら……いや、資料というのはたくさんあるものです。ちゃんと「フッ化カルシウムの結晶とは蛍石のことである」と、明記して下さっているサイトがありました。これで安心。涼しい顔をしてはじめることができます。改めて……今日のお題はフローライト(蛍石)です。フローライトといえば、石好きさんのあいだでは、水晶とならんで人気のある石ではないでしょうか。硬度は4と低いですが、その結晶や色彩の豊富さ、美しさはフローライトを専門にコレクションする人がいるのも頷けます。ちなみに、フローライトという名前は、ラテン語のfluere(流れるの意)に由来しているそうです。なぜ「流れる」かというと、製鉄の際にフローライトを加えると融点が低くなり、鉄鉱石を溶かしやすくなるからです。それに対し、日本名の「蛍石」は、加熱すると蛍のように輝くことに由来します。ついつい「フローライト」を使ってしまいますが、語源を考えると日本名の「蛍石」の方がロマンチックですよねえ……。私にとって、フローライトは、水晶が「変な石」を基準に選んでしまうのに対し、純粋に「きれい!」で選んでしまう石です。色の豊富さは水晶と1,2を争うと言われますが、豊富さではなく華やかさ、鮮やかさと言うならば、だんぜんフローライトの方が上。紫、緑、青、ピンク、黄色……見たことはありませんがオレンジや茶色、黒なんてのもあるそうです!また、水晶が六方晶系に属し、六角柱状が基本の形なのに対し、フローライトは等軸晶系(立方晶系)。つまりサイコロみたいな形が基本なので、結晶もサイコロを積み重ねたり組合わせたような形になることが多いようです。この結晶の形は、拡大するとまるで精緻な建造物のようで意外にクール。そのくせ、鉱物とは思えないみずみずしい色合いとのアップがなんとも写真心をくすぐるのです。水晶ほど世界制覇(笑)は進んでいないのですが、我が家のフローライトを集めてみました。「きれい!」で買ってしまうので、産地不明なのも多いです。また、フローライトの産地は多いのですが、産地が多いということは、逆に奥が深いということでもあります。フローライトの豊富な色彩は混入している希土類元素の違いが原因の1つであると考えられており、そのために産地によって色や形が微妙に異なるのです。私も、フローライトの結晶を見て、産地をぴたりと当てることはできません。まあ、ピンクのフローライトならば、スイスかフランスと見ていいでしょうし、黄色ならばフランスかモロッコ……というところでしょうか。あと、紫と緑が特徴的に入り交じったものならナミビア太陽光でも蛍光する強蛍光性をもつなら、イギリス……というように、際だった特徴がないと、とてもとても。フローライトには「ホット系」だの「コールド系」だのという独自理論を当てはめることは、できそうにありません。ただひたすら「うはぁ……きれい……(うっとり)」と見とれるだけです。さて、ちょっと位置がずれてしまいましたが、写真のフローライトについてです。上段左は産地不明。おそらくメキシコ産と思われるフローライトです。ちょっと磨りガラスっぽいですがほぼ透明で、結晶の形がちょっと変わっています。その隣、上段真ん中と右はメキシコ産の同じフローライトです。サイコロ型の結晶の積み重なりがよくわかります。実物は、半透明に表面だけが紫色のデリケートな色彩。あてる光によってかわいらしくもクールにも撮れてしまうところが魅力です。中段左も産地不明。色合いからおそらく中国ではないかと思っています。カルサイトらしき結晶がくっついています。これも基本はサイコロ型なのですが、なぜか全体的なシルエットはまんじゅう型。不思議です。中段真ん中は中国産。中国産では比較的よく見かけるアップルグリーンです。でも、この色、透明感、みずみずしさ!これだけきれいだと「変な石」なんて言っていられません(笑)中段右はナミビア産です。実は下段右もナミビア産なのですが、中段のはグリーンがきれいに出ています。下段右の方がナミビア産としてはスタンダードな色合いではないかと思います。下段左がモロッコ産のイエロー・フローライトです。小さい水晶がくっついてます。サイコロの角を割り取ったような形ですが、表面をよく見ていただくと、不思議な幾何学模様が見えます。これはこの形がやはり小さなサイコロ型の集まりであることを教えてくれます。下段真ん中はイギリス産の強蛍光性フローライト。結晶の角のあたりが青くなっているのが見えるかと思いますが、これが太陽光で蛍光している部分です。フローライトは、紫外線で蛍光すると言いますが、蛍光するのは実は一部のフローライトだけです。「蛍光しないから偽物!?」なんて早まらないようにしましょう(笑)スイス・フランス産のピンク、フランスの青、ダルネゴルスクの透明!……あこがれていますが、未だ手元にはありません。写真は、原石ばかりですが、フローライトについては丸玉も八面体も持っています。みなさんご存じかと思いますが、ピラミッドを用下にくっつけたような八面体のフローライトは、劈開(その結晶特有の割れやすい方向)を利用して割って作ったものです。しかし、天然でこの八面体をした結晶もあるんですよねえ……。この八面体については、ちょっとばかりこだわりがありまして、中にパイライトがインクルージョンされたものを選んで集めています。フローライトのみずみずしい色彩の中にパイライトが星くずのように浮かんできれいなんですよ~。
2004/09/09
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今日は掲示板の方でお題をいただいてしまったのですが、めずらしく「おおっ!これは書かねば」というネタを見つけたので、失礼してこっちを書かせていただきます。急いで書かないと、頭から抜けて落ちそうなので……。お題リクエスト、すでに「シンナバー」と「フッ化カルシウムの結晶」をいただいているのですが、気長にお待ち下さいませ~(汗っ)さて、「おおっ」と思ったネタというのは、私好みのへんてこりん水晶の一角を担う、エレスチャルとキャンドル・クォーツです。エレスチャルは、クリスタルヒーリング方面で有名なネーミングであるらしく、本当は……というか別名を「スケルタル・クォーツ」と言うそうです。「スケルタル」とは、たぶん英語の綴りでは「skeletal」。「骸骨(骨格)の」とか「骸骨のようにやせた」という意味です。日本訳(?)の「骸骨水晶」だと、非常におどろおどろしい感じですよね。そしてどうやら「骸骨水晶」なるネーミングは、「骸晶」という結晶のしかたの一種にも関係があるようなのです。さて、そもそものなんでこういうお題になったのかといいますと、書店で本を見ていたところ、結晶に関する本があり、ぱらぱらとめくっていたら、「お、マダガスカルのキャンドル・クォーツ」という感じの写真が載っており、それが「骸晶」であるということ、そしてなぜそのような結晶になるのかが説明されていました。