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昨日のお昼に当日予約でいらした80代と思われるご老人。南仏の避暑地が似合いそうなダンディーないでたち、何かこうオーラを感じる方で、、一緒にいらした私と同年輩と思われる方もやはりただものではない雰囲気をお持ちでした。ご注文はごく普通のランチコースです。 前菜のテリーヌが出て少しすると、マダムが厨房に来て「あのお客様料理人みたいだよ。なんか“テリーヌを一口食べればその料理人の人生が分かるんだ。”なんて言ってるよ。」と、、。凄いことおっしゃる。そういえば辻静雄さんも“テリーヌというのはシンプルな料理だけに料理人の腕がもろに出てしまう。テリーヌが美味しければ他の料理も押して知るべしである。”というようなこと言ってましたっけ、、、。 マダムがテリーヌの皿を下げに行くと、「美味しかったよ」といってくださったそうです。二皿目はトマトのプロヴァンス風、次は冬瓜のスープ自家製ベーコン風味、メインは仔牛のタリアータ トマトヴィネガー風味。 まあ、こんな感じのメインでした。メインもきれいに召し上がって、デザートを持って私が出ると、「いやー美味しかった。ところであなたはどこで修業したの?」と、「ありがとうございます。私は独学なのでフランス料理の先輩はいません。エスコフィエを始めにたくさん本読んで勉強しました。」と、「あーそう、独学なの。よく頑張ってるねぇ。」などと言われました。 お帰り際に「しかし、この値段でこんなに出しちゃったら儲からないだろう?」と、「まあ、千葉ですから都内ほど家賃など高くないので頑張ってます。」と、「いや、場所がどことか関係なくこの値段でこの内容はたいしたもんだ。今日は楽しかった。良い冥土の土産ができた(笑)」と、「ありがとうございます。」と、「そうだ、記念に名刺やろうな。」と言っていただいた名刺を見ると、フランス農事功労章受賞者協会 名誉会長とあり、びっくりしました!元ロイヤルパークホテル総料理長の嶋村光夫氏、フランスから勲章 農事功労章オフィシエ、黄綬褒章、その他各国より勲章や名誉職や名誉市民など、日本のフランス料理業界の生けるレジェンドです。 旅のご老人におほめの言葉をいただいたと思ったら、黄門様だった!くらいのびっくりでした。 こんなすごい人に褒められると、素直に嬉しいです。特にテリーヌを誉められたのは嬉しかったですね!今更テリーヌなんて古いと言われがちですが、クラシックな料理として自分ではいつも大事に作ってきたものなので、それをクラシックの殿堂のような方に評価されればやはりうれしいです。野球少年が王さんや長嶋さんにほめられるようなもんですよ! いやー、びっくりしたけど嬉しい出来事でした。
Aug 31, 2014

子羊の背肉です。フランス語では、Carre d'agneauカレ・ダニョーと言います。牛でいえば骨付きリブロースのところ。まあ、仔羊で一番美味しい部位でしょうね。これをローストにするんですが、普通は強火で全体に焼き色をつけたら、200度位のオーブンに20分も入れておいて、温かいところでもう20分かそこら休ませればできると思います。 私の場合は、弱火でゆっくり脂身の方を焼いたら200度のオーブンに入れるんですが、入れる時間は3分から長くて5分。オーブンから出して温かいところでオーブンに入れていた時間の倍くらい休ませます。それを何度も繰り返す。面倒なやり方です。時間も2時間近くかかります。ですからこの料理は予約のお客様にしか作りません。注文してからメインが2時間かかる料理は、普通の営業では使えません。 なぜこんなことをするのかというと、最初に書いた普通のやり方のローストでも、たしかに「食えます」。でもたいして美味しくはない。まあ、ありふれた子羊のローストです。