森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.10.28
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あなたには次のような傾向はないだろうか。


「私は人に合わせる事しか出来ない。合わせることをやめることができない。人に合わせなくても受け入れてもらえることがあると言うのは、私にとっては推測で、私の体験している世界は、合わせないと拒否されて、自分がなくなるという恐怖の世界。合わせなくても受け入れられることがあるということが信じられない」

「追い詰められるような調子で言われると、すぐに攻撃されているようで不安になってしまう。批判的に何か言われたとしても、自分の人格が指定されているのではなくて、ある1部について、もう少しこうであったらいいと言う意味で言われていると受け止められたら、自分がダメだと全否定されていると感じなくてすむのに、そういう感じ方ができない。何か批判されると自分が全部否定されているように感じてしまう」

こういう人たちが感じるのは、 自分自身に対する「存在レベル」の安心感の欠如です。
世界は脅威に満ちていて、常に怯えています。
周囲に対して「自分のありのまま」を出しても受け入れてもらえるという信頼を持てません。
自分の存在に何か「負い目」や「罪悪感」を感じ、他人の期待に応え、他人に合わせることによって、なんとか自分の居場所を確保し、存在を許されるかのように感じています。
自分の気持ちを尊重し、ノーと言うことができません。

(生きづらい時代と自己肯定感 高垣忠一郎  新日本出版社 42ページより引用)

これはかっての私の状況をうまく説明されていると思います。
いつも自分の気持ちや自分の言いたいことを我慢していていました。
他人から理不尽なことを言われても最初のうちは耐えて我慢しています。
耐えきれなくなると、活火山の噴火のように突然爆発してしまいます。
将棋で言えば、攻めることを忘れて、最初から最後まで防御のことばかり考えているのです。
本来攻めることと防御することがバランスがとれていないので勝負にはなりません。
また完璧に防御したかのように見えても、どこかほころびがあり、攻めることをしないので、最後は負けるのを待つばかりです。

この状態は、森田理論で言えば、 「生の欲望の発揮」に邁進することがとても重要なのですが、それに全く手付かずの状態です。
他人から承認されないと、この世の荒波は乗り越えていけないといって、人に合わせることばかり考えているのです。不安にばかり注意や意識を集中させているのです。守り一辺倒の人生を歩んでいます。

それでは、どうすればよいのか。人の思惑が気になるという特性は変えることはできないと思います。

そして不安と生の欲望のバランスを取ることを意識するようにするのです。
実際には「生の欲望の発揮」に100%のエネルギーを注いでいくことだと思います。
決して実現不可能なことではありません。
規則正しい生活をする。生活のための日常茶飯事に丁寧に取り組んでいくこと。
イヤイヤ、仕方なしにでも仕事や勉強に手をつけていくこと

やってみたいことや夢や目標に向かってチャレンジしてみること。

人の思惑が気になるという不安と「生の欲望の発揮」のバランスをいかに取っていくか。
このことを絶えず意識する。曲がりなりにもバランスがとれてくると、なんとか形になると思う。
これだと不十分だと思う人がいるかもしれないが、これ以上に苦しみや葛藤が大きくなるということは防げる。また、この体験によって対人関係の苦しみの大きさが縮小してくると思う。
そのうち、森田理論で学習した、「純な心」や「私メッセージ」を応用して、多少なりとも自分の気持ちを相手に伝えることができるようになればしめたものだ。
この状態にまで行けば、不安と欲望のバランスがとれてくる。重苦しい気持ちが少なくなる。

次に相手から追いつめるような言い方をされると、すぐに自分の全人格を否定されたような憂鬱な気持ちになることについてどう考えるか。
これも私がいつも感じていたことです。小さなことで批判や叱責をされると、それがすぐに自分の一生を左右するかのような大きな問題に発展させてしまう。
小さなミスや失敗をすると、周りの人たちは自分のこと軽蔑して、もう相手にしてはくれないはずだ。
もうこの会社での居場所がなくなった。このまま退職してしまおう。こんなミスをしてしまう自分は何をやってもダメだ。もう生きていく資格がない。死んだ方がマシだ。などなど。
目の前の処理すべきミスや失敗を放り投げて、意識や注意がネガティブに内省化してしまうのである。
極めて気分本位な考えである。森田ではこういうのを自己中心的だという。

そういう場合は、よく事実を見ることである。そしてその事実をごまかしたり隠さないですぐに認める。
たとえばミスや失敗を、上司や同僚に報告して、事後処理を相談する。
その時は批判されたり叱責を受けて、注射針を刺されるような痛みは感じるが、すぐに事後処理のほうにエネルギーを注ぐので、その痛みはすぐに沈静化してくる。
そのような態度で仕事をしていれば、小さなミスや失敗が自分の一生を左右するような大きな問題には発展しない。
大きな問題に発展させてしまう人は、嫌な事実を隠したり、捻じ曲げて、一時しのぎの心の安らぎを得ようとする人である。
そういう習慣のある人は、このブログで取り上げている「事実本位・物事本位の生活態度の養成」の学習をして、認識を改める必要がある。想像上の不安や恐怖を掻き立ててはならないと思う。





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Last updated  2017.10.28 06:30:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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