森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.06.23
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リンゴ農家の木村秋則さんは9年かかって、無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功した。


・リンゴの根を痛める原因となる農業機械は一切畑には入れない。
重い農業機械が土を踏み固め、根の生育を阻害するからである。
一般的なリンゴの木の根が6メートル位と言われているが、木村さんのリンゴの木の根は20メートルぐらい伸びているという。

・畑に雑草を生やして、土を自然の状態に近づける。一般的なリンゴ栽培では、雑草は綺麗に刈り取る。雑草を生やしていると、雑草にリンゴになるための養分を奪われてリンゴの木が弱ってしまうと思われている。しかし、夏の暑さで地表面の温度が極端に上がり、リンゴの根が悲鳴を上げる。
弊害のほうが実際には多い。
しかも10センチ以上の地下は急激に温度が下がっている。
雑草を生やしておくと地表面の温度は極端に上がることはない。

それが微生物の繁殖を高めて、水や酸素を地中深くまで届けてくれる。

・土壌に窒素が不足していれば、大豆を撒く。大豆には根粒菌が住みつき、肥沃な土地に変えてくれる。
何年か大豆を作っていると、根粒菌の量が減ってくる。
そうなるとリンゴの木は元気になり、毎年大豆を植えなくて済むようになる。

・秋には1回だけ草刈りをする。そうすることでリンゴの木に秋が来たことを教えるのだ。
そうしないとリンゴの木は赤く色づかないという。

・病気の発生の兆候を見極めて、その時には酢を散布する。

・害虫が増え始めたら、発酵リンゴの汁を入れたバケツを木にぶら下げる。
害虫の駆除はこれだけである。

・葉脈を見ながら、リンゴの木を剪定する。この剪定作業はとても大事であると言われている。

そうしてできたリンゴは、外見はごく普通のリンゴだ。それほど大きい訳ではない。

少なくとも外見は、デパートの地下食品売り場に並ぶような一級品ではない。
しかし、そのリンゴは信じられない位の味のするおいしいリンゴだという。
これは自然の中でリンゴの木がその持てる力を存分に発揮して実をつけた結果ではなかろうか。
私も以前弘前のリンゴ農家を回っていたとき、蜜の入ったリンゴというものを初めていただいた。
そのリンゴはこの世の食べ物とは思えないほど美味かった。


これは私が平飼いのニワトリの卵を食べた時にも感じたことであった。
黄身回りに白身がまとわりついて一段と盛り上がっているのである。
ゲージの中に身動きできないように監禁されて、エサと水をふんだんに与えられ、卵を生む機械として取り扱われているニワトリと、太陽の光をふんだんに浴びて動き回り、そこらじゅうの土を掘り返しながら有精卵を生み落としているニワトリの違いではないのか。

私たちは森田理論学習の中で、「物の性を尽くす」を学んでいるが、私たちが自らの命の再生産をしている食べ物について、本当に、米や野菜や動物たちの性を尽くしているのだろうか、大いに疑問である。
(奇跡のリンゴ 石川拓治 幻冬舎参照)





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Last updated  2017.06.23 06:30:09
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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