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自家製のセミドライトマトです。 自慢話じゃないですよ。 20年近く前、私がみつわ台のシマヤのレストランにいたころの話。シマヤに居たWというソムリエがある日私にラベルの付いてないワインを1本持ってきて、「これを持って帰って明日どんなワインだったか聴かせてください。」と言う。まあ、明らかに試されるんだなと思いましたが、、、うちへ帰ってじっくりテイスティングしました。翌日Wのところへ行って「昨日のワイン、西南フランスでピレネーに近いあたり、南東または南向きの標高が高い畑で作ったピノノワールもちろんAOCではなくヴァン・ド・ペイかその下のクラスだと思う。」と言ったら、Wは唖然として「それは完璧!よくそこまでわかりましたね!」と驚かれました。かなり難しいテイスティングでしたけどね、、。 それから、この店を始めてすぐのころ12~13年前の話。改装前の千葉そごうのワイン売り場には熊崎さんという看板ソムリエがいて私も親しくさせてもらってました。12月の押し迫ったころ所用があってワイン売り場に行くと熊崎さんが「中村さん、1杯飲んでいく?」と言うので、「じゃあ1杯だけ。」ということで、彼はクロスでボトルを包んで見えないようにして赤ワインをついでくれました。まず、香りをかいで「これすごく良いカベルネですね。」口に含んでじっくり味わい飲み込んで、「ものすごく上品でバランスが良いし、樽の焦がし具合が絶妙、、。まだ若いけど熟成したら素晴らしいでしょうねぇ、、。うーーん。まるでシャトー・マルゴーみたいな、、。」というと、熊崎さんが「そう、正解!」と言ってボトルを出すと本当にマルゴーでした。このときは当たってかえってびっくりしたくらいでしたが、、。 やはり同じころ、サンク・オ・ピエには高山というソムリエがおりました。店の奥の洗い場のカウンターを挟んで彼が、「シェフ、お疲れ様の一杯いきますか?」と言ってワインを開けました。キッチンでは換気扇で吸っているのであけたワインの香りがボトルからスーと漂ってきて、「なんだ、86年のリオハみたいな香りがしたなぁ。」と言ったら、「さすがシェフ」と彼がボトルを見せると本当に86年のリオハのグランリゼルヴァでした。この時も瞬間的な直感にびっくりしました。 こういうのはわかるときはすぐにわかるもんです。考え込むような時はたいていはずします。もちろんこの世の全てのワインを知ることは絶対にできませんから、何もかもわかるはずはないですが、、、。 ワインの試飲会に行っても、香りをかぐだけで口には入れないことが結構あります。香りが悪いのに飲んだら良いワインというのはまず無いからです。香りが良いのに飲んでみると意外にいけてないワインはたまにありますが、、。大きな試飲会になると100銘柄200銘柄とか出品されますから、すべて口に入れるとたとえ吐き出すにしても、結構酔っぱらいますから、できるだけだめそうなワインは口に入れないようにします。安いワインだとたまに機械収穫つまり掃除機式に葡萄を吸いこんでしまうやり方なので葉っぱや枝が混じった香りがはっきりわかるときもあります。 ケーキやアイスなどを食べても植物性脂肪などが入っているとすぐに嫌になるし、化学調味料系が苦手なのでたいていの中華料理屋やラーメン屋や焼き肉屋もいけません。ランチなどのスープが湯煎にかけて保温したやつだと臭いが気になって食べられません。保温ジャーにに入っているご飯も苦手です。自宅のある習志野市は比較的水が美味しい地域ですが、お店がある千葉市は水道直ではまずくて飲めませんし、料理にも使えません。アルカリイオン浄水器を使っています。 それから、コーヒーも、、、。さかもとこーひーを飲むようになってからほぼ他のコーヒーは生理的に受け付けません。コンビニやファストフードのコーヒーの香りはもはや良いにおいとは思えなくなりました。 だから、外食率低いですね。私は昔から家で料理するのは苦じゃありませんから、酒のつまみでも食事でも毎日のように作っています。料理人は家では一切料理しない人が多いようですが、私は違いますね。自分で作った中華料理やラーメンは食べます。化学調味料使わないので食べられます。 先日、稲毛のピケピケバーに行きましたが、マスターの堤氏のつまみとバーテンダーの藤田氏のカクテルは安心して味わえました。実に美味しかった!堤氏は昔一緒に仕事をしていた仲間です。それから、しばらく伺っていませんがさつきが丘団地のうぶすなさんのお蕎麦と天ぷらも実に美味しいです。本当のプロの仕事ですよ。ただ、うぶすなさんの蕎麦を知ると他のは食えなくなります。困ったもんです。(笑) 人間30年も毎日ワインや料理に真剣に立ち向かい、またその組み合わせやマリアージュのことばかり考えて暮らしてきて、毎日ほぼ自分の食事を自分で作る生活をしているとこうなります。世の中に美味いものが少なくなり、違和感を感じずに飲み食いできる場所が少なくなります。 おそらく、脳の問題なんでしょうね、、、。 よく、鼻が良いとか舌が良いなんて言いますが、鼻や舌の機能自体にはそんなに大きな個人差はないと思います。味覚や嗅覚を集中して使う仕事をしているとそれをつかさどる脳の部分が鍛えられ感度が良くなるのだと思います。それから、味や香りを表現して言語化する訓練も大事です。味や香りは言語化しないと要するに左脳的表現にしないととても記憶しづらいものです。ソムリエなどは味わいと香りの言語化と記憶が仕事そのものと言っていいでしょうね。田崎真也さんもそんなことを言ってました。 そういうわけで、わかりすぎるのもちょっと辛いものがあるんです。できるならぼんやりと何も考えずにファストフードとか食えたらいいんですけど、、。まあ、無理でしょうね、、、。 さかもとこーひーの坂本さんも同じようなことを仰っていたような、、、。坂本さんも相当な味覚嗅覚の持ち主ですからね、坂本さんならわかってくれるんじゃないかと思いますこの気持、、、。 それでまあ、何を食っても飽き足らないので常に美味い物を探しているんですね。6月7月と大好評だったシャロレー牛やアルゴア豚やブレス産バターまた、最近入れたサンダニエーレの生ハムなどもそういう経緯があって探し出してメニューにのるんです。 それで思うのは、安くて美味しいというのはないですね!ブランド力で意味もなく高いのはだめですが、コストをかけたゆえの高級食材の美味しさには安物では絶対にかないません。べつに高級志向というわけではないのですが、さんざん色々やってみて結局そういうことなんだなと実感しています。
Jul 31, 2014