2時間かけてゆっくり焼き上げるとこれはもう「美味い!」です。もちろん、この方法だけをまねても火の通し加減が正確でなければだめですけどね。 均一にロゼに焼けているでしょう?こういう仕上がりは時間をかけないとできません。仔羊は臭みがあって苦手という方もいますが、私が焼いたものなら美味しく食べてくださる方が多いようです。「他では無理だけど、サンク・オ・ピエの仔羊は大好き!」と言ってくださる常連さんもいます。 とりあえず食えるというものと、美味しい物にはかなり隔たりがあります。ただやみくもに手間をかければ良いというのではないですが、やるべきことはきちんとしないと結果は出せません。そして私どもプロの作る料理の存在価値は美味しいということに尽きます。とりあえず食えるでしょというレベルの料理で金は取れませんよ。まあ、世間にはとても食えたものじゃない料理で意外にも流行っていたりする店もあるので、飲食業で味がすべてとは言えないんですが、少なくともサンク・オ・ピエは美味しいということを一番に考えています。 たかだか肉を焼くだけのことなんですけどね、、、。30年くらいやっていますが、いまだに発見することもあったりして、奥が深いです。とくに仕事をなめるのは一番良くないですね。自分はもう完成したなんて思ったら職人は終わりです。 さかもとこーひーの坂本さんも豆を焼く人なのでワイン会のときなどによく「焼き」の話になるのですが、坂本さんのように温度で1℃ 時間で1秒という精度でコーヒー豆を焼いている職人はほとんどいないはずです。世の中、「とりあえず飲めるでしょう?」レベルのコーヒーが多いですからね。世間のあまたのコーヒーはさかもとこーひーを知ってしまうともう「とても飲めたもんじゃない」になります。 まあただし飲食というものは、非常にパーソナルなものですから私が作るものを100人が100人是としないことはあるでしょう。さかもとこーひーだって、美味しくないという人だっているでしょう。それは仕方がないことです。 例えば音楽。私はマニアックなバッハ好きですが、心底バッハ大好きで聴いている人は世間には多くないと思います。一方で、昔私の年上の友人にワーグナーのマニアがいまして、もうワーグナーのレコードを何百枚も持っているわけです。そういう人に数年間にわたってワーグナーのレクチャー受けましたが、お陰さまで私は筋金入りのワグナー嫌いになりました。ワグナーのことは結構詳しいですけど聴きたくありません。 でもワーグナーにしろ、バッハにしろ素晴らしい芸術だから100年とか300年とかたってものこっているわけですから、好き嫌いは別にして、くだらないつまらないものでないことは確かですよね! そういうわけで、最善を尽くし良い料理を作る。というのが職人の立場。それが美味しいかどうかは、お客様が決めることですから。この子羊のローストの場合、下がってきた皿にしゃぶりつくされた骨だけがのっていれば、「ああ良かった」と思うわけです。
Aug 24, 2014

ローストの準備を整えた鳩。フランスロワール産の食用鳩です。 鳩は、日本ではあまり食べる習慣がないので、違和感を覚える方も多いかもしれませんが中東やエジプトやヨーロッパの多くの国々では古い時代からご馳走でした。旧約聖書のノアの箱舟のエピソードにも神の怒りの洪水が治まった後、ノアが鳩を飛ばすとオリーヴの枝を咥えて帰ってきて水がひいたことを知るというくだりがあります。そのシーンが、昔のたばこのピースのデザインになっています。オリーヴを咥えた鳩の図。 このエピソードから鳩とオリーヴは平和の象徴とされるようになったと言います。人類とは少なくとも5000年以上の付き合いの最古の家禽だと言えるようです。ニワトリが家畜化され始めたのがたかだか千数百年前だそうですから、鳩のほうがはるかに古い付き合いなんですね! フランス料理では、常にトップクラスの御馳走です。