森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.01.17
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カテゴリ: 身近な社会問題
人間は誰でも、十分な食料を得て、自分の身に迫った苦痛や危険からのがれ、安全な生活をのぞみ、一日でも長く生き延びたいという欲望を持っています。
自己防衛本能、自己保全本能、自己保存本能、個体維持本能は生まれつき誰でも持っています。
宇宙の創造主は人間をそのように作っています。

自己の生命を維持するためにはエネルギー源が必要です。
動物にとって、そのエネルギーの大半は他の動物や植物を殺傷して、食べることによって可能になっています。それ以外に自分の生きるためのエネルギーを得ることができません。
これも宇宙の創造主はそのように作っていると思います。

でも捕食される動物や植物は、それぞれに命のある限り生き尽くしたいというのが本音だと思います。
しかし人間など力のある動物が一方的にその思いを中断しています。
そうすることで、我々動物は生き続けているのです。

このことは良いとか悪いとか是非善悪で判断すべきことではないのかもしれません。
これは自然の仕組みとしてそうなっているのです。
つまり、自然の創造主は、まずすべての動物に強い自己保全欲求を持たせた。
それを達成するためには絶えず他の動植物の命を奪うことによって可能になるという仕組みを作り上げた。

ところが現代は、人間がすべての動植物の頂点に君臨して、自由自在に自己保全欲求を無制限に追い求めるようになった。
今やその点野放し状態である。これは欲望の暴走である。
これは将来まずいいことにならないだろうか。
自己保全欲求が制御不能に陥ると、子孫の将来は暗澹たるものになるのではなかろうか。

アフリカの原始狩猟民族では、集落で狩りをするときは、誰か一頭の獲物を倒しますとその日の狩りは終わりです。
我々が「一頭で満足しないでもっともっと獲物をとったらどうですか。
たくさんとればもっと腹いっぱい食べれるではありませんか」と助言すると、昔から一日一頭以上はとってはいけないと決められていると言うそうだ。


アフリカの狩猟民族の考え方は驚きます。
私たち先進国の人々が便利、快適、快楽を求めて、もうけ主義、経済効率主義で失ってしまった大切な考え方をまだ持っているのです。
つまり欲望は制御しないと自分たちの生活は破壊されて、消滅してしまうことをよく分かっているのです。
これこそが調和、バランスのとれた健全な考え方ではないでしょうか。
我々も以前はこのような制御機能がきちんと働いていたと思われます。

でも現代人は欲望が暴走してしまったためもはや制御機能自体が利かなくなっているのです。
もともと持っていた能力は影も形もなくなってしまったのです。
森田を学んでいるものとして、とてもつらい思いでいっぱいです。
でも森田の欲望と不安の関係を学習したおかげで、欲望の暴走は将来まずいことになるとやっと気がついてきました。





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Last updated  2024.04.06 11:34:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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