全17件 (17件中 1-17件目)
1

先日、サンク・オ・ピエの隣の歯科医院の院長岩瀬先生(サンク・オ・ピエ開店以来の常連様です)が先輩後輩の先生とちょっと久しぶりにご来店になって、お料理を出すといつもはゆっくり召し上がるのに妙に早く食べてしまわれた。私が「先生、早いですねぇー」というと、「いやー、久しぶりだから美味しすぎて夢中で食べちゃった。」と、 わりと最近の話、以前近所に住んでおられた常連さんで、今は名古屋在住のお客様(名古屋に行っても年に数回は来てくれます)が、以前はゆっくり召し上がる人だったのに、妙に食べるのが早い。やはり、「久しぶりだから美味しすぎて夢中で食べちゃいました。」 それから、秋のコース。みなさん召し上がるのが早い。ほとんどの方が、最初のテリーヌを出して、4~5分後にパンを持っていくと、もうほとんど食べ終わっているという方が多いです。 2皿目のフォアグラとポルチーニもあっという間に終わり。次のスープは松茸入りのコンソメですから、日本人ならもう舞い上がること間違いなし!メインのウズラとリゾットはボリュームありますから、数分で完食というわけにはいきませんが、、、デザートももちろん評判良いですが、さかもとこーひーとのマリアージュも大好評です。特に栗のアイスクリームとカフェ・エクルのアフォガートもとても美味しいと好評です。 先週末のお昼も、まあだいたい満席だったんですが、12時から12時半にこられたお客様のほとんどが、14時ころ帰ってしまいました。食べるのが早いんです。作るのも必死で頑張るんですが、、私は料理作るのに集中してますから、詳しく見ているわけではないので後でマダムにきくと、「みなさん美味しい美味しいって言いながらあっという間に食べちゃうんだよね。」と、、ありがたいのですが、もう少しゆっくり食べていただけるとねぇ、、、。まあ、贅沢な話ですかね。 この雑誌では、美味しいだけのレストランはもういらないそうですが(記事はまだ読んでませんが)、うちは美味しいだけのお店です。 明治時代に鹿鳴館ってあったでしょ?私は日本のコスプレの歴史の発祥は鹿鳴館だと思っています。日本人の貴族貴婦人が西洋風にドレスアップして、ワルツを踊るという、、、もう完全にコスプレですよね。それで、慣れないナイフフォーク使ってフランス料理風の洋食を食べる。という、、、日本のフランス料理は昭和の時代の前半中盤辺りまではこのノリだったと思います。重厚なインテリア、豪華な什器備品類、盛装したサービスマン、お客様にもドレスコードを強いて、、と、高級フランス料理はコスプレ大会みたいな世界でした。それはそれで、良いのでしょうが、、色々コストをかけると、その分お客様にも負担がかかるわけですね。つまり、例えばうちで¥5000ですむ料理に¥10000とか¥15000とか払う事になるわけです。 つまり、都内の家賃の高い一等地で、豪華な内装の店舗で、高い食器や高いワイングラスを使い、ソムリエを雇い、ベテランのサービスマンと一流のシェフを雇って素晴らしいお料理を出すと、これはもうお高いに決まっているわけです。 それを千葉市の幕張本郷で、どうという事ない内装で、どうという事ない什器備品類、調理とサービスは夫婦二人で、もちろんドレスコードなんて無し!でも食材は、自家菜園の有機野菜やフランス産やイタリア、スペイン産の高級食材を惜しみなく使い、、、たしかに千葉の片隅のちっぽけな店にしては安くはないですが、同じような料理を都内やパリの一流店で食べたら何倍取られるのか?という内容。そういうお店です、サンク・オ・ピエは、、、料理はもうちゃんとした素材を熟練の技術でお出ししています。ワインはシェフが吟味して高級ワインではなくとも、お料理に合わせて美味しいワインを用意してあります。ワイングラスだって高級品ではありませんが、ワインに合わせて15種類もの大きさや形の違うワイングラスを用意してあります。 要するに必要なところには、きっちりコストも手もかけますが、無駄なところにはコストはかけない。 それが、サンク・オ・ピエのコンセプトです。気楽で美味しいのが、いちばんだと思っています。
Oct 28, 2014

南部鉄器のグリルパン買っちゃいました。25cmX30cmくらいで鉄板の厚さは5~6ミリ温めるだけでも5分くらいかかりますが、遠赤効果で肉が良い感じに焼けます。 グリル(フランス語ではグリエ)は網という意味。本来は炭火やおき火の上に網を置いてそこに肉や魚や野菜など置いて焼くわけですね。まあ、バーベキューですよ。で、こういうグリルパンも厚い鉄板を熱してそれによって遠赤外線が出るので、炭の上で焼くのにかなり近い状態になるんですね。特に鍋の溝がこれは1cmくらいありますから、直に鍋肌には触れることはないのでフライパンで焼くのとはかなりニュアンスが違います。脂が落ちるし、落ちた脂が燻って燻煙効果もあるわけで、ほとんど炭焼きに近いです。むしろ火力がコントロールし辛く、脂が燃えて肉が黒焦げになりやすい炭焼きよりよほど楽なくらい。 炭焼きの場合、本当に身のこなしの良い職人が付き切りでやらないと美味く焼けません。素早い身のこなしと団扇は必須ですね。でもこういうグリルパンなら付き切りにならなくても上手く焼けます。 それに炭は純粋に炭素だから乾熱で、ガス火は炭素に水素も含まれるから燃焼した後に水ができるから湿熱と言う人がいますが、あれは嘘。たしかに水はできますが、ガス火の温度は1800℃くらいです水は1気圧で100℃以上なら純粋に気体です。つまりガスです。気体に触れても濡れることはないし、むしろ通常の空気より比熱が高いので、同じ温度の空気より熱いわけです。スチームオーブンとかスチームグリルとかあるじゃないですか。あれは、文字通り熱い水蒸気で焼くわけなんですね。 焦げ目もクッキリで美味そうでしょ!
Oct 26, 2014

