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「ブリキの迷宮」 ★★★☆☆<内容> 今も現役の建築家フランク・ゲーリーの仕事ぶりを取材。 彼の設計した家に住む役者(故)デニス・ホッパーや、彼の設計した演奏会用ホールで指揮するエサペッカ・サロネンなどもインタビューに応える。 故シドニー・ポラック監督によるドキュメンタリー映画 <感想> いい映画だけれども、なんか無難すぎるような気がした。三つ星。 彼のような偉大な人物に関するドキュメンタリーを作るのって、建築物の映像をとことん映すだけで視聴者を感動させられるわけだし、実は簡単(?)。それ以上踏み込んでほしかったよーな。 例えば、カナダ系ユダヤ人として生まれたものの「普通の」名前に改名した、というくだりや、いろんな批判にさらされてきたにもかかわらず、いちいちめげずに前進していくその原動力とか。ちらりとは紹介してたけれど、もっと突っ込んでいただきたかった。あそこまで成功してる一流の人なのだから、ほんとはかなり苦労してるはず。 ちなみに、アメリカに住んでると彼の建築作品を実際に目にすることも多々あるけれど、彼の最も代表的な建築物といえば、おそらくスペインのビルバオにあるグッゲンハイム美術館ではないかと。 いつか行ってみたい。(と思い焦がれてもう十年……)
Jun 30, 2010
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五月末から六月にかけ、こちらアメリカでは卒業式の季節でした。 学生さんらは、九月からの新年度を前に、長い夏休みに突入したり研修生としてバイトに励んだり。あるいは社会に巣立っていったり、放浪の旅に出たり。 僕の周りでも、老若男女問わず何人かの友だちが高校、大学、大学院などを卒業していきました。軽くお祝いしたりなんかもして。 毎年思うのだけれど、アメリカって、「卒業に関する定番音楽」があんまりないように思います。エルガー「威風堂々」のサビとかぐらい? 別に親や先生への感謝とかを歌にするというよりかは、自分の達成したことを誇らしく思いつつ、帽子を天高く放り投げて、はいオシマイ、みたいな。 ニッポン人といたしましては、なんかモノ足りない……。 子どもの頃(昭和)、ピアノもろくに弾けないくせして、「巣立ちの歌」(岩河三郎)のピアノ伴奏の座をめぐって学級の女子と激しく闘ったことがありました。あっさり敗北に終わりましたが、懐かしく思い出されます。 Es durだったなー、あの曲。←なぜか覚えてる
Jun 27, 2010
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今日は久しぶりに結婚式で演奏しました(バイトで)。Vn クリス、Va 僕、Vc アギーという面子で弦楽三重奏。 ひとさまの幸せのためならどんな曲でも弾いて差し上げるべき。これ、鉄則ではあるけれど、バイオリンのクリス氏ってば、あまりにも無謀な曲ばかり選択なさる。 定番のバロックももちろん弾いたのですが、リスト「愛の夢3番」だのドビュッシー「月の光」だの、さらにはエルガーのエニグマ(謎)変奏「ニムロッド」まで弾いちゃいました。寿命が激しく縮まりました。←弦楽三重奏で弾くなんて無理だっつーの あと、新郎新婦のご希望で非クラシック音楽もいっぱい弾きました。 コールドプレイ「Viva La Vida 美しき生命」 バーブ Verve「Bitter Sweet Symphony」 スティング「Every Breath You Take 見つめていたい」 アームストロング「What A Wonderful World この素晴らしき世界」 オペラ座の怪人より「All I Ask of You」 ウェストサイド物語より「One Hand, One Heart ひとつの手、ひとつの心」(初婚で20代の新婦さん、息を呑むほどにお美しかった。ちなみに新郎(50代)は四度めの結婚式なんだそうで、どーりで慣れていらっしゃる……。)
Jun 26, 2010
