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クラスメイトの多くがiphoneだのプレステだのWiiだのと最新のテクノロジーを駆使したエンタテイメントツールを持つ中でそうした話題に全くついて行けてなかった可哀想なA美。しかし、おねだり一つせず、手作りの「なんちゃってスマホ」で我慢しているそんな娘が不憫でならなかった父親は、僅かばかりの月々の小遣いを爪に火を点す思いで倹約し、清水の舞台から後方抱え込み2回宙返り1回ひねり(別名ムーンサルト)をする思いでBig Wへ出向き、ついにA美念願のipod touch(8GB)を購入するに至ったのであった。A美の喜びようは勿論半端ではなく、早速お気に入りの曲をたっぷりとダウンロードし、寝室へ行くにもバスルームへ行くにも今や肌身離さず持ち歩いている。それでも、持って生まれた貧乏性というのは体に染み付いているもので、部屋にこもって何をしているのかと思えば自分の古くなった靴下をミシンで縫い合わせ今度は手作りの「ipodケース」をこしらえていた。こうすればクリスマスにipodケースをプレゼントでもしてくれると思っているのだろうか。残念ながら、そうは問屋がおろさない。次は自分で買う事を覚えなさいっつの。まぁしかし、このへんの「倹約意識」(別名「どケチ道」)が体に染み付いているのはきっと我が家の「ハウスルール」の存在なんだろうと思う。そのほとんどは嫁はんが公布し、それに基づいて我が家の住人に施行されているのであるが、例えば、・クーラーと乾燥機は設置されているが使ってはいけない。・白熱灯はまめに消す。蛍光灯はスイッチングの回数を減らす。・米のとぎ汁は庭の水撒きに。・トイレ(小)をする際には声をかけあい、まとめて流す。・野菜の皮はまとめてキンピラに。・ホテルのコーヒー紅茶、シャンプー石鹸類は基本「根こそぎ」持ち帰る。などなど。「さすがにもう入ってないだろ~」というくらいペチャンコになったチューブから歯磨き粉がにゅる~っと出てくるたびに、わが嫁の手を「ゴッドハンド」と崇め奉っているおいらである。
2011.11.25
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恐れていた日がとうとうやってきてしまった。3年9ヶ月に渡ってうちのオフィスで経理を担当されていたSさんが退職されたのである。もともと一年近く前から、退職の意思表示をされていたSさんであったが、決算の仕事が一区切りつくまではと、今日の今日まで会社に貢献されての円満退社であった。会社の会計を一手に引き受けられ、毎日遅くまで仕事をされていたSさんの勤勉さには全く頭の下がる思いであり、同時にユーモアたっぷりの親しみ深い人柄で、おいら達にとっては非常に頼れる貴重な存在であった。そして、以前から日記でもちらっと触れていたのだが、そんなSさんが築き上げてきた経理の仕事を、何故か経理の「ケ」の字の知識もないおいらが、Sさんの後を継ぐ事になった。Sさん退職後の人材の補充はない為、今自分が抱えている仕事に加えて、である。自慢じゃないが、おいら40代にしては「毛」はふさふさある方なのだが、そんな事は残念ながら経理の「ケ」の字とは微塵も関係がないらしく、Sさんがいなくなった途端に、数字の集計やお金の管理に悪戦苦闘する事となった。おいらの今までのフィールドでは、1+1が1.8だったり、2.1だったりしてもさしたる影響はなかった。しかし経理の世界では、1+1は絶対2でなければならない。帳簿のバランスがあわなかったとしても、「そこは見逃しておくれやす」とか「次頑張りますから」じゃあ済まされないのである。おいらは、どちらかというと論理的ではなく右脳で感覚的に仕事をしてしまう人なので、数字が緻密に整った資料よりは、棒グラフと文章のレイアウトとか、巧みな文章表現とかで逃げ切ろうとするタイプ。おいらが社長なら表紙はこうしたい。なので、商売の実態がどうなっているかという肝心な損益の数値よりも、このグラフの配色が気に入らないなぁ、このフォントよりは、こっちのフォントにして、文字サイズも統一して、なんて事をやっている間にハッと気がついたらそんな無駄な事に数時間を費やしていたとか。