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琢磨が桜田に語る、5年前の環への心臓移植手術。 摘出された心臓はきれいで、とても疾患があるとは思えなかった。 そして、移植のため用意されていた新しい心臓もきれいなもの。 ただし、摘出された環の心臓は、何者かが持ち去った。 琢磨は、叔父の英幾雄院長が、臓器移植法違反を犯したのではないかと疑う。 そして、その証拠をつかむと、院長に警察への出頭を促す。 しかし、院長は琢磨に向けて発砲。 その弾丸は、琢磨のこめかみをかすめ、琢磨は気を失ってしまう。そして目覚めた時、院長は自らの頭部に発砲して命を絶ち、その死体で、環がメスを使う練習をしていた。 …助けてくれて ありがとね… かわりに 今は無理だけど いつか必ず 僕が君を 治してあげる それまで待ってて… いいね?その後、琢磨は痕跡を消すために院長もろとも石油をぶっかけ、全てを燃やしてしまったのだった。叔父の行動の裏に、国家権力さえも飲み込むどす黒い意思を感じた琢磨は、自首して警察に任すことはせず、阿藤にも全ての真相を話さなかった。 あの新しい心臓には何かがある- それまでの”彼女(たまき)らしさ”を消してしまうなにかが もし彼女の新しい心臓に何かがあったとして その”新しい心臓”はどこから来て 彼女の”元の心臓”はどこに行ったの? 恐らく… その心臓の行方こそが 全ての鍵を握っているんじゃないかしら-極秋会病院では、最近急に大陸からの患者が増えていた。その理由は、院長が中国本土の闇組織とつながり、利用されていたから。大陸から輸送してきた人間を、院内で生きたまま腑分けし、売りさばく。その解体を担当していたのが、解放軍の元軍医・徐。そんな危機に陥った病院の経営権を手に入れるため、タカシは、加藤を使って叔父である院長・秋光修造を足止めすると、母の形見の衣装を身にまとった環と共に、親族会議に乗り込んでいく。そして、その場で交わされる親族たちのヒソヒソ話で、秋光家の秘密が明らかに。極秋会は、初代・秋光正が立ち上げた振興財団。その本家を継いだのが長男の秋光聡で、彼には二人の息子がいた。正妻との間に生まれた渉と、妾の真琴との間に生まれたとされる崇である。しかし、崇の実の父親は、初代・秋光正だった。秋光正が真琴と出会ったのは、プティシャトン。秋光正は、当時15歳だった真琴を身請けし、妾にした。そして1年後、16歳で崇を産んだ真琴は、数日後に帰らぬ人となった。その後、崇は秋光聡の次男としての戸籍を手に入れる。かつて、秋光正とプティシャトンとの関係を追っていたのが、廣瀬というライター。今では、南関東での少女連続誘拐殺人事件で、茂田という男を追いかけている。その廣瀬と接触しようと試みる桜田。そして、茂田の家の前に環。 ***秋光家の家族写真の下で眠っていた人物は一体誰?秋光正は、なぜ崇に真琴の服を着させたのか?なぜ環は、崇の元へ連れてこられたのか?環が真琴の写真を前に、突然心臓が激しく高鳴り、気を失ってしまったのは何故?茂田は鯨?さらには、心臓外科医・神崎梨世と北京との関係は?色々と謎は多いままですが、取り敢えず既刊は読了。次巻の発売は、2016年10月28日の予定です。
2016.09.26
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阿藤の危機を知った桜田警部補は、彼の元に急ぐ、 しかし、桜田が現場に到着した時、阿藤は既に絶命していた。 阿藤から、3つの事件の解明と被害者救済を託されていた桜田は、 阿藤の遺志を引き継ぐ決心をする。 一方、環は阿藤と会った現場を確認しに出かけた後、 車に乗った3人組の男に拉致されてしまうが、すぐに逆襲。 その首謀者は、10年前に女子高生をリンチ監禁・殺害した男だったため、 鯨として、いけすに止め置かれることに。環は、自分を探してくれと阿藤に頼んだのは琢磨ではないかと気付き、タカシに阿藤を探してほしいと頼む。そして、病院で自分の心臓を診てもらった後、移植する心臓提供者を、4年間待ち続けている将太という少年に出会う。いけすの鯨を解体することが決まったとき、環は、その心臓を将太にあげたいとタカシに申し出る。しかし、体格の違いを理由に却下されてしまう。将太は自らの臓器提供を言い残し、あの世へと旅立った。 神様からの贈り物(ギフト)を再配分し、 人々を救うのは- それを邪魔するなら 林先生…いや英琢磨 あんたとて容赦はしないその鯨は、解体される前に、環の拉致を指示したのは、長い黒髪で長身の男だと叫んだ。どうやら、リュウのことらしい。そして、その背後には加藤の影が。林クリニックに、琢磨を訪ねて桜田が現れる。阿藤の死を知った琢磨は、5年前の出来事を語り始める。心臓移植を目前に控えたたまきと、主治医・琢磨のやりとり。そして、その手術結果について琢磨は…… 手術をすべきじゃなかった- 間違いなんだ 何もかも… 入れ換えてはいけなかったんだ ”たまき(あの子)”の心臓は…!! ***たまきに移植された心臓は、一体何だったのか?そして、加藤の背後に控えているのは何者?さらに、感情を持ち始めた環は、これからどうなっていくのか?まだまだ謎は多いです。
2016.09.25