脂肪は少なく赤身の肉で、空を飛ぶ鳥なので羽ばたくための胸肉が発達していて胸肉が一番美味しいところです。しっかりと鉄分を感じる味わいなので、鉄分に良く合うサンテミリオンやポムロールのメルロー主体のワインやブルゴーニュならシャンベルタンあたりの力強いワインが合います。サンテミリオン、ポムロール、シャンベルタンと言えば名酒揃いですから、高級ワインとマリアージュさせるための高級食材ということになります。 焼き上げたところ。私の場合オーブンに入れずにフライパンの上で向きを変えながらゆっくり焼き上げます。特に鳩は胸とモモでは全く火の通りが違うので、必要な部分に必要なだけ熱を加えるというやり方がベストです。まあ、付き切りですし、かなり繊細な作業です。 さばいて盛り付けたところです。 ソースは、合わせるワインにもよりますが、、ワインが若くて果実味が強いのなら木イチゴやチェリーを使ったソースか軽い赤ワインソース。ワインが熟成した古酒なら、キノコやトリュフを使ったソースが良いですね!まだ暑い日が続きますが、秋になっていいワインでもあけようかというときにはぜひ鳩のローストを試してみてください。美味いですよ! フランス、ロワール産鳩のローストのコース
Aug 20, 2014

オマール海老です。 活オマール海老のリゾット、アメリケーヌ風です。 クラシックな料理にオマールのアメリケーヌ風というのがあります。オマールの頭や殻で出汁を取り、それでソースを仕上げそのソースで海老を煮込みバターライスを添えるというのが原型です。それを変形して出汁でリゾットを炊き、海老のローストを添えるというものです。 オマール海老の可食部分は尻尾とハサミと腕肉なので頭やその他の部分で出汁を取りジュ・ド・オマールを作ります。美味しいオマールの出汁を取るためには白ワインとコニャックを結構たくさん使います。特にコニャックは惜しみなく使わないと美味しいオマールの出汁は取れません。まあ、オマールの殻1尾分でコニャックを100ccくらいは欲しいですね。こういうクラシックソースは酒類をゴージャスに使うので金がかかります。 出来た出汁でリゾットを炊きます。仕上げにはオマール海老ののミソ(コライユ)を入れます。米の芯まで海老味がしみ込んだリゾットです。ミソが入っているのでこのリゾットはもう凄まじいくらいの海老味なんですね!イタリアンをやっている後輩がこのリゾットを食べて、「この味は絶対に出せない!」と悔しがるんですが、フレンチとイタリアンの良い所取りのこの料理は誰にでも作れるものではないと思います。 そして、オマールのアメリケーヌ風というと本来はソースで海老の身を煮込むのですが、私の場合はオーブンでローストしてコニャックでフランベします。火の通し加減は、尾の身の芯がまだ少し透明感が残るくらい。そのくらいがいちばん海老の甘味が楽しめます。焼き上げた海老の尾の身やハサミの肉などをリゾットに添え煮詰めてバターで仕上げたソース・アメリケーヌを海老とリゾットにかけます。 ある意味最強の海老料理ではないかと思っています。 オーストラリア産グリーンリップアワビのリゾットです。 以前テレビで韓国の釜山の海女料理として紹介されたアワビのお粥を見て思いついた料理です。一人前に小さめのアワビを2個使います。1個のアワビは肝をはずし身はさっとローストします。はずした肝はシェリーヴィネガーと自家製ポン酢とバターでソースに仕上げます。もう1個は肝をはずし、身は5ミリ角くらいにカットしておきます。肝を入れてリゾットを炊き最後の仕上げに5ミリ角のアワビを半生くらいになるように混ぜ込みます。 肝の風味と半生のアワビが入った美味しいリゾットに柔らかくローストされたアワビを添え、肝のソースをかけます。この料理もアワビの最強完結的な料理だと思っています。美味すぎてやばいですよ!