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「家族ゲーム」 ★☆☆☆☆ 今日観た映画はイマイチ。一つ星。 どうやら日本でも現在公開ちゅう<内容> 一見幸せそうな家族。しかし仕事で多額の借金を抱える夫。 妻や子どもらの理解も虚しく、結果的には離婚、そして自殺?<感想> こうゆうドラマを好きな人も多いのかもしれないけど、僕は苦手。何が言いたいんだかよくわからず。 おフランスものなので、別に起承転結がないのは仕方ないにせよ、後半、次々と新たな主要人物が登場してきて激しく混乱してしまった。韓国人とかロシア人とか隠し子とか。
Jun 19, 2010
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「西部戦線異状アリ」 今日のニューヨークは快晴。(唯一ウザったかったことと言えば、オレンジ色のオランダ人軍団が、朝っぱらから「W杯でニッポンに勝った」だのなんだのとタイムズスクエアのあたりを乱舞してたことぐらい) ブロードウェイで音楽劇「ウェストサイド物語」を観劇した。 原作のロメジュリもそうだけど、チョー哀しい物語。基本的にはチンピラさんたちのどんちゃん騒ぎ。でも、移民の苦悩がきちんと描かれて、かなり重い。やっぱ移民って辛いんだよなー、と同感しながら観た。←オレも移民なわけだし 役者さんたちの歌も踊りも良かった。 そしてなんと言ってもレナード・バーンスタインの音楽が秀逸。変拍子っぽいリズム、ぶつかりまくる和声、効果音。お見事! レニー様ってば指揮者という印象が強いけれども、もっといっぱい作曲していただきたかった。「ウェストサイド」は、世にゴマンとあるミュージカルのなかで音楽的にはおそらく一番複雑にできてる。一幕最後、五つの団体が並行して別々の合唱を絡めるとこなんて、難しすぎて聴いてて失神しかけてしまった。 オケは(ミュージカルにしては)かなり編成が大きいように思えた。ピットに入りきらない打楽器軍は舞台両脇上のボックス席に陣取っており。 が、あれほどフルオケなのにビオラパートが存在してないのはいただけない。弦はバイオリンとチェロとコントラバスのみ。これってびよら冗句? それともミュージカル用のオケってそんなもんなんだろか。 あと、細かいところ。映画では、最終場面で確か両派閥がさりげなく和解してたように記憶してるのだけれど、ミュージカル版ではそのへんは全く描かれてなかった。 ってゆーか、誰がいつどのように死ぬのか、そもそも主演のマリアは死ぬのか死なないのか、自分でもよくわかってなくて、今回やっと判明してスッキリ。
Jun 19, 2010
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二週間ほど前、ラベルの弦楽四重奏曲に挑む機会がありました。 ほんとは全部の楽章を練習する予定だったのですが、ファーストを弾く僕がどうしても間に合わず、泣く泣く前日に三くだり半のメールを送り付け、1、2楽章だけにしてほしいと懇願しました。 これってほんとは反則。ずーと前から曲目を決め、当日までに各自せっせとさらってくるという前提のもとで集うメンツの場合、前日になって「やっぱ全楽章はムリ」と言い放つなんて、信頼を失います。こうゆうことばかりやってると今後お呼びがかからなくなるのでヤバいのです。反省ちゅう。 ちなみにラベルの終楽章を断念せざるをえなかった理由のひとつ、曲がなんと五拍子であるという点。どーも感じがつかめません。弾けるようになる日は来るんでしょうか。 五拍子の曲って、ラベルほか近現代の作曲家の場合だと結構あるんでしょうけど、19世紀以前のクラシックで、完ペキな五拍子音楽って言ったら、おそらくチャイコ悲愴交響曲2楽章ぐらいしかないんじゃないかと思います。 ジャズやポップスでも、そんなに多くは思い浮かびません。 Take Five Seven Days(←スティングの名曲!) Mission: Impossibleの主題曲 ビートルズの曲に部分的に五拍子の曲があったよーな気もします。***** 五拍子の曲を演奏する場合の攻略法のひとつに、五音節の単語をボソボソ口ずさみながら数える、というのが(たぶん)あります。日本語だと、イケブクロとかワダアキコとか。 だいたい2+3あるいは3+2のどちらかに分解できます。比率としては3+2のほうが多いかも。そうゆうときは、ワダアキコではなくアキコワダと口ずさむのコツ。 で、英語の場合。 僕の周りには、(ミッション・インポッシブルの曲が五拍子ということもあって)Mission Impossibleという語を五音節で唱えながら五拍子の曲を弾くことを提唱してる人がいます。