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環はリュウのマンションで、男が倒れているのを発見するが、 それが英琢磨だとは気付かない。 また、琢磨も深手を負った状態で視界がぼやけ、環に気付けない。 しかし、環の心臓は高鳴り、何かを感じたのだった。 林先生… いや英琢磨- あんたに環(こいつ)は渡さない 環に「感情」は要らない- ボクだけの 生きた人形なんだ亜依は義理の父親に襲われ、メッタ刺しにした過去があった。家出してリュウたちの元にやって来た亜依は、医師から解体の手解きを受ける。その最初の練習台となった死体は、おそらく日高孝太郎のもの。そして大勢の観客の前で若菜を生きたまま解体した亜依を、今度は環が解体。 命(ギフト)をありがとう環に好意を持った唯野は、彼女の後をつけるうちに彼女が鯨としてターゲットにしていた男に拉致されてしまう。その危機を救ったのは加藤、そして環が解体。しかし、唯野はストレス性記憶障害で、事件の前後の記憶を失ってしまう。タカシの部下として活動している加藤は、脱走したリュウの所在を知りながら、タカシに虚偽の報告。一方タカシは、亜依の解体ショーの観客の中に、児ポ法を推進する松川議員の姿を発見していた。 プティシャトン事件には、極秋会グループの会長・秋光正が絡んでいた?阿藤は、日高孝太に顧客リスト入手を依頼されたが、それを断っていた。そして、その数か月後、日高の死体が東京湾に浮かんだのだった。警察にいたのでは何もできないと感じた阿藤は、退職し私立探偵になった。そして、琢磨から預かったプティシャトン事件のデータに、極秋会病院の名前を発見。さらに、秋光崇と琢磨からの依頼で捜索している”たまき”がそっくりなことに気付く。阿藤は環に接触を図り、その口から心臓移植に関する言葉を引き出した。 拒否反応って 人格と同じなんだって… その元の持ち主の でも私のはそれがない… まるで…カラッポの心臓- …ってカンジかな…そして、阿藤が依頼人の名前を環に告げようとした時、加藤が現れ発砲するが、さらなる発砲を環が制止。「この人は ”捕っていいクジラ”じゃない」警察で阿藤の同期だった加藤は、現在警部として桜田警部補に接している。加藤は、桜田に危機が及ぶことを阿藤に仄めかし、その場を立ち去る。廃棄処分されてしまう寸前、何とか危機を脱した阿藤は、気力を振り絞り、桜田警部補に電話をかけるのだった。 オレはサイテーな野郎だよ… そんな俺といっしょに お前 死んでくれるか……? ***タカシと環の本当のところの関係は、いまだに謎です。また、そこに絡む心臓手術も。さらに、加藤の行動にも不明な部分が。まだまだ、お話の先は長そうです。
2016.09.25
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佐藤若菜の水死体は、生きたまま臓器を抜かれていた。 しかし、上からの圧力がかかったのか、警察発表はただの溺死。 これは、阿藤が警察をやめるきっかけとなった事件と類似。 桜田警部補は、元上司・阿藤に事件の解明を依頼する。 一方、琢磨の元にリュウと彼のボス・呉園良が現れる。 中国国内での日本製臓器の需要は高く、 そのビジネス拡大のため、医師・英琢磨に目を付けたのだった。 しかし、琢磨は決然とそのオファーを断る。 ***5年前、日高孝太郎の変死体が六本木の高級マンションで発見された。彼が営む「プティシャトン」は幼児売春を行っていたが、その顧客は大物政治家、弁護士、医師等1,000人以上に上っていた。警察は、日高の死因を自殺と断定し、事件の鎮静化を図ったが、その直後、その事件を最後まで追っていたフリーライターが臓器を抜かれた状態で東京湾に浮かぶことになった。自らが警察を辞めることになったこの事件と、3年前の英医院放火殺人事件、そして今回の少女水死の関係を明らかにすべく阿藤は、中国人たちに包囲されている林クリニックに乗り込む。二人は脱出を試みるが、琢磨はリュウに拉致され、阿藤は腹部に銃撃を受ける。極秋会総合病院などを営む日本有数の企業グループ・極秋会グループの会長・秋光正。その御曹司・秋光崇が、タカシの正体だった。リュウはボスの呉を屠った後、琢磨を人質に、タカシとビジネス交渉を開始する。タカシの方は、自らの正体を知られたことから、とりあえず様子を見ることに。亜依の呼び出しに応じた環は、睡眠薬入りのコーヒーで拉致される。ベッドの上で、リュウと相対することになった環だったが、部屋の様子から若菜の身に何が起こったかを察知し、その後やって来た亜依共々、鯨として捕獲したのだった。 ***環は、琢磨の居場所を知らなかったんですね。タカシと琢磨は接点があるのに、環がその居場所を知らないということは、タカシが環に、それをあえて伏せているということなんでしょうか?そして、環の施術の見事さは、琢磨から手解きを受けていたからだったんですね。
2016.09.25
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2-c 鈴原 環(すずはら たまき)。 屋上から飛び降りようとしている女子生徒に、一人で近付く。 その際、足を踏み外してしまった女子生徒の右手を掴むと、 腕を揺らして、落下する位置を木の上にずらすことで命を救う。 ……で…でも ヘタすると あなたも落ちてたのよ!? なのに…… なんであんな危ないマネを…… …… だって… 命は神様からの贈りものだから 大事にしなきゃダメなんで ***林クリニック院長・林は、患者からの腎移植を請け負うと、タカシに電話。「キビダンゴ2コ なるべく活がイイやつを-」闇クリニックを営む林の本名は、英 琢磨(はなぶさたくま)。3年前、勤務していた英医院の院長殺害と放火容疑で、指名手配されている。 ***刑務所から15年ぶりに出たばかりの男が、女を襲う。その男は、18歳の時に捕まったが、少年法の最長15年の実刑で済んだ。しかし、証拠不十分で起訴されなかった余罪がまだ2件もある正真正銘の連続殺人鬼。環は、その男をスタンガンで倒し、生きたまま様々な内臓を摘出。そのキビダンゴがタカシによって琢磨に届けられる。しかし、琢磨は、それが環が摘出したものだとは知らない。環は琢磨が初めて心臓手術をした患者で、琢磨は今でも彼女を救おうと、指名手配を受けながらも身を隠し、探偵・阿藤を使って環の行方を探していたのだった。 ***コインロッカーに置き去りにされた赤ん坊を環が発見。タカシは、その赤ん坊が生まれた病院で、母親をつきとめるとともに、赤ん坊が肝硬変一歩手前で、肝移植が必要な状態だと知る。次の内臓摘出のターゲットは、この母親に決定。しかし、この母親の本当の思いに気付いた環。赤ん坊を病院から連れ出し、琢磨に肝移植を依頼。そして、母親の方からは子宮全摘。命の有効活用。 ***1年の佐藤若菜が、困っているところを助けた環。その若菜からLINEで呼び出されたが、そこにいたのは亜依。亜依はリュウと手を組む、環たちの商売敵。若菜は彼女らの手にかかり、すでに川の底に沈められていた。 ***内臓移植をテーマとした作品。琢磨たちは、英医院で何をしていたのか、そして、環はどんな手術を受け、今どんな状況なのか、さらに、環はなぜ琢磨と距離を置いているのか等々、謎は多い。
