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明月灣尋賀九不遇二首 劉長卿 其一楚水日夜緑、傍江春草深(一作滋)。青青遙滿目、萬里傷歸心(一作心歸)。【韻字】深・心(平声、侵韻)。【訓読文】明月湾にて賀九を尋ねしも遇えず。楚水日夜緑にして、江に傍ひて春草深し。青青として遥かに目に満ち、万里帰心を傷ましむ。【注】至徳二載(七五七)春、長洲における作。○楚水 呉の地は戦国時代に楚に属したので、太湖および松江等の川を指す。○明月湾 太湖の洞庭山下にあり。○賀九 賀朝。越州の人。賀知章・万斉融・張若虚・■(「形」の「彡」をオオザトに換えた字。ケイ)巨・包融などと名を斉しくした。官は山陰の尉に至った。【訳】明月湾において賀九を訪問したが留守で会えなかったことを詠んだ詩。楚水は日夜緑にて、川沿い春の草深し。川の流れも川原の草も見渡す限り青青と、君に会えずに消沈し我が家へ帰るとぼとぼと。 其二故人川上復何之、明月灣南空所思。故人不在明月在、誰見孤舟來去時。【韻字】之・思・時(平声、支韻)。【訓読文】故人川上復た何くにか之く、明月湾南空しく思ふ所。故人在らずして明月在り、誰か見ん孤舟来去の時。【訳】川のほとりを我が友は家空けどこへいったやら、明月湾の南にて空しく君を思ふなり。旧友家にあらずして明月のみぞ空にある、誰が見るやらわが舟の寂しく行き来するさまを。
April 27, 2008
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贈湘南漁父 劉長卿問君何所適、暮暮逢煙水。獨與不繋舟、往來楚雲裏。釣魚非一歳、終日只如此。日落江清桂楫遲、纖鱗百尺深可窺。沈鉤隨餌不在得、白首滄浪空自知。【韻字】水・裏・此(上声、紙韻)。窺・知(平声、支韻)。【訓読文】湘南の漁父に贈る。 問ふ君何れの所にか適き、暮暮煙水に逢ふ。独りあに舟を繋がず、楚雲の裏に往来す。釣魚一歳にあらず、終日只だ此くのごとくなる。日落ち江清らかにして桂楫遅く、繊鱗百尺深くして窺ふべけんや。沈鉤餌に随ふも得るにはあらず、白首滄浪空しく自ら知る。【注】○湘南 湖南省洞庭湖に注ぐ湘水の南方。○暮暮 毎夕。○煙水 もやのたちこめた川。○楚雲 楚(湖南・湖北省)の地方の空。○桂楫 桂の木でつくった櫂。○滄浪 青く澄んだ川。【訳】湘南の漁父に与える詩。 きょうはいずこで釣りせしや?またこの夕べ君とあう問ふ君何れの所にか適き、暮暮煙水に逢ふ。舟を繋がず、楚の雲の下をあちこち行き来する。釣魚つりはじめ長かろに、日がないちにちこのとおり。日は落ちかかり水清く櫂の進みはいとおそく、川ふかければ一匹の魚の姿もみえぬなり。釣り針に餌をつけたるも魚を得るためにはあらず、白髪あたまで川見つめこの人の世を観ずるなり。
April 20, 2008
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