Aug 18, 2014

フランスが誇る赤身肉シャロレー牛のローストのコーススペインが誇るイベリコ豚ベジョータの背肉のローストのコース ご予約限定シェフスペシャルコースに2つの新メニューが加わりました!6月7月に大好評いただいたシャロレー牛のローストとイベリコ豚ベジョータの背肉のローストです。代わりにマンガリッツァ豚のコースとリ・ド・ヴォーのコースはお休みさせていただきます。特にリ・ド・ヴォーは品薄と値上がりで当分使えそうにないです。 ご予約限定シェフスペシャルコースは、材料の取り寄せが必要だったり、調理に手間や時間がかかる特別メニューをご予約限定で召し上がっていただこうというメニューです。実は私の必殺技ばかりでどの料理もちょっと他では食べられないものばかりと自負しています。 普通レストランではよほど通いつめてシェフと懇意にでもならなければ、料理をリクエストするなんて難しいと思うのですが、サンク・オ・ピエでは、オマール、アワビ、鳩、シャロレー牛、イベリコ豚、仔羊などリクエストができるようにこのご予約限定シェフスペシャルコースを用意しております。
Aug 18, 2014

Consommé de tomato glacée冷たいトマトのコンソメ。御覧のようにどこにもトマトは見えませんが、食べるとトマトそのものです。うま味成分として少し鶏の出汁を使っていますが90%くらいはトマト味のスープです。お客様に「どうやって作るの?」と、訊かれますが、、まあ企業秘密という事で、、、(笑)ものすごく美味しいのでみなさん秒殺でなくなりますね。 続いて今回の主役である、、Proscuitto di San Daniele avec,,Ratatouille , Tomate demi seche , pickles , etc,,イタリアの至宝!サン・ダニエーレ産生ハムに、、ラタトゥイユ、自家製セミドライトマト、自家製ピクルスなど野菜色々を添えて、、です。生ハムたっぷりに相性の良い自家菜園の夏野菜料理を添えてあります。シェリーのフィノやマンサリーニャ、ほんのり甘いロゼワインやシャンパーニュやカヴァなどのスパークリンワインなど、合わせたいですね!サンダニエーレの生ハムは本当に評判が良いです。薄塩で上品な香りと旨味はちょっと他の生ハムとは風格が違いますよ!まあ、キロ単価で言うとフォアグラとほとんど変わらない高級品なので、さすがの味わいですね。 Foie gras chaud avec galette d’Aubergineフォアグラのソテー、茄子のガレット添えです。茄子は皮を剥いて玉ねぎのスライスと一緒にバターで柔らかくなるまでゆっくり炒めておきます。小麦粉と卵に牛乳と生クリーム、塩胡椒とナツメグなどでガレット生地を作り茄子を入れて澄ましバターで焼きます。まあ、パンケーキみたいな感じですね。それにソテーしたフォアグラをのせます。茄子は脂との相性が良い野菜ですから、フォアグラとは大の仲良し、それを粉物でくるんであるので、生地がフォアグラの脂を吸い込むのでさらに一体感が増して美味いですよ!これはもうワインはアルザスゲヴェルツトラミネールにつきますね! メインディッシュは、Pintade de loire poêlée avec son jusフランス、ロワール産ホロホロ鳥のポワレ、ホロホロ鳥のジュを添えて です。ホロホロ鳥は皮をカリッと身はしっとりにポワレ、まあ私の名人芸の焼きです。雉を思わせるような少し野性的で深い味わいです。ブルゴーニュ飲みたいですね!グラスワインでブルゴーニュっぽいペイドックのピノノワールやお手頃価格のブルゴーニュを用意してあります。ホロホロ鳥は久しぶりだったのですがやはり美味いですね! お楽しみのデザートは桃尽くし! Sorbet de pêche sanguine , Mousse glacé de pêche blancheQuatre-quarts de pêche Jaune鮮やかなフランス産赤桃“ブラッド・ピーチ”のソルベ、白桃のムースグラッセ、黄桃のカトル・カール 桃尽くし!