森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.08.28
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うつ病などの精神療法に「人間関係療法」というのがある。
うつ病だけでなく、双極性障害、社交不安障害、気分変調性障害などにも応用されている。
私には対人恐怖症、回避性人格障害があるのでとても関心がある。
アメリカでは認知行動療法と双璧をなす精神療法らしい。
この考え方はうつ病等の病気が対人関係を悪化させている。
また対人関係のまずさが、益々うつ病等を悪化させている。
つまり相互に作用しあって悪循環を招いているというのである。
精神交互作用とでもいうべき悪循環を、人間関係を改善していくことによって断ち切ろうというのである。
現在進行中の対人関係と症状や気持の関連性に注目していく。

変質してしまった対人関係を回復していくのである。
日本での第一人者は水島広子氏である。ホームページもある。

具体的には次の4つの領域のうち1つか2つを選んで治療していく。
1、 悲哀(重要な人の死を十分に悲しめていない)

2、 役割をめぐる不一致(重要な人との不一致)

3、 役割の変化(生活の変化にうまく適応できていない)

4、 対人関係の欠如(親しい関係がない)

取り組む前提として、うつ病や双極性障害、社交不安障害、気分変調性障害、対人恐怖症、回避性人格障害などを病気としてしっかりと認識することだという。
決して性格、資質、親や先生の育て方の問題に矮小化などにしてはならない。
性格や資質の問題にしてしまうと、自責感、罪悪感、自己否定感がでてくる。
病気だと自覚すると、前向きに治療に向かえるようになる。ここが肝心なところだと言われる。


これは自分が相手にこうしてもらいたいと望んでいることと、相手が自分に対してこうしてもらいたいと願っていることが一致していない。
すれ違いがあるというのである。人間関係ではしょっちゅう起こりえることである。
これを役割期待のずれが起きているという。
そのことでゆきづまり、絶望感や無力感をもたらしているのである。
そのすれ違いを少なくしていこうという考え方である。

森田では「かくあるべし」的思考をやめて、事実を受け入れて事実に服従していくことを学んでいる。
人間関係療法では、その解決の糸口として人間関係に注目しているところに独創性がある。
明日は具体例について説明したい。
(対人関係療法でなおす双極性障害 水島広子 創元社参照)






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Last updated  2015.08.28 06:42:08
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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