2016.09.25
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トルソーが初めて出会った生きている女の子・道乃美(みのみ)。 いつか、車で海に連れていくと約束するほど親密に。 しかし、トルソーが外出することをよく思わない父親が、彼女を解体。 そして、その父親をトルソーが……彼のA級喰種への歩みが始まった。 六月は家族を喰種に殺された……はずだった。 ……殺してた 家族も、猫も 楽しんで 生き延びようとして 肉も喰った 生きている価値のない犯罪者 トルソーに…殺してもらおう…しかし気付くと、六月の目の前で、トルソーは頭部、四肢を切断され死亡していた。 ***部下の阿原半兵衛の危機を救うべく、登場したのは鈴屋什造。相対するはクロナ、そしてその腹部にはシロナが。ミザが島にやって来たのは、嘉納にシロナをちゃんと直してもらうためだった。勝利目前のはずだった什造……しかし、どうなった?一方、自らの正体が喰種であることに気付かれた和修吉時局長と、その正体を暴いた丸手特等は、和修政特等の目の前で死んでいた。これで、総指揮は和修政が執ることに。 ***カネキは、遂に有馬のクインケを破損させる。勝負は決したものの、有馬に止めを刺す気がないカネキ。そのの目前で、有馬は自ら命を絶つ。 俺や…ハイル…そして旧多… 「白日庭」から見出された捜査官たちは… ”人間ではない” ……俺たちは… 血の混ざった出来損ないの「半人間」だ 俺たちは皆 どちらかに「喰種の親」をもつ ヒトと”喰種”の間に子が産まれるとどうなるか知っているか 隻眼の梟のようなケースは稀だ 産まれてきた子供は ほとんど人間と変わらない 赫子をもつわけでもない 普通の食事もとれる 違うのは 多少 身体能力が高い事と 「早く死ぬ」という二点だけだ …どうにかして人間になりたかったんじゃないか- ”V”和修は お前が 俺を殺したことにしてくれ 俺が…何を望んだか…それはすぐにわかるはずだ…そこへ平子上等が現れ、0番隊は有馬の命で、カネキのコクリア脱出を幇助すると宣言する。その途上、カネキたちは瀕死のエトに出会う。 「有馬貴将を殺した喰種」が存在すれば かならず”喰種”たちの希望となる いいな、それは 私と、「隻眼の王(有馬貴将)」が……あたためておいた王座、 ……貴様は… 座すも壊すも君次第だ カネキケン 俺は-「隻眼の王」だ ***謎もあらかた解明されました。ここから先、フィニッシュに向けどのように展開してくのでしょうか。
2016.09.22
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前巻から始まったオリジナル本編開始前の新エピソード。 SDF-1マクロス進宙式を翌年に控えた2008年12月24日、 クリスマスのカウントダウン終了と共に始まった反統合同盟による奇襲作戦。 SDF-1のブリッジで、これに対処するグローバルとそのクルー。 絵は一枚一枚の完成度が半端なく圧巻の仕上がり、本当にスゴイです。 しかし、お話は超スローペース……ほとんど前に進みません。 反統合同盟のSV-51の1番機・キューピッドとSV-51Σのルドルフが発進し、 それをフォッカーとマクロスが迎え撃っている最中で、本巻も終了。ブリッジ三人娘の一人、シャリー・ミリオムの活躍が目立っただけで、それ以外には、これといった山場もなし。フォッカーとキューピッドのバトルも始まったばかり。グローバルとサンタクロースの因縁も、不明のまま。本巻は2015年5月26日初版発行ですが、1年と4か月を経た現在も、正式な続巻情報なし(2017年07月29日頃の発売予想との噂も)。ただし、PHASE-10は、ここで読むことが出来ます。なんだ、本巻掲載のお話も、ここで読むことが出来たのか……
2016.09.22
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「スカウト」といえば、優秀な人材の発掘や勧誘、引き抜きをすること。 だから、そういった「優れた資質を持つ選手たちをどうやって集めてくるか」 ということについて書かれたものだと思っていたら、全く違いました。 無知でした……お恥ずかしい限り。 「スカウト」には、斥候とか偵察という意味もあり、 「先乗りスカウト」は、スポーツにおける対戦相手の戦力調査、分析を意味します。 日本のプロ野球では「先乗りスコアラー」と呼んでいますが、 こちらの方が、私にはなじみ深い言葉で、ピンときます。著者の小野さんは、日本代表のコーチやサンフレッチェ広島、ロアッソ熊本 で監督を務めこともある方。そんな小野さんは、日本代表スカウティングの第一人者でもあり、アトランタ五輪やフランスワールドカップでは、世界の強豪チームを徹底分析しました。そのアトランタ五輪についてはChapter4で、フランスワールドカップについてはChapter5で、どのようなスカウティングが実際に行われ、試合に臨んでいたかが明かされています。当時を知る人には、あの頃の舞台裏を知ることが出来る貴重な内容。 ***Chapter2の「スカウティング術のノウハウ」では、システムやプレースタイル、攻守のパターン、セットプレーやキーマン、選手個々の能力のどこを見るのかが示されており、これらの情報を元に、ゲームプランがたてられていくことが分かります。