森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.20
XML
岡田武史さんの話です。
以前、ライフル射撃の日本代表監督にうかがった話ですが、弾を的に当てるためには、銃の先端についている照準とずっと前方にある標的を一直線で結ばなくてはなりませんよね。
そのとき、照準や標的だけを見ていると、銃の先をピタリと停止させることができないそうです。
一点に集中しすぎると力が入って銃が停止しないんですね。
どうするかというと、照準や標的の景色も視野に入れながら集中するんだそうです。
つまり「全体に集中する」ことが大事なのです。

普通頭の中で考えると、限りなく一点に注意を集中する方が、命中する確率が高いように思われますが実際は違うということです。
この考え方は森田理論の「無所住心」の考え方です。
神経症に陥った状態は「無所住心」の考え方から大きくかい離しています。


我々の心が最も働くときは、「無所住心」といって注意が一点に固着、集中することなく、しかも全神経があらゆる方面に常に活動して、注意の緊張があまねくゆきわたっている状態であろう。
この状態にあって私たちは初めてことに触れ、物に接して、臨機応変、すぐにもっとも適切な行動でこれに対応することができる。
昆虫のように、触角がピリピリしてハラハラしている状態である。
電車に乗っていて吊革を持たず立っていて、少しの揺れにも倒れず本も読める。
スリにも会わず、降りる駅も間違わない。

また車を運転していて、音楽を聴いたり、ナビを見たりしていても、車線変更もでき、赤信号ではとまる。
交差点では歩行者や自転車に乗った人にぶっつかるようなこともない。

森田先生が講義をしている時は、講義の内容にばかり注意を向けているのではない。
演台の前におかれた水差しにも注意を払っている。時間も気にかけている。
聴講している学生のしぐさにも注意を払っている。
外でやかましい音がすればそれにも注意を払っている。


そのほうが結果的によほど講義に集中できるのである。
こういう考え方を「行雲流水」という。
つまり雲や水のように、物事に執着せずに自然の流れに身を任せて、「あるがまま」に自然に行動・実践するということである。
そこには一つのことにとらわれて停滞するということは考えられない。
「無所住心」の生活態度の体得は森田理論実践編での課題となります。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015.05.20 07:56:54
コメント(0) | コメントを書く
[森田理論の基本的な考え方] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

メダカを飼っています New! 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: