森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.06
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カテゴリ: 感情の法則
私たちは不快な感情が湧き起った時、闘うか、逃げるか、うずくまってしまうかします。
うずくまるというのは、恐ろしさのあまり身動きできなくなってしまうのです。
不快な感情と向き合うということをしなくなります。
そのときの注意は自分の身体の震え、動悸、心の胸騒ぎ、不安や恐怖に向かいます。
その時のことは心的外傷として記憶されます。いわゆるトラウマのことです。

普通記憶というのは、認知、感情、身体感覚、視覚、聴覚がセットになって記憶されています。
例えば学校でいじめにあったとします。まずいじめを受けたと認知します。
その時の感情は、恐ろしかった、悲しかった、つらかった、腹が立った等です。
身体感覚としては、学校へ行こうとすると体が震える。腹が痛くなる等です。

聴覚とは自分をいじめる子どもの声、くすくす笑う取り巻きの声、チャイムの音、机を動かす音などです。
これらの記憶がセットになって記憶中枢の海馬で処理されて、大脳新皮質に貯蔵されます。
しばらく経つと記憶の多くは消去されて忘れ去られてしまいます。

トラウマの場合の記憶方法はこれとは異なります。
認知、感情、身体感覚、視覚、聴覚がまとまることなく個別に切り離されて別々に記憶されてしまうのです。
このことを解離といいます。
これは人間が心の危機を乗り越えていくために、自然に身に付けた防衛の仕組みです。
これがあるおかげで、不快な感情が無かったことにすることができるのです。
解離させることによって生き延びることが可能になるのです。

ところがこのバラバラな記憶というものは、現在という時間のなかで自由にさまようことになります。
すると、何らかの引き金によって、バラバラな記憶がリアルによみがえってくるのです。

現実にはいじめはないのに、友達の雑談での笑い声などを聞くと、いじめられていた時の状況がありありと再現されてしまうのです。
そして何度も容易にパニック状態が引き起こされてしまうのです。

トラウマを経験された事のない人は信じられないかもしれません。
神経症との関係では不安神経症というのがあります。
発狂恐怖、孤独恐怖、高所恐怖、閉所恐怖、心臓発作恐怖、乗り物恐怖、広場恐怖等のパニック発作は解離現象と関係があるかもしれません。


これも現実には不測の事態が引き起こされていないのにもかかわらず、以前経験した精神の混乱状態が間違いなく引き起こされると思っているのです。
これも解離の結果自然に湧き起こってくるのかもしれません。

トラウマはどう対処していくといいのか。
これはトラウマが引き金となってパニック状態が起きたときがチャンスです。
その時にバラバラに記憶されている記憶を再統合させてやればよいのです。
その時に必要なことは、その時のつらいネガティブな感情を受け止めて共感して受け入れてくれる第3者なのです。
安心感を与えて癒してくれる言葉がけなのです。
つまり相手のネガティブな感情を思いやり、寄り添ってくれる人の力が欠かせないということです。
(ちゃんと泣ける子に育てよう 大河原美以 河出書房新社参照)





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Last updated  2015.08.06 06:35:41
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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