森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.05.10
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精神科医の野村総一郎氏のお話です。

鬱病というのは心の病であるわけですが、罹るのは4つの要因がある。

①劣等意識・・・自分は弱い、ダメ人間だなどと自己否定する。

②被害者意識・・・自分は損をしている、被害を受けていると思って反抗的態度をとる。

③完璧主義・完全主義・理想主義・・・「かくあるべし」が強く現実や事実を否定する。

④執着主義・・・どうにもならない不安にいつまでもとらわれる。

これらの問題の解決を「老子」の教えから考えてみたい。
老子は ​​「 上善は水の若し」 ​​ と言っている。


人が嫌がる「低いところ」へ流れ、そこに留まる性質がある。
水というのは、やわらかく、弱い存在であるかのように思えるが、実際には岩をも砕く強さがある。
水は、弱く、争わない存在であるが、結局は勝利を収める。
中途半端に強くなろうとせず「水の若く」あえて弱さを選択するのも一つの方法である。
水は下へ下へと流れる冴えない存在で、蒸気になったり氷になったりと姿かたちを変えて主体性のないようにも思えます。
しかし、時には岩をも砕くほど荒々しい滝となる。
水の弱さ、すなわち柔軟性があるからこそ、強固なものに打ち勝つことができる。
そう捉えると、 弱さこそが武器となっている のです。

この世で生きている限り、自分の思い通りにいかないことが多い。
それを思い通りにしようとしたり、自分のものにしようとすると、目的達成どころか、ほろびの道につながりかねない。


水は自然に反旗を翻ることはしない。
水は周囲の状況に応じて、水、氷、水蒸気といろんな姿に変化します。
つまり我を押し通そうとはしていないということです。
周囲の変化に自分の方を合わせようとする。
相手にしてみれば、暖簾に腕押し状態になるので言い合いや喧嘩にならない。
水の動きから学ぶことは多いようです。


観念中心の「かくあるべし」を自分にも、他人にも、自然にも押し付けているわけですから気が休まる時がありません。
水のようにそれらをあるがままに受け入れて、本来なすべきことや興味や関心のあることなどに取り組むようにすれば葛藤や苦悩は随分少なくなります。

水の動きを参考にして、人間関係をよくする方法を考えてみました。
人間関係で勝ち負けをかけた争いごとに明け暮れている人はしんどいと思います。
対人恐怖の人は、もともと他人が怖いという気持ちを持っています。
仲間と集まって楽しく過ごすよりも、比較的単独行動をとっていることが多いと思います。
そういう人がプライドをかけて、相手が上か自分が上か、相手に勝つか負けるかという態度を前面に出していると、しだいに孤立してしまいます。
あなたがプライドをかけて嫌がらせをしている相手は、仲間たちに悪い噂を吹聴していることを忘れてはなりません。
多くの仲間と情報共有をしながら反撃の機会をうかがっているのです。
そしていずれ仲間を引き連れて、大挙して反撃をしてくるようになるのです。
多勢に無勢、その結果がどうなるか、火を見るよりも明らかです。
気に入らないことがあっても、争いごとを避けて、快く相手に勝ちを譲るという気持ちを持っておくと、人間関係が一挙に瓦解することはありません。





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Last updated  2025.05.10 06:20:09
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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