まず、システムでは、フォーメーション(4-4-2、3-5-2、4-2-3-1…etc)や、トップの配置(1トップ、2トップ、3トップ…etc)を、プレースタイルでは、ポゼッションプレーかダイレクトプレーかや、得点や失点のパターンを分析します。攻撃・守備の中心選手については、チームの中心として攻撃を組み立てるプレーメーカー、得点能力の高いプゴールゲッターや、ラインをコントロールするDFリーダー、絶妙なコンビネーションを持つホットラインを把握します。攻撃パターンについては、ビルドアップの方法や、スペースクリエイト、カウンターのパターン、サイドの使い方とクロスの傾向を分析。守備パターンについては、守備のスタイル(フォアチェック、リトリート…etc)、プレッシングのかけ方、アウトサイドとボランチをどの選手が見るのか、最終ラインの人数は何人で、ボール中心の守りか、ゴール中心の守りか、スペースをいかに埋めるかが中心か、人と人を中心の守りかを分析。さらに、高さへの対応やGKとDFの連携、DFのウィークポイントを確認。選手個人の能力については、身体能力(身長、体重、体の強さ、ヘディングの高さ)、オンザボールとオフザボール時のスピード(ドリブル、ランニング)とテクニック(ボールコントロール、パスの精度・質、キックの正確性)、判断力(ボールを受けた時とオフザボール時)、利き足と利き足依存度、メンタリティを確認。セットプレーでの攻撃については、キッカーの蹴り足と球質、トリックプレーのパターン、スペースの作り方を、セットプレーでの守備については、壁の作り方やカウンターの狙い方、GKの守備範囲、ポジション取りを確認します。これらについて、気にしながら試合を見ることが出来るようになれば、サッカー観戦者としては、かなりレベルが高いと言えるんじゃないかな。 ***そして、Chapter3の「サッカーを”観る眼”を鍛えよ」では、試合が進行する中で、どのようにベンチが対処し、選手に関わっていくかが示されています。これも、舞台裏を知ることが出来る内容で、とても興味深いものでした。
2016.09.22
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政宗を拉致したのは、愛姫の親衛隊・木場菊音。 一方、兼次も拉致されたまま、王子不在でA組の白雪姫の幕は開く。 拉致現場から抜け出した政宗は、舞台で演じる愛姫の姿を見て、 自らが兼次の代役となって、王子を演じると申し出る。 そして、舞台の上でのキス。 が、後夜祭の時間には、政宗は保健室のベッドの上。 愛姫も、一人で教室の中。 8年前の出来事の相手を、まだ勘違いしている。次のお話は、みんなでカラオケ。初めての経験に大緊張の政宗。そして、転校前の経歴を、愛姫の親衛隊・金子園香に暴露されてしまうが、愛姫は、その行為を窘めるのだった。 ***次巻は、フランス修学旅行のお話とのこと。6巻まで読み進めてきましたが、もうひとつパッとしません。やはり、愛姫のキャラが、中途半端だからのような気がします。寧子や吉乃は、結構イイんですけどね。
2016.09.18
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副題は「トータルフットボールとは何か」。 ポジションにこだわらない、全員攻撃全員守備。 新鮮で先進的、チーム全体が美しく躍動し、攻撃的で技巧的。 活発で見応えのある、監督やファンにとって理想のサッカー。 最初のトータルフットボールのチームだったと言われる 30年代のオーストリアは、ワールドカップで優勝出来なかった。 50年代のハンガリーも、74年のオランダも、決勝で敗れた。 82年のブラジルは、ベスト4にも残れなかった。本著では、各時代で戦術がどのように変遷していったかが記されている。ゾーンディフェンス、プレッシング、オフサイドトラップ、そして、ローテーションアタック。74年のオランダ・オレンジ軍団や、80年代末のACミランに共通する戦術。58年にワールドカップで優勝したブラジルは、当時支配的だったWMシステムではなく、4-2-4。70年のブラジルは4-3-3だが、4人の10番を併用。ペレ、トスタン、ジェルソン、リベリーノ。そして82年は、ジーコ、ソクラテス、ファルガン、トニーニョ・セレーゾ。80年代後半、バルセロナの監督に就任したクライフは、絶滅寸前のポジションとなっていたウイングを復活させる。 サッカーの戦術は、基本的に守備の発達とほぼイコールである。 フォーメーションだけみても、初期には2人だったDFが オフサイドルールの改正にともなって3人になり(WMシステム)、 さらに4人になる。 MFも3人から4人、5人と増加傾向。 当然、FWの数は減っていく。 WMシステムのときには5人いたのが4人になり、3人、2人、そして1人へ。 もちろん、単純にアタッカーの人数を減らしているわけではなく、 FWが減少したぶんはMFやDFの攻撃参加によって補っているのだが、 攻撃専門のスペシャリストを削り、守備に人数をかけてきたのは間違いない。そんな流れに逆らって、本格的ウイングを復活させたクライフは、「人はボールより速く走れない。ボールはいくら動かしても疲れない」と、10人のフィールドプレーヤーを、選手間で形成されるトライアングルの数が最多になるように散開させ、パスを回し続け、プレッシングを無効化した。 そもそもサッカーは守備に有利なスポーツである。 バスケットボールのような高確率で得点にならない。 攻撃力の差がそのまま得点差になりにくいのだ。 一方、攻撃に傾けば守備には隙ができる。 バルセロナは圧倒的に攻めるけれども、 相手にも攻められるチームだった。そして時を遡り、78年のアルゼンチン。