森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.02
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カテゴリ: 行動のポイント
平安時代に後白河法皇編で「梁塵秘抄」(りょうじんひしょう)という歌謡集がある。
その中に「遊びをせんとや生まれけむ。戯れせんとや生まれけむ。遊ぶ子どもの声聞けば我が身さえこそ動がるれ」というのがある。

現代に生きる我々にとってハッとさせられる言葉である。我々は毎日生きていくことが苦しい。
神経症でのたうちまわっていると、自分はなんのために生れてきたのだろうか。
生きていても何の楽しみもない。苦しみ、苦悩するために生れてきたのだろうか。
生きることになんの意味があるのだろうか。ついこのように考えてしまう。
徳川家康は人生の本質は、重い荷物を背負って坂道を上っていくようなものだという。

それに対してこの歌謡集では、人生とは遊ぶためにあると喝破している。
人間は遊ぶために生れて来たのだ。

そんな生き方がはたしてできるのだろうか、疑心暗鬼である。

さて、遊びをよく考えてみるとさまざまな特徴がある。
1、 遊びは他人には大変そうに見えてもやっている本人は楽しくて仕方ない。

2、 自発的である。次々と意欲ややる気がでてくる。気づきや発見が湧き起り、創意工夫するようになる。次々と好循環が生まれる。

3、 遊びの目的は遊ぶことそのものにある。遊び三昧の人は、遊びそのものになりきることができる。その時「私」自身へのとらわれはない。目の付けどころは遊びの対象へ向かって外へ上へと向かっている。

4、 束縛から離れて、自由に動き回ることができる。是非善悪という価値観に縛られることがない。

5、 友達と一緒に遊ぶと人間関係の距離が急速に縮まる。

6、 遊びは義務化した途端に、遊びではなくなる。苦悩の基となる。

7、 遊びは予測不能で、意外な方向、あらゆる方面に展開していく。

現代人は遊ぶこと自体がタブーとされている。
いい大人が遊んでばかりいないで少しは仕事に精を出しなさいなどと言われる。


本人は経済的に安定していればやりたくない。
生活の為、生きていくために仕方なしに仕事をしている。
その仕事は、今や自分の意思とは無関係に義務化しているのである。
自分の内部からほとばしるような情熱や意欲がない状態で、イヤイヤしかたなく手をつけている。
しかも人間関係に悩みながら苦痛以外のなにものでもない。


人間が生きていくということが、遊びのような状態になれば楽しくなると思われます。
そのためには遊びの特徴にあげたような生き方を身につければよいのではないでしょうか。

仕事でいえば、最初はイヤイヤ仕方なしでもかまわない。
仕事をよく見つめる。少しでも仕事に一心不乱になってみる。
すると感じがでてくる。気づきや発見があり、創意工夫点がみつかる。
実際に手足を出してみる。ここに仕事が遊びに近づいてくる極意があります。

これは仕事だけではありません。
生活自体がこういう状態になれば、生きること自体が遊び三昧の境地に近づいてくるのではないでしょうか。
生まれてきたことを心から喜べる人間になりたいものです。
これは森田理論学習の「生の欲望の発揮」で学習する項目です。





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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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