Jun 15, 2010
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「唄ぢから」 ★★★☆☆(三つ星) 五年前のスウェーデン映画。日本ではすぐさま公開されたらしいけど、こちら米国では劇場非公開。今ごろになってやっとDVD化。 こうゆう地味でわかりにくくてハッピーエンディングぢゃない映画、そりゃ米国人には絶対ウけないと思われ。 米アカデミー賞外国語映画の候補作品<内容> 世界的に有名な指揮者が、体調を崩してしまい、スウェーデンの故郷の村に何十年ぶりかで帰郷する。ひょんなことから地元の村民合唱団を指導することになり、ひとクセもふたクセもある団員たちと交流し始める。 のどかな田舎だからこそ濃い人間関係や嫉妬、見栄が見え隠れ。<感想> 長い映画だし、余計と思われる場面も多々あったので三つ星どまり。でも面白かった。 愛と感動のお泪ちょーだい映画にすることもできたはずなのに、ちょっとハズした喜劇風味がピリリと効いてて、そこが良かった。例えるなら、三谷幸喜の脚本のような書きかたがされてる。←舞台的な役者間のマのとりかたとか 指揮者である主人公が言う。歌を唄うには、実は指揮者なんか不要で、互いの声に耳をすまして、自分にとっての最良の発声法を探しなさい。 このあたり、映画で最も軸となってる部分かと。追記: この作品の邦題を見て思い出した。以前に、安田成美、由紀さおり、小林薫らの主演で「歓喜の歌」だかという映画があった。実は気に入ってる(特に配役が)。
Jun 12, 2010
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素朴な疑問。 多少なりともオーケストラで演奏したことのある人のなかで、ヨハン・シュトラウスを演奏するのが好きな人ってどのぐらいいるんでしょうか。僕はリヒャルトは好きなのだけど、はっきり言ってヨハンは嫌い。ウィンナワルツの魅力もよくわかんないし、どーせ踊れないし。←ひがみ 舞曲だったらむしろジプシー系とかスラブ系のほうを好みます。 何がイヤって、ヨハン様のワルツってば、我々セカンドやビオラはひたすら裏打ち。 旋律を担当するファーストや木管ソロだって気が抜けません。ダルセーニョだのダカーポだのが二重にも三重にも織り込まれてたりして、どこにどう飛ぶのかオロオロするばかり。慣れればそんなにややこしくない、と言う人もいるけど、譜めくりもタイヘン。 先日はせっかくウィーンの路地裏を彷徨ったりドナウ川沿いをジョギングしてきたりしたけれど、別にJシュトラウス教に洗脳されることはなく、さくっと帰国したのでありました。
Jun 10, 2010
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「Excuse my French...」 今日のカルテット練習、後半はラベルのカルテットに一年半ぶりに再挑戦。←相変わらず無謀な僕ら(Vn1 僕、Vn2 ピーター、Va ジュディ、Vc ジャン) この曲、1楽章と2楽章に限って言えば、冷静に取り組めば決して難しい曲ではないような気もする。ただ、和声だの音階だのリズムに惑わされ、必要以上に難しく感じられるだけのハナシ。みんなでいちいち「あー、こんちくしょー」とか自身を罵りながら練習した。 いらつく最大の原因は、楽想表示がこちゃこちゃとフランス語で散りばめられてること。悔しいことにフランス語わかんないし、かと言って調べるのも面倒。なんか目障りだし、とりあえずマル無視するってのもありか(笑)。 ま、実のところ、ビオラのジュディさんってばフランス語が堪能。今日の練習では彼女に細かく解説してもらいながら、少しずつ曲を攻略していった。頑張って解読しても、実はたいしたこと書いてなかったりして苦笑したりもした。 今日練習したのは1楽章と2楽章だけだったけれども、それなりに心地よい疲労感。 後半の楽章もいつか弾いてみたいと思うものの、現実的には、正直言って今後の人生でそうゆう機会はないとも思う。やっぱ僕らには難しすぎ……。
