森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.11.12
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カテゴリ: 感情の法則
岡田武史氏のお話です。

以前、ライフル射撃の日本代表にうかがった話ですが、弾を的に当てるためには、銃の先端についている照準とずっと前方にある標的を一直線に結ばなくてはなりませんよね。
そのとき、照準や標的ばかりを、銃の先をピタリと停止させることができないそうです。
一点に集中しすぎると力が入って銃が停止しないんですね。
どうするかというと、照準や標的の景色も視野に入れながら集中するんだそうです。つまり「全体に集中する」ことが大事なのです。
普通頭の中で考えると、限りなく一点に注意を集中する方が、命中率が高いように思われますが実際は違うということです。
(勝負哲学 岡田武史&羽生善治 サンマーク出版 75ページから要旨引用)

ここでは過度に注意や意識を一点に集中することの弊害について説明されています。これは楽器の演奏の場合も一緒です。
何回も練習をしているにもかかわらず、譜面どおりに演奏できないという場合があります。

その不安を払しょくするために、付焼刃的に気になる部分に集中して練習を繰り返します。
これは逆効果です。不安が収まるどころが、益々膨れ上がってきます。
森田理論の感情の法則4に、「感情は、その刺激が継続して起こるとき、注意をこれに集中するときに、ますます強くなるものである」とあります。
そんなときは、人という字を手のひらに書いて呑み込めば効き目があるという人もいますが、あまり効果はありません。

ではどうすればよいのか。
その部分は上手な人にまかせて、自分は休むという手があります。
しかしソロ演奏の場合はそうはいきません。
難しい部分はゆっくりと運指を確認しながら基礎練習をくり返します。
何回も練習していると少しずつですができるようになります。
この段階では人様に披露できるようなものではありません。
次に全体の通し練習を行います。

そうすると成功確率は99%に跳ね上がるという法則があります。
難しい部分も459回の練習の中で微調整を繰り返しながら、多少の違和感がありますが、何とかこなせるようになっていきます。
不思議なことですが、練習を繰り返しているうちにいつの間にかできるようになっていたという経験は何度もあります。
難しいところを無意識に演奏していたという状態になればほぼ大丈夫です。
ちなみに100回の練習では、成功確率は64%ですから不安が残ります。

「弱気は最大の敵、強気は最大の味方」という言葉を唱えます。
不安は肯定語に切り替えるのです。
うまく演奏できたら自分にちょっとしたご褒美を与えるのもいいですね。
演奏のし始めは多少緊張しますが、しばらくすると指が勝手に動いてくれるようになります。
観客の様子が観察できるようになると、自信が出てきて抑揚をつけることを考えるようになります。
観客と一緒になって演奏を楽しむことができるようになります。





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Last updated  2025.11.12 06:33:12
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Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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