画像はサンダニエーレの生ハムです。美味いです! さて、夏季休業のお知らせです。8月13,14,15日とお休みをいただきます。16日はディナーより営業いたします。お休み中でもメールによるご予約は承ります。 cinq-au-pied@kph.biglobe.ne.jp まで、よろしくお願いします。
Jul 30, 2014

サンク・オ・ピエ8月9月のコース、イタリアの至宝!サンダニエーレの生ハムを味わう¥6000(税別)8月5日のご予約より承ります(8月13,14,15日は夏季休業となります)2名様より承ります(お一人の方はご相談ください)Consommé de tomato glacée冷たいトマトのコンソメProscuitto di San Daniele avec,,Ratatouille , Tomate demi seche , pickles , etc,,イタリアの至宝!サン・ダニエーレ産生ハムに、、ラタトゥイユ、自家製セミドライトマト、自家製ピクルスなど野菜色々を添えて、、Foie gras chaud avec galette d’Aubergineフォアグラのソテー、茄子のガレット添えPintade de loire poêlée avec son jusフランス、ロワール産ホロホロ鳥のポワレ、ホロホロ鳥のジュを添えてSorbet de pêche sanguine , Mousse glacé de pêche blancheQuatre-quarts de pêche Jaune鮮やかなフランス産赤桃“ブラッド・ピーチ”のソルベ、白桃のムースグラッセ、黄桃のカトル・カール 桃尽くし!デザートCafe de SAKAMOTO ou The , 2painsさかもとこーひーによる“サンク・オ・ピエ8月9月のコース”のスペシャルブレンド又は紅茶 2種のパン スタートはユルユルのゼリーに仕立てたトマトの冷たいコンソメです。透明で全くトマトが見えないのに食べると完全にトマト味というトリッキーな一品。シェフの秘法で作っています。けっこう手間がかかるんですよ! イタリアの至宝と言われるサンダニエーレの生ハムは、普及品のパルマハムの3倍くらいの値段がする高級品です。アルプス山脈の乾いた冷たい吹き下ろしとアドリア海の湿度のある海風が絶妙の風味を醸し出すと言われています。味わいは薄塩で、風味も上品!肉の臭みが全くありません。脂の口解けも最高です。これを食べつけると「もうパルハムなんて塩っぱくて、、、」となってしまうかもしれません。美味いです!これに生ハムと相性が良いラタトゥイユや自家製セミドライトマトやピクルスなどなど晩夏の野菜を色々添えて楽しんでください。ワインはやはりシェリーのフィノや口当たりの良いロゼですかね! フォアグラのソテー茄子のガレット添えです。茄子は皮を剥いてしんなりするまで炒めて冷ましておきます。卵と牛乳と生クリームと小麦粉と塩胡椒とナツメグにセロリソルトでクレープより少し硬めのガレット生地を作り、炒めた茄子を入れて澄ましバターで焼きます。その上にソテーしたフォアグラをのせます。食べているとフォアグラの脂がガレットにしみこんで茄子やガレットとフォアグラの境界線が次第にあいまいになるような感じです。これにはやはりアルザスのゲヴェルツトラミネールですね! フランス、ロワール産のホロホロ鳥です。よく出回っている貧弱な感じのホロホロ鳥ではなく、高級食肉専門の問屋から取り寄せた一クラス上のものです。ジビエの雉にも似た味わいで実に美味いです!脂っこくないので暑い時期のメインディッシュには良いですね! 上の画像はデザ-トの黄桃のカトルカール。フランス産ブラッドピーチのソルベは、文字通り真赤な果肉の日本にはない品種の桃で作りました。ソルベにすると赤紫色になります。味わいはネクタリンに近い感じですね。白桃のムースグラッセは、白い桃のムースを冷凍して半解凍くらいで召し上がっていただきます。デザート3種は桃尽くしですね!もちろんこれに合わせて、、、 さかもとこーひーサンク・オ・ピエ8月9月のコース専用ブレンドをお願いしてあります。桃とこーひーの絶妙なマリアージュをご期待ください。 まだまだ暑い日々が続きそうですが、暑気払い残暑払いにぜひサンク・オ・ピエ8月9月のコースをお召し上がりください!ご予約はホームページよりお願いします。
Jul 29, 2014

画像は、サンダニエーレの生ハムです。美味いですよ! 土曜の夜にOさん夫妻が結婚10周年のお祝いのディナー出来てくださいました。お二人と話していたら、「実は入籍した日にサンク・オ・ピエに初めて来たんですよ。」と言われるので、びっくりしました。感慨深いものです。結婚10周年のお祝いにまたうちを選んでいただけてうれしいですね!Oさん夫妻は、節目節目にご来店いただいています。これからも末長くお幸せに!またサンク・オ・ピエとも末長くお付き合いください。 私は長くお付き合いいただいているお客様が多く、一番古いお客様は30年近くなりますね。もうそうなるとお客様でありながらも共に人生のひと時を料理やワインを通してお付き合いさせていただいてきた仲間といった感覚に近いですね。かけがえのない方々です。 レストランというところは、食事をする場所です。食事においては(私の持論ですが、、)何を食べるかより誰と食べるかの方が、大切だと思っています。例えば、あなたが若い女性だとして大嫌いなセクハラ上司に無理やり食事に誘われ、高級レストランで何万もするコース料理とドンペリにシャトー・マルゴーをごちそうしてもらってもちっとも美味しくないわけです。それより海辺で綺麗な夕日でも見ながら好きな彼氏とコンビニのおにぎりでも食べたほうがよほど美味しいし思い出になります。 うちのようなお店は、主に仲の良い友人やご夫婦やご家族で食事を楽しむ場所です。主役はお客様自身。料理やワインは場を作る小道具だと思っています。もちろん小道具だってできが良い方が良いに決まってますから、料理は美味しいに越したことはないのは当たり前ですね。料理やワインを通じてともに共通の時間を過ごし、それがコミュニケーションになり思い出になるというのが理想的だと思っています。 もちろんお一人でご来店になる方もいらっしゃいます。そいうい方はおそらく私の料理を楽しむために来ていただいていると思われますので、鑑賞に耐えうる仕事をしなければなりません。いずれにしても美味しい料理を作るということに関していつも全力でやっていますね。 ものすごく感動していただこうなんて思いませんが、少なくとも「へー!」と思っていただけるように、ささやかでもほんの小さな驚きを感じていただけるように努力しています。これからもよろしくお願いします。まだまだ日々精進ですね。
Jul 27, 2014

サンダニエーレの生ハムです。皿の模様が透けて見えるくらい薄く切ると生ハム本来の魅力が味わえますね。厚く切ってはだめです。 食べてみました。いやー、美味いです!塩が薄目で上品!香りも穏やか肉自体もしっとり柔らかく脂がまた溶ける溶ける!生ハムは普通50グラムも食べるともうのどが渇いてきついのですが、サンダニエーレなら100グラムくらいいけちゃいそうです。それくらい塩が柔らかく味わいも上品です。 8月9月のコースの前菜に使いますが、今日からレギュラーメニューにも載っています。みなさん食べに来てください!!
Jul 26, 2014