Jun 6, 2010
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「Haydn, Go seek」 今日はカルテットの練習日。前半はハイドン。Vn1 ピーター、Vn2 僕、Va ジュディ、Vc ジャン。 全然有名な曲ぢゃないけど、作品33の5。 第1楽章が非常に面白かった。どうやら、How Do You Do? だかという愛称のついてる曲らしい。予断を許さぬ展開にドキドキワクワク。 2楽章ラルゴは短調。セカンドのパート譜を見た瞬間にビビビッと来た。先の1楽章もかっこよかったことだし、名曲な予感。メンデルスゾーンのカルテットの緩徐楽章的な珠玉の一品が期待できそう。 が、実際に音にしてみると、楽器間の均衡感にやや欠ける。 3楽章スケルツォも奇妙。弾きながら四人で顔を見合わせて「なんじゃこりゃ?」。字余り的な強引なフレーズ展開に苦笑する。 4楽章は変奏曲。おいらセカンドを除いては激しく盛り上がる。この音型はいわゆるシチリアーノってやつかもしれず、音楽学的には重要な位置を占める楽曲だったりして。 結論。1楽章は素晴らしい。後の楽章に行くにつれ衰退していく。ま、今後二度と弾くことはないと思われ。<追記> ところで、多産系作曲家ハイドンを語るうえで、こちら英語圏の音楽家らが好む駄洒落、「ハイドン、Go seek」。←かくれんぼ Hide & (Go) seekにかけてる この曲がいい例かと思う。ハイドンの楽曲は、決して受け身ではなく、一つひとつせっせと弾いてみて自分好みの曲を探し求めていく(Go seek)しかないわけで。 エステルハーザ宮殿(ハンガリー、フェルテード) ↑先月、欧州でハイドンゆかりの地を訪ねまくってきました。
Jun 6, 2010
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「完成! ドリームハウス」 ★★★☆☆(3つ星) 借りっぱなしになってたDVD、いい加減返却しないといけないので、適当に家事をこなしながら大慌てで観た。 結果的に大失敗。この映画って、予習復習含めてじっくり鑑賞すべきほどの、とっても奥深い優秀ドキュメンタリーらしい。予備知識に乏しい自分としては、申し訳ないけれどもあんまし堪能できなかった。よって三つ星どまり。 日本未公開<内容> 近代建築を対象に撮り続けたカリスマ写真家ジュリウス・シュルマンの仕事ぶりを追う。 写真家にもいろいろあるものの、氏はあくまで建築物にこだわる。ロスアンジェリス郊外にある邸宅らを何十年にも渡って撮り続けた彼は、一流の建築家からも多大なる信頼を得る。 優れた建築は、きちんと写真に残してこそ完成する。そしてその写真は視覚的な音響効果を醸しうるものでなければいけない(visual acoustics)。彼のその哲学は、不動産業、都市計画事業関係者にも影響を与えることとなる。 語りはDustin Hoffman。Frank O. Gehry、Tom Fordなど各界の著名人のインタビュー映像も流れる。<感想> 建築や写真に興味のある人にとってはヨダレ大放出の映画のはず。このジュリアス・シュールマン氏って一部ではチョー有名人らしいし。 ってゆーか、20世紀半ば、ニッポンが終戦後ひぃひぃ言ってた頃、アメリカ西海岸の富裕層さまたちってば、思いっきりオシャレで近代的な家を建てまくってたわけで。 僕自身、アメリカに住むようになるまで、建築のことは興味持ってなかったし、そもそも、Frank O. Gehry、Frank Lloyd Wright、Andrew Lloyd Webber(笑)の違いすらよくわかってなかったけれど、最近公私にわたりいろんな建築家の人と接する機会があって、このテのドキュメンタリーはやっぱり観ておかないとと思ってた。 素人にやさしい映画づくりをしてくれてないし、観ててかなり難しかったものの、このDVD、やっぱり借りて良かったと思う。富裕層さまのお住まいになる住宅なんてどーせ縁はないけど、こうゆうドキュメンタリーを観ておのれの感性を磨くのも大切。決してひがむだけぢゃなく。
Jun 5, 2010
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