熟成塩漬け豚バラ肉のグリエ(網焼き)です。豚バラはまあ半分くらいは脂ですから、グリエにして脂を少し落とすと食べやすいですね。 フランスでは、Petit saleプティサレといって、塩漬けにした豚肉が売っています。フランス人はあまり生の豚の精肉は料理しません。シャルキュトリーといって、豚肉加工食品つまりソーセージやハムやサラミやベーコンなどにしたものを食べるのがほとんどです。プティサレもその仲間の一つで、いろんな部位があります。皮つき骨付きのすね肉(ドイツ料理でアイスバインにしますね)肩肉や肩ロース豚足や耳や鼻面なども、、、。バラ肉の場合は燻製してないベーコンですね。イタリアではパンチェッタといいます。 本格的な作り方はソミュールといってハーブやスパイスを加えた濃いめの塩水で漬けるんですが、この肉は直接塩だけを振ってラップでくるんで作りました。もともとは保存食ですからすごく塩っぱくして塩抜きをして食べるものですが、この場合は焼いてちょうどよく食べられるくらいの塩加減です。塩をまぶして5日から1週間ほど置くと肉が赤く発色して水分が抜けて味が凝縮し熟成で旨味が増しそのうえ柔らかくなります。このバラ肉は厚さが2cmはありますから、塩漬け熟成せずに焼いたらっちょっと硬いです。熟成しているのでサクッと噛み切れるようになっています。焼いた塩豚バラ肉に、、、、 椎茸シメジ舞茸を軽くソテーしたものをのせて、自家製の燻製醤油を少したらし、サルディニア島産の極上オリーヴオイルをかけて仕上げます。美味いですよ!今スペシャルメインディッシュでやってます。 ジャガイモのポタージュです。先日ブログに里芋のポタージュをのせました。あれがすごく美味しいのですが、致命的な欠点が、、、異常に焦げやすいんです。ちょっと火が強いと付き切りでかき回していても鍋底に焦げ付いてしまう。作業性が最悪なんです。私一人で料理を作っているので、忙しい時にスープに付き切りは困ります。しかも付き切りでも焦げる。というわけで、美味しかったんですけど、封印します。幻のメニューになりました。 初夏に採った自家菜園のジャガイモが最近だいぶ芽が出てきてしまい、早く使わないとだめになってしまいますから、ジャガイモのポタージュを作りました。ジャガイモの芽にはソラニンという毒素があるので、芽を取ったあと皮も少し厚めに剥きます。ジャガイモは芽が出てくるころに実は旨味がピークになります。もともと美味しいうちの畑のジャガイモが「何か出しが入っているんじゃないか?」と思うほど旨味があります。生クリームは使わずに牛乳とほんの少しのバターで仕上げます。軽いけど旨味があります。美味しいポタージュになりました。
Oct 24, 2014

ラベルルージュのスコットランド産サーモンのブログのアクセス数がいつもより随分と多いので、ご期待にこたえて土曜日からオンメニューにします! 先週末は土日とも予約でいっぱいで、せっかくご連絡いただいたのに結構な数のお客様をお断りしてしまいましたが、今週は土曜日のお昼と夜日曜日の夜はまだ空いております。美味極まるこの自家製スモークサーモンを食べに来ませんか?本当に美味しいですよ! また明日中に連絡いただければ、土日の秋のコースも承ります。ご予約お待ちしてます!
Oct 23, 2014