デザート です。赤いシャーベットはフランス産ブラッドピーチ、ネクタリンに近い感じの果肉が真赤な桃です。見た目のインパクトに反して味わいは桃だけに穏やかです。上の丸いのは白桃のムースグラッセ。桃のムースを冷凍して半解凍くらいで召し上がっていただきます。ムースは生クリームやメレンゲが入るのでさらにまろやかです。手前のケーキは、型に黄桃を敷き詰めその上にカトル・カール生地を流して焼き上げ焼けたらひっくり返して取りだします。カトル・カール・ランベルセというケーキです。カトル・カールというのは、1/4が4つという意味で小麦粉、卵、砂糖、バターがすべて同割で出来ている生地のことです。(実際には少しベーキングパウダーが入りますけど、、)ランベルセというのはひっくり返すという意味です。焼きリンゴにパイ生地をかぶせて焼き上げてひっくり返して仕上げるタルト・タタンというのがありますが、別名タルト・オ・ポム・ランベルセと言ってひっくり返したリンゴタルトという事もあります。桃そのもののソルベにクリームやメレンゲ入りのムースに焼き菓子と違ったスタイルの桃尽くしには、、、 さかもとこーひー、サンク・オ・ピエ8月9月コース用ブレンドです!コーヒー単体で飲んでみると、意外に苦味があって、ちょっと「え?」と思ったんですが、デザートと合わせると納得!3つのデザートの余韻がどれも膨らみこーひー自体も単体よりも美味しくなりました。桃という果物に微かにあるタンニン系苦味渋みと桃の主役の甘味酸味をこーひーの苦味と酸味の微妙なバランスでコントロールしているんだなと感じました。さすが坂本さん、今回も良い仕事していただきました。サンク・オ・ピエの季節のコースでは、このデザートとさかもとこーひーのマリアージュを楽しみされているお客様が多いです。今回はちょっといつもと違う感じのマリアージュで面白いですよ! ご予約限定メニューで9月末ごろまでやっています。
Aug 11, 2014

もうかれこれ20年ほど続くワイン会です。今回のお題は「イベリコ豚のキーマカレーとサンク・オ・ピエの夏野菜」毎年8月はビールで始めてカレーで〆るというパターン。サンク・オ・ピエでカレー?と思うでしょうが、このワイン会は楽しく遊ぶのがテーマなので料理もお酒も何でもありで、むしろ通常メニューが出るほうが珍しいくらいなんです。ビールはコエドビールの瑠璃。ピルスナータイプですっきりした中にもわりあいボディーがあって、ゆっくり飲むと意外に個性的な味わいです。つまみは、、 左から焼き茄子のマリネ、ピーマン味噌、アンチョビ・ガーリックトースト。茄子は強火で焼いて皮を剥き、シェリーヴィネガー、ペドロヒメネスヴィネガー、自家製ポン酢、ガーリックオリーヴオイル、塩で味付けします。結構酸味をきかすのがポイント。焼き茄子の焦げた香りが魅力です。ピーマン味噌は、たくさんのピーマンと青唐辛子少しをフードプロセッサーで微塵切りにして、サラダ油少々で炒めます。水分が飛んだら、味噌とみりん、酒と砂糖、豆板醤少々を加えてじっくり煮詰めていきます。まあ、あまり辛くしないほうが美味しいです。ピーマンの青い香りが主役なイメージですね。ビールにも日本酒や焼酎にもそれにもちろんご飯にもよく合います。アンチョビガーリックトーストは、無塩バターをアンチョビの塩気でちょうど良くなる程度のアンチョビとうちの庭のイタリアンパセリとタイムを合わせてニンニクも少し入れて、フードプロセッサーにかけて合わせバターにしておいたものをバゲットに塗って焼いたもの。簡単ですが結構美味いです。これもお酒ならなんでも合いますね!このバターでエスカルゴ焼いたり、ポテト焼いたり、茄子やズッキーニ焼いたり、、、色々応用できますよ。 次は生ハム、サンダニエーレと、、 カヴァ・フェレ・ブリュット・リゼルヴァ、スペインの泡です。生ハムとも一緒に添えた夏野菜料理とも相性ばっちりです! 続いて、シャンパーニュ、ペウシモネ、マグナムボトル!1.5リットルの2本瓶ですね。