「骸晶」というのが、それまで私が理解していたのとはちょっと違うのにはひっかかりましたが、結晶のしかたについては、これぞ求めていた情報です!ちょっと専門的な本だったため、その部分だけの立ち読みですませてしまったので、記憶から抜け落ちないうちにさっさとまとめてしまいます。(1)熱水の珪酸分濃度が低い方が透明できれいな結晶に成長する。(2)熱水の珪酸分濃度が高く飽和状態だと、 一度にたくさんの小さな結晶ができ、 それがそれがくっつきあって骸晶になる。……ということらしいのです。(2)については、くっつきあって、というより、水晶の材料となる珪酸分が多いので、順序よく大きな結晶を作るよりも先に、あっちこっちで勝手に結晶ができてしまい、そのため小さな結晶の集合体のような結晶になる……というようなニュアンスだと思います。この説明はなるほど! でした。ちょっと話は違いますが、透明で大きな氷を作るには、じっくり長い時間をかけて凍らせるのだそうです。キャンドルクォーツは、一般にミルキーなものが多いです。クリアーなキャンドルは見たことがありません。水晶は氷ではありませんが、キャンドルクォーツの結晶を見るからに、あっちこっちで一斉に、しかも水晶にしては急激に成長しようとしたと思えば、説明が付くような気がします。そして、キャンドルクォーツの結晶の不思議のひとつである、柱面は小さな結晶がたくさんくっついたような形状なのに、先端は大きな錐面になっているというのも、急激な結晶化によって熱水中の珪酸分が使われ、ある段階から、ひとつの結晶にじっくり成長していく程度の濃度になったのだと考えてはいかがでしょうか。この↓キャンドルクォーツも、この考え方であれば説明が付きます。へんてこりん水晶好きの私が買うものなので、キャンドルクォーツとしても変わっているかと思うのですが、柱面には小さな結晶がついているのに、先端部分は透明で、中には白いファントム状の部分があります。これも、徐々に熱水の珪酸分濃度が変化していったせいではないでしょうか。おお~、スッキリ!……といきたいのですが、ひっかかるところがあります。「骸晶」という言葉です。私が呼んだ本では、キャンドルクォーツに対して「骸晶」という説明がされていましたが、私は、どちらかというと、薄い層が何重にも重なったような、別名では「窓水晶」と言われるタイプのエレスチャル水晶のことを指すのだと思っていたのです。ちょっと見にくいですけど、写真左側がそのタイプです。それでは、というのでについて調べてみました。「骸晶」というのは、結晶一般について用いられる用語で、水晶だけの用語ではありませんでした。ネットを渡り歩き、入り込んだのはなんと「タンパク質の結晶」についてのサイトでした。タンパク質と水晶ではあまりに違うような気もしますが、結晶が成長する基本的なメカニズムは,無機も有機も,低分子も高分子も変わらず同じだそうですから大丈夫でしょう。『 結晶は必ず、「渦巻き成長」「島状(2次元核)成長」「付着成長」の3つのメカニズムどれかで成長する』のだそうです。……引用しただけでは何がなにやらです。頭が「理解不能デス!」と悲鳴をあげるのをなだめなだめ解読してみますと……。「渦巻き成長」→じっくり丁寧に結晶した整った結晶になる。「島状(2次元核)成長」→結晶の部分部分で結晶の速度が違い、形が乱れる。「付着成長」→あっちこっちで好き勝手に成長する。……ということです(たぶん)。で、この3つの成長パターンを分けるものは「結晶化駆動力」です。そして『結晶化駆動力が小さな場合には、結晶はファセット(平らな面)に囲まれて成長するが、結晶化駆動力が大きくなると「ベルグ効果」と呼ばれる効果により、結晶の辺や角の部分がより速く成長成長し出すため、だんだん真ん中がへこみ角が出っ張った「骸晶」と呼ばれる形になる』のだそうです。おおっと「骸晶」が出ました!しかも『真ん中がへこみ角が出っ張った』といえば、私がイメージしていた「窓水晶」系エレスチャルです。おお、私のイメージは正しかった!では、「結晶化駆動力」とは何でしょう。ずばり、「結晶の材料となる物質の濃度」です。だんだん話がつながってきました。つまり、「渦巻き成長」→珪酸分濃度低い。 →成長速度遅い。 →結晶は整ってきれいで透明。 →アーカンソーなどの水晶「島状(2次元核)成長」→珪酸分濃度中くらい。 →成長速度中くらい。 →結晶は「ベルグ効果」により、 角や辺の方が成長し、面の真ん中がへこむ 「骸晶」となる。 →インドやメキシコ産エレスチャル「付着成長」→珪酸分濃度高い。 →成長速度早い。 →結晶は小さな結晶が一斉に成長するため、 結晶の集合体のような形になる。 →マダガスカル産キャンドルクォーツ、 ブラジル産セプター型カテドラル……となると考えられないでしょうか。(ううっ、表かグラフにしたいよう)エレスチャル(スケルタル)といってもさまざまな形態がありますが、総じて複雑な形をしていることから、上で言うところの「島状(2次元核)成長」か「付着成長」のいずれかのパターン、あるいはその複合や中間と考えられると思います。ここで、困ったことになってきました。スピリチュアル系で言われているところのエレスチャル(スケルタル)の説明を思い浮かべて下さい。曰く……●ヒーリングの力が強い●「天使の贈り物」と言われる●水晶の最終形態である●通常の水晶よりもはるかに長い時間をかけて成長した、水晶の長老。●ゆっくり成長したため内包物が多い……こんなところでしょうか。一番はじめは、私がどうこう言うことはできません。鈍いので。2番目は……エレスチャル(スケルタル)は、見てくれがごついのでいったいどこが天使とつながるんだと思っていましたが、光のあてかたによってはとても美しいと思うようになりました。3番目。「最終形態」ってなんでしょう?ここで補足しておきますと、辺や角が結晶して面の真ん中に穴が空いて層状になっているものには、これまで説明してきた「骸晶」のほかに、結晶が腐食された「食像」である場合があります。結晶を見ただけでは見分けにくいそうです。仮に食像だとしたら、成長して、再び溶けて消えていく寸前の「最終形態」……?そして困ってしまったのが4番目と5番目。私が調べた内容に従えば、「通常の水晶」とは「薄巻き成長した水晶」でしょうから、結晶化駆動力の大きいエレスチャル(スケルタル)の結晶の成長の速度は、通常の水晶よりもむしろ早い。そしてそして、その結晶の形状ゆえに結果的に内包物が多くなった……と考える方が妥当だと思うのです。まあ、エレスチャル(スケルタル)がものすごく古い時代に結晶し、そのまま地中に眠りつづけ、「通常の水晶」が後の時代に結晶したとも考えられますが、それにしても「ゆっくり成長した」というのはどうなんでしょう?石のパワーなんか信じない!……なんてことは言いませんが、こうなると、何を根拠に説明されているのかわからなくなってきます。強いて言うなら、「その特異な形態ゆえに、老成した感じがあり、『水晶の最終形態』『水晶の長老』……というイメージがかき立てられます」でしょうか。でも、私は、イメージの力というのは決して無視することができない大きなパワーだと思います。うっ、予想以上に長くなってますがもう少し。そしてわからないのが「エレスチャル」という名前です。どうやら綴りは「elestial」。……でも、辞書に出てこないんです。少なくとも私の引いた辞書には。出てくるとすれば「celestial(天国の 神聖な 神々しい)」です。どこかで頭の「c」がとれちゃったんでしょうか……?私は、「エレスチャル」を初めて聞いたとき、今年のアカデミーで作品賞をはじめ11部門で受賞したファンタジー3部作映画にもなった某物語の、ラストで無事即位し、エルフの奥さんまでもらっちゃった某王様のお名前に似通っているので、命名者だというカトリーナ・ラファエル女史はトールキンファンなのでは? と疑ったことがあります。しかし、かの王様のお名前は「Elessar」。綴りはあんまり似ていなかったのでした。