出来ました。食べてみました。味の感想の前に、、、 サーモンをこのようにきれいに掃除するときに首根っこのカマを切り離し、腹骨をすき取ってから、骨抜き用のピンセットで小骨を抜くんです。その小骨を抜くときに魚の種類ごとに、、あるいは魚の鮮度に応じた抵抗感というか手応えがあるんです。ノルウェーサーモンやタスマニアサーモンの場合、小骨を軽くつかんだらすっと抜ける感じ。三陸産や北海道産の鮮度抜群の鮭でも、ちょっとグッとくる程度。ところが、このスコットランド産サーモンの小骨の抵抗力は、釣り物の鮮度抜群の白身魚、、例えばホウボウとかスズキなどのように小骨抜く時の抵抗感がちょっと普通じゃないんですね。こんなサーモン触ったことないです。身の引き締まり具合が半端ないですね!ちょっとびっくりしました。 さて、味見しました。さすがのラベルルージュ!美味いです!養殖臭や魚臭さが皆無!私は自分で養殖臭探知機と言っても良いくらいだと思っていますが、探知できませんでした。 日本でふつうに出回っているスモークサーモンは実はスモーク(燻製)していないものがほとんどです。えっ?と思うかもしれませんが、燻液という煙フレーバーのマリネ液に漬け込んだだけのものなんです。そのマリネ液には保存料や化学調味料などがたっぷり!私はとても口にできません。 サンク・オ・ピエのスモークサーモンは、シシリア島産の塩田の自然塩と三温糖が少しとドライハーブを数種類に黒胡椒を少しで30時間程度漬けこみます。塩を落として、水洗いしてから冷蔵庫で一晩置きます。翌日冷燻にかけます。燻製というのは熱燻 温燻 冷燻 と温度帯がありまして、熱燻はローストしながら燻すやり方で温度は180度から250度くらい、北京ダックなどが代表的です。温燻はたんぱく質凝固点あたり、つまり60度から80度くらいでいぶすやり方、スモークハムやソーセージなどやアマチュアの燻製はたいていこのタイプ。ゆっくり火を通しながら燻すわけです。冷燻は30度ないしせいぜい35度以下で、火は全く通さずに燻すやり方。全く熱が入っていないのでしっとり滑らかです。 冷燻で作ったスモークサーモンは高級品で、デパートならキロ当たり少なくとも¥5000以上はします。そのクラスでも材料はノルウェーサーモンです。スコットランドサーモンは一般には出回ってませんが、もしデパートに出るならキロ当たり¥10000にはなるかもしれません。 今までサンク・オ・ピエで作っていたスモークサーモンはノルウェーやタスマニアのサーモンでした。まあ、本物の冷燻サーモンですから、市販の安物に比べれば美味しいのは間違いないのですが、私のように養殖臭探知機みたいな人間には、100%納得いくものではなかったんです。特に腹身の脂ののっているところなんかは、脂にはっきり養殖臭を感じていました。 で、このラベルルージュのスコットランド産サーモンですよ。いやーーこれ実に美味いです!腹身のところなんて、美味しいマグロの中トロみたいだし、尻尾のほうも旨味たっぷり!いやな魚臭や養殖臭など全く無し!!これを食べるともうノルウェーサーモンなんか食えませんよ!無理です。 やはりラベルルージュ凄いなぁーと思いました。フランス人の美味探求の執念はたいしたもんですね、、、。 まあ、お値段がノルウェーサーモンの倍近いですからね、、、少し追加料金をいただくことになりますがサンク・オ・ピエのお客様は美味しいものにはケチケチしない方々が多いので、むしろよく売れるかもしれませんね!来週からオンメニューします。
Oct 23, 2014

自家菜園の里芋で作ったポタージュです。里芋は色々品種がありますが、これは土垂れ(ドタレ)という最も普通に出回る品種です。里芋だけだとちょっと粘りが強すぎたりするので、隠し味的にあと2種類野菜が入ってますが、まあ主成分は土垂れです。 うちの畑の里芋はとても旨味が強いので結構美味しいスープになりました。今里芋の収穫期なので少し続けてやってみようと思います。 今日は火曜日、定休日明けなので仕込みが多くて、スコットランド産サーモンの味見できませんでした。明日報告します。
Oct 21, 2014

フランスでは、Saumon d'Ecosseソーモン・デコスと言いますが、昔からスコットランド産のサーモンが美味しいということになっています。生食するサーモンは養殖物が原則。天然物はアニサキスなどの寄生虫のリスクがあるので、生食はやめた方が良いです。スモークサーモンも冷燻の場合は30℃前後までしか温度を上げないので、やはり養殖サーモンが無難ですね。 養殖サーモンと言うと、一番に思い浮かぶのがノルウェーサーモンですね。日本にもたくさん輸入されています。それから安い回転寿司などではチリ産のサーモンが良く使われます。それから、タスマニア産のサーモンは結構高品質でノルウェーよりは少しお値段も高いです。フランスでは私の知る限り養殖サーモンは作って無いようです。サンク・オ・ピエでは、だいたいノルウェーサーモンたまにタスマニアサーモンを使って自家製スモークサーモンを作っていました。 それで、スコットランド産サーモンなんですが、これはもう最高級品です。一昔前のクラシックな時代の高級レストランでは、キャビアと並んでスコットランド産のスモークサーモンは前菜の王道でした。トゥール・ダルジャンみたいなグランメゾンではワゴンで持ってきて、黒服のメートル・ドテルが目の前で切り分けて、黒パンとバターを添えて出してくれるんです。キャビアもそうですけど、本当に上質なサーモンにはレモンは使いません。もちろん玉ねぎやケーパーも要りません。そういった臭みけしは臭くないのだから要らないわけです。それを昔はパリのレストランに多かったアメリカ人観光客がレモンを出せだの、オニオンスライスもってこいだの言うのをフランス人スタッフは陰で笑っていたという話を聞いたことがあります。 養殖魚というのは本当にピンキリで、餌の質や薬品の使用やスペースと運動量などの関係でかなり品質が左右されます。特に魚は食べたものの影響が魚体の味わいに大きく反映されるので、餌の質は重要だと思います。変なものを食わせているといわゆる養殖臭が強くなります。詳しくは、こちらを見てください。 色が綺麗ですね! えらぶたについているラベルルージュのタグです。ラベルルージュはフランスの規格ですが、このスコットランドサーモンは初めて国外のしかも初めての魚介類の指定となりました。今までは家畜と野菜だけだったんです。 これをスモークサーモンにしました。明日試食してみますので、また詳しくレポートします。なにしろ値段がノルウェーサーモンの倍近いので、美味しくなかったら二度と使いませんけどね!ただしいまだかつてラベルルージュに裏切られたことはないので、きっと凄く美味いんだと思います。楽しみです。
Oct 20, 2014