サンク・オ・ピエ初登場!イタリアの至宝!!サンダニエーレの生ハムです。イタリアの生ハムと言えばパルマ産生ハムが有名ですが、もう一つの名産地がサンダニエーレなんです。パルマは大きな会社も多く生産量もとても多いのですが、サンダニエーレは小規模生産者が多く、生産量も少ないです。特に最近までは、骨付き蹄付きのハムしか出荷されていなかったので、扱いづらいのとなんといってもお値段が張るので、美味しいのは分かっていたんですが使いませんでした。このプリンチペ社の生ハムは、最高級のパルマハム(サンク・オ・ピエで使っているピオ・トジーニのようなハム)のさらに1.5倍の値段です。パルマ産の普及品の3倍ですね!もうフォアグラとたいして変わらないいきおいです。イタリアでもパルマならいつでも食べるが、サンダニエーレは高級品ということになっていいるようです。最近、老舗のプリンチペ社がやっと骨抜きのハムを作るようになったので満を持して使うことにしました。 サンダニエーレの味わいの特徴は、まず塩が薄目ということ。香りも穏やかで上品です。生産地がパルマよりずっと北で、アルプスが近くアルプスから吹き下ろす冷たい乾いた風とアドリア海から吹く湿度のある温かい海風のバランスが絶妙の味を生み出すと言われています。塩のまわりを均一にするために肉をプレス成型して少し平らにしてあるのも特徴で、ギターのような形をしています。8月9月のコースに使いますが、一般のレギュラーメニューにも載せますのでぜひ味わってみてください。明日からオンメニューです!26日27日はまだお席が取れますよ! メールで予約は、cinq-au-pied@kph.biglobe.ne.jp お電話なら、043 274 5532 です!
Jul 25, 2014

キュウリの冷製ポタージュです。ここ数年毎年作っています。ほんのりカレー粉を散らすのがアクセント。うちの畑の美味しいキュウリでないとなかなか出せない味だと思います。 キュウリは、7割方皮を剥いてぶつ切りにしてバター少しと塩を適宜振って鍋に入れます。蓋をして極弱火で3時間くらいキュウリの水分が出てきて、その水分で煮込むような感じで火を通します。クタクタに火が通ったら、薄いチキンブイヨンを加えてひと煮立ち、アクを取ったらミキサーにかけます。シノワで漉して、よく冷やします。牛乳少しでのばし、塩で味を調えます。夏らしい味わいで美味いですよ! キュウリでこういうポタージュを作る例はあまりないように思います。ちょっと珍しい味わいです。日本ではキュウリと言うと生で食べるのがもっぱらですからね、、。中華料理や欧米料理ではキュウリに火を通すケースは結構多いです。
Jul 19, 2014

画像は、フランス特選食材のコースのメイン、シャロレー牛のロースト。今月いっぱいのご予約限定メニューです。 明日19日土曜日は昼夜とも空席あります。お問い合わせください。20日はお昼もディナーも満席です。 21日は月曜定休日となります。 サンク・オ・ピエ 043 274 5532 又は、cinq-au-pied@kph.biglobe.ne.jp
Jul 18, 2014

セミドライトマト作りは洗って切ったトマトを天板に並べて100~120℃くらいのオーブンでゆっくり4時間くらい水分抜きをします。外周を取り囲むのがアイコという赤い楕円の品種、黄色と赤の丸いミニトマト紫がかったシシリアンヴァイオレットを品種別に並べるとなんだか綺麗ですね。 4時間後です。半干し状態です。これをシェリーヴィネガー、バルサミコ、ペドロヒメネスヴィネガー、塩、オリーヴオイル、ハーブなどでマリネしてたくさん作ったときは冷凍したりして保存します。まあ、酢が利いているので冷蔵庫に入れておけばかなりもちます。 これは細長いアイコのマリネ。果肉がしっかりしていて味が濃いので冷製料理の付け合わせに向きますね。 これは丸いプチトマト(黄色2種赤1種シシリアンヴァイオレット)4種ミックスのマリネ、果肉が軟らかくて味わいもマイルドなので、パスタや魚料理や肉料理のソース代わりに使うと美味しいです。 これはその一例。バルバリーの雌の鴨をしっとりロースとして薄切りに、、肉の下には軽く煮詰めて塩で味を調えたトマトヴィネガーを忍ばせ、肉の上に温めたセミドライトマトをのせて、サルディニア島産の極上オリーヴオイルを回しかける。夏のさっぱり肉料理です。お客様はあっという間に食べてしまわれて、美味しかったと、、、。 仔牛のトマト煮込みが終売しましたので、千葉県産いも豚の腕肉(前足の肉)のトマト煮込みを仕込みました。明日からオンメニューです。腕肉は良く動かす部分ですからコラーゲンが多くて煮込み向きです。意外にさっぱりしていて夏にも美味いですよ!
Jul 16, 2014