2004/09/08
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不穏な地震が続いております紀州沖。実は実家が今回地震で騒いでいるあたりなので、心配です。グラグラグラッと揺れる地震そのものはもちろんですが、何よりこわいのは津波。あのあたりはリアス式海岸のうえ、山がすぐ海に落ち込み、津波が大きくなりやすい地形なのです。実際、過去に津波によってひとつの村が消し去られたという記録が残っています。昨日など、津波の注意報が出た時にはすでに津波が到達していた地域があったくらいですから、本当に大規模な津波だったら、ひとたまりもありません。ある地域など、東南海・南海地震が起きたときの津波は30メートルに達するという予測が出ているそうです……。さて、改めて今日のお題は「共生モノ」でいきたいと思います。共生モノといいますのは、複数の鉱物がひとつにくっついているものを意味するKURO造語です。イソギンチャクとクマノミみたいに共に助け合って生きているわけじゃないので、「共生」というのも変ですが……。「ホット系」だの「コールド系」だのあやしげな用語が出てきましたので、そのうち「KURO造語辞典」でも作りましょうか。「まりも水晶」のところでも書きましたが、私の石はどちらかと言えば共生モノよりはインクルージョンもの方が多いです。比較的小型のものを集めるとなると、どうしても結晶単体のものになってしまいがちなのと、共生モノでは形が平べったいものが多く、写真を撮るのにアングルの制約が大きくなってしまうからです。しかし……共生モノには共生モノの魅力があります。ひとつの鉱物では現し得ない色や形の組み合わせが生まれますし、何よりそれは、石が大地につながっていたその場所をそのままとどめているからです。また、共生モノでは無理なクリーニングが行われていることが少なく、より自然のままであるとであるということも挙げられます。※透明でピカピカな水晶の中には、掘り出したときは酸化鉄などに覆われていたものを強力な酸などで取り除いているものがあります。鉱物標本では、結晶単体ではなく、母岩付きのものの方が価値があるとされるのも、やはり、その鉱物が形成された環境を推し量ることができるからでしょうね。※ただし、はずれた結晶を接着したものや、結晶のついていない母岩に結晶をくっつけた標本もあるので注意!なんのかんのと言葉を重ねていますが、私にとっての共生モノの魅力とは、複数の鉱物が、それぞれの魅力を発揮して、ひとつの世界を作っていることだと思います。感覚的には「ガーデンクォーツ」に似ているかもしれません。便宜上、たとえば水晶の単結晶にフローライトがくっついているような場合でも「共生モノ」と表現しますが、よりわがままに規定すれば、「ひとつの母岩に複数の鉱物がくっついて景色をつくっているもの」になります。たとえばこういう感じです。きれいでしょう!インド産で、カルセドニーの上にオケナイトとアポフィライトが乗っかっています。贅沢を言えば、もうちょっとアポフィライトが欲しいかな……と思うのですが、くっついているアポフィライトはすごく透明感があります。石なのに、そのモコモコしたルックスでどうしても石に見えないオケナイトは、この共生モノの場合は、さほどモコモコしていませんが、カルセドニーの上にころころしているさまは、海の中の生き物(ウニとかウミウシとか……)のよう。ちょっとクリーム色がかっているので青いカルセドニーとの色の対比も抜群です。そして、このカルセドニーの色!私の目を惹いたのはまずこの色でした。半透明のセレスタイトという感じの、ちょっぴりグレーがかった水色です。全体が同じ色ではなくて、部分的に色が薄く、濃淡があるところがニクイです。……で。ここで昨日の話を思い出して下さい。たしか、カルセドニーは、二酸化珪素の「目に見えない結晶が集まったもの」でした。一方水晶はその結晶が自由に成長し、目に見える形をつくったものです。……えーと。このカルセドニー、結晶しているように見えるんですけど……。左上にアップの画像を載せましたが、これって結晶していませんか?表面だけでなく、断面を見てもしっかり結晶しているように見えるのです。これはカルセドニーなんでしょうか。それとも水晶と言っちゃっていいのでしょうか。水晶……ならば、青い水晶再び♪なんですが。共生モノは、パワーストーンやスピリチュアル系のお店よりも、やはり鉱物系のお店に多いと思います。ミネラルショーは、さまざまな共生モノに出会える絶好のチャンス!今日の石はインド産ですが、インドはゼオライトやアポフィライトが一緒になった楽しい共生モノがいっぱい!ぜひ、探してみて下さいね!ただ共生モノは、扱いが要注意。いつかどこかがポロ……ッなんてことがありそうで、いつもドキドキしながら写真を撮っています。
2004/09/07
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毎日毎日石のことを書いていて、よくネタが尽きないものだと思われるかもしれませんが、そのご感想は、ある意味正しいです。実は、毎日毎日書き出す直前まで、「今日のネタ~、ネタ~、何かないか~」とうなっております。ホントです。別のWEBアルバムに写真を山ほど載せているせいで写真のストックには事欠かないのは有り難いのですが、文章のネタとなると、真剣に頭をひねらなければなりません。そんなわけで、今日も頭を絞ったあげくのネタを一発。日記タイトルと関係があるのかないのか書いている本人も心配だったりするのですが、今日のお題は「水晶の仲間」です。みなさん、よくご存じだと思うのですが、私の頭にちっとも入ってくれないので、この場を借りてまとめさせて下さい。アベンチュリン、カルセドニー、アゲート、オニキス、カーネリアン、そしてジャスパーは、ご存じ、水晶の仲間です。これらはすべて、基本的に二酸化珪素からなります。二酸化珪素の結晶が自由成長し、目に見える大きさの結晶を作ったものが水晶、結晶しているものの、塊状になっているのが石英です。わかりやすい例で言えば、ローズクォーツ。塊を割ったようなぶっかき氷風の「原石」は、日本名で言うなら「紅石英」。ごく希に結晶しているものなら、「紅水晶」ってことになるでしょうか。一方カルセドニーは、目に見えないくらいの細かい結晶を作り、それが集まったものです。この細かい結晶があつまることを「潜結質」といいます。特にカルセドニーは半透明の物を言い、不純物を含んで不透明になるとジャスパーと呼ばれます。水晶は、これまでもさんざん取り上げてきたので、今回はちょっとお休み。石英でおなじみなのは、アベンチュリンです。アベンチュリンは、石英に雲母や酸化鉄が入ってキラキラ細かく輝く効果を現すもので、赤・褐色・黄・緑などのものがありますが、一番よく見かけるのは、 緑色のクロム雲母が混ざった半透明のグリーン・アベンチュリンです。この石を「緑水晶」と訳している場合がありますが、強いて訳すなら「緑石英」でしょう。また、アベンチュリンの日本名は「砂金石」といいます。石英の中に砂金のようなきらめきを持つさまを良く現していると思うのですが、今、パワーストーンショップなどで「茶金石」(ゴールドストーン、ゴールドサンドストーン)、「紫金石」(ブルー・ゴールドストーン)などという名前で売っている石はガラスです。ガラスに銅の細かいかけらを混ぜ込んでアベンチュリン効果を出しています。これが「天然石」として売られていたり、かけらが「原石」などとして売られていたりするのは、個人的に、ものすごく疑問です!もうひとつの疑問は「アベンチュリンって、どこが石英なんだろう?」ということ。どう見てもアベンチュリンが結晶しているようには見えません。でも、石英なんですよねえ……。今度はカルセドニーです。カルセドニーは、色や模様でたくさんに分類されます。●模様で区別縞模様があったり、インクルージョンが美しいものがアゲート。縞模様でもそれが直線的なものであればオニキスです。※オニキスはもともと「縞瑪瑙」の意味ですが、 現在ではまっ黒な「黒瑪瑙」の意味で用いられていることが多いようです。 また、赤い縞模様は別の名前があるので、黒、灰色、白の縞模様を指す場合もあります。 縞瑪瑙は「バンデッドアゲート」と呼ばれることもあります。色でも名前が違います。ブルー・カルセドニーのように色の名前を頭に付けたそのまんまのもありますが、まったく違う名前の物もあります。●色で区別カルセドニーで緑のものをプレーズといいます。プレーズはどちらかというとくすんだ緑ですが、オーストラリアなどで産出する、明るいアップルグリーンのものをクリソプレーズといいます。プレーズはアクチノライトの細かい結晶によるもの、クリソプレーズはニッケルによる発色と聞いたことがあります。(クリソプレーズはオーストラリアヒスイ、などとも呼ばれることもありますが、ひすいとはまったく別物です!)赤っぽい色のカルセドニーは2種類あります。ヘマタイトによる深みのある赤い色のカルセドニーが、カーネリアン(紅玉随)です。無色のカルセドニーを適度な温度で加熱して赤く変えることができるそうで、人工着色されたものがかなり出まわっているらしいです。一方、褐鉄鉱(リモナイト)による、黄色や褐色がかった赤いカルセドニーが「サード」です。「サードニクス」「サードオニキス」などの名前の方をよく耳にしますが、「オニキス」は「直線的な縞瑪瑙」なので、「赤い直線的な縞模様の瑪瑙」ということになります。●そのほかにもアゲートは、その色や模様の入り方でいろいろな名前が付きます。緑泥石が苔状もしくは草木状に入っているものが、モスアゲート。二酸化マンガンのデンドライトが木の枝のような模様に入っていることもあり、これはモカ・アゲートと呼ばれたり、風景のように見えるものはランドスケープ・アゲートと呼ばれることもあるようです。あと、水色と白の繊細な縞模様のものは、ブルーレース・アゲートと呼ばれていますね。珍しいものでは、カルセドニーの層の上に、鉄鉱物の板状結晶がぶどう状に成長してまるでオパールのような効果を現すファイヤー・アゲートというのもあります。だんだん長くなってきましたが、ジャスパーにもいっちゃいましょう。ジャスパーも、その色や模様によっていろいろな名前が付いています。珍しいところで言えば、マダガスカルの「オーシャンジャスパー」があります。白や緑、時にはピンクのにさまざまな丸い模様が現れる、カラフルなジャスパーです。海の中にあり、潮が引いたときにしか採掘できないのだそうです。私は、半透明のオーシャンジャスパーを持っていますが、それを見ると、丸い模様が球形であることがよくわかります。ほかにも、豹の毛皮模様に似ているからレオパード・スキン、白地に黒い点々模様でダルメシアンなどもジャスパーだということです。また、濃い緑に赤い点が散っている「ブラッドストーン」もジャスパーの一種です。そして、ブラッドストーンの緑の部分のもっと色の濃いものをプラズマというのだそうです。昨今大人気の薄型で液晶なテレビではありません(笑)。本によっては、緑のカルセドニーのことを言うのだと説明されている場合もあります。
2004/09/06
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さて、東京は今日も曇りそして雨。写真日よりではないですが、休日はそれどころではないので、まあよしとしましょう。実は昨日の「隕石&テクタイト」、お題にしようかどうしようか迷っていました。調べるのがしんどいとか、まとめられるかとかそういうのではなくて、その次、つまり今日に持ってきたい石がなんともまとめられそうにないものだったからです。SFが好き……で隕石&テクタイト、というのは、なんとなく気分がわかっていただけるのではないかと思うのですが、今日の石はいかがでしょうか。メテオラ・クォーツです。メテオラとは、ギリシア語で「空にあるもの」という意味だそうです。当然、メテオライトもそこから名付けられました。では、メテオラ・クォーツとは?ご存じない方も多いかと思います。これは、アメリカはコロラド産の水晶で、「隕石のクレーターの中から発見された水晶」なのだといわれています。あ、ここでちょっと注意していただきたいことがあります。写真のメテオラ・クォーツは、メテオラ・クォーツのスタンダードな形ではありません。そもそもさほどたくさん採掘されていないようなので、スタンダードというのはどうかと思いますが、とにかく「これぞメテオラ」と言えるのは(私が、個人的にそうだと思っているのは)ちょっとずんぐりした先細り型で、白く不透明で、表面が透明~半透明の羽毛状の結晶に覆われているもの」です。羽毛状の結晶というのは、上のようなかんじです。