Consomme de Volaoille TOKIMEKI au SHIITAKE sec avec MATSUTAKEときめき鶏のコンソメ干し椎茸風味、松茸入りです。 ときめき鶏4キロを使って3リットルのコンソメを作りました。干しシイタケで風味をつけてあります。とどめに松茸ですね!コンソメに干しシイタケなんてあまり聞いたことないですが、やってみると結構良いもんです。松茸の土瓶蒸しに松茸エッセンス入れちゃうよりよほど気が利いてますって! Caille Royal de Dombe etouffee poelee avec Risotte aux chateigne et aux duxcelles dechampignonsドンブ産窒息ウズラ・ロワイヤルのポワレ、山栗ときのこのデュクセル風味のリゾット添えです。 ウズラのロワイヤルというのは、サイズのことで王様サイズです。普通のウズラの倍近い大きさ。窒息ウズラなので血の気があり、そのぶんジューシーですね。ワインに負けない旨味があります。まあ、むしろ主役はリゾット!このリゾットにもキノコのデュクセルがたっぷりとドライポルチーニの粉が入っています。一口食べるとまさにキノコの香り爆弾!このリゾットはここ数年やっていますが、評判が良すぎてやめることが出来そうにありません。それから栗も!スープで茹でてからオーブンでローストしてあります。口無しで黄色に染めたり変に甘くしたりしていません。栗本来のシンプルな味わいです。スペイン産やイタリア産の山栗を使っています。 栗のガレットは、ローマ法王に献上もされているというイタリアのマレルバというメーカーの山栗の粉とフランス産のアーモンド粉で作った生地にラム酒風味のマロンペーストをサンドしてあります。このケーキも毎年評判が良く、ここ数年同じものを作っています。生チョコはフランスの高級ショコラメーカーのヴァローナ社のカラメリアというカラメル風味のチョコをベースにしっかり焦がしたカラメルをさらに強化して作ってあります。塩も少し入っています。これ、ものすごく美味しいと思います。栗のアイスクリームはフランス産のマロンペーストをベースに作りました。柔らかい味わいです。それにさかもとこーひーのカフェ・エクル(濃縮リキッドこーひー)をかけてアフォガート仕立てにしました。これもまた美味いです!そして合わせるこーひーもさかもとこーひーサンク・オ・ピエ秋のコース2014専用ブレンド!素晴らしいマリアージュですよ! サンク・オ・ピエ秋のコース2014、もう30名近い方に召し上がっていただきましたが、本当に評判が良くてうれしいです。先週末に3人で見えたご家族連れのお客様はもう50回くらい美味しい美味しいと言って召し上がってくれました。テーブルのHappyがこちらにも伝わってきて、、、こういうときにこの仕事していて良かったなぁと、つくづく思います。ありがとうございます。 サンク・オ・ピエ秋の2014のページはこちらです。
Oct 15, 2014

前菜のTerrine de saumon d'automne aux champignons , sauce creme aux champignons froid 秋鮭のクリーミーなテリーヌきのこ風味、きのこの冷製クリームソース添えです。 三陸産のオス鮭をムースにして。半分にはキノコのデュクセルを混ぜ込んであります。デュクセルDuxsellesとは、キノコを微塵切りにして良く炒めたもの。エシャロットや玉ねぎを入れる場合もありますが、私の場合はキノコのみで作ります。通常のフランス料理ではデュクセルと言うとマッシュルームだけで作るんですが、私の場合はシイタケやシメジ舞茸やヒラタケやエリンギなども使います。その方が香りや風味が複雑になって面白い。テリーヌのソースには干しシイタケと干しモリーユ茸を使いました。モリーユ茸というのは網笠茸ともいいますが、、、 こういう干しキノコです。水につけてもどすと干しシイタケなど問題にならないくらいのすごいうまみが出ます。大変高価なキノコで、干して軽くなっているのもありますが、100gで一万円近くします。このモリーユと干しシイタケを戻し汁ごと煮詰めて生クリームを入れてさらに煮詰めて冷やしたものがこのソース。とても美味しいキノコの味がします。 Foie gras chaud et Cepesフォアグラのソテー、ポルチーニ茸添えです。「フォアグラとセープ(ポルチーニ)の組み合わせは真実の味わいがある。」と言ったのは天才シェフ故アラン・シャペル氏でした。ジョエル・ロブションの師匠筋にあたる人です。魂をぐっと引きつけられるようなすごい美味しさの料理だと思います。イタリアワインならバローロ系、ボルドーなら右岸系のメルロー主体の熟成酒、ブルゴーニュならやはり熟成して土の香りを感じるポマールやコルトンあたりでしょうか?この皿にならとびきり良いワインを開けても惜しくはないはず。
Oct 15, 2014

先日ワインセラーを開けたら、、「あれ、冷えてない!」どうやら壊れたようでした。さっそく、各方面に問い合わせして、結局五井の相川商店経由で新しいセラーを買いました。温度表示と庫内照明が今話題の青色発光ダイオードでした。ワイン30本以上入ります。前のものより数本収納本数が多い感じです。 価格もお安くしてもらって助かりました。相川さんにはお世話になりました。 サンク・オ・ピエでは、2台のセラーと2台の冷蔵庫でワイン100本余りを常時定温管理しております。凄い高級ワインはありませんが、サンク・オ・ピエのセラーで数年以上熟成させた秘蔵の品もありますよ。
Oct 14, 2014

