森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.05.17
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作曲家の久石譲さんは、第三者のようにさめた視線で冷静に物事を判断することを重視している。
つまり、自分の感情だとか先入観などを取り払ったところでものを見て判断するのである。
このような第三者の脳の機能が働いていると、人や物事の本質を見誤ることが少ないといわれる。
確かにそうだ。これは森田理論でいうと「純な心」で見るということだと思う。
普通最初に物事に遭遇したとき、直観ともいうべきものが働く。それが「純な心」だ。
ところがそれは次々に湧き上がってくるもろもろの感情によって消し去られてしまう。
直感が働いていたことすら思い出せない。

久石さんは、最初の第一印象は間違いなくその人の本質を突いているといわれる。
初対面の人と会ったとき、第一印象は「この人は軽そう。ペラペラよくしゃべるし、何だかあまり信頼できそうな感じがしない」だったとする。

最初の印象を改めて再評価する。大抵の人は、ここでその人の本質を見た気になってしまう。
だが、しかしである。もっと長く付き合って、その人が土壇場に追い込まれた時を見たらいい。
必ず、最初の印象に戻る。
「なんだ、いざとなったらやっぱり軽かった」と言ったことになるケースが多い。

久石さんは、これを「サンドイッチ理論」と名付けている。
サンドイッチというのは、パンと中身の具を一緒に食べるから、サンドイッチとしておいしさがある。
人を見るときもサンドイッチだと思ってみればいい。
最初にパンの耳の部分だけ食べ、いまいちおいしくないと思い、次に中身の具材を食べて、割といけるじゃないか、と思ったとしても、それはサンドイッチの本質を捉えていない。
中に入るチーズでもチキンでもハムでも野菜でも、もともとそれだけで食べることができる。
しかし、具をはさんでいる両側のパンがなかったらサンドイッチにはならない。
パンだけの味、具だけの味で何を語っても、それはサンドイッチという全体を見たことにはならない。

(感動を作れますか 久石譲 角川書店 61頁より引用)

要するに、久石さんは物事や現象、他人を見るときに最初に感じたこと、いわゆる第一印象や直観力をもっともっと信頼したほうがよいといわれている。
森田理論も同様のことを言っている。
我々は第一印象や直観力から出発すれば間違いないのだが、それらを無視してしまう傾向がある。
事実を無視してすぐに「かくあるべし」で物事を判断したり、他人を評価してしまうのだ。





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Last updated  2017.05.17 06:30:07
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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