森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.07.24
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幼い子供はたいてい海水浴に行っても水が怖いと言います。
だから最初は泳ぎを覚えるどころではない。
でも親が近くにいることで安心して浮き輪から出て泳ごうとします。
溺れそうになると親が助けてくれるからです。
つまり最初は親のサポートが必要なのです。
親に見守られているということで、安心して泳ぎを覚えることができるのです。
何回も挑戦していくうちに泳ぎを覚えてしまいます。

もし親が近くにいなかったとしたらどうでしょうか。
おぼれて死んでしまうかもしれないという不安や恐れが出てくるのではないでしょうか。

あるいは子どものぎこちない動作を見てくすくすと笑っているとするとどうでしょうか。
多分足がつかない沖合では浮き輪から出ることができなくなるのではないでしょうか。
安心、安全、信頼という後ろ盾がないので、不安や恐怖心がなくならないからです。
その結果行動が停滞し、泳ぐ能力を獲得して自信をつけることがなくなります。
頭の中では不安や恐怖心の悪循環が始まります。

幼い子供は不安、恐怖、怒り、悔しさ、憎しみ、悲しみ、嫉妬心などのネガティブな感情から、すぐに泣きわめいたり、暴力的になったり、自暴自棄になります。
そんな時の親の対応は、子供の心の成長に大きな影響を与えます。どうすればよいのか。
泳ぎの例で見てきたように、まず親は子供の近くにいて見守っていることが大切です。
次に、そういうネガティブな感情に対して共感して受容してあげることです。
否定しないで、見守っていてくれるおかげで、安心感、安全感、信頼感が生まれてくるのです。
そういう後ろ盾を信頼して、思い切って挑戦できるのです。

不安や恐怖に翻弄されて怯えたままではありません。

反対に親が近くにいない。
あるいはいても、ネガティブな感情や行動を見て、叱ったり、否定したり、批判したりされているとどうでしょうか。
ネガティブな感情をずっと抱えたままになります。
そしていつまでも自分で受け入れることができなくなってしまうのです。

つまり不安や恐怖心に翻弄され続けていくことになるのです。これは神経症発症の原因となります。

さらに悪いことに、こういう人が大人になって、子供を育てることになった時、子供がネガティブな感情を表出したとき、親と同じような対応をとってしまうのです。
世代を超えて悪循環が始まるのです。どこかで断ち切らないと子供も親も苦しくなります。

現在子育て中の人、これから子育てをする人と、それにかかわる人は是非頭に入れておいてほしいところです。
また、不幸にしてそういう大人になってしまった人は、自覚を深めて、対人関係の改善に役立てていただきたいと思います。つまり、他人のネガティブな感情に寄り添い、受け入れていくということです。
試行錯誤するでしょうが、意識して取り組めばできないことはありません。
すると、自己嫌悪、自己否定する度合いが低下してくるものと思われます。





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Last updated  2024.06.03 10:12:50
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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