長年続くソムリエK氏の主宰するワイン会、さかもとこーひーの坂本さんも参加しています。スタートは、北海タコのカルパッチョレモンオイル風味と水茄子のサラダマンガリッツァ豚の自家製生ベーコン添えに自家製ドライトマトとラタトゥイユにワインは、1999年のドゥラモットのブラン・ド・ブラン、シャルドネ100%の熟成シャンパーニュです。ブラン・ド・ブランのシャンパーニュと言えば、最高峰はやはりサロン!サロンは良作年のみに仕込まれるヴィンテージシャンパーニュです。ここ100年の間で30回ほどしかリリースされていませんが、サロンが仕込まれない年のブドウは捨てるわけではなくこのドゥラモットに譲り渡されます。ですから、ドゥラモットのブラン・ド・ブランはサロンのセカンドワイン的存在と言えます。だからとてもレベルが高い! 二皿目は、平目と帆立のポワレ、アサリ出汁とシャルドネとAOCブレス産バターのソース。ワインは、カリフォルニア、ブリュワー・クリフトンのシャルドネ2010とブルゴーニュ、エチエンヌ・ソゼのピュリニーモンラッシェ1級2010。よくフランス料理はソースが命と言いますが、これはまさにその典型的な料理です。やはりAOCのブレス産バターはすごい!シャルドネの美味しいワインとバターやクリームがきいた料理とは相性が良いのは常識ですが、ブレス産バターによって「シャルドネとバター系ソースのマリアージュはこういうことなんだ!」と思わせるくらい素晴らしい!ワインの持つアロマに対してバターの持つ風味が合うんです。ナッツの香り、蜂蜜の香り、ミネラル感、花の香り、etcこれほど豊かにワインを受け止めるソースは味わったことがないくらいです。K氏は「ソースとパンだけでワインが飲める」と言ってましたね。ブレス産バター畏るべしです!なんだかまた知ってはいけないものを知ってしまった気分でした、、、。 メインは、シャラン産窒息鴨のローストにフォアグラのソテー、自家菜園の木苺とフランス産グリオット(黒サクランボウ)のソース。ワインンは白と同じ生産者のカリホルニアのブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール2010とブルゴーニュのミシェル・グロのモレ・サンドニ2010。 比較的若いワインだったので果実味を意識して木苺とグリオットでソースを作りました。窒息鴨の鉄分的ニュアンスや赤い果実の風味がモレ・サンドニと、フォアグラがカリホルニアのゴージャスなピノとそれぞればっちりです! 今回は、こなれたシャンパーニュで始めて、カリホルニアとブルゴーニュのレベルの高い白と赤を合わせてそのマリアージュを比較するというとてもやりやすい企画でした。 デザートもゴージャスですよ!ガトー・ショコラはヴァローナのマンジャリで仕込みました。マンジャリはベリー系の酸味と香りを持つグランクリュのショコラ。パウンドケーキはAOCのブレス産バターを使ったものです。ソルベはフランス産アプリコット、濃厚ですよ!これは、今やっているフランス特選食材のコースのデザートとほとんど同じ組み合わせなので、さかもとこーひーのフランス特選食材のコース専用のブレンドを合わせました。そのマリアージュにみなさん納得。楽しいワイン会でした。
Jul 14, 2014

