森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.09.05
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生の言葉です。
ここで修養の第一の出発点は、物事に対する「感じ」を高めていくことである。
われわれは、見るもの・聞くもの何かにつけて、ちょっと心をとめていれば、必ず何かの「感じ」が起こる。
かりそめにも、これにちょっと手を出しさえすれば、そこに感じが高まり、疑問や工夫が起こって、興味がわく。これを押し進めていけば、そこにいくらでも、進歩がある。
これと反対のものは「感じ」に対する理屈である。
注意せねばならぬ・誠実であれ・努力し忍受すべしとかいう抽象的な文句をもって、自分の心の働きを制御しようとすることである。
このときは、いたずらに心の不可能の努力のために、物に対して起こる自然な感じは、一切閉塞して、心の発展進歩はなくなってしまうのである。

僕は、熱海に行けば原稿を書き、囲碁将棋より他にあんまり仕事はないが、それでもイタドリを採りに行くとか、山の植物を採集し、谷川に盆石を探して回るとか、その時と場合に応じて、なんとか必ず希望に満ちた一日を送ることができるのである。
煩悶は煩悶のままで、何かと手を出していさえすれば、自然に心が、その方に引きつけられていく。

(森田全集第五巻  425頁より引用)

ここでは我々の普段の生活態度について述べられている。
神経質者は、不安や恐怖のために、取り越し苦労ばかりしてなかなか行動することができない。
そうなると、意識や注意が自分の身体や心に向かいやすくなる。
それをなんとかしようともがけばもがくほど逃れられなくなってくる。
その悪循環にはまらないためには、目の前の仕事ややらなければならない事などに、いやいや、仕方なしにでも手をつけていくことである。
意欲ややる気が沸き上がってこないのに行動すると出鱈目になるので、手をつけないというのは気分本位である。気分本位になると目的や目標を失い、その時々の感情に左右されて消極的な行動になる。
気分本位な行動は後で後悔するようになる。
自己否定するようになるので、とても苦しい。

いやいや、仕方なしにいても手をつけていると、そのうちに行動に弾みがついてくる。
ここが肝心なところだ。すると次第に気づきや発見、疑問などが出てくる。

新しい感情が養成されると、古い感情は相対的に薄まってくる。
新しい感情に基づいて新たな行動をとると、次から次へと新たな感情が湧いてきて、今まで悩んでいた不安や恐怖はいつの間にか忘れてしまうようにもなる。

私たちは、不安や恐怖で苦しい時に、それらを解消することでで将来に展望が開けてくるものかを見極める必要がある。あるいは人の役に立つことなのかを考えてみる必要がある。
それから外れる不安や恐怖については、目の前の仕事や家事などに積極的に取り組むようにして、新しい感情をどんどん作り出して、不安や恐怖を乗り越える技を身につけることが大切であると思う。





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Last updated  2017.09.05 06:42:24
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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