森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.29
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良寛さんの言葉である。
人はそれぞれ、その場だけの自分の考えにこだわり、どこへ行っても互いに正しいとか正しくないとかきめつける。
正しいのは自分の立場から正しいと判断するだけのことであり、正しくないのは自分が正しくないと判断することだけになっている。
ただこのように、自分の主張だけを通していくと、どうして客観的な是非の基準が得られようか。
(困った時の良寛さん 松本市壽 三笠書房 110ページ)

森田先生も同様のことを言われている。
人と比べてこちらがよい、こちらは悪いとかいう価値判断をしてはならない。
この是非善悪、苦楽の価値評価の拘泥を超越して、事実そのものになりきっていく事がとても重要である。

私たちは、何かにつけて、あるがままの現実の世界と観念の世界、他人のよいところと自分の劣っているところ、過去のよかったことと今の不遇な状態と比較しています。

比較することによって、客観的に自分の今現在の置かれた状況がよく分かるようになります。
あるいは得意な点や苦手な面もよく分かるようになります。
むしろよく観察してその違いをはっきりと自覚することは大切です。
自覚すれば自分の進むべき道が見えてきます。
出来ないことはあきらめて、自分のできることに力を入れることができるようになります。

でも比較したあとに、是非善悪の価値判断をしていくことは、自分を否定して苦しみや葛藤を引き起こしてしまいます。森田理論が最も敬遠するところです。
価値判断しないで自分の存在価値そのものを正しく見ていく態度がとても大切です。

するとどうなるか。例えば、2台の電車が同じスピードで同方向に走行しているとします。
走行しているにもかかわらず、自分の電車は走行していないように見えます。
実際にはかなりのスピードで走行しているにもかかわらず、走行している感じが無くなっているのです。
その状態は、精神的には不安、悩み、不快感そのものになりきった状態です。

是非善悪の価値判断へのこだわりから抜け出して、事実を事実のままに受け入れていくとても精神的に落ち着きのある世界です。

是非善悪の価値判断をしないで生活をするというのは、森田理論の核心部分です。
そのためには「かくあるべし」的思考から解放されて、事実本位・物事本位の生活に切り変わっていくことが不可欠です。
この部分はどなたも難しいと言われます。確かに難しい。
でも手掛かりはすでに明らかになっています。






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Last updated  2015.05.29 06:22:20
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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