7月11日にベーシストで作編曲家のチャーリー・ヘイデンが亡くなりました。享年76歳。持病のポリオ後遺症が悪化したためとのこと。彼の大ファンでしたが、そういう病を抱えていることは全く知りませんでした。 ひじょうに音楽の幅が広い人で、オーネット・コールマンとフリージャズをやったり、初期のキース・ジャレットとトリオやカルテットを組んだり、、、特にキースのカルテットはのちにアメリカン・カルテットと言われ、マイルス・クインテット(マイルス、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、トニー・ウィリアムス、ロン・カーター)やコルトレーン・カルテット(ジョン・コルトレーン、マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズ)と並ぶジャズ史に残る名バンドとして数々のすばらしい作品を残しています。私が好きなのは、トレジャーアイランド、生と死の幻想、残氓、Eyes of the heartなど。 それから、デュオの作品がとても多い人で、アナログ盤しかないですがデニー・ザイトリン(pf)とのライブ、この中のエレン・デヴィッドという曲のベースソロは半音階でゆっくりと上がったり下がったりするだけなのにとても美しい演奏で、チャーリー・ヘイデンの真骨頂です。それからたぶんもう廃盤ですが、ミルチョ・レヴィエフ(pf)とのデュオ、この中でバッハのG線上のアリアをやっているんですが、その静謐にして研ぎ澄まされた美しさたるや! ギターのクリスチャン・エスクデとのデュオアルバム「ジタン」の一曲目のジャンゴという曲、MJQのジョンルイスが往年の名ギタリストジャンゴ・ラインハルトをオマージュした曲ですが、その極太の力強いベースには誰もが度肝を抜かれるでしょう。もちろん、グラミー賞をとったパット・メセニー(g)とのミズーリスカイも良いですね。イギリスの知性派ピアニストジョン・テイラーとのアルバム、ラテン系のテクニシャン、ゴンサロ・ルバルカバ(pf)とのアルバム、いぶし銀のベテラン、ケニー・バロン(pf)とのライブ。もちろん忘れてならないのは、キースとのデュオ、ジャスミンとラストダンス。 エグベルト・ジスモンチ(g他)とヤン・ガルバレク(sax)とのトリオアルバム「マジコ」も忘れられません。それから、フリー色が強い自己のバンド、オールドアンドニュードリームスもありました。才女カーラ・ブレイと組んだリべレーション・ミュージック・オーケストラのあのユニークなサウンドも忘れ難いです。 しかし、本当に幅が広い人です。超前衛のフリージャズもやれば、メインストリームのスタンダードも粋にこなし、民族音楽系のミュージシャンとも共演し、ゴスペルやカントリーミュージックまでカバーするという幅の広さ!しかも、数秒聞けば、「あ、このベースはチャーリー・ヘイデンだ!」と分かるそのサウンドと存在感。 手数が多く流麗なテクニックを誇るというタイプでは決しいて無いのですが、正確なリズムキープ、正確な音程、少ない音で的確に核心を突くフレージング、唯一無二の人でした。合掌。
Jul 13, 2014

これはうちの畑で採れたアイコという細長い品種で作ったセミドライトマト。トマトは半分に切って断面を上に向け天板に並べて100℃くらいのゆるいオーブンで4~5時間かけて水分を3割ほど抜きます。それをシェリーヴィネガー、バルサミコ、オリーヴオイル、塩、エルブ・ド・プロヴァンス(マジョラム、バジル、オレガノ、タイムなどのドライハーブのミックス)とニンニクの微塵切り少々でマリネします。 水分を抜いた分トマトの味わいが凝縮し、とても美味しくなります。まあ、無農薬有機で完全露地栽培のうちのトマトは最初からうまさが違います。それをしっかりと味をつけてマリネするので、魚や肉料理またパスタなどのソース代わりに使ったり、なんと言っても生ハムに添えると実に美味い!特に生ハムとドライトマトとシェリー酒のフィノやマンサリーニャの組み合わせは最高です! こちらは、丸い品種のプチトマト4種類ミックスのセミドライトマトです。作り方は同じでも、味わいはかなり違います。 今年の畑のトマトは全部で5種類。細長いアイコ、赤いプチトマト、ちょっと紫がかったシシリアン・ヴァイオレット、黄色のプチトマトが2種類(見た目ほとんど同じですが、皮の厚みと甘味に差があるようです)いつもは全部混ぜてドライトマトにしていたんですが、今年はアイコが妙に大きくて味が濃厚なので、アイコだけ別に仕込むことにしました。アイコは甘味が乗ってますね!あとの丸いトマト4種ミックスは混ぜた分甘味酸味旨味が交錯して複雑で面白いです。8月9月辺りはこのセミドライトマトが大活躍すると思います。
Jul 12, 2014

仔牛のもも肉の一部、シンフランクという部位です。内ももの付け根あたりで1枚150~200gくらいのが一頭で2枚しか採れない希少部位です。昔は、仔牛のもも肉と言ったら1本買って自分でばらすのが常識でしたが、近頃はそういうことができるコックさんがいなくなってしまい、やたらと細かい部位に分けて売るケースが多くなりましたね。便利と言えば便利なんですが、大きな肉の塊を筋ごとにきれいにばらして、掃除して出た筋で出汁をとってソースにするというようなクラシックな仕事ができなくなりました。今では仔牛のももを1本買おうと思ったら特注品になってしまいます。 仔牛と言うと皆さん柔らかいのだろうというイメージがあるでしょうが、成牛と比べると繊維が緻密な分焼き方を失敗すると結構固くなってしまいます。脂もないですからパサパサで味気ない状態になりますね。だから仔牛を美味しく焼くのは意外に難しいわけなんです。私も若いころは仔牛は苦手でした。 イタリア料理では肉たたきでたたいて薄く延ばして、パン粉の衣をつけて焼いたり生ハム貼り付けて焼くサルティンボッカ・ロマーナなんかが有名ですが、たたくことによって肉を軟らかくしているわけですが、フランス料理では肉をたたくことはあまりせずに上手に焼き上げることで、柔らかさを表現します。 とても淡白な肉なので、普通は濃厚なソースを添えることが多いですね。バターやクリーム利かせて重厚なソースにします。そんなよくある仔牛料理では面白くないので、私独自の味付けを考えてみました。 盛り付けたところです。仔牛肉は弱火でゆっくり芯まで温めてから、強火で表面に一気に焼き色をつけてから温かいところで休ませておきます。皿にトマトヴィネガーを少し流してその上にカットした肉を盛りつけゲランドの海塩フルール・ド・セル散らし、パルミジャーノチーズの粉を振り、黒胡椒を挽き、サルディニア島産の極上オリーヴオイルを回しかける。 これがトマトヴィネガー。イタリア産でトマト果汁を発酵させた黒酢です。色はバルサミコくらいですがそれほど濃度はありません。発酵食品独特の味噌や醤油に通じる旨味風味がありまして、そうですね、、、塩分をとった醤油にトマトの酸味が加わったような味です。 トマトは野菜の中では最もアミノ酸が多い部類です。それが発酵によってさらに強化されてかなり旨味が増してます。パルミジャーノチーズもチーズの中では最もアミノ酸が多いタイプです。仔牛肉をダブルのアミノ酸で引き立て、美味しいオリーヴオイルで脂肪分を補ってやります。これで夏向けのさっぱりしているけど旨味たっぷりの仔牛料理ができました。美味いですよ!スペシャルメインでしばらくやります。 仔牛の煮込みはだいぶ売れてもう少なくなってきました。食べたい方はお早めに!
Jul 10, 2014

先日もちょっと紹介しましたが、今スペシャルメインディッシュでやってます。山形産の仔牛のトマト煮込み。国産の仔牛は生産量が少ないので貴重です。入荷してもすぐ売り切れてしまいます。この暑いのに煮込み料理?とも思われるかもしれませんが夏場こそエアコンのきいた職場などで体が冷えている方も多いものです。こういう温かくてよく煮込んであるので消化も良い料理が体にしみこみますよ。実際人気がありよく注文されます。 仔牛肉はバラ肉や腕肉(前足の肉ですね)辺りが煮込み用に適しています。5kgほど用意して、だいたい女性の腕くらいの太さにタコ糸で巻いてからフライパンで焼いて軽く焼き色をつけます。煮込み用の大きな鍋にコンカッセ(粗めの角切り)に切ったニンジンとセロリと玉ねぎに微塵切りにしたニンニクも入れてオリーヴオイルで野菜の甘味が出るように炒めておきます。焼いた肉を入れて、イタリアの美味しいトマト缶業務用2.6kgを一缶と水と鶏ガラスープを入れて沸かし、沸いたら弱火で蓋をして3~4時間煮込みます。肉に太い菜箸がスーッと通るくらいになったら火からおろし、そのまま冷まします。一日目はこれで終了。 翌日、冷めた肉を取り出して冷蔵庫にしまいます。肉は良く冷やして締めないと、柔らかすぎてあとの作業ができません。煮汁は漉さずにゆっくり弱火で適度に煮詰めて軽く味を整えてソースにします。あとで仕上げるので塩はごく軽めにする程度です。今回の場合野菜が入ったナポリ風の煮込みしたのでソースは漉しませんでした。ショートパスタやリゾットを添えるとイタリアンのピアット・ウニコ(一皿料理という意味)になりますね。イタリアンのコースは、アンティパスト(前菜)、プリモピアット(第一の皿という意味でスープやパスタやリゾット)、セコンドピアット(第二の皿という意味で魚や肉のメインディッシュ)、ドルチェ(デザート)となりますから、プリモとセコンドの一緒盛りでウニコとなるわけです。 さて、ソースが出来たら保蔵用のポットに移して氷で冷やし、冷蔵庫にしまいます。これで二日目は終了。 昨日の肉を冷蔵庫から取り出し、タコ糸をはずして一人前のサイズに切り分けます。5キロの肉で煮込みを仕込むと出来上がりの肉は3キロありません。一人当たり100gくらいに切って25~28人前くらいになります。肉のほうはしっかりラップして冷凍してしまいます。そしてオーダーが入ったら肉は電子レンジで半解凍くらいにとかし、小鍋にソースを一人前とって、同量くらいの水を入れてゆっくり弱火で加熱します。水を入れるのはソースが濃いとすぐに焦げてしまうからです。肉が十分温まったら取りだして温かいところに保温しておきます。ソースは強火で焦がさないようにかき回しながら煮詰めてバターを加えて塩胡椒などで味を調えます。肉を鍋に戻しちょっと沸かしてよく味をからめたら盛り付けます。新じゃがやズッキーニやピーマンなど自家菜園の野菜を美味しく焼いて添えます。 普段あまり煮込み料理は作らないのですが、4月5月のコースで仔牛のブランケット(クリームソース煮込み)をやったところ、かなり評判が良かったので、お客様の潜在的な煮込み料理の需要を感じました。これからはできるだけ煮込みをメニューにのせるようにしたいと思います。
Jul 7, 2014

