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贈秦系 劉長卿向風長嘯戴紗巾、野鶴由來不可親。明日東歸變名姓、五湖煙水覓何人。【韻字】巾・親・人(平声、真韻)。【訓読文】秦系に贈る。風に向かつて長嘯し紗巾を戴けば、野鶴由来親しむべからず。明日東帰して名姓を変ずれば、五湖煙水何人か覓めん。【注】○秦系 劉長卿の友人。越州会稽(浙江省紹興市)の人。字は公緒。号は東海釣客。○長嘯 口をすぼめて声を長く引く。口笛を吹くたぐい。○紗巾 うすぎぬの頭巾。○野鶴 野に棲む鶴。○由来 もともと。○東帰 東国に帰る。○変名姓 越王句践の謀臣、范蠡は、呉を滅ぼしたのち、舟を五湖に浮かべ、斉に去り、姓名を鴟夷皮子と改め、大富豪となり、さらに陶(山東省)に行き陶朱公とよばれたという。○五湖 古代の五つの湖。諸説あるが、太湖の別名ともいう。○煙水 もやのたちこめた水面。【訳】秦系に贈る詩。絹の頭巾を戴いて風に口笛鳴らせども、もとより抜けぬ俗っぽさ、野性の鶴は近寄らぬ。明日東に帰りゆき姓名ともに変えたなら、もやたちこめる五湖のうえ誰が我をば探そうぞ。
January 31, 2007
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會赦後酬主簿所問 劉長卿江南海北長相憶、淺水深山獨掩扉。重見太平身(一作人)已老、桃源久住不能歸。【韻字】扉・帰(平声、微韻)。【訓読文】赦に会ひて後に主簿の問ふ所に酬ゆ。江南海北長く相憶ふ、浅水深山独り扉を掩ふ。重ねて見る太平に身(一に「人」に作る)已に老いたるを、桃源久しく住して帰ること能はず。【注】○赦 罪や過失をゆるす。刑罰を免除する。○主簿 記録や文書をつかさどる低い役。書記。○江南 揚子江下流の南方。○掩 閉じる。○太平 世の中がよく治まって平和なこと。○桃源 俗世間を遠く離れた別天地。仙境。湖南省常徳県の西南の桃源県に伝説の山がある。【訳】恩赦により主簿から近況を尋ねられて答えた詩。江南海北われ常に君のことをば思いつつ、清流浅き深山に独り世間と絶交す。我が身ふたたびかえりみりゃ平和な暮らしに年かさね、憂き世離れた仙境に長くとどまり住み慣れて町に帰るもめんどうな。
January 29, 2007
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寄別朱拾遺 劉長卿天書遠召滄浪客、幾度臨岐病未能。江海茫茫春欲遍、行人一騎發金陵。【韻字】能・陵(平声、蒸韻)。【訓読文】朱拾遺に寄せ別る。天書遠く召す滄浪の客、幾度か岐に臨むも病んで未だ能はず。江海茫茫春遍ねからんと欲し、行人一騎金陵を発す。【注】○朱拾遺 未詳。「拾遺」は、君主を諫める役。○天書 天子の詔書。○滄浪 漢水の下流。○臨岐 分かれ道に臨む。○江海 揚子江と海。○茫茫 はてしのないさま。○行人 旅人。○金陵 南京。【訳】別れにあたり朱拾遺に送った詩。きみは天子に召されゆく、かつて何度か岐路につき、そのたび病みて果たさざりき。きょう江海は広々と春の気配が満ちあふれ、君は金陵あとにする。
January 28, 2007