テクニカルでスピーディーな技巧派としてのスタイルを前面に押し出し、4-3-3のフォーメーションで、両サイドに突破力のあるウイングプレーヤーを配置して、ワールドカップを制す。82年は、世界のスターになっていたマラドーナが、徹底的にマークされてしまい、2次リーグで敗退。その後、ディエゴ・マラドーナを得て、86年は優勝、90年も準優勝。”エンガチェ”と呼ばれるトップ下の良し悪しで決まるサッカー。92年に優勝したデンマークは3-5-2で、相手の2トップに3バックで対処し、両サイド高めに攻撃的MFを配置。が、実際には5-3-2であり、攻撃型から守備型まで、幅広いプレースタイルに変化できるものだった。98年に優勝したフランスは、鉄壁の4バックに攻撃のキープレーヤー・ジダン。圧倒的なキープ力で、プレッシング戦法の常識が通用しない選手。そして、ここぞという試合ではクリスマスツリー(4-3-2-1)。ジダンとリケルメが押し上げに必要な時間を作り出し、攻撃に結び付けていた。94年のミランとバルセロナの一戦は、ハードワーク、引いた位置でのプレッシング、ダイレクトプレーといったその後の戦術の流れを決定する要素が、凝縮されていた。この一戦を制したのはミランだったが、翌年、アヤックスに敗れてしまう。 トライアングルで素早くパスを回し、両サイドを深くえぐり、 長身のセンターフォワードがペナルティーエリアの中でパワーを加えた。レアル・マドリードは、00-01シーズンにペレス会長が就任して大きく変化。フィーゴ、ジダン、ロナウド、ベッカムと大型補強を繰り返す。4-4-2だが、自由で無秩序。得点も多いが失点も多く、明らかに守備面で問題を抱えていた。04-05シーズンで、プレミアムシップを制したのはチェルシー。プレッシングエリアを意図的に後方へ設定して守備を固め、ファウルに強いドログバが、前線に残ってカウンターアタックを演出。そしてポゼッション、パスを回し続け休息していた。 ボールを支配して敵陣に押し込んでいくバルセロナの戦法では、 守備の課題はカウンターに対するケアである。04-05シーズンにチェルシーに敗れたバルセロナは、次のシーズンにはMF、DFは連携したプレスを控えるようになった。FWの3トップは、ボールを奪われたら直ちにプレッシャーをかけ、DF同士のパスコースを消すだけで、それ以上は守らない。が、3トップがハーフラインに残ることで、相手の4人のDFも、そこに残らざるを得ない状況を作り出した。アーセナルは、サイドバックの追い越しを多用する攻撃。これにより、相手のディフェンスラインを下げ、DFとMFの間のバイタルエリアのスペースを広げることが出来る。ハードワーカーと戦術を組み合わせ、創造性を際立たせたのだった。 低い位置でのプレッシング&カウンターアタックという戦術と、 ポゼッションして引いた相手を攻略する戦術、 この2つを状況に応じて使い分けられるチームが有利になる。 ***こうやって、フォーメーションや戦術の変遷を見ていくことで、また、サッカーの見方が変わったような気がする。テレビ中継で、ボールの行方を追っているだけでは、決して理解できない世界が、ピッチの上には広がっていた。
2016.09.17
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今巻から愛姫の親衛隊・御前様ハーレムの面々が登場。 生徒会副会長・金子園香(3年)、剣道部・木場菊音(1年)に、 2年A組クラス委員・水野鞠。 さらに、転入生・雅宗兼次(がそうかねつぐ)も登場。 彼は愛姫と婚約しており、今は彼女の家で世話になっているという。 丸いのに素早い、体重63キロのフレンドリーなヤツ。 人を豚足呼ばわりしておきながら デブ萌えって どーゆーことだよ オイ!! 俺の時は 神も仏もない勢いで ボコスコだったくせに……っ政宗くん、嫉妬心がメラメラ。復讐どころか、ミイラ取りがミイラもいいところ。そして、親衛隊は、愛姫の純潔を野獣・政宗から守るため、雅宗と同盟を結ぶのだった。 そして迎えた八坂祭、演劇・白雪姫対決。政宗の2年B組は、小十郎が白雪姫で、政宗が王子様、愛姫の2年A組は、愛姫が白雪姫で、兼次が王子様。そして勝利した王子が、愛姫と後夜祭で一緒に踊れることに。が、当日、風邪を引いて保健室で休んでいた政宗は、何者かに拉致されてしまう。一方、更衣場所を探していた兼次も、リンゴ売りのおばあさんに変装した吉乃が拉致。双方ともに、王子役がいないまま、開演の時間が迫る。今巻は、ここで終了。
2016.09.17
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美人秘書・由井崎さんの前でいきなりの交際宣言、政宗くん。 秘書に見栄を張るため、 綱手島にいる間だけ、そのフリをすることにした愛姫。 そして一転、由井崎さんの回想シーン。 幼き日の愛姫が泣いている。 お友達はどうされたんですか? ほら、吉乃ちゃんとか そうだ この間一緒に遊んでいらした まるっとした男の子とか いないわよ! もう いないんだから…… 要らないわよ そんな子愛姫の男嫌いは、そこから始まったのでした。そんな愛姫が放った暴言を、額面通りに受け取ってしまった政宗くん。まだまだお子ちゃまだったのですね。だから、8年後の今しようとしているのは、とっても的はずれな復讐。そして、始まる肝試し。これも定番中の定番。しかし、これも由井崎さんの陰謀と、吉乃の計略が失敗に終わっただけのお話で、何だかな……別荘から帰ってくると、政宗は写真を取り戻しに寧子が住むマンションへ。そして、彼女の部屋を捜索。そこへ、迫りくる寧子の脅威。一瞬撃沈しそうになるものの、愛姫への復讐のため踏みとどまる政宗。しかし、その後、寧子が姿を消してしまう。発作を抑える薬を全て置いたまま。いつものメンバーたちが寧子の行方を探す。愛姫も探す、「あなたに振られたのは 可哀想だって思うから」。 豚足ってあだ名に 覚えはある?え~っ、もう言っちゃうの……はやしかし、愛姫が思い出そうとした、その瞬間に寧子が屋上から飛ばした紙飛行機が、政宗の頭に激突。病院に運ばれた寧子は、愛姫を一人病室に招き入れ……そして、次は政宗。そこで語られた話を、政宗はまたしても額面通りに受け取ってしまう。やっぱり成長していないね、政宗くん。そして、豚足と政宗を繋げることが出来ないでいる愛姫の前に現れたのは……
2016.09.16
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スタートは、イケメンで有名な山田茂雄先輩を 愛姫が完膚なきまでに公開処刑するお話。 そして、次のお話では、政宗と愛姫が二人でプールを罰掃除。 成り行きで、二人はキス…… かと思いきや、まだまだそう簡単にはいきません。 そして、愛姫が立ち去った後のプールサイドに、迫りくる脅威・藤ノ宮寧子。 さらに、帰宅しても、寧子。 けれど、そこに吉乃が一緒にいるのは何故?そう、師匠も寧子を警戒した末に、二人で政宗宅を訪問する羽目になっていました。食卓では料理に一切手を付けず、サプリと薬三昧の寧子。けれど、政宗と愛姫が写った昔の写真を、政宗の部屋からちゃっかり拝借していました。一体、何者?そして、夏休みには、みんなで綱手島にある安達垣家の別荘へ。この手のお話では、頻出する定番パターン。 豚足 この旅行で愛姫様をどうにかしないなら 今までのこと ぜんぶ 愛姫様に ばらす吉乃のこの言葉に、積極的に動かざるを得なくなった政宗。今巻は、ここで終了。
2016.09.15
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次の実力テストで、 政宗と小十郎の合計点が、愛姫と吉乃の合計点を上回ったら、 デートをするという約束を愛姫から取りつけた政宗。 しかし、今回は師匠と仰ぐ吉乃の協力は得られない。 そして、数学のテスト中、突然腹痛に襲われる政宗。 ひょっとして、さっきの休み時間に吉乃からもらったコーヒーに何か… しかし、試験当日、愛姫は発熱で朝から学校を欠席していた。 結局、政宗と愛姫は一緒に補習行き(腹痛の原因は弁当の卵焼きだった)。 ***押しまくるだけじゃダメ メリハリがだいじ吉乃師匠のアドバイスで、愛姫をスルーし続ける政宗。そして、遂に「無視しないでよ どうしていいかわからないじゃない」さらに「私なんかの どこがいいの?」しかし、吉乃と二人でいるところを、愛姫に見られてしまった政宗。ここで、吉乃の全力介入。さらに、愛姫の危機を政宗が救い、関係修復かと思われたが……藤ノ宮寧子(ふじのみやねこ)が現れ、政宗に急接近。一気に、予断を許さぬ状況に突入!!
2016.09.14
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八坂高校に転入してきた真壁政宗。 彼は、8年前のリベンジを果たすべく、この町に帰ってきた。 実家である信州真壁家で祖父に鍛えられ、 頭脳明晰、スポーツ万能のスリムなイケメンになって。 その復讐の相手は、安達垣愛姫(あだがきあき)。 学校トップの美人だが、ものすごい男嫌いで、 告白してくる男子には容赦ナシにあだ名を付けて撃退する。 通称は「残虐姫」。そんな愛姫が、8年前、政宗に言い放った言葉が、「あんたなんか好きにならないわよ 豚足」姿形を変え、祖父の姓を名乗って、愛姫に近付き、その気にさせて、最高の形で捨てようと目論んでいる。愛姫の近くで、いつも彼女のために甲斐甲斐しく仕えているのが小岩井吉乃。安達垣さまにつかえる家令の家系、使用人一筋三百年。そして、政宗の黒歴史に気付いている唯一の存在。しかし、彼女は政宗の復讐に手を貸そうと申し出る。 愛姫さまはすこし自分をみつめなおす必要があるとおもうの これであなたにふられて謙虚になるなら わたしにもメリットは十分あるかくして、政宗君のリベンジの幕が切って落とされた。ところで、愛姫はいつも体育倉庫でぼっち飯囲ってる。それは、ガテン系御用達のドカ弁を愛用しているから。ちょっと昔、嫌なことがあってから、よく食べるようになったという。これは、政宗と何か関係があるのでは?まぁ、政宗の復讐の動機も、復讐の手立ても、なんだかな……だけど。愛姫も、ハルヒほどには尖っておらず、今のところやや中途半端な印象。キーになるのは、やはり吉乃かな。
2016.09.13
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2007年2月の発行だから、もう随分時間を経た一冊。 石破さんの『国防』を元に、原さんが再構成・漫画化したもの。 2007年時点での、国防に関する課題が示されている。 それは、民主党政権が誕生する前のこと。 なので、登場する首相は小泉さんと思われるキャラクター。 内閣官房長官が安倍さん、外務大臣が麻生さん、防衛庁長官は額賀さん。 そして、北朝鮮のトップは金正日。 語り手として登場する石破さんが描かれているコマ数は、半端なく多い。 安全保障はギャンブルではないのです 金正日は一国の指導者として理性的な判断ができる人間なのか… もし…そう信じ…そうでなかったという結果になったら… その責任は一体誰がとるのか… そうならないために日本の政府や国会議員には… 常に有事を想定し、 そのための準備を怠らないことが求められる その上で何事もなかったら ああ…良かったと思うべきなのです10年弱の時を経て、日本も国際社会も大きく変化した。科学技術も進歩し、それは軍事面にも大きな影響を及ぼしているはず。金正恩はミサイルを何度も発射し、核実験も強行。安倍政権は安保法を成立させ、今年3月に試行。今、新たな局面を迎えていることは間違いなさそうだ。
2016.09.11