家禽、つまり飼っている鶏類のことですね。鶏と言えば、いわゆるニワトリ、それからウズラ、鳩、七面鳥、家鴨、合鴨、ガチョウそしてこのホロホロ鳥くらいでしょうか、、、。まあ、もっとも生産量が多く親しんでいるのはチキンつまり鶏肉ですね。特にブロイラーと呼ばれる若鶏の肉は安くて美味しいという事で、たくさん出回っていますね。それに対して、野禽つまりジビエは、野生の鳩や山鳩、雉、山ウズラ(ペルドロ)野生の鴨類(マガモ、カルガモ、キンクロハジロカモなど)、ヤマシギ(ベカス)、ライチョウなどは本来食われるために飼育されたものではないので、調理するうえで高い技術が要求されます。要するに焼き加減などがジャストでないと美味しく食べることはできません。ブロイラーなら多少焼き過ぎても柔らかいですけどね、、、。それで、家禽でも飼いならされて品種改良されたブロイラー的なものとこのホロホロ鳥のように原種的でジビエっぽいものとは大きな違いがあります。 ニワトリと鴨類は様々な品種があり品種改良や交配など多いですが、それ以外の家禽は家禽とはいえあまり品種改良など行われず、原種に近い味わいのものが多いです。つまり鳩やウズラやホロホロ鳥などですね。特にホロホロ鳥は雉に似た旨味があって、チキンよりは赤みがあります。鴨や鳩ほどではないですが、、、。原種に近い感じなので、焼き過ぎればパサパサで固くなって美味くないですが、上手に焼けば美味しいジビエといった感じに仕上がります。まあ、私の焼きは自分で言うのもなんですが名人芸なので、こういう特殊肉を焼かせたらちょっとしたもんですよ。 皮目はカリッと身はふんわりしっとりです。ソースはガラで取った出汁で作るjus de pintadeホロホロ鳥のジュです。肉を焼いた鍋肌をデグラッセdeglaceeつまり、鍋肌にこびりついた肉汁の旨味を水で溶かしてそこにホロホロ鳥のジュを合わせてソースにします。これが一番ナチュラルで美味い!そして秋なのでキノコと栗のリゾットを添えました。美味いですよ!スペシャルメインディッシュでやってますよ。 ジビエっぽいでしょ?
Oct 13, 2014

リンゴ〆サバは売り切れました。 残念、、、少しつまみで食べたかったんですが、、、。
Oct 12, 2014

秋冬は鯖に脂が乗って美味しい季節。新鮮な鯖は、塩で1時間酢で1時間〆るとこんな感じのまるで生みたいな〆鯖になります。作ってすぐの当日はこういう感じの色合い。数日たってもう少し〆った感じも美味しいですけどね、、、。 この鯖はリンゴ酢で〆ました。それで、リンゴを添えて、シードルヴィネガー(リンゴ酒を発酵させたお酢)とオリーヴオイルで作ったソースを使ってあります。 実は私、〆鯖にはうるさいんです。リンゴ酢、白ワインヴィネガー、赤ワインヴィネガー、木苺ヴィネガー、花梨ヴィネガー、柚子、カボス、スダチなどなど、、、。実にいろいろな〆鯖を作ってきました。〆鯖って、お酢やかんきつ類を変えることで、色々なお酒やワインに合わせることができます。 このリンゴ風味の場合は、辛口のシードルかロワールの辛口もしくは半辛口のヴーヴレとかコート・ドゥ・レイヨン、果実味が強いニュージーランドあたりのソーヴィニヨン・ブランとかどうでしょうか?もちろん、日本酒に合うのは間違いないですけどね!吟醸香が強すぎないほんのりリンゴ的な香りがする吟醸酒をよく冷やしたら最高でしょうね! 生ハムとメロンじゃないですけど、〆鯖にリンゴ(秋映という最近出てきた赤い皮の香りが良い品種)を合わせるとリンゴのコリっとした食感と酸味や香りが鯖のしっとりとした食感や旨味となんとも微妙なマリアージュが楽しめます。 15日までのオンメニューです。
Oct 12, 2014

サンク・オ・ピエ秋のコース2014Terrine de saumon d'automne aux champignons , sauce creme aux champignons froid秋鮭のクリーミーなテリーヌきのこ風味、きのこの冷製クリームソース添えFoie gras chaud et Cepesフォアグラのソテー、ポルチーニ茸添えConsomme de Volaoille TOKIMEKI au SHIITAKE sec avec MATSUTAKEときめき鶏のコンソメ干し椎茸風味、松茸入りCaille Royal de Dombe etouffee poelee avec Risotte aux chateigne et aux duxcelles dechampignonsドンブ産窒息ウズラ・ロワイヤルのポワレ、山栗ときのこのデュクセル風味のリゾット添えGlette aux chataignes , Pave de chocolat de Cramelia de VALRHONA , AFFOGATO de Glace aux Marronset Cafe ECRU 栗のガレット、ヴァローナ・カラメリアのパヴェ・ド・ショコラ、栗のアイスクリームとさかもとこーひーのカフェ・エクルのアフォガード仕立て2pains et Cafe de SAKAMOTO ou the2種のパン、さかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコースブレンド又は紅茶 Terrine de saumon d'automne aux champignons , sauce creme aux champignons froid 秋鮭のクリーミーなテリーヌきのこ風味、きのこの冷製クリームソース添えです。 テリーヌってフランス料理に限らず最近では和食の人もテリーヌをメニューにのせることも多くなってきましたが、、意外に正確なテリーヌの意味を知らない人が多いかもしれません。(プロも含めて)テリーヌというのは、、、 この器の名前なんです。これは、フランスのル・クルーゼ社製のもので琺瑯びきの重厚なテリーヌです。こういう角型のほかにも丸いのや楕円形などもあります。まあ、親子丼とか牛丼とか言うでしょ?でも、丼を食うわけじゃない。お椀物と言ってもお椀を食うわけじゃない。あれと一緒で、器の名前が料理名になったんですね。このテリーヌ型に何か食材を入れて焼いたり蒸したりゼラチンや寒天入れたりして固めたり、重石して固めたりすれば、それがテリーヌなんです。つまり、テリーヌというのは器の名前であり料理名であるけれどもそれ自体が食いものではないというわけ。もともとは、肉で作るのが主流でした。余った切れ端の肉やフォアグラやレバーの切れ端などを上手に利用して、パイ包み焼きにして冷やすと肉が縮んでパイとの隙間に少し空間ができるので、そこにコンソメゼリーを流しいれて固めると、これがPate en crouteパテ・アン・クルートというクラシックな料理になります。それをパイ包みは手間がかかるから器に入れて焼いちゃえとなったのが、テリーヌの始まりではないかと思います。 魚のテリーヌが流行りだしたのは70年代後半くらいからかと思います。所謂、ヌーベル・キュイジーヌ(新フランス料理)のころからですね。ヘルシー志向で魚のテリーヌが良い!ということで流行ったんですが、魚のテリーヌは魚と生クリームがほぼ同量なので、決して低カロリーではありません。まあ、肉のテリーヌは脂肪分が50~70%くらいですから、それに比べれば半分くらいですけどね、、、。いかにヌーベル・キイュジーヌ以前のフランス料理が高カロリーだったか!ということですね。一人前にバターを200グラム以上使うレシピがざらにありましたからね! かなり話が横道に、、、それでこの秋のコースのテリーヌですが、サンク・オ・ピエでは普段は魚のテリーヌを作るのに38%の生クリームを使っています。基本的レシピは魚500gに生クリーム500ccに卵白2個分塩8gと白コショウとナツメグ各少々。ですから、仕上がりは脂肪分20%弱くらいでしょうか、、。今回のテリーヌは生クリームを47%にしました。そのぶんクリーミーです。キノコを微塵切りにして3時間くらい弱火で炒めたデュクセルというものを混ぜ込んで、キノコの風味をたっぷりつけています。添えたソースは干しモリーユ茸と干しシイタケを使ったクリームソース。干しモリーユ茸は、キロ10万近い超高級食材ですが、そのうまみは干しシイタケの比ではないくらいで、ものすごくキノコの旨味を感じます。このテリーヌを一口食べると一気に秋の気分になりますよ! Foie gras chaud et Cepesフォアグラのソテー、ポルチーニ茸添えです。 かつて三ツ星の中の三ツ星と言われた夭折の天才シェフアラン・シャペル氏が「フォアグラとポルチーニは真実の味わい」と称えたと言われるくらい、ご馳走の中の御馳走料理です。フォアグラにはあまり赤ワインは合わせませんが、この料理には美味しい赤ワインを合わせたいですね。特にイタリア風に!イタリア赤ワインの王様と言われるバローロとポルチーニの組み合わせは最高です。サンク・オ・ピエでは、バローロの聖地ラ・モッラで作られているバローロのセカンドワイン的なものを用意してあります。中身はほとんどバローロ言ってよいのですが、格付けをあえてしないでそのぶんだいぶお安く提供できます。 そういえば、この秋のコースは赤ワインをボトルで1本あけて二人で楽しむのにちょうどよいメニューです。最初のテリーヌも魚ですが、温度が低めの赤ワインなら違和感ありません。フォアグラやもちろんメインもリゾット仕立てなので、イタリア系の赤ワインが合うと思います。 Consomme de Volaoille TOKIMEKI au SHIITAKE sec avec MATSUTAKEときめき鶏のコンソメ干し椎茸風味、松茸入りです。 ときめき鶏のコンソメに干しシイタケの香りと旨味を加えまして、松茸も入れちゃいました。美味いです!美味いですよ!! Caille Royal de Dombe etouffee poelee avec Risotte aux chateigne et aux duxcelles dechampignonsドンブ産窒息ウズラ・ロワイヤルのポワレ、山栗ときのこのデュクセル風味のリゾット添えです。 ウズラというのは、サイズが大きいほど高くなります。このウズラはロワイヤルサイズで王様サイズです。これは普通のウズラの倍近い値段。まあ、ちょうど重さも倍近いです。この上にインペリアルサイズというのがあって、ウズラの皇帝か天皇陛下か?というサイズになると大きさは普通のウズラの3倍くらいなのですが、値段は8倍以上というわけのわからない世界になります。さすがにインペリアルは高いので今回はロワイヤルにしました。リゾットにはデュクセルを入れてキノコ風味が濃厚。スペイン産の山栗も入っています。ウズラがやはり美味い!こんなうまいウズラがあるんだなと思いました。そのうちインペリアルも試してみなければと思いました。 Glette aux chataignes , Pave de chocolat de Cramelia de VALRHONA , AFFOGATO de Glace aux Marrons et Cafe ECRU 栗のガレット、ヴァローナ・カラメリアのパヴェ・ド・ショコラ、栗のアイスクリームとさかもとこーひーのカフェ・エクルのアフォガード仕立て2pains et Cafe de SAKAMOTO ou the2種のパン、さかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコースブレンド又は紅茶 デザートの栗のガレットはアーモンド粉とイタリア産のローマ法王庁に献上しているという栗粉を半々に合わせてバター砂糖卵で生地を作り、中にラム酒風味のマロンペーストを挟んで焼いてあります。ちょっと和菓子の栗餡みたいな感じです。生チョコは、フランスヴァローナ社のカラメリアというカラメル風味のショコラに更にビターなカラメルをたっぷり補強して少し塩も入っています。これはちょっと“やばい”というくらい美味いですよ!栗のアイスクリームはさかもとこーひーの濃縮リキッドコーヒーカフェエクルをかけてアフォガート仕立てになっています。アフォガートとは、イタリア語で溺れるという意味で、アイスクリーム(ジェラート)にエスプレッソコーヒーやリキュールをかけるのが普通です。カフェエクルはもともとカフェラテの素ですから、乳製品と相性が良いです。文字通り美味に溺れてください。このデザートに合わせるのはもちろんさかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコース専用ブレンドです!デザートとこーひーがお互いを高めあい最高のマリアージュですよ! 日曜日にこのコースを召し上がったお客様は、「今までのサンク・オ・ピエの季節コースの中でも最高に美味しかった。」と言ってくださいました。 サンク・オ・ピエ秋のコース2014
Oct 6, 2014