私の持っているこの石は、さしわたしが4センチほどのメテオラとしては超ミニサイズですが、店で見かけた大きいものでは高さが30~40センチのものもあります。(高くて、超ミニサイズでもなければ買えません)こんな雑記でエラそうに書いてはいますが、私の石にカンする知識は、穴だらけの付け焼き刃というのが正しいところです。この石を買った時には、「えっ、クレーターの中から? 宇宙っぽくてステキ~!」というのが正直な理由のひとつだったりします。ところが……この雑記を書き始め、水晶の成り立ちを調べてみて、さらに昨日隕石について調べてみて………疑問がいっぱいです。まず、最大の疑問は、「メテオラクォーツが発見されたクレーターってどこ?」世界のクレーターの一覧を見てみたのですが、コロラドのクレーターが……見つからない。アリゾナならあるんですが……。そして第2の疑問。墜落した隕石の大きさにもよりますが、クレー多の底部はある程度の深さまで岩盤が粉砕されているそうです。そんななかで大きな水晶が残りえるのか……ということ。水晶の成り立ちを考えれば、隕石衝突の熱によって水晶が誕生することはあり得ません。溶けた珪酸分は結晶を形成する前に冷え、非晶質のテクタイトか、インパクトガラスになってしまうでしょう。※インパクトガラスとは、クレーターの火口部分で見つかる天然ガラスだそうです。もし、水晶が形成されていた上に隕石が落ち、なおかつ砕けずに残っていて、しかもその水晶が、前述したように、羽毛のような結晶に覆われた独特の水晶だと言うのなら……ライトニング・クォーツもメじゃない、ものすごい確率の水晶ってことになるのですが……とまあ、こんな風に石にまつわるいろんなことを疑う……というか、改めてたどっていくと、謎の迷宮に迷い込みます。そんな中から新たに見えてくるものもあり、さらなる謎にはまることもあり。なんともわかりにくいことだらけのメテオラクォーツの謎ですが、これは、私の想像を宇宙へ導いてくれる種のようなもの。仮に隕石クレーターと関係がないにしても、なぜクレーターの底から発見されたと言われているのか、こんな表面をしているのか、そんな謎は残るのです。ちなみに、「金は星が作る」という言い伝えがあるのだそうです。中国の俗説では、流星が地に落ちたとき、その光が地に染みて金脈になると言われています。光のない地の中に、光り輝く石がある。その不思議の理由を、人は夜空に求めようとしたのでしょうか。追記:メテオラ水晶が「クレーターの底で発見された」という情報は間違いだそうです。正しくは、流れ星が落ちたように思われたので探しに行ったが、隕石は見つからなかった代わりに、変わった水晶を見つけたと言うことだそうです。
2004/09/05
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番外編で何回か本をご紹介しているので、覚えておられる方もいらっしゃるかと思いますが、私はSFやファンタジーも好きです。石好きでSF好きときたら、そりゃもう手を出さないわけがないでしょう!というものがあります。そう、テクタイトと隕石です♪テクタイトは、昔、ガラス質の隕石だと言われたこともあったようですが、では隕石が衝突した際に溶けて飛び散った(または気化・蒸発した)球の岩石が空中で急激に冷やされてガラス状に固まったものであると言われています。中でも有名なのがモルダバイト。旧チェコスロバキアのモルダウ川流域で発見される深い緑のテクタイトです。ドイツのリース隕石クレーターを形成した1480万年前の隕石の衝突と関連があるそうです。テクタイト好きにとってはモルダバイトははずせないものであるわけですが、のほかのテクタイトも大変魅力的です。みなさんは、モルダバイト以外のテクタイトというと、どんなものをご存じでしょうか?私の手元には、こんなテクタイトたちがいますテクタイトというと、モルダバイトは例外で、般的には、でこぼこしていて黒くて地味というイメージがありますが、ずしもそうとは限りません。たとえばリビアングラス。写真左下のリビアングラスは、エジプトのリビア砂漠から発見されるい金色のテクタイトです。モルダバイトと違って表面はなめらかで、に透かしたその色はまさに「満月色」!中には「クリストバライト」という、英が高温で変化した物質が小さな丸いつぶつぶになってまれていることもあります。そのほか、黒いと思っていたテクタイトもに透かすと、わずかに褐色に透けます。これもなかなか魅力的!写真を撮る場合は、なるべく薄っぺらなものを選び、いっきり逆光で撮影する必要があります。むちゃくちゃピントがあわせにくかったです!テクタイトは、一般に産地の名前をつけて呼ばれています。モルダウ川でとれたテクタイトだからモルダバイト、ビア砂漠のリビアングラス(リビアンテクタイト)、南アジアのインドシナイト、ャワでとれるものはジャワナイトとも呼ばれるそうです。オーストラリアには、オーストラライト。アメリカのベディアサイト、ジョージアナイトなどもあります。ジョージアナイトはボトルグリーンと呼ばれる緑色をしているそうなので、一度見てみたいものですね~。これらのテクタイトは、オブシディアンと同じ天然ガラスです。しかし、ボタン状やしずく型、あるいはもっと複雑な不定形をし、面に独特の丸いでこぼこが見られるほか、オブシディアンが若干の水分を含むのに対し、テクタイトは水分を含まないという違いがあるそうです。オブシディアンは、珪酸分の多い地下のマグマが冷えてできたもの、いわば地球の一部であるのに対し、テクタイトは宇宙と地球のコラボレーションによって生まれたもの。といえるのではないでしょうか。そして、宇宙からやってきたものといえば隕石。石好きさんにはギベオン隕石が有名でしょうか?ギベオン隕石は、1836年、ナミビアにあるギベオンという砂漠地帯で発見された隕石で、その成分は、地球の歴史の46億年よりもはるかに古いといわれているそうです。スライスに加工されたり、ビーズや時計の文字盤、果てはナイフにまで加工されているくらいなので、よっぽど大きな隕石だったのでしょうか。聞くところによると、大きすぎて発見された場所から動かすことができない隕石もあると言うことですが……。さて、隕石はちょっと専門的に分けますと「石質隕石」「石鉄隕石」「鉄隕石(隕鉄)」の3つに分けることができます。最も多いのが石質隕石。落下した隕石の86%を占めるそうです。この石質隕石の中には、地球の岩石には全く認められないコンドル-ルと呼ばれる直径2mm以下の丸い球を含んでいるものがあって、そういうものはコンドライトと呼ばれます。石鉄隕石は、中にペリドットがちりばめられた「パラサイト」という美しい隕石がそうだと言えばおわかりでしょうか。ちなみにここでいうところのパラサイトは、「Pllasite」で、この隕石を研究したドイツ人学者Pallas氏にちなみます。寄生虫を意味する「parasite」ではありませんのでご注意を!