月次の会計の報告を作るのに、何故か文章がエッセイ調になってしまったりとか。しかも、ビジュアル的に資料が素敵に仕上がった場合や、ビシーッとファイリングや製本が出来あがった場合、その数字や内容はガタガタながら、ものすごいいい仕事をしたように大きく勘違いしてしまうのがおいらの悪い癖。そんな失敗ばっかりを繰り返している毎日。だめよ。こんな事ではいけないわ、実のある仕事をしなくては、と思いつつも、なんせ会計や簿記のバックグラウンドのないおいらにとっては、毎日が緊張と頭痛の連続なのである。引継ぎしていた当初は、あまりの未知の世界の仕事に頭の中を数字がぐるぐる回って吐きそうになっていたのであるが、最近では会計のシステムにアクセスしようとすると、自己防衛反応で猛烈な睡魔が襲ってくるようになったおいらであった。
2011.11.18
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先日の週末、A美の通っている体操教室のクラブ選手権大会があり、夫婦で応援に出かけた。今回の大会はクラブ全体で行われたレベル別のコンペティションであり、その仕草もかわいいLevel1から、ナショナルクラスの高い難度のLevel8まで、幅広いグレードの演技を楽しむ事が出来た。A美の属するLevel3は、初級の上と言ったところ。もう一つ上のLevel4へ上がると、平均台から宙返りで着地したり、跳馬も国際競技に使用される器具を使用したりと、いよいよ本格的になるのであるが、そこへ上がるまではレベルテストをクリアするまでおあずけである。この日のA美の演技の様子は、こちらをご覧いただきたい。但し段違い平行棒は本人曰く着地に失敗したらしく、気がついたらおいらのデジカメからこっそり消去されていた事を申し伝えておこう。本題はここから。この日、家に帰ってから、A美の部屋で体操競技の採点に関する話になった。A美曰く、なんでもレオタードから下着がはみ出たら「減点」になるので、レオタードの下はノーパンなんだそうな。せっかく難しい演技をしても、パンツがでろ~んと見えてしまっただけで難易度が一つグレードダウンするくらいの減点を食らってしまうそうなのである。「何故ゆえにパンツが見えると減点されるのだ?」と父が質問すると、A美曰く、なんでも過去にパンツが見えるのを気にする事によって気が散漫になり、怪我をした選手がいたためだ、とコーチに説明されたという。「ならばブラジャーが見えても減点なのか?」との父の質問に対し、A美は、「ブラはいいんだって。パンツはだめらしいよ」と面倒くさそうに答えた。ブラが良くてパンツが駄目だというルールに納得のいかなかったおいらは、レオタードの下がノーパンであるという事実も相まってついつい興奮状態となり、「何故ゆえにブラジャーはいいのにパンツはだめなのか?」「パンツが見えぬようにTバックを履けば良いのではないか。コーチに確認はしたのか?」「ならば男子はどうする。男はパンツを履かない方が見えてはならぬものが見えてしまう危険があるのだぞ」と、矢継ぎ早に詰問してしまった。おいらとしては極めて真面目な質問だったのであるが、よっぽどそんなおいらからの質問攻めがうざかったのであろう。A美は父親から逃げるように、部屋からぷいっといなくなってしまった。なんだつまんねえの、と思いつつ、おいらも一人A美の部屋に取り残されていても仕方ないので、リビングの方へ下りていった。すると、何故か家の中から聞こえるはずもない「お経」が聞こえてきた。何故こんなオーストラリアの、しかもヤップーンの田舎町でお経が聞こえるのだろうと不思議に思っていると、その出所は我が家の台所でヘッドフォンで音楽を聴きながら料理をしている嫁はんからだった。嫁はんに気がつかれないよう、市原悦子のごとく柱の陰から耳を傾けてその鼻歌であろう声を聴いてみるとどうやらそれは平井堅のアップテンポな楽曲の歌詞に間違いなさそうだったのであるが、どこをどう聞いてもおいらにはそれが「読経」にしか聴こえなかった。なんだか怖くなって、リビングへもキッチンへも行く事もままならず、家の中で居場所を失ってしまったおいらの週末なのだった。
2011.11.04
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