詳しい説明は省きますが、シャンパーニュはその製法上の事情で瓶が大きいほど味が安定しています。このマグナムが2本瓶、ジェロボアムが4本瓶、8本はマチュザレム、、、メルキゼデックという40本サイズなんていうのもあるようです。40本サイズになると液体だけでも30リットル、ボトルを入れれば、50~60キロにもなります。グラスワインで400~500杯とれる勘定です。もちろん見たことないですけどね。 ペウシモネはヴェルズネィ村のグランクリュのピノノワールとシャルドネを使った豪勢なシャンパーニュです。さほど名が知られていないので幸いお高くはないのですが、味わいはしっかりしていて美味しいです。1960年ころから続くメゾンで、自社畑を広く所有しているのでマムなどの大手メゾンにも葡萄を売っています。合わせた料理は、、 フォアグラテーヌとパルマハムと自家製スモークハムのゼリー寄せテリーヌのサラダ仕立て。ピノが75%の力強いシャンパーニュによく合います。 仔牛のロースト、アルビュフェラソース。牛筋と鶏ガラのジュを煮詰めて生クリームを加えさらに煮詰めてバター少しで仕上げた濃厚なソースです。クラシックです。仔牛は淡白なので濃厚ソースを合わせるのが古典的なやりかたです。たくさんだと重いですけで、これは肉が80グラム弱、みなさんペロッと食べてました。合わせたワインは、、 マノ・ア・マノ、スペインの赤ワインです。ブドウはスペインを代表するテンプラニーニョです。ワイルドな印象があるテンプラニーニョですがこのワインは端正にまとまっていて、仔牛にもよく合います。 メインイベントは、イベリコ豚のキーマカレー!キーマカレーと言うと硬めのミートソース的な汁気の少ないものが多いですが、私的にあれは好みでないので汁気多めです。AOC指定のピュイ産レンズ豆も入っています。カレーの作りはインド風。ルーなどの粉物は入っていません。カルダモンを強めにきかせるのが私好みです。かなりスパイシーですよ!サンク・オ・ピエでカレーを食べるにはこのワイン会に参加するしかありません。(笑) 辛味増強薬味です。左が赤い悪魔、右がブラック魔王。ものすごく辛いです。 付け合わせです。赤玉ねぎのアチャール風と自家製胡瓜のキューチャン風です。カレーはみなさん2~3杯お替りしてましたよ! デザートは、うちの畑の西瓜にローマ法王に献上のチェルビアの塩を添えました。締めはさかもとこーひーアニバーサリー2014でした。 このワイン会では、一番遊んでいるのは私です。ワインだけではなく、日本酒や焼酎などもだしますし、料理もフレンチ、イタリアン、エスニック、中華、コリアン、、、etc何でもありです。「これ食ってこれ飲んでみてね!」というのを20年続けてきたんです。お気楽なのりだからこんなに長く続いたんでしょうね。みなさんいつもお付き合いありがとうございます。 このワイン会どなたでも参加できます。興味のある方はシェフまでご連絡ください。次回開催は10月4日の予定です。
Aug 10, 2014

生ハムを一本丸ごと使うと最後にすね肉(足首に近いところ)が余ります。薄く切れば食べられないことはないし味が一番濃い部分なので通好みなんていう人もいますが、やはり筋があってちょいと固いです。それで、水に漬けて塩抜きをして自家製スモークハムの端っこも結構あったので一緒に柔らかくなるまで煮込みます。崩れそうなくらい柔らかくなったら、一度そのまま冷まし、冷めたら煮汁と肉に分けます。肉はボールにでも入れて適当な細かさにほぐします。煮汁は沸かしてアクと脂をとり塩で味を決めてシャンパーニュヴィネガーで酸味を加えて、ゼラチンを加えて肉と合わせてテリーヌ型に流して固めます。 付け合わせの野菜は左からセミドライトマト、ラタトゥイユ、キュウリのピクルス、トマトのピクルス、焼き茄子のマリネ。肉のゼリー寄せは食べるともったりした感じになることが多いので私の場合はいつもシャンパーニュヴィネガーでさわやかさが出るようにしています。