(私は、隕石の中のペリドットが寄生虫みたいに見えるってこと? としっかり誤解してました)これは、惑星の核とマントルの境目あたりにある石だそうで、宇宙のどこか遠くの星が砕けて、その名残が地球へとやってきたのでしょうか?そして最後が鉄隕石です。すでに話をしたギベオン隕石がこの仲間で、鉄とニッケルが主成分です。ギベオン隕石というと、スライスやビーズに加工したものの表面に見られる、独特の格子模様が印象的ですが、これはウィドマンシュテッテン構造といい、自然の状態で見えるのではなく、酸でエッチングするとあらわれるものです。この模様ももちろん大好きなのですが、やはり、隕石の自然な表面は何とも言えません。そして、隕石がらみで見てみたいものがあります。ギベオン隕石は前述したようにさまざまなアクセサリーに加工されますが、日本古来の工芸品で、鉄隕石を用いたものがあることをご存じでしょうか。日本刀です。隕石を使って作られた日本刀を流星刀といいます。もちろん、隕石だけでつくられたのではなく、原料となる玉鋼の中に混ぜ込んで作ったそうですが……。日本刀は、玉鋼をうちのばし、折り返し、さらにうちのばして折り返し……と言うように鍛えていくのですが、(これを鍛着といいます)鉄隕石に含まれるニッケルは鍛着を妨げ、燐は疵のもととなり、大変難しいのだそうです。そしてできあがった刀の地肌には、ニッケルが渦を巻いてただならぬ迫力の刀になるのだとか……。ギベオン隕石を使ったナイフでも、表面が年輪のような模様になっていますが、そういう感じなのでしょうか。☆追加モルダバイトは、ころんとした形よりも、細かく枝分かれしたような形の方が高いのだそうです。中に泡がはいっているのもあり、それも珍しいのだとか。
2004/09/04
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※フリーページの黄水晶と紫水晶のページで、黄水晶の写真に熱処理シトリンと、イオウによって黄色くなったレモンシトリンを追加、昨日と今日のアメシストの写真も追加しました。アメシストの写真が全部一度に見れますよ~。昨日は未完のままリタイアしたうえ、なし崩しに今日へと続いてしまい、申し訳ないです~!やはり、調べながら書くというのはかなりなリスクを背負います。なんたって、話がどっちに流れていくかわからない!アメシストの名前の語源はギリシア語の「酔わない」だと言うことですが、アメシストの謎をつっつくと、あっちへフラフラ、こっちへフラフラ、まるで酔っぱらったかのごとき思考の迷走へと引きずり込まれてしまうらしいです(笑)さて、昨日はアメシストをつくつく・スタンダードスタイルの「短柱状アメシスト」と、ベラクルス産に代表される「長柱状アメシスト」に分け、もしかしてスーパーホットプルームとスーパーコールドプルームに関係あるのでは?というところでリタイアしてしまいました。手抜きになっちゃいますが、その分類と、昨日でっち上げたKURO造語である「ホット系」「コールド系」について以下にコピーします。アメシストの分類 くわしく見ればひとつの国でいろいろなアメシストが 出ているかもしれませんが、「長柱状は珍しいはず」とい うことで、長柱状優先で分類します。●短柱状 ・ブラジル ・ウルグアイ ・カナダ ・マダガスカル ・ズールー(南アフリカの東の方) ・インド(アメシスト入りのエレスチャル)●長柱状 ・メキシコ ・日本 ・ナミビア ・中国●保留 ・ロシア ・カザフスタン (・モロッコ(見たことがない)) (・ボリビア(アメトリンの産地) (・コロンビア)( )内は実物および、結晶を見たことがないものです。特別用語スーパーホットプルーム由来と思われる産地の水晶を「ホット系」、同じくスーパーコールドプルーム由来を「コールド系」とします。……とまあ、こんな感じで話を進めてきました。あくまでも独断と偏見による分類であり、便宜上のでっちあげ用語なのでご注意を!で、アメシスト最大の産地であるブラジルは「ホット系」。しかもアメシストの産地は、大西洋ブルームの到達していた沿岸部に集中していて、もう一方、長柱状アメシストのメキシコはロッキー山脈、アンデス山脈に連なる、つまりはどちらかと言えば「コールド系」の産地。では、他の産地はどうなのでしょうか?ウルグアイは、ブラジルの南側。まあ、ブラジルとほぼ同じと考えても良さそうです。したがって「ホット系」次、カナダ。こちらのサイトを参照させていただくと、パンゲア大陸分裂の時、一部に小規模なスーパーホットプルームがあがってきているような……。カナダのアメシストのくわしい産地を知らないので、これは確かなことが言えません。さらに次。マダガスカル、ズールー(アフリカ南部)は、もろに大西洋ホットプルームのど真ん中。インドは、ホットプルームからはずれているのですが、マダガスカルとのからみで「ホット系」と言えるのではないか……と。インドのアメシストは「エレスチャル」に混じっているアメシストを考えているので、またちょっと違うのかもしれません。以上が短柱状アメシストの産地。ちょっと無理矢理っぽいですが、なんとな~く「ホット系」かな、と。続いて長柱系の産地です。ベラクルス、ガレロと長柱系アメシストの代表的産地であるメキシコは、前述の通りの「コールド系」。太平洋プレートがアジアプレートの舌に潜り込んでいくところにある日本も「コールド系」ですね。長柱状アメシストである雨塚の紫水晶は、ベラクルスに負けない美しさだと個人的には思っています。そしてナミビア。ナミビアはアフリカ南部の国です。アフリカ南部というと、マダガスカルなどと同じ「ホット系」では……?と思ったのですが、なんと! ナミビアのあたりだけ大西洋ホットプルームからはずれているらしいのです。おおっこれはおもしろい。続く中国については、みなさん「中国産アメシスト」とはどんなものか、すぐには頭に浮かばなかったのではないでしょうか。私もそうです。いろいろな石が採れる反面、これぞ中国産というイメージに乏しいのが残念です。なので、私はこの石(↓右側)を実例として、中国を長柱状アメシストの産地として分類したいと思います。左側はかのベラクルス産。美しいものは、先端がもっときれいな紫色らしいのですが、この淡い色合いもきれいです。右側が中国産。ラベルでは「Daye Hubei Prow, China」となっていますが、読み方も、漢字表記も不明。ベージュ色に見えているのはバーライトです。中国産にこんなきれいなアメシストがあるなんて!これはもう、りっぱに長柱状アメシストでしょう!……とうかれている場合ではありません。ここらへんから「短柱状アメシスト=ホット系」「長柱状アメシスト=コールド系」と話を持っていきたかった私の旗色が悪くなっていくのです。なぜならば、中国の南部とシベリアの一部は、ゴンドワナ大陸を分裂させた「太平洋ホットプルーム」のど真ん中!ここはもう、このきれいなアメシストがそれ以外の場所から出ていることを祈るしかありません。