森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.11.21
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怒り、恨み、憎しみという感情は自然に湧き起こったといいますが、これらは相手を自分の思うように操作するために利用されている。
怒るとご主人が自分のいいなりになるだろう。叱ると子どもが自分に従うだろう。
やさしく諭してもいうことを聞かないだろうが、目を吊り上げて、大きな声で怒ったり、叱れば効き目があるだろう。
心はちゃんとその要望にこたえて怒りを作りだしてくれるようになっているのです。

こう考えると怒りは自分の考えと違う行動をとる相手に対して、なんとか自分のコントロール下に置こうとしているのです。
相手を自分の思うままに支配しようとしているのです。
怒りはそのための手段になっているのです。強力な道具となっているのです。
怒りという手段を最大限に使って、相手を自分に屈服させようとしているのです。
怒りという道具を使わないと目的を果たすことが大変難しくなります。


相手は自分と同じ意思を持った人間である。だから時には見解の違うことは起こりえるはずだ。
相手と対等な人間関係を築き上げて、利害が一致しないときは、話し合いで分かりあおうと思っている状態を想像してみてください。

相手を自分の思い通りに動かそうとしないで、相手の実際の行動や考え方を尊重し、それに寄り添って励ましたり、協力したりすることができます。
そういう友愛、調和の気持ちのもとでは怒りは湧きおこらないのではないでしょうか。

人はそれぞれ自由にのびのびと自分の生き方をする権利があると言いながら、もう一方で他人は自分の思い通りに動くべきだと考えていると、大きな矛盾を抱えていることになります。

実はこのような人間関係を心理学者のアドラーは、タテの人間関係と言っています。
タテの人間関係は相手と自分を競争関係に追い込み、どちらが勝ちでどちらが負けという人間不信に追いやるものなのです。
お互いに支配するか、支配されるかでいつも戦闘状態にあるのです。
そこには非難、説教、命令、指示、禁止、叱責、怒り、拒否、無視、否定、抑圧などがつきまといます。
タテの人間関係では、思いやりのある人間関係を築くことが難しくなります。
いつも疑心暗鬼の状態です。


また他人を思い通りに動かそうとする人はそれだけには留まりません。
自然現象である悲しみ、嫉妬、不安、違和感、恐怖、不快感などの感情も自由自在に操作しようとするのです。そうなると神経症に陥りやすくなります。

また自分自身も思いのままに動かそうとします。
「かくあるべし」という理想の状態にない自分を嫌悪し、自己否定するようになります。
自分を認めることができず、苦悩や葛藤で苦しみ続けます。


自然現象も自分たちがコントロール可能だと考えているのです。
今は不可能でもいずれ将来コントロールできると考えているのです。
謙虚さを失って自然に対して闘いを挑もうとするのです。

アドラーや森田先生は、そうした感情、自分、他人、自然を意のままにコントロールしようとする態度を厳しく糾弾されています。
森田先生は、自然に服従する態度を求められております。
自然に反した行動は悪循環のスパイラルに落ち込んでしまいます。
アドラーはタテの人間関係ではなく、ヨコの人間関係を中心にして交流をはかることを提唱されています。
ヨコの人間関係は、まず相手の存在価値を正しく認めていく。
そして尊敬、信頼、協力、共感、平等、寛容、調整等を基本とした人間関係を提唱されています。
(続アドラー心理学 トーキングセミナー 野田俊作 星雲社参照)





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Last updated  2015.11.21 07:00:44
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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