森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.01.05
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森田では現実的な不安と神経症的な不安を分けて考えます。
現実的な不安は面倒でも、気がすすまなくても積極的に行動しないと後で大きな問題になるというものです。
「不安は安心のための用心である」という言葉をスローガンにして不安の解消に向けて取り組むことが大切です。

一方、精神的な不安は、欲望があるから発生していると考えます。
ここでの目の付け所は不安ではありません。
自分の欲望に焦点を当てて、自分の欲望は何かをはっきりさせることです。
具体的な対応としては、不安を抱えたまま課題や目標、興味や関心のあることに向かって切り替えていくことです。

ただし、欲望を無制限に追い求めると弊害が大きくなります。
欲しいものは何でもすぐに手に入れたいと考えたとしても現実的には難しい。

返済のために必死で働きますが、リストラ等で退職すると、多額の負債を抱えることになってしまいます。

欲望が暴走すると人間関係は支配―被支配の縦の人間関係になります。
太古の昔から人間は欲望が独り歩きしていざこざ、紛争、戦争を繰り返してきました。本来人間には精神拮抗作用という機能が標準装備されています。
不安がでてきて欲望の暴走を制御しているのです。
不安と欲望のバランスの維持を心がけて生活しないと人類の繁栄は望むべくもありません。
世界上で核爆弾が何万発もある状況では、追いつめられた人が破れかぶれになって核の使用に踏み切ることは十分に考えられます。

最初欲望の達成に向かって努力精進しているうちは何の問題もありません。
しかし達成困難な欲望を、是が非でも必ず達成しなければならないと考えるようになると、すぐに「かくあるべし」という観念にすり替わってしまうということを忘れてはなりません。
生の欲望の達成という崇高な目標が、自分を否定する凶器に変身してしまうのです。恐ろしいことですが、この二つは紙一重なのです。
自分の立ち位置を天高く雲の上にとり、地上にいる自分の現実をきびしく批判・否定するようになるのです。
森田理論でいう思想の矛盾で苦しむようなことになります。


長い物干し竿のものを持ってバランスを維持しながら注意深く前進しています。
物干し竿の両端に欲望という重りと不安という重りがついていると考えています。
このバランスをとることを忘れると落下して網が張ってないと大けがをするか、最悪命を落としてしまいます。
生の欲望の達成が「かくあるべし」にすり替わらないように心がけることが肝心です。





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Last updated  2025.01.05 06:39:26
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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