※ここでちょっとひとこと。似た単語が飛び交っておりますが、約6億年前にあったゴンドワナ大陸を分裂させたのが「太平洋ホットプルーム」約2億年前にあったパンゲア大陸を分裂させたのが「大西洋ホットプルーム」です。私もみごと間違えましたので、ご注意を。なんてったって中国は国土が広いので、細かい産地を追い切れません。そして問題は「保留」です。最後の3つのうち、モロッコはアメシストが出るという話のみ。ボリビアのアメトリンは結晶を見たことがありません。コロンビアは、熱処理されたきれいな長柱状のシトリンがあると聞いただけ。産地でみても、ホットともコールドともいいがたい場所でもあります。困るのはロシアです。カザフスタンもなのですが、細かい一が追い切れません。問題は、はっきりと「コールド系」だと思っているウラルのアメシストです。持っていないので、写真が載せられないのですが、何と言いましょうか「ころころ状」なのです。ブラジル産のように、まるっきり柱面がないわけでもなく、ベラクルス産のようにすっきり柱状でもない。柱面があるにはあるけど短め、全体的に見るところころしているのです。さて、困った。水晶を「ホット系」「コールド系」にわける考えにすっかりはまった私としては、何とも気になります。やっぱり水晶は奥が深い……。
2004/09/03
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7月25日の雑記で、とあるお店の片隅で見つけたゴツい見てくれのアメシストを買って以来、アメシストを買っていない……と書いたのですが、何を思ったかこのところ、個人的にアメシストブームがやってきました。今になって考えてみると、アメシストは、ブラジルやウルグアイ産のものによくみかけるつくつくとした短柱状のが多くて、いまいち心惹かれる形のものに出会えなかったからではないか……と思えてきました。なぜならば、最近になってやってきたアメシストたちが、そろいもそろってスタンダードな「つくつくスタイル」ではなかったからです。アメシストといえば、柱面のほとんどないものが一般的です。これを「β(ベータ)クォーツ」などと呼んでいることがありますが、ベータ・クォーツは高温の環境下で形成された「高温水晶」のことなので、柱面がないという理由のみで「ベータ・クォーツ」と呼ぶのは正しくありません。ちなみに高温水晶は、錐面のみが上下にくっついたダルネゴルスクのソロバン形水晶のような形だと紹介されていますが、ダルネゴルスクのこの水晶は高温水晶ではないですし、高温水晶でも柱面が存在するものもあるそうです。では、なぜアメシストに柱面がないものが多いかというと、確たる理由ははっきりしていないそうです。鉄が不純物として含まれているせいではないかと言われますが……。ともかく、私の中にはアメシストと言えば柱面のないつくつくスタイル、というイメージがあって、普通の水晶のように柱面のあるアメシストは、それだけで十分「へんてこりん水晶」なのです。ですから、目の前にその水晶があったら。しかも安かったら!そりゃもう、買うしかないでしょう!(笑)……というわけでやってきた、スタイリッシュで美人な「へんてこりん水晶」がコレ。メキシコのガレロ州産の柱状アメシストです。メキシコと言えば、「世界一美しい」と言われるベラクルス州の柱状アメシストが有名ですが、これはガレロ産。地図で言うと、メキシコはちょうど南北アメリカをつなぐ細い部分に位置しますが、ベラクスル州がメキシコ湾側なのに対し、ガレロは太平洋側になります。(とっさに出てこなかったので調べました)ベラクルス産のアメシストは柱状のアメシストとしても名高く、私はてっきりこれもそうだと思っていたのですが、お店の人に聞いたらガレロ産だということでした。(スピリチュアル系のお店だったのですが、無理を言って手書きのラベルを付けていただきました)柱状になっているだけでもアメシストとしては十分へんてこりんなのですが、ガレロ産の水晶は、普通のアメシストが、根本は白く先端に行くに従って色が濃くなることが多いのに対し、反対に根本の方が色が濃く、先端は透明になっています。しかもこの色!ベラクルス産が淡目のはかなげな色合いであるのに対し、ガレロ産は、何とも豊かであでやかな色彩です。写真には2つの石が写してあります。単結晶とクラスター、どうしてもひとつに絞りきれなくて、2つ買っちゃったんですよね。(わはは)さて、これまでの私であれば、「きれいだねー」「これがガレロ産なんだよね」「柱状って珍しいよね」で終わっていたのですが、せっかくこのコーナーに登場させたのですから、もうちょっとつついてみたいと思います。繰り返しますが、アメシストと言えば柱面がないものというイメージです。ですが、ここに立派にきれいな柱状アメシストがあります。柱状ではあるものの、どちらかというとクリアー水晶の中にファントム状にアメシストやスモーキーが入っている感のあるナミビアのブランドバーグ産アメシストは、そういう発色だから(クリアーの部分がが多いから)柱状もありえるのだと思っていました。しかし、ガレロ産は立派にアメシストで立派に柱状です。それに、考えてみれば日本にも雨塚など、美しい柱状アメシストが産出します。本当にアメシストは、鉄のせいで柱面が発達しないのでしょうか?まず、各地のアメシストを短柱状と長柱状に分けてみます。くわしく見ればひとつの国でいろいろなアメシストが出ているかもしれませんが、全体的な傾向(独断ですが)で見ていきます。「柱状は珍しいはず」ということで、柱状優先になるかと思います。あくまでも私の知っている範囲になりますが……●短柱状 ・ブラジル ・ウルグアイ ・カナダ ・マダガスカル ・ズールー(南アフリカの東の方) ・インド(アメシスト入りのエレスチャル) (・ボリビア(アメトリンの産地)●長柱状 ・メキシコ ・ナミビア ・日本 ・中国 (・コロンビア)●保留 ・ロシア ・カザフスタン (・モロッコ(見たことがない))( )内は実物および、結晶を見たことがないものです。こうしてみると長柱状アメシストもけっこう出てると思われるかもしれませんが、なんといってもブラジルが最大の産地。ケタが違います。で、ブラジルにおけるアメシストの産地は、沿岸部に集中しているという資料を見つけました。おや?ブラジルの沿岸と言えば、パンゲア大陸分裂の時のスーパーホットプルームが到達していなかったっけか?※こちらのサイトを参照。またもやプルームテクトニクスです。面倒なので、以下スーパーホットプルーム由来と思われる産地の水晶を「ホット系」、同じくスーパーコールドプルーム由来を「コールド系」とします。しかも、メキシコはロッキー山脈、アンデス山脈に連なる、つまりはどちらかと言えば「コールド系」の産地。これって偶然?……またもやこのセリフを言ってしまいました。※昨日は未完のままリタイアしてしまいました。この続きは9月3日の日記へ!ごめんなさ~い!