付け合わせの野菜もものすごく美味いですし、もちろんテリーヌも美味しいですよ! Creme Vycissoise glaceeクレーム・ヴィシソワーズ・グラッセ、ヴィシソワーズの正式名です。これはニューヨークの有名ホテルの料理長だったルイ・ディアというフランス人シェフが考えた料理で、彼の生まれ故郷のパリ郊外のヴィシーの地名にちなんで名づけたものだそうです。日本ではよくジャガイモの冷たいポタージュと言いますが、ルイ・ディア氏によれば「ポロ葱とジャガイモの冷たいポタージュであって、主役はポロ葱の旨味で、ジャガイモはつなぎにすぎない。」だそうです。 サンク・オ・ピエの場合は、自家菜園の玉ねぎの甘味を出して、自家菜園のすごいうまみのジャガイモで作るヴィシソワーズ的ポタージュというところです。ルイ・ディア氏のオリジナルはたっぷりの生クリームで伸ばすことになっていますが、私の場合は牛乳少しです。うちの畑の野菜の美味さを最大限に出したいので、生クリームは使いません。さっぱりしているけどこれもすごく美味しいですよ! 最後にこれは今日の昼飯です。自家製セミドライトマトと帆立貝とボッタルガ(イタリアのカラスミ)のパスタです。美味いです!うちのマダムが大好物です。もちろんメニューにはのっていません。どうしても食べてみたいという方は、ご相談ください。(笑)
Aug 5, 2014

こちらは、スペインのカヴァ。シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵を行っています。しかもヴィンテージ付きで、18カ月熟成のリゼルヴァです。味わいもかなりシャンパーニュに近いです。ミリオン商事が輸入元なんですが、ソムリエでバイヤーのH氏が友人なのでとても安くしてもらえました。定価ならうちの売値が¥5000は超えてしまいますが、ハウススパークリングとしてグラス売りでも使います。ボトルでも¥3000くらいです。 安いスパーリングワインはシャルマ方式と言って大きなタンクで作って瓶詰するのが主流ですが、スペインのカヴァはメソッド・トラディションまたはシャンパーニュ方式と言って、樽やタンクで一度普通のワインを仕込み、瓶詰するときに二次発酵用の酵母とその酵母のえさになる砂糖を入れてコルクに針金をかけて二次発酵させます。このときに炭酸ガスができてスパークリングワインの泡ができます。発酵が終わると酵母の亡きがらやその他で澱が出ます。それをルミアージュという作業で澱を集めるんですが、、ボトルを水平の状態からきゅっと1/4回転させて少し下向きにしていきます。何日かかけてこれを繰り返し最後はさかさまにしてコルクのところに澱を集めてしまいます。その状態で熟成に入ります。出荷するときにはその澱のところを冷却ガスで急冷して凍らせコルクを抜くと澱がポンと出てきます。ワインが少し減るので、リザーヴのワインを足してコルクをして針金をかけて出来上がります。結構手間がかかるんですよ。シャンパーニュが高いわけですよね!フルーティーさもありながらローストアーモンドや焼きたてのパンのイースト香もあり本当にシャンパーニュっぽい味わいです。 カナイアというこれもスペインの白ワインです。ベルデホという品種が使われています。あまり聞きなれない品種ですが、スペインでは白ワイン用の高級品種なんです。ソーヴィニヨン・ブランが15%入っていて辛口でさわやかな感じです。酸味がのっていて夏には良い感じです。これもミリオン商事。 ヴァン・ド・ペイ・ドックのカベルネです。これは五井の相川さんのワイン。渋みが少ないので少し冷やしても美味しいワインです。自然派の作り手です。 これも相川さんのワイン。ペイドックのピノノワールです。この2011年は酸味がのっていて結構ブルゴーニュっぽい味わいです。鶏の料理やシンプルなステーキなどに良いですね。これも低めの温度でも美味しい赤です。
Aug 2, 2014
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