森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.03.01
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森田先生は「すぐに解決できそうもないようなとき、疑問は疑問としてこれが解決する時節を待つしかない。
すぐに衝動的な行動をしてはならない。態度を保留にすることが大事である」と言われる。

例えば、赤ちゃんが夜鳴きをしてうるさくて寝れない。寝ないと明日の仕事に差し支える。
こんな場合どうするか。

うるさいと思うのも純な心である。子供のことだからしかたない。
「我慢しなければいけない」と型にはまっていては少しも進歩はない。

また一方叱りつけたり、懲らしめたり、菓子を与えて機嫌をとるなどの軽率な行動はもっといけない。
神経者はどちらかに態度を決めなければいけないということが強い。
白か黒かどちらかに決めたがる。

ああうるさいどうしてやろうかと、ああも思いこうも工夫して、子供を観察したり、他の事をしていると、いつとはなしに、子供は泣きやんでくる。なるほど子供は泣くだけ泣けば泣きやんでくるものだという法則を発見する。(5巻676ページ)

自分自身の不快な気分をすぐに解消しようとする態度は慎んだほうがよい。
不快な感情をなくそうとすれば精神交互作用で最終的に神経症になる。
イライラした気持ちのままに我慢しておくとその不快な気分は霧散霧消していくのである。

森田先生は、他人が不快な気持ちになった時の対応について、こんな話もしておられる。
このあいだ、5つになる女の子を熱海につれていった。
感冒で熱が38度もあった。機嫌が悪くて、いろいろ駄々っ子をいう。
寝ていなければならぬといっても抱っこしてくれといって泣く。
抱っこしてやれば今度は「外へ行く、外へ行く」という。
熱があって気持ちが悪いから、風にあたればよかろうと、子供ながらに考えるのでしょう。
少し訳の分かった母親は、子供の駄々っ子は、いい加減あしらって、静かに寝かせておくが、気の軽い親は、別に深い思慮のなにもなく、子供のねだるままに、なんでもその通りにしてやって決して病のためにはよくない。(5巻459ページ)


苦しんでいる相手に同情して、そのイライラを取り除いてやるという事は慎まないといけない。
相手に不快感を十分に味わってもらわないといけない。
どうにもならない不快感は受け入れてもらうことだ。自然に服従してもらうことだ。
安易に救いの手を差し伸べることはあってはならないことなのだ。
これが森田で勧めている正しい対応となる。

すると自分ひとりで不快感と向き合う体験ができる。
反対に過保護にしていると、大人になっていつも我慢できない人間になる。
欲望の暴走が起きるのである。
また他方では、依存的で無気力、無関心、無感動、無作法な人間へと成長してしまう。
これらは小さい時に、不安や不快感としっかり向き合って受け入れてこなかったつけが回って来たのである。





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Last updated  2024.06.04 09:29:06
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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