森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.04.19
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神経症を克服するには、3つの面から取り組むことが有効です。

​①精神交互作用の打破​ ・・日常生活の中で不安や緊張や心配事は誰でも頻繁に発生します。
普通の人は解消できるものはすぐに対応し、どうにもならない神経症的な不安はそのまま見過ごすことができます。
そしてなんとか日々の生活に取り組んでいます。
神経症に陥る人は、自然現象である不安をそのまま見過ごすことができません。
また多くの不安の中から一番気になる不安を問題視しています。
これさせなくなれば、悩みから解放されて、問題は全て解決すると考えています。
一つの不安に注意を集中すれば、感覚は鋭くなります。
鋭くなった感覚は益々注意をひきつけます。

頭の中で注意と感覚の悪循環が起きてしまうことを精神交互作用と言います。

精神交互作用を打破するためには正面突破ではなく迂回戦略が有効です。
最初はしんどいのですが、規則正しい生活を習慣化することです。
なんだそんなことかと、がっかりする人が多いのが実態です。
実体験で確かめるとこんな手があったのかと驚かれると思います。

​②思想の矛盾の打破​ ・・・「思想の矛盾」は頭で考えたことと、事実・実際との間にくい違いが起きてくることを言います。
自分の頭で考えた「こうでなければならない」「こうであってはならない」などを自分や他人に押し付ければ押し付けるほど、実際にはその通りにならないことが多い。そしてイライラして葛藤や苦悩を抱えてしまうのです。
観念中心で事実をコントロールしようとすると葛藤や苦悩で身動きがとれなくなります。

思想の矛盾を打破するためには、不快な感情や気分本位の気持ちが浮かんできたとき、第三者の立場に立って、不快な感情や気分を客観的な立場から眺めることが大切です。私は第三者のことを「専属アナウンサー」と呼んでいます。
ネガティブな思考や感情が湧き上がってきたときに、専属アナウンサーを現場に急行させて、実況中継をさせています。
その時見たままの状況を生身の自分にわかるように実況中継させているのです。
このことを森田理論では、「自覚を深める」と言っています。

第三者の立場に立つとかなり冷静になれます。

​③ヒポコンドリー性基調の改善​ ・・・注意や意識を外に向けるよりも、内に向ける傾向が強いことを言います。
森田では神経質性格者は自己内省性が強いという特徴があると言われます。
これは別に悪いことではありません。ある意味では優れた特徴です。
予想される問題点を普通の人よりもより多く見つけ出すことができる。


これらは自己内省性の強い人のプラス面ですが、マイナス面もあります。
心配症で取り越し苦労をする。マイナス思考、ネガティブ思考に陥りやすい。
自己嫌悪、自己否定、他人否定に陥りやすい。
バランスがくずれているのです。
バランスをとるためには、心を外に向けることに注力していくことです。
心を外向きにするためには、外に出て行動することです。
陶芸家の河井寛次郎氏は、このことを「手考足思」と言って大事にされていました。





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Last updated  2025.04.19 06:31:30
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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