今回のテーマは、「秋刀魚、栗、キノコ、、、秋の味覚」ということで、、、秋刀魚のスモークに燻製醤油とオリーヴオイルと秋刀魚のなめろう。付け合わせはうちの畑で今が盛りのインゲンの胡麻和えとシイタケの佃煮みょうがの梅酢漬け。椎茸はサンク・オ・ピエ秋のコースで出汁を取るために使ったので、それを佃煮にしました。みょうがは家でつけた梅干しの梅酢に少し蜂蜜を加えて漬けました。秋刀魚のスモークは、秋刀魚を卸して塩をあてて3時間ほど冷燻にかけました。これにやはり冷燻にかけた醤油をたらしてサルディニア島産の極上オリーヴオイルをかけてあります。醤油や塩などの調味料を燻製にかけるのが静かなブームです。市販もされていますが、たいてい1リットル当たり一万円もすることが多いので自作しました。サンク・オ・ピエでは、ハムやベーコンやサーモンなどしょっちょうスモークをかけているのでそういう時に醤油をバットなどに入れてスモーカーに入れておくだけでできますから簡単です。なめろうは、秋刀魚を卸して細かく刻み軽く叩いてから、大葉みょうが長ネギ生姜などを微塵切りにして味噌で味を決めてよく混ぜます。合わせたのは、丹波ワインのマスカットベリーA。ごく軽い赤ワインですが、秋刀魚のような青魚で脂が乗っているものにはとてもよく合います。 2品目はサンク・オ・ピエ名物もち豚もつの白ワイン煮込みに栗と里芋入り。合わせたワインはスペインのカヴァ。スパークリングワインです。こういうもつ料理にはシャンパーニュが良く合うのですがカヴァ・フェレ・ブリュットは味わいがかなりシャンパーニュ的なので、うまく調和したと思います。 3皿目は、秋刀魚のベーコン巻ローストに霜降りヒラタケのフリカッセそえ。ソースは赤ワインと赤ワインヴィネガーを煮詰め、ポン酢しょうゆと塩で味を整え、オリーヴオイルを合わせたもの。ワインはタケダワイナリー(山梨)のヴァン・ルージュ。マスカットベリーAとカベルネソーヴィニヨンをブレンドして樽をかけたもので、タンニンも程よく脂の乗った秋刀魚にベーコンを合わせた焼き物にはちょうど良いワインでした。ソースにも赤ワインを使っているので、より調和しますね。 キノコと栗のリゾットにバルバリー鴨の若い雌のフィレ肉を合わせました。キノコはシイタケと干しシイタケ舞茸とシメジにエリンギとマッシュルームなどを微塵切りにして3時間ほど弱火で炒めて水分を飛ばした物を使っています。これをデュクセルというのですが、ただ単にキノコを炊きこむより数段旨味と香りが違います。栗はスペイン産の山栗で小粒ですが味は濃いです。雌の若いバルバリー鴨の胸肉は色々ある鴨肉では最も柔らかい肉です。しっとりローストして切り分け、ゲランドのフルール・ド・セルとサルディニア島産の極上オリーヴオイルで仕上げました。一緒に食べるリゾットがキノコソース的マッチします。合わせたワインは、西南フランスのカベルネ。カベルネとはいえ、軽やかでスムーズな飲み口なので、キノコの旨味と鴨の滑らかな舌触りにはぴったりです。 メインディッシュの後には、懐石料理でいうところの強肴的に、、フォアグラとポルチーニ!ヨーロッパではキノコの王様と言われるポルチーニ、フランスではセープと言いますが、フォアグラとの相性は抜群です!かつて三ツ星の中の三ツ星と称えられた夭折の天才シェフアラン・シャペル氏が「フォアグラとセープの組み合わせは真実の味わいだ。」と称えたという事。これに合わせたのは、イタリアの赤ワインの王様と言われるバローロの聖地と言われる、ラ・モッラ地区で作られているランゲ・ネッビオーロというワイン。バローロと同地区同一品種で作られているものの、あえて格付けせずに出荷されていて事実上中身はバローロそのものなんです。まあ、ボルドーでいうセカンドワイン的な感じですね。イタリアではキノコの王様には赤ワインの王様バローロを合わせるというのが定番。まあ、食って飲んでみれば誰もが納得するはず。これぞマリアージュです。魂にグッとくるような美味ですよ。 デザートも栗尽くし。栗のガレットと栗のアイスクリームとさかもとこーひーカフェエクルノアフォガート仕立てです。これは、サンク・オ・ピエ秋のコース2014のデザート3点盛りの中の2種なので、こーひーはさかもとこーひーのサンク・オ・ピエ秋のコース2014専用ブレンドを合わせました。こーひーとデザートがお互いに味わいを高めてみなさん納得。もう20年以上も続くこのワイン会、今回も和やかに終始しました。
Oct 6, 2014

