森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.07.17
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カテゴリ: 認識の誤り
資格試験などを受けていると一定の時間を過ぎると、できた人は答案用紙を伏せて退席しても結構ですといわれる。すると早速退席する人がいる。その時自分が半分もできていないと焦ることがある。
もうあの人はできたのか、自分はまだまだまだだ。
どうしよう。焦りまくって問題に集中できなくなることもある。
でもこの場合、彼には難しすぎてやる気がしなくなったんだなという受け取り方もある。
このように受け止めれば、かえって落ち着いて、集中できることもある。
でも実際の事実はどうなのかは彼に聞いてみないと分からない。
自分勝手に推論して、判断を下すというような問題ではない。
それなのにあえて結果を類推するということは、闇夜に鉄砲を放つようなものである。
めったに目的物に当たることはないだろう。仮に当たればまぐれだ。


警察で誤認逮捕ということがある。
わずかな証拠を基にして捜査を行っていると、無実の人を犯人に間違いないと思い込んでしまうのです。
少し前にはインターネットのサーバー攻撃の誤認逮捕があった。
普通の刑事さんは早期に犯人を挙げて事件を解決したいものです。
だから最初から黒だときめつけて捜査をするし、事情聴取をする場合は自白を得るために、あれやこれの手を使う。
このように明らかに推測の域をでないにもかかわらず、決めつけで対応する場合があるのです。
でも先入観によるきめつけや断定は、弾みがついてきて、ますますその決めつけや断定を強化していく。
後からその人が犯人でないということが分かると、取り返しのつかない、大変な不祥事という結果になる。

人間にはそうした決めつけという行動をとりがちだ。
神経質者の場合は、このきめつけという行為が多い。
事実を無視して、決めつけでもって行動の選択や方向性を作り上げていくのである。


ある刑事さんは「白の捜査」をするという。
「この人は本当はホシではないのではないか」という前提で捜査をしていくのです。
本人が自白しても、にわかに信じないで事実だけを積み重ねていく。
本当のホシなら最終的に白にはならない。そうなって初めて逮捕する。
ホシではないという可能性を一つずつつぶしていくのが捜査だというのです。


神経症の悩みは事実を誤認して、その結果、苦悩や葛藤を抱えていることが多いものです。
神経質者も決めつけかなと思った場合は、一旦それを保留にして、事実の裏付けをとるようにすることが必要です。
そのためには、いかに自分は事実を無視して、決めつけや先入観で物を見る傾向が強いということを自覚することが必要です。時間をおいて改めて考えてみる。第3者の意見を素直な気持ちになって聞いてみる。などの態度が欠かせません。





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Last updated  2017.07.17 06:30:03
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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