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送王司馬秩滿西歸 劉長卿漢主(一作代)何時(一作人)放(一作訪)逐臣、江邊幾度送歸人。同官歳歳先辭滿、唯有青山伴老身。【韻字】臣・人・身(平声、真韻)。【訓読文】王司馬の秩満にして西に帰るを送る。漢主(一に「代」に作る)何れの時にか(一に「人」に作る)逐臣を放(一に「訪」に作る)、江辺幾度か帰人を送る。同官歳歳先づ辞満ち、唯青山の老身を伴なふ有り。【注】○王司馬 未詳。「司馬」は、郡の次官。○秩満 役人としての任期が満了する。○漢主 漢の天子。暗に唐の天子を指す。○何時 いったいいつになったら。○放 ゆるす。○逐臣 君主に追放された家来。○江辺 かわのほとり。○幾度 何度。○同官 同じ役目の者。○歳歳 毎年。○辞 別れの挨拶。○青山 樹木の青々と茂る山。【訳】王司馬がお役目の任期を終えて西に帰るのを見送る詩。漢の天子は我が身をばいつになったら許したもう、川のほとりで何度目か帰りゆく人見送りき。同じ役目の者たちが毎年いとまこいて去り、ああ我のみは年老いた身を青山にうずめんか。
January 27, 2007
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酬李穆見寄 劉長卿孤舟相訪至天涯、萬轉雲山路更■(「貝」のみぎに「余」。)。欲歸柴門迎遠客、青苔黄葉滿貧家。【韻字】涯・■(シャ)・家(平声、麻韻)。【訓読文】李穆に寄せらるるに酬ゆ。孤舟相訪ひて天涯に至り、雲山を万転すれども路更に■(とほ)し。柴門に帰りて遠客を迎へんと欲すれば、青苔黄葉貧家に満ちたり。【注】○李穆 劉長卿の婿。建中元年、かつて長卿を随州に訪問し、之と唱酬す。建中・貞元のころ揚州に住した。○孤舟 一艘の小舟。○天涯 天の果て。都から遠い地。○万転 なんども経めぐる。○雲山 雲のかかる高い山。○■(シャ) 遠い。○柴門 しばを編んで作った粗末な門。また、むさくるしい家。○遠客 遠方からたずねてくる客人。○青苔黄葉 青いコケと黄色い落ち葉。客を迎える際に掃除すべきもの。○貧家 貧乏ぐらしの家。【訳】李穆に贈られた詩に答える詩。君は独りで舟に乗り天の果てまでやってくる、多くの山を経めぐれど道のりさらに遠かろう。埴生の宿に帰りきて遠くの客を迎えんと、庭先をふと眺むれば苔や落ち葉に満ちている。
January 22, 2007
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寄許尊師 劉長卿獨上雲梯入翠微、蒙蒙煙雪映巖扉。世人知在中峰裏、遙禮青山恨不歸。【韻字】微・扉・帰(平声、微韻)。【訓読文】許尊師に寄す。独り雲梯を上りて翠微に入れば、蒙蒙たる煙雪巌扉に映ず。世人中峰の裏に在るを知り、遥かに青山に礼して帰らざるを恨む。【注】○許尊師 劉長卿の知人らしいが、未詳。「尊師」は、道士の敬称。○雲梯 くもに届きそうな高いはしご。○翠微 みどりにけむる山の中腹。八合目。○蒙蒙 たちこめて薄暗いさま。濛々。○煙雪 もやと雪。○巌扉 岩穴のとびら。○世人 世間の人々。○礼 おがむ。【訳】許尊師に贈る詩。高き梯子を上りゆき山の八合きてみれば、粉雪舞いて蒙蒙と巌の扉に吹き付くる。尊師の住むは深き峰、世人は山をふし拝み、いつまでたっても町なかに帰らざるをば恋い慕う。
January 21, 2007