先日の秋鮭です。秋のコースのテリーヌを作った残りがたくさんあったので、スペシャルメインディッシュにしました。皮をパリパリに身を半生に焼いた鮭のポワレです。鮭はおろして小骨を除き、皮と身に塩を振ります。塩加減は、塩鮭に例えるなら甘塩から中口程度。鮭も水分が多い魚なので、塩をあてると余分な水分が抜けて旨味が増します。料理というのは、塩と火と香りだと思っています。この三つの要素を自在にコントロール出来れば、美味しい料理が作れるのではないでしょうか?特に塩は大事です。一番大事! だから私が素材に塩を振る時は、“命がけ”と言っても良いくらい集中します。うまく塩が振れたらほぼ味が決まります。よくフランス料理はソースが命なんて言いますが、素材に塩が決まった場合私にとってはソースなんてどうでも良いくらいなんです。最高に美味しい焼き鳥屋さんの塩焼き!味は決まっています。そのままでもちろん美味しいですね。でも、そこにスダチやカボスなんか垂らしても良いですよね!これは香りであり酸味がソースの要素なんですね。七味唐辛子や柚子胡椒なんかも良いですね!辛味であり香りです。これもソース的要素。その他にソースにはバターや生クリームや卵やオリーヴオイルなど、脂肪分の要素がありますが、これははっきり言って日本人には必須なものではない気がします。 もともとクラシックな料理は、しっかり火を通すものが多いです。特に魚料理の場合、昔は冷蔵庫もなかったですから、鮮度も今と違いますから、、がっちり火を通さないと危ない面もあったわけです。そうするとやはり身がパサパサしますから、バターや生クリームをたっぷり使ったコクのある重厚なソースが活きてくるわけなんですね。ところが、今の時代こういう鮮度の良い素材が使えるわけですから、御覧のようにしっとりとした火入れをすれば、むしろ重厚なソースは邪魔になるくらいです。 ただし、ワインとの相性を考えると軽いソースとはいえソースは無視できません。近頃の最先端の料理人たちはクラシック系のソースを排除する傾向にありましたが、ここにきてまたソースの重要性が見直されつつあるようです。 ソースは、煮詰めた赤ワインに赤ワインヴィネガーを少し加えてバターを少し落としました。特にバターでつなぐ感じではなく、最後に少しバターを加えただけです。 鮭、サーモンは魚とはいえ、こういう半生な火の通し方をするとかなり肉肉しい感じになります。魚料理で赤ワインを飲みたい時に、こういう火の通しの鮭やサーモンは最適です。ブルゴーニュのヴォルネィの果実味がある若目のワインを少し低めの温度で合わせるとか、サンセールの若い赤を冷やし目で合わせるとか、、、もちろん、白ワインを合わせるなら白ワインを使ったソースや、ただの溶かしバターとかでも良いし、焦がしバターなんかでも良いですけどね。 まあ、火の通し加減と塩加減が最高に難しい料理です。鉄人石鍋シェフがたしかこういうタイプの料理をやっていました。ソースにはサーモンのジュネーブ風Saumon a la genevoiseというクラシックな料理で使うやり方で作っていました。つまり、、、鮭の頭や中骨などのアラをオーブンで焼いて赤ワインをたっぷり使って出汁を取ります。それを漉してアクや脂を取り除き、よく煮詰めてバターでモンテして仕上げるというソースです。エスコフィエ風のクラシックソースですね。凄く美味しいと思いますが、手間や原価を考えるとちょっとやりすぎかなという気がします。石鍋シェフのやり方だとソースのためだけにこの料理の売値が¥1500か¥2000くらい高く設定しないと採算が取れませんからね、、、。フランス料理のクラシックソースは手間とお金がかかるんです。 Saumon d’automne cuit en peau crousitillant au vinaigre de vin rouge皮をパリッと身は半生に焼いた三陸産秋鮭の赤ワインヴィネガー風味という料理で、いまスペシャルメインディッシュで出しています。
Oct 3, 2014

この週末、土曜日のお昼と日曜日の昼夜は予約で満席です。明日土曜日の夜は19時以降であと4名分空席あります。 本日金曜日も空席あります。当日予約も承ります。 043 274 5532 cinq-au-pied@kph.biglobe.ne.jp
Oct 3, 2014
全17件 (17件中 1-17件目)
1