2004/09/02
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今日は、暑いことは暑かったですが、昨日に比べれば、湿度も低く過ごしやすい天気でした。なので、今日も石を持ち出し、カメラを構えて日がな一日石とにらめっこをしていたのですが……日焼け止めを塗ったのに、腕がひりひりします!日光アレルギーだったりするので、あとで湿疹ができちゃうかなあ…………。窓辺で石を撮影するとなると、私はほとんどの石を持ち出します。石好きの割に部屋に飾ると言うことがなくて、石はもっぱら箱の中。それをえんやこらさと運び出すのです。今日は石を撮るぞと気合いを入れる日には、全部の石を並べちゃったりするので「おや、こんな石もあったっけ」ということは意外に少ないのですが、「壊れ物注意」につき、厳重保管の石は「おお、久しぶりだねえ……」なんてこともあります。今日は、そんなお久しぶりの石をご紹介します。 お店で聞いたところによると、ローマ時代、ローマ人が採掘していた銅鉱山の坑道の壁面にあった水晶だそうです。それを裏付けるかのように、アズライトと、裏側にほんのちょっぴりマラカイトがくっついています。複雑な形といい、マラカイトのくっつき具合といい、なんとも危なっかしい石なので、普段は柔らかい紙でぐるぐる巻きにして箱の中。そうそう気軽にいじり回せません。見た目はこんなにごついんですけどねえ……。写真は、右が全体像、のこりが部分の拡大になります。水晶そのものは白いのですが、根本の方に酸化鉄や赤土のようなものが付着し、そのうえに鮮やかなアズライトが乗っています。そして私のカメラではこの酸化鉄系赤が鮮やかめに出る傾向があってなんだかとってもおハデな写真に……。実物は、もうちょっと上品です。しかし、形は上品というよりワイルドでしょう。小さな結晶がよりあつまって複雑な形を作るこのクラスターは、ある人は「箱庭」のようだといい、私は最初「島」だと思いました。そして、写真を撮ったあとの私の感想は……「白龍だ!」赤い大地の中から、身を躍らせる白い龍!見れば見るほど、そんな躍動感を感じるのです。さて、この水晶のふるさと、モロッコはと言えば、マダガスカルに次いでひそかにその数を増やしている産地。水晶よりもフローライト、アズライトが多いでしょうか。「密かに数を増やす」という共通点を持つマダガスカルとモロッコ。石の視点で見ていくと、なにか共通点があるのでしょうか?では、まず、モロッコのアウトラインをまとめてみます。モロッコは、ご存じ、北アフリカ大陸に位置する国。(……と書いてはいますが、実は、とっさに出てこなかったりします)北アフリカは、アラビア語で「太陽が沈む場所」を意味する「マグレブ」と呼ばれているそうですが、モロッコは、そのマグレブの中でも最も西、イスラム圏の西の端にある王国です。面積は日本の約1.9倍。緯度は九州と同じくらい。アフリカ最古の石器が発見されるなど、古くから人の痕跡が残されている地でもあり、紀元前4世紀ごろから、ローマ人が沿岸に小さな街を作り始め、紀元前25年頃にはローマ帝国に支配されるようになります。7世紀ごろには東から勢力を伸ばしてきたアラブ人によって、国すべてがイスラム化してしまうようになります。その後、イスラム王朝やベルベル王朝が興亡を繰り返し、17世紀に現王朝であるアラウィー朝の基礎が築かれますが、20世紀にはフランスの植民地となり、1956年に独立、現在のような王国となったのです。このように、人類がこの地に残した歴史だけでも古く、複雑なものですが、この大地の歴史はどうかと言えば、マダガスカルのように大陸から分裂したわけでも、インドのように別の大陸がくっついたわけでもないようです。しかし、何となく「サハラ砂漠の国」というイメージがあるモロッコには、総延長2400kmに及ぶアトラス山脈という山脈があります。(最高峰はツブカル山・4167m)この山脈はアルプス山脈につながるものであると言われ、今から6000万年前のアルプス・ヒマラヤ造山運動によって、誕生したのです。いろいろなサイトを見ていくと、このアトラス山脈からは、アンモナイトの化石や水晶が採れるそうです。(モロッコ産のアメシスト、見てみたい!)……ということは、モロッコの水晶は、ヒマラヤ山脈、アルプス山脈と同じ、いわゆる「スーパーコールドプルーム由来の水晶と言うことになるのでしょうか。でも、この形状といい、土っぽい雰囲気といい、どちらかというと、南アフリカやマダガスカルに似た雰囲気です。やはり、スーパーコールドプルーム由来だの、スーパーホットプルーム由来だのという分け方は無理か……と、ため息をつきつつなおも調べていくと、ひとすじの光明が!マダガスカルが誕生したのと同じパンゲア大陸分裂の時、当時くっついていたアフリカと北アメリカの間に小規模ではありますが、スパーホットプルームが上昇したことを示す図を見つけたのです。正確には、北アフリカのモロッコの部分と言うよりは、海なのですが……。アトラス山脈がかつて海底だったことを考えると希望は持てそうです。アトラス山脈の成り立ちを見るなら、この水晶はスーパー・コールドプルーム系です。しかし、私はあえてこの石はスーパー・ホットプルーム系の石だと思いたい!パンゲア大陸分裂の時の地殻変動によって誕生し、のちにアトラス山脈形成に飲み込まれたのだと思うのです。水晶のまわりに鉄分や銅由来のアズライトが付着しているのは、水晶が含まれた地層がアルプス造山運動の地殻変動に巻き込まれ、新たなマグマが上昇してきてそこに鉄やの鉱脈を形成したためだ……。この考えはあまりにも無理があるでしょうか?
2004/09/01
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