まず、小さく切ったフォアグラを強火で炒めて脂を出します。フォアグラがカリッとしたら取りだして、その脂で茄子をステーキにします。フォアグラの脂を吸い込んで焼けた茄子が美味いです。 付け合わせ的に他の野菜も盛り付け、、、 煮詰めたバルサミコとフォアグラの脂に肉のジュなども加えてソースを仕上げます。最後にカリカリに焼けたフォアグラを散らします。野菜がメインの料理ですが菜食主義の料理ではありません。フォアグラを使ったフレンチのメイン料理ですね。結構食べ応えがあって美味しいですよ!
Jul 4, 2014

暑くなってきまして、夏野菜がいよいよ本番です。これは京野菜系の伏見唐辛子。唐辛子とはいっても辛くないタイプです。焼いたり揚げたりして美味いですね。 同じ仲間のピーマン。ピーマンも唐辛子も茄子科の植物です。もちろん茄子も茄子科それからトマトとジャガイモも茄子科ですね。茄子はアジアか中東が原産と言われてますが、唐辛子、ピーマン、トマト、ジャガイモは南米原産です。 サンク・オ・ピエの夏野菜の人気者、水茄子!これは生食用の茄子ですね。大阪郊外の泉州が本場ですね。浅漬けが美味しいですがサラダでも美味いです。特に、、、 水茄子のサラダにマンガリッツァ豚の自家製生ベーコンをのせます。食べるとベーコンと水茄子がスーーっと口の中で溶けて実に良い感じです。生ハムとメロンをもっと上品にした感じです。シャンパーニュやスパークリングワインが合いますね。 モロッコインゲンです。これは私が最も好きな野菜の一つ。2分弱茹でて氷水に取り、水気を切ってクッキングペーパーでさらに水分を拭き取ってから適当に切って上質のオリーヴオイルと上質の塩で味を決めます。本当に美味しいです。サラダやラタトゥイユに添えて使います。 ラタトゥイユにモロッコインゲン、手前は地鶏レバーのテリーヌです。 仔牛のトマト煮込み。付け合わせは、ピーマン、新じゃが、緑ズッキーニ、黄色ズッキーニ。このほかにも茄子や焼ききゅうりなどもあります。夏は付け合わせが豊富ですよ!この煮込みはスペシャルメインでやってます。 トマトもぼちぼち取れてきました。たくさんできたらセミドライトマトのマリネを作ります。 こちらは焼いて美味しい千両茄子。普通の茄子です。まあ、これもうちの畑のはちょっと別格ですけどね!美味いですよ。 あと、キュウリ!手前の白い奴は面白キュウリという種類だそうです。やや硬めで味は大体同じなんですが普通のキュウリよりやや香りが青臭くない感じ。キュウリは恒例の自家製ピクルスをたくさん仕込んであります。 キュウリは少し収穫が遅れるとすぐ巨大化してしまいます。太さが500円玉オーバーで長さも40cm近くなってしまいます。そいういのはサラダや生食には向かないので、付け合わせで焼いたり、火を通して冷製のポタージュにしたりします。
Jul 2, 2014
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