森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.11.03
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森田正馬全集5巻113ページにこんな記事がある。

今度、私(森田先生)の3月の病気の時も、自分は心臓性の喘息であるから命が危ないと思い、古賀君か佐藤君か、よく覚えていないが、死んだら解剖のことを頼み、また井上君や山野井君や修業のできた人には、危篤の電報を打ち、香取君には電話で、きてもらった。
それは私が死ぬる今はの実際の状況を見せて、参考に供したいと考えたからである。
つまり肉体的解剖でも、臨終の心理的実況でも、これを無駄にしないで、有効な実験物として提供したいのであるいはこれを功利主義といえるかもしれないのである。

この文章から森田先生は、死後医学の発展のために自分の身体を献体しようと考えられていたようである。
さらに苦しんで死んでいくその様子を、周りの人たちに包み隠さず見てもらおうとしていたのである。
自分の臨終の様子も決して無駄にすることはなかったのである。
森田先生の物の性の尽くし方は半端ではなかったということがよく分かる。

物の性を尽くすという点では、森田先生の水の活用の仕方は有名です。

一見すると物を大事に使いましょうという考え方のように思える。
よくいわれる「もったいない」運動のように受け止められる。
でも、そういう表面的な理解にとどまると、森田理論の本質的な思想に至ることはできない。

森田先生が声を大にしていいたかったことは、物、お金、時間、己、他人などはそれぞれかけがえのない「存在価値」や「潜在能力」をもっている。
それを見つけ出して最大限に活かしてゆくことだったのではないか。
人と比較して欠点や弱みを見つけ出して自己否定するのではなく、自分の「存在価値」や「潜在能力」を見つけ出して活用することに力を入れましょう。
お金にしても、森田先生はよく寄付をされています。
森田先生は寄付することでそのお金を最大限に有効に活用したいがためであるといわれている。
時間についても、「休息は仕事の中止ではなく、仕事の転換である」といわれている。仕事を変えることによって、時間を有効に活用することを言われているのだろう。
他人に対しても欠点や能力不足を指摘するのではなく、その人の「存在価値」や「潜在能力」を見つけ出して、評価をして、適材適所で活用することを言われているのだと思う。
ないものねだりをして現状に不平不満を持つのではなく、持っているものを足がかりにして、現状にしっかりと足場を築いて一歩ずつ前を向いていく生き方を説かれているのだと思う。







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Last updated  2015.11.03 07:02:50
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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