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尋盛禪師蘭若 秋草黄花覆古阡、隔林何處起人煙。山僧獨在山中老、唯有寒松見少年。【韻字】阡・煙・年(平声、先韻)。【訓読文】盛禅師の蘭若を尋ぬ。秋草黄花古阡を覆ひ、林を隔てて何れの処にか人煙起くる。山僧独り山中に在つて老い、唯だ寒松の少年を見る有り。【注】○盛禅師 未詳。劉長卿の知りあいの僧侶らしいが、未詳。○蘭若 山中などの閑静な地にある庵。○阡 あぜみち。○人煙 人家のかまどのけむり。○少年 若者。日本でいう「少年」よりもやや年齢層が高く三十歳代も含む。【訳】盛禅師の庵室をたずねたおりの詩。秋の花さく古き道、林のむこう煙たつ。山のひじりは年老いて、若者見下ろす松の枝。
January 15, 2007
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重送裴郎中貶吉州 劉長卿猿啼客散暮江頭、人自傷心水自流。同作逐臣君更遠、青山萬里一孤舟。【韻字】頭・流・舟(平声、尤韻)。【訓読文】重ねて裴郎中の吉州に貶せらるるを送る。猿啼き客散ず暮江の頭、人自から心を傷ましめ水自から流る。同じく逐臣と作(な)るも君更に遠し、青山万里一孤舟。【注】○裴郎中 劉長卿の友人らしいが未詳。○貶 官位を落として地方へ流される。○吉州 江西省吉安市。 ○散 帰ってゆく。○暮江 ゆうぐれの川。○頭 ほとり。○傷心 こころをいためる。○同 同様に。○逐臣 追放された臣下。○一孤舟 いっそうの小舟。【訳】ふたたび裴郎中が吉州に左遷されてゆくのを見送る詩。夕暮れ川のほとりにて君は去りゆき猿は鳴く、われは寂しさたえかねて川の流れに涙する。同じ左遷の身なれども君のゆく地はまだ遠い、小舟にゆられ目指しゆく青山万里のそのかなた。
January 14, 2007
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家園瓜熟是故蕭相公所遺瓜種悽然感舊因賦此詩 劉長卿事去人亡跡自留、黄花緑蒂不勝愁。誰能更向青門外、秋草茫茫覓故侯。【韻字】留・愁・侯(平声、尤韻)。【訓読文】家園の瓜熟せり。是れ故蕭相公の遺(のこ)したまひし所の瓜の種にして、悽然として旧に感じ因つて此詩を賦す。事去り人亡くして跡自ら留まる、黄花緑蒂愁に勝(た)へず。誰か能く更に青門の外に向かつて、秋草茫茫として故侯を覓めん。【注】○蕭相公 未詳。「相公」は、宰相。○悽然 悲しい様子。又、物寂しい様子。○賦詩 詩を作る。○不勝愁 悲しみにたえられない。○向 場所を示す助字。……において。○青門 漢の召平は、もと秦の東陵侯であったが、秦の滅亡後、長安城東の青門に瓜を植えた。その味は甘美だったという。○茫茫 果てなく広がるさま。○覓 探しもとめる。○故侯 秦の東陵侯召平。暗に蕭相公を指す。【訳】家の菜園の瓜が熟した。この瓜は漢の蕭何さまが残された種で、しんみりと昔を想い作った詩。漢の時代もすでに去り、蕭何さますらもはやない、黄色い花に青いへた、見るたび昔しのばるる。いったい誰が東門のはずれの畑の草のなか、宰相さまをもとめよう。
January 9, 2007
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七里灘重送 劉長卿秋江渺渺水空波、越客孤舟欲榜歌。手折衰楊悲老大、故人零落已無多。【韻字】波・歌・多(平声、麻韻)。【訓読文】七里灘にて重ねて送る。秋江渺渺として水空しく波あり、越客孤舟榜歌せんと欲す。手衰楊を折り老大を悲しむ、故人零落して已に無きもの多し。【注】○七里灘 浙江省桐廬県の西南の厳陵山の西にあり。○渺渺 水が果てなく広がるさま。○越客 越の地方を旅する人。○孤舟 一艘の船。○榜歌 舟歌。船頭が歌う歌。○折柳 むかし漢の時代に、人が長安を旅立つとき、東の郊外の■(サンズイに「霸」。ハ)橋まで見送り、柳の枝を折ってはなむけとした。一説に、その枝をむすんで輪をつくり、輪は一周してもとに戻るところから、再び無事にもどってこられるまじないだという。別れの餞別をすること。○老大 年老いたこと。老年。○故人 古くからの友人。○零落 死ぬこと。【訳】七里灘にて再び友人の厳維を見送る詩。空しく波だつ秋の川、舟歌うたう越の旅。老いの悲しみヤナギ折り、友人すでに多くなし。