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副題は「アスペルガーで、漫画家で」。 アスペルガー症候群(AS)と学習障害(LD)、 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)などの発達障害を持つ 漫画家の沖田×華さんの描いたマンガです。 ご自身の体験を踏まえたエピソードが満載で、 アスペルガーやLD、AD/HDの方たちの実態が、よく分かります。 特に、看護学生の頃のエピソードには、 色々と考えさせられるところが多かったです。チャプターの後に挿入されているコラムも、分かりやすいです。こちらは『マンガで分かる心療内科』のゆうきゆうさんの手によるもの。アスペルガーについて知りたい人は、とりあえず読んでみておいて、損はない一冊かと思います。ただ、Sさんの話については、少々危なっかしさを感じました。あと、自動車の運転とか、弟さんへの視線とか……そういった諸々なことについて考えるにも、一読の価値はあるでしょう。『大人の発達障害』や『発達障害に気づかない大人たち<職場編> 』もどうぞ。
2016.09.11
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吹雪のために閉鎖されてしまったオヘア空港。 シカゴから飛行機で帰路につこうとしていた主人公は、 そのターミナルビルに26時間もの間、閉じ込められることになる。 その時、声をかけてきたのが、70歳前後の恰幅のいい老紳士。 「仕事は楽しいかね?」 かつて事業に失敗したことのある35歳の主人公は、 老紳士の問いかけに、最初は不機嫌に返答したのだったが…… 夜を徹してのマックス・エルモアのレクチャーが始まった。 だから僕は、たった一つしか目標を持っていない。 毎日毎日、違う自分になること。 これは”試すこと”を続けなければならないということだ。 そして試すことは、あっちにぶつかりこっちにぶつかり、 試行錯誤を繰り返しながら、それでもどうにかこうにか、 手当たり次第に、あれこれやってみるということだ。発売から15年を経た現在でも、古さを感じさせない。
2016.09.10
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本著の2015年12月7日第1刷発行は、 『捏造の科学者 STAP細胞事件』の2015年1月7日より後で、 『あの日 』の2016年1月29日や、 『STAP細胞はなぜ潰されたのか 』の 2016年4月21日よりは前。 なので、『あの日 』に記されていることは反映されていないし、 『STAP細胞はなぜ潰されたのか 』では既知とされていることも、 まだ、不明なこととして扱われている部分もある……と思う。 (2冊を照合・確認するというような作業はしていないので)著者の佐藤さんは、名古屋大学理学部を卒業し、学習院大学大学院で自然科学研究科修士課程を修了している。現在は評論家ということだが、本著の記述を見ると確かに「理系」の方。そのため、誰もがスイスイ理解しながら読むことの出来る内容ではない。それでも、若山氏の記者会見や、NHKスペシャル『調査報告 STAP細胞 不正の深層』、桂調査委員会の調査報告等々について、どの部分が疑問なのかは、しっかりと伝わってきた。 このSTAP細胞事件は、常に理研(あるいは若山研)内部の誰かによって 内部情報がマスコミにリークされ、常にマスコミが先行し、 それに世間が煽られ、熱くなるという形で進行している。 「理研の対応が生ぬるいからだ」と、リークを正当化する向きもあったが、 その内容が極めて偏向し、歪められたものであることを考えると、 その背後には、小保方氏個人に対する悪意の存在を想定せざるを得ない。(p.96) さて、以上、三種類のSTAP幹細胞に関する遺伝子解析の結果報告をみると、 問題点は少なくないように思われる。 どうしても「STAP細胞はESである」という結論を出したいという、 結果ありきの姿勢が背後に感じられる。 これまでに述べたように、 解析・調査を担当した人物の中立性・公正性が疑わしいこと、 証拠物の保全がなされておらず、細胞の同一性があやしいこと、 都合の悪い証拠は伏せられている可能性があることなどを考え合わせると、 この解析結果をもってして「STAP細胞はなかった」と断言するのには 慎重であるべきであるように思われる。(p.157)事件の最中、笹井氏が自ら命を絶つに至ったことについて、世間を煽ったマスコミも、それに乗せられ騒ぎまくった世間も、自らの行為について、反省の意を示すことは全くと言っていいほどなかった。自分たちの行き過ぎた行為が、一人の有能な科学者の命を奪ったにもかかわらず。真実を知ることは、難しい。テレビで語られれば、新聞や書籍で活字になれば、それが真実なのだとは限らない。それらは、様々な人たちの思惑が交錯した結果、生み出されたストーリーに過ぎない。いかなる事件、出来事に対しても、思い込みは厳禁だと、今一度自らを戒めたい。
2016.09.10
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私も、本は結構読む方だと思うけれど、 その内容は、どんどん忘れてしまう。 これじゃあダメかなと思って、 読み終えた本のことは、全てこのブログに記録し始めた。 なので、このブログを見返せば、 「あぁ、こんなことが書いてあったな」と思い出すけれど、 そうでなければ、それぞれの本について、 ちゃんと説明できる自信など全くない。 覚えていない、つまり「記憶」に残っていないということは、 それは「知識」としてあなたの中に定着していないということ。 もっといってしまえば、その読書は何の役にも立っていないということ、 ということと同じなのです。(「はじめに」より)おやおや、冒頭部からなかなか手厳しいお言葉です。で、「精神科医」×「SNSの超プロ」が教える「読んだら忘れない読書術」とは、如何なるものなのか?スタートは、こんな感じです。まずは、蛍光ペンでラインを引き、ボールペンで書き込みをしながら読む。次に、本の内容を要約しながら、複数の切り口で誰かに勧めてみる。そして、Facebook等で感想をアップ・シェアし、書評やレビューも書いて、さらに、1冊の本から1つの記事に留まらず、2つの記事を書くようにする。もちろん、本著には、この他にも様々なインプットやアウトプットの仕方の手引きが掲載されており、参考になります。しかし、私が本著から得た最も大きな収穫は、kindleの使い方に関する情報。マニュアル、ちゃんと読んでなかったからなぁ……。
2016.09.04
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著者は学生時代に「CANDY」を開発し、 マイクロソフトで「Windows95」「Internet Exploler3.0/4.0」 「Windows98」のソフトウエアアーキテクトとして活躍した中島さん。 これだけでも、とってもスゴイ人。 マイクロソフト本社の次世代OS開発グループで、プロトタイプを作成し、 それを1000人近い人が集まった大ホールでプレゼンした時の描写や、 ネットスケープのホームページを初めて開いた時の描写は、 読んでいるだけで、本当にワクワクしてしまいました。 *** 仕事が終わらない人は、得てして後半の応用問題を甘く見ています。 前半の基本問題をとんとん拍子に解いていくなかで、 「こんなの簡単に終わるじゃないか」と錯覚するのです。 しかしそれは根本的な勘違いです。 応用問題がどれくらいで終わるかは、取り掛かってみないと絶対に分かりません。 そして応用問題が終わらなければ仕事は終わりません。仕事を数学のテストに例えたこの説明は、とても分かりやすいものでした。ましてや、数学のテストには必ず既知の明確な正解があるものの、仕事となると、それは未知のものであったり、人によって答えが違うなんてことも、普通にあるあるなわけですから。 締め切り当日がゴールだと思ってラストスパートをかける人は、 たいてい最後の最後になって不足していた部分に気づき、慌てることになります。 「全力でプレゼン資料を作ることに集中していたため 資料のコピーを取ることを忘れていた」などが典型でしょう。これはよく見かける光景です。私は、自分自身を「土壇場に弱い」人間だと思っているので、「背水の陣」や、さらには「水中の陣」とも思える状況で、苦境を乗り切っていける人を、本当にスゴイと思ってしまうのですが……。 これは覚えておいてほしいのですが、すべての仕事は必ずやり直しになります。 最初の狙いどおりに行くほうがまれなのです。 スマホのアプリもWindows95も、あなたの明日のプレゼンの資料もそうです。 どうせやり直しになるのだから細かいことはおいておき、 まず全体像を描いてしまったほうがいいのです。 これがつまりプロトタイプを作るということになります。これは、とても示唆に富んだ一節です。そして、この考え方は、次の一文にもつながっていきます。 ロケットスタートの時間術の本質は余裕を持つことであり、 高速で次々と仕事を終わらせていくことではない という重要なお話もしました。さっさと土台になる原型、全体像を作ってしまってから、それを、余裕をもってじっくり眺め、ちょこちょこ手直ししていく。「寝かせる」という工程を加えることで、完成度が違って来る。ただ、時々寝かしたまま、そのことをすっかり忘れてしまったこともありますが。 日本では夜遅くまで会社に残ることが美徳とされています。 なぜなら、みんなの視線がある中で仕事を頑張っていれば 高く評価されるからです。(中略) 日本では朝7時から働いて夕方6時に帰ろうとしても、 周囲のまなざしに射抜かれて、強制的に夜遅くまで働くことになります。 そんな環境ではむしろ生産性が下がってしまいます。 一方、アメリカではそのような空気はありません。 朝から来て仕事を終えれば、夕方には帰れます。 これには確固たる理由があります。 それは、アメリカ人が家族を大事にしているからです。朝型のアメリカ、夜型の日本、というような感じの説明です。が、日本人だけが長時間働いてるんじゃないよ、というところがポイント。さらに言えば、日本のビジネスマンが疎かにしているところを、ちゃんと、アメリカではやってるんですよ、というかなり辛口の戒め。 勉強のための勉強に意味はないこれは、名言です。確かに、「いつか役に立つかもしれないから」と始めたことは、続けることがとても難しい。やはり、必要なことを必要な時にやることが大事ですね。 大切なのは共通の目的を持った者同士が集まったかどうか、 それだけだったんです。 それによってチーム全員で走り続けることができるわけですから、 結果が出ていたのは、いつもそういうときだけだった。「共通の目的をもつ者が集まる」のを、ただ待つのではなく、「集まった者が、共通の目的をもつ」ようにしていき、チーム全員で走り続けられるようにするには、どうすればよいのか。結果を出すため、避けては通れない大きな課題です。 だから、自分が関わっているプロジェクトの方向性がおかしいと思ったら、 自分がどんな立場にいようと強く主張すべきです。 仕事の成果を挙げることは、会社の規則を守ることに優先します。 早く帰って休むことは、ほかの人と一緒に残業することに優先します。 会社のために上司に反対意見を述べることは、 上司を気遣って黙っていることに優先します。 仕事のことを考えて行動することは、相手に遠慮することに優先します。「仕事の成果を挙げることは、会社の規則を守ることに優先します」か。どんな規則なのかにもよるけれど、破ってもいいような規則なら、最初からない方が良いとも思いますが……他のものについては、同意。
2016.09.04
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