森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.01.24
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幇間(ほうかん、別名太鼓持ち)という仕事をされていた悠玄亭玉介氏のお話です。

太鼓持ちの語源は、織田信長時代に太鼓を打つ名人がいました。
あまたいる弟子の中で、一番太鼓の持ち方がうまい弟子を連れていく。
他の弟子たちがやっかんで、「あいつはたかが太鼓持ちじゃないか」と言ったという。

幇間の幇という字は、土を重ねて寸と書き、巾と書きます。
つぎに間とかく。封とは大名の意味です。その巾の間を縫うということ。

つまり幇間は間の商売、タイミングの商売なんです。
お座敷の演出者、司会者として場を盛り上げる商売です。
だから出過ぎちゃいけない。

常に客に合わせて、客を立てる商売です。
お客様に楽しい時間を過ごしてもらうために、全身全霊で仕事に取り組んでいる。
お客様があって空きの間がないようにするのが幇間ですから、お話してても、3秒と間が空いてはいけない。
芸者衆をうまく取りまとめるのも幇間の仕事です。だから易しいようで難しい。

幇間の仕事で大切なことは何か。
・得意な芸を持つ。この方は歌舞伎声色大会で、玄人の声色師と勝負して優勝するほどの腕を持っている。

・幇間を仕事にするからには礼儀作法を徹底的に学ぶ必要がある。
幇間と噺家はお辞儀の仕方が違うそうだ。
お酌一つにしても、徳利は必ずお膳の上に持っていく。
もしお客様の杯を持つ手がお膳の上にない場合は、空いた手を相手の下に持っていく。

・お客さんが大事なお仕事をされているとき出しゃばってはいけない。


・身だしなみには特に気を配っている。5日に1回は散髪に行っている。
仕事の前には必ずお風呂に入って身を清める。

幇間という仕事は、世間では「太鼓持ち」だと軽蔑しますが、相手に寄り添い、相手を立てるという意味では最高級の芸人だと自負している。
なにしろ高松の宮様と妃殿下、三笠宮様、島津貴子様、歴代の総理大臣だって吉田茂さん、池田勇人さん、佐藤栄作さん、竹下さん、宇野さん、海部さん、宮沢さんたちを接待して、芸をお見せしていたんですから生半可な接待や芸では通用しないですよ。
みなさん、「玉ちゃん、玉ちゃん」と言って贔屓にしてくださいました。

幇間という仕事については、私は世の中全部、太鼓持ちだと思っていますよ。

偏屈じゃ無理。会社だって、社長になるにはヨイショが必要。
商売は当然、お得意様にヨイショして商売を成立させる。
だから世の中全部、太鼓持ち。
ヨイショは、日本ならではの美徳であり、社会の潤滑油だと思いますな。

私はね、とにかく人生は今日1日幸福、と思うのが信条なんです。
その1日を幸福と思えない人は不幸でね。
そのためには、人に惚れ、仕事に惚れ、自分に惚れることじゃないかな。
よく一怒一老というでしょ。ひとつ怒るとひとつ老人になるってさ。
(上手な老い方 藍の巻 サライ編集部編 小学館 213~226ページ)

太鼓持ちは、私の場合でいえば、初めて集談会に来た人に、ねぎらいの言葉がけをして、相手の悩みや苦しみを聞いてあげることだと思います。
たとえ森田的に見てこうすればよいのにと思っても、最初のうちは敢えて封印しなければなりません。





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Last updated  2025.01.24 06:32:00
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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