January 8, 2007
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謫仙怨 蛇浦橋下重送嚴維 劉長卿秋風颯颯鳴條、風月相和寂寥。黄葉一離一別、青山暮暮朝朝。寒江漸出高岸、古木猶依斷橋。明日行人已遠、空餘涙滴回潮。【韻字】条・寥・朝・橋・潮(平声、蕭韻)。【訓読文】蛇浦橋下にて重ねて厳維を送る。秋風颯颯として条(えだ)を鳴らし、風月相和して寂寥なり。黄葉一離一別、青山暮暮朝朝。寒江漸く高岸を出で、古木猶ほ断橋に依る。明日行人已に遠からん、空しく余(のこ)りて涙回潮に滴らん。【注】大暦十一年(七七六)秋、睦州における作。○蛇浦橋 睦州の橋の名。○厳維 字は正文。越州山陰(浙江省紹興)の人。至徳二載、江淮選補使崔渙のもとで進士となり、諸曁尉を授けられた。広徳元年より大暦五年に至るまで、浙東節度使の幕僚となり、検校金吾衛長史をつとめた。のちに越州に閑居し、十二年、河南の幕に入り、河南尉を兼任。十四年、秘書郎となり、建中元年に没した。(?……七八〇年)。○颯颯 風がサッと吹くさま。○寂寥 静かで寂しい様子。○寒江 さむざむとした川。○高岸 高く切り立った岸。○行人 旅人。厳維を指す。【訳】蛇浦橋のたもとで再び厳維を見送る。秋風さやさや枝鳴らし、風月ともに寂しげだ。色づいた葉もはらと散り、青山あさゆう静かなり。断崖抜けた秋の川、橋のたもとに古木あり。明日旅立つ君恋し、とどまる我は泣きぬれる。【参考】 答劉長卿蛇浦橋月下重送 嚴維月色今宵最明、庭閑夜久天清。寂寞(一作愁盡)多年老(一作左)宦、慇懃遠別深情。溪臨修竹煙色、風落高梧雨聲。耿耿相看不寐、遙聞曉柝山城。
January 5, 2007
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謫仙怨 答秦徴君徐少府春日見集■(クサカンムリのしたに「召」。チョウ。)溪酬梁耿別後見寄六言 劉長卿清川落日初低(一作永路何極)、惆悵(一作落日)孤舟解攜。鳥去(一作向)平蕪遠近、人隨流水東西。白雲千里萬里、明月前溪後溪。獨恨(一作惆悵)長沙謫去、江潭春(一作芳)草萋萋。【韻字】携・西・渓・萋(平声、斉韻)。【訓読文】謫仙怨 秦徴君・徐少府の春日■(チョウ)渓に集はるるに答へ、梁耿の別後寄せらるるに酬ふ。六言 劉長卿清川落日初めて低れ(一に「永路何ぞ極まらん」に作る)、惆悵す(一に「落日」に作る)孤舟携へしを解くを。鳥平蕪を去つて(一作向)遠近、人流水に隋つて東西。白雲千里万里、明月前渓後渓。独り恨む(一に「惆悵す」に作る)長沙に謫去せられしを、江潭春(一に「芳」に作る)草萋萋たり。【注】睦州(浙江省建徳県)司馬の任にあった時分の作。○秦徴君 秦系。字は公緒。越州会稽の人。天宝中、京に赴き挙に応ずるも第せず、天宝末、乱を避け越に帰り、隠居した。貞元七年、徐泗豪節度使の張建封の従事、検校秘書省校書郎となった。張建封の没後、呉の茅山に住した。○徐少府 劉長卿の友人らしいが、未詳。「少府」は、県尉。県令の補佐官。○■(クサカンムリのしたに「召」。チョウ。)渓 東■(チョウ)渓と西■(チョウ)渓があり、浙江省湖州市で合流して太湖に注ぐ。○梁耿 劉長卿の友人らしいが、未詳。○惆悵 恨み嘆くさま。○解携 つないでいた手を放して別れる。○平蕪 雑草の茂った野原。○前渓 武康県(浙江省呉興県の南)の西にある渓谷。○後渓 武康県の東北にある渓谷。○長沙 湖南省長沙市。 【訳】秦徴君・徐少府の二人が、ある春の日に■(チョウ)渓に集まってくれた厚意に答え、また梁耿が別れて後に贈ってくれた詩に答えた詩。川に夕陽は傾きて、船にのらんと手を分かつ。鳥もねぐらへ帰るころ、東と西にわかれゆく。遠くに飛ぶは白き雲、渓谷照らす月明かり。長沙へ左遷うらめしや、草のみ茂る川っぷち。【参考】 謫仙怨(集作律詩,題云■(チョウ)溪酬梁耿別後見寄。) 劉長卿晴川落日初低、惆悵孤舟解攜。鳥向平蕪遠近、人隨流水東西。 白雲千里萬里、明月前溪後溪。獨恨長沙謫去、江潭春草萋萋。
January 4, 2007
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送陸■(サンズイに「豐」。レイ)還呉中(一作李嘉祐詩) 劉長卿瓜歩寒潮送客、楊柳(一作花)暮雨沾衣。故山南望何處、秋草連天獨歸。【韻字】衣・帰(平声、微韻)。【訓読文】陸■の呉中に還るを送る。瓜歩寒潮客を送れば、楊柳暮雨衣を沾す。故山南のかた何れの処にか望まん、秋草天に連なつて独り帰る。【注】○陸■ 劉長卿の友人らしいが、未詳。○呉中 江蘇省の蘇州を中心とする太湖平原一帯。○瓜歩 瓜歩江。江蘇省揚州市の南の瓜洲鎮付近の長江。○寒潮 秋冬の冷たい潮流。○客 旅人。○楊柳 ヤナギ。○故山 故郷。【訳】陸■(レイ)が呉に帰るのを見送る詩。瓜歩にて君を見送れば川の流れも寒々し、土手の柳もさびしげに衣をぬらす暮れの雨。君のふるさと南方のいずれのあたりか今みえず、秋の草のみ遠くまで続くかなたに帰りゆく。【参考】『才調集』巻八に李嘉祐の作として収める。 送陸■(サンズイに「豐」。レイ)還呉中(一作劉長卿詩) 李嘉祐瓜歩寒潮送客、楊花暮雨霑衣。故郷南望何處、春水連天獨歸。
January 3, 2007
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發越州赴潤州使院留別鮑侍御 劉長卿對水看山別離、孤舟日暮行遲。江南江北春草、獨向金陵去時。【韻字】離・遅・時(平声、支韻)。【訓読文】越州を発し潤州の使院に赴かんとして鮑侍御に留別す。水に対し山を看て別離すれば、孤舟日暮行くこと遅し。江南江北春の草、独り金陵に向かつて去る時。【注】大暦五年(七七〇)暮春越州にての作。○越州 浙江省紹興市。○潤州 江蘇省鎮江市。○使院 浙東節度使の役所。○留別 旅立つ者があとに残る者に別れを告げる。離別の情を詩に託して別れる。○鮑侍御 未詳。「侍御」は、官吏の違法を糾弾したり、宮中の文書を掌る官。○孤舟 ただ一艘のふね。○江南 長江中下流域の南岸地域。○江北 長江下流の北岸地域。○金陵 ここでは潤州をさす。【訳】越州から潤州の節度使の役所に赴任するにあたり、鮑侍御に別れを告げる詩。川をば前に山眺め君に別れるさびしさよ、後ろ髪をば引かれつつ夕暮れ一人船に乗る。長江両岸草萌えて、金陵目